BtoB向けのオウンドメディアを作るメリットとデメリットとは?

株式会社ラクティブ
監修者
株式会社ラクティブ 代表取締役 村木薫
最終更新日:2023年11月15日
BtoB向けのオウンドメディアを作るメリットとデメリットとは?
この記事で解決できるお悩み
  • オウンドメディア導入後の失敗を防ぐには?
  • 知識に自信がなくても運用できる?
  • 導入方法や参考になる成功事例を知りたい

「自社製品の知名度を上げたい」「ブランディング戦略で他社と差別化したい」とお考えの方必見。

オウンドメディアを導入することで、リード数や知名度の改善ができます。効果を得るためには的確な運用知識を身に付けましょう。

この記事ではBtoB企業におけるオウンドメディアの導入効果や成功事例、運用のポイントを解説します。

記事を読み終える頃には、ユーザーの興味を引く運営方法がわかります。マーケティング効果を高めたい方は、ぜひ参考にしてください。

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BtoBオウンドメディアの導入メリット4選

BtoBオウンドメディアを導入することで、企業が得られるメリットは以下の4つです。

  • 競合相手が少なく他社との差を作れる
  • マーケティングの幅を広げられる
  • 自社のブランディング戦略に活用できる
  • リード獲得が効率的にできる

競合相手が少なく他社との差を作れる

BtoB業界におけるオウンドメディア運用は、BtoC業界に比べて競合相手が少ないため他社と差別化しやすいです。

BtoB企業の商品やサービスはBtoCより専門性が高く、Web戦略に力を入れることが難しいといえます。近年ではインターネットでの情報収集が主流になり、Webマーケティングによりサービス認知度が向上しやすい環境になりました。

自社製品の受注につながるコンテンツを充実させることで、顧客獲得の点で競合他社よりも優位に立てるでしょう。

マーケティングの幅を広げられる

オウンドメディアの導入により、マーケティングの幅が大きく広がります。導入することで業界誌や対面営業などの手法に加え、WebサイトやSNSを活用した効率的なアプローチが可能です。

Web上であれば、多くの顧客に対して手間をかけずに情報提供できるため、自社製品やサービスをじっくりと検討してもらうことができます。マーケティングをWeb領域に拡大することで、新たなターゲット層の獲得にもつながるでしょう。

自社のブランディング戦略に活用できる

オウンドメディアを運営することで、自社ブランディングの強化につながります。オウンドメディアは通常の公式サイトとは異なり、量や内容の制限を受けずに情報を発信できます。

製品の評判や口コミを載せたり、自社保有の技術を発信したりすることで、顧客に対して自社の信頼性をアピールするのに効果的です。

高品質で独自性のある宣伝媒体を持つことで、多くの注目が集まるため、認知度アップが期待できるでしょう。

リード獲得が効率的にできる

オウンドメディアを運用することで、効率的に見込み客の獲得ができます。検索エンジンでの上位獲得を施策するSEO対策により、ターゲット層へはたらきかけることが可能です。

対面営業やチラシ配布では、短時間で限られた情報しか相手に伝えられません。オウンドメディアは、ターゲットが都合のいい時間に興味のある情報を読み込んでもらえるため、深い情報を提供できます。

事前に自社製品やサービスを認知してもらうことで、商談の時間を有意義にすることも可能です。

BtoBオウンドメディア導入デメリット3選

BtoBオウンドメディアは導入のデメリットを把握することで、思わぬ失敗を回避することができます。

  • 成果が出るまで時間がかかる
  • 継続的な運営が必要になる
  • さまざまなノウハウが求められる

成果が出るまで時間がかかる

オウンドメディアのコンテンツを検索上位に反映させるには、3カ月〜半年以上かかります。立ち上げた段階では知名度がなく、訪問数が得られないため、人目に触れる機会を作る工夫が必要です。

SNSや広告媒体で告知するなど、検索数を上げるためにオウンドメディアを宣伝する作業が増えます。コンテンツを周知させてから目的達成までに長い時間がかかるため、長期的な投資を前提とした準備が大切です。

継続的な運営が必要になる

オウンドメディアは継続的に更新する必要があり、作業の人件費がかかります。ユーザーに評価されるには、ニーズを分析しながら更新しなければなりません。伸び悩んだからといって途中で方針変更したり運営をやめたりすると、十分な顧客獲得ができずに終わるでしょう。

立ち上げ段階でコンテンツの運用体制を整え、目的から逆算して計画することが大切です。

さまざまなノウハウが求められる

オウンドメディアで効果的に集客するには、SEO対策やライティング技術、SNS運用などの多角的なマーケティング知識が必要です。

BtoC業界よりもサービスや製品の専門性が高く、ターゲット層の専門家や企業担当者に向けた高度な情報を提供しなければなりません。自社で専門スキルを持つ人材を育成したり、外部のコンサル会社へ外注する工夫が必要です。

制作を外注する場合でも、コンテンツの方針を企画できるスキルやIT技術が求められるため、運用に携われる人が限定されます。

BtoBオウンドメディアの4つの導入ステップ

正しい導入手順を確認し、方向性が崩れるのを防ぎましょう。ターゲットユーザーを細かく選定し、目的達成に適したコンテンツを念入りに計画することが重要です。

  1. 運営目的とゴールを明確にする
  2. ターゲットを選定し、テーマを決める
  3. 「導線」を意識してカスタマージャーニーマップを作成する
  4. CMSを準備してコンテンツを制作する

上記の失敗を防ぐためには、ターゲットユーザーを細かく選定し、目的達成に適したコンテンツを念入りに計画することが重要となります。失敗を防止するために正しい導入手順を確認しましょう。

1. 運営目的とゴールを明確にする

コンテンツの方針を崩さないよう、メディアを立ち上げる目的とゴール(KPI)を必ず明確にしましょう。目的によりコンテンツの方向性は異なります。

「企業の認知拡大」「ブランディングの強化」「独自活動の周知」など最終目標を決めた後、逆算して目標を決めましょう。

目標には1カ月あたりの閲覧数や問い合わせ数、購入数などの「数値」を定めて、コンテンツ改善に活用することをおすすめします。決めた目標とゴールを達成できるように、コンテンツの大まかな方向性を計画しましょう。

2. ターゲットを選定し、テーマを決める

ゴールを明確化させた後、誰に何に関する情報を届けたいのか想定し、ターゲットを選定します。BtoB業界の場合は「立場上で必要な情報」を考慮して、細かくペルソナを設定することが成功のポイントです。

ペルソナ設定にあわせて、検索されそうなキーワードの想定を行うことで、コンテンツの作成指針が定まりやすくなります。必ずコンセプトを確定させた状態で、コンテンツのカテゴリーを考案しましょう。

3. 「導線」を意識してカスタマージャーニーマップを作成する

方向性を確定させたら、運用するコンテンツの構成を計画します。魅力的なコンテンツを作るには、ターゲットの「導線」を意識することが重要です。「カスタマージャーニーマップ」を用いることで、導線を明確にできます。

カスタマージャーニーマップとは、顧客の「思考」「感情」「行動」を可視化させた図です。項目例は以下のとおりです。

  • 抱えている課題
  • 検索が予想されるキーワード
  • アクセスした記事への反応
  • 他候補を比較
  • 購入への決断
  • 最終的な行動

上記のように動作を予測して、ターゲットのタイミングにあわせて情報を提供できる構成を考案します。ターゲットに寄り添えるデザインも定めましょう。

4. CMSを準備してコンテンツを制作する

細かく選定したテーマや構成案をもとに、コンテンツを実際に制作します。制作には、少ない手間と最低限の知識で管理・運用できる「CMS」を利用するのがおすすめです。CMSは「WordPress」「Shopify」などが代表例として挙げられます。

それぞれ独自のサービスや得意とする制作ジャンルが異なるため、目標やターゲット層を考慮し自社の方向性に最適なCMSを選択しましょう。

BtoBオウンドメディアの成功事例7選

BtoB企業でオウンドメディア運営を成功させた事例を紹介します。成功例に共通している点は、コンテンツの更新はもちろんのこと、ターゲットの視点を強く意識していることです。導入効果やコンテンツデザインを運営の参考にしましょう。

1. freee株式会社「経営ハッカー」

freee株式会社は大企業から個人事業主まで、幅広い層に訴えかけるコンテンツを掲載しています。「クラウド会計ソフト freee」が主なサービスとして有名です。

オウンドメディアの「経営ハッカー」は経理や確定申告などの会計全般の知識をわかりやすく解説しており、基礎的な情報が知りたいユーザーを、見込み顧客として取り込んでいます。

カテゴリーが「経理・決算知識」「給与・労働知識」にわけられ、さらに「確定申告」「経費」と細かく分類されていることで、目的の記事を探しやすい点が好評です。起業や独立に限定せず、多彩なニーズに対応したメディアを構築することで、多くの顧客を獲得しました。

2. 株式会社ワークスメディア「WORKSTORY media」

WORKSTORY media」はオフィスビルに関するコンサルティングおよび仲介業務を行う株式会社ワークスメディアが運営しているオウンドメディアです。

オフィスの移転を検討する経営者向けに、オフィス関係の知識や仕事術などの「働く環境」に関する情報を幅広く発信しています。

コンテンツは「新しいオフィスの特徴」から「移転の方法」までステップごとに解説しており、移転未経験者に寄り添っていることが特徴です。ターゲットをレンタルオフィスを扱うサイトへ誘導する導線を作り、多くの顧客を取り込んでいます。

3. 株式会社サイバーエージェント「CyberAgentWay」

CyberAgentWay」は株式会社サイバーエージェントが運営する独自サービスの情報を提供しているオウンドメディアです。非常にシンプルで使いやすいサイト構成が特徴で、カテゴリ別で関心のある記事をすぐに調べられるわかりやすさが人気を集めています。

インターネット広告事業に長けているサイバーエージェントは、オウンドメディアを通じたサービス認知度の向上を先進的に導入した企業です。多くのターゲットが今後の成長や取り組みを期待しています。

4. 株式会社リクルートホールディングス「Inside Out」

Inside Out」は求人事業を営む株式会社リクルートホールディングスが発信するコーポレートブログです。サービス、企業文化や多様性を意識した活動などを積極的に発信しています。自社サービスを信頼感の強いニュース記事のように詳しく説明している点が特徴的です。

インタビュー記事やテクノロジーの実績を詳しく公表することで、ターゲットから強い関心を引き寄せています。

5. コクヨ株式会社「WORKSIGHT」

文房具や家具を展開するコクヨ株式会社のオウンドメディア「WORKSIGHT」は「働く環境」を考えるコンテンツを発信しています。Web上だけでなく、紙媒体やイベントなどで多角的に発信を行っており、さまざまな層へアプローチしている点が特徴です。

具体的な課題を抱えている担当者に対して「新たな気づき」を与える内容を中心としたコンテンツであり、ターゲットの満足度が高いといえます。

6. 株式会社キーエンス「マーキング学習塾」

「株式会社キーエンス」はものづくりの進化を掲げ、レーザー・センサー・測定器などを開発している企業です。 オウンドメディアの「マーキング学習塾」では、ものづくりの基礎知識から活用ノウハウなど製品導入に向けて知っておくべき情報を展開しています。

検索で解消しにくいような疑問点にも的確に答えており、導入検討期間を有効活用できる工夫が施されている点が特徴です

7. 東海バネ工業株式会社「ばね探訪」

ばね探訪」は、金属ばねの設計・製造・販売を行う東海バネ工業株式会社のオウンドメディアです。「ばね」に関する情報の専門性が高く、メーカーの部品担当者や専門家に重宝されています。

自社の製品を深掘りする内容ではなく、取引先における製品活用や製品に対する取り組みを発信していることが特徴です。顧客視点に立って悩みに深く寄り添うコンテンツ展開を行い、顧客満足度を向上させています。

BtoBオウンドメディアを成功させるポイント4選

BtoBオウンドメディアを成功させるポイントは以下の4つです。コンスタントに情報発信できるように専用チームを編成して、更新や改善を積極的に行うことが成功のカギとなります。

以下で具体的に意識するポイントを確認しましょう。

  • アクセス獲得に重点を置く
  • 十分なリソースを用意する
  • データを分析して改善を繰り返す
  • オウンドメディアの制作代行サービスを活用する

アクセス獲得に重点を置く

オウンドメディアでマーケティングを成功させるには、アクセスの獲得数が重要です。高品質なコンテンツに仕上げても、肝心のアクセス数を獲得できなければ導入の意味がありません。

SEO対策を施すことや、SNSやホームページと連携するなどの工夫を行い、顧客をコンテンツに誘導しましょう。ターゲット層がよく利用するSNSや広告媒体を利用することで集客効果を見込めます。

十分なリソースを用意する

運営には知見のある人材の確保や資金の準備など、十分なリソースが必要です。コンテンツの更新だけではなく、アクセス数やターゲットの反応の分析が運営の基盤となります。

社員がメイン業務と並行して更新するのではなく、専門部署で徹底的に運用を行う意識を持たないと継続的な運営が困難です。

ITやマーケティング分野に精通した人材を集めたチームを構成し、コンテンツを確実に持続できるようにしましょう。

データを分析して改善を繰り返す

オウンドメディアの運用には「評価・改善」に重点を置いたPDCAサイクルが大切です。計画当初に定めた数値目標と現状を比較し、コンテンツの内容がターゲットのニーズとズレていないか確認しましょう。

アクセス反応を確認しながら導線を細かく改良することで、ターゲットから好評を得るコンテンツへと徐々に仕上がります。地道な作業ですが、積み重ねることで大きな効果を期待できます。

オウンドメディアの制作代行サービスを活用する

オウンドメディアの制作と運用にはマーケティング知識やIT技術が必要になるため、自社内で人材を集めて運用体制を整えるには時間と手間がかかります。効率よくオウンドメディアを導入するには、代行会社への依頼がおすすめです。

BtoB向けのサービスに特化した会社であれば、企画段階からていねいにサポートしてくれるため、自社に適したコンテンツの制作がスムーズに行えます。

制作代行会社の選び方は?

自社に最適な制作代行会社を選ぶためには、BtoBオウンドメディアの制作実績の有無とコンサルサポートの充実性を確認しましょう。経験豊富な代行会社に依頼することで、運用体制を整えつつ満足度の高いコンテンツを制作できます。

制作会社のホームページで、自社の営業ジャンルや目的に近い企業のサポート実績があるかチェックしましょう。

まとめ

BtoBオウンドメディアは自社ブランディングに活用できマーケティングの幅も広げられます。成果が出るまでに時間がかかるため継続的な運用が必要となりますが、成功すれば大幅な利益を得られるでしょう。

成功させるポイントは、アクセス獲得に重点を置くこと、十分なリソースを用意することなどです。

オウンドメディアの知識がなく、運用に不安を感じる場合、代行業者への依頼をおすすめします。比較ビズは、多数の集客・営業代行業者から自社に最適な業者を探せる無料の比較サイトです。

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監修者のコメント
株式会社ラクティブ
代表取締役 村木薫

趣味は筋トレ。週3回のジム通いで汗を流す。大手外資広告代理店でウェブメディアのプロデューサーを経て複数のテレビ局でウェブサイト構築のPMを担当する。その後株式会社ラクティブの代表取締役に就任。出版社など様々な企業に対して、オンラインメディアの構築やコンサルティング、収益化支援を行い、メディア運用開始から1年で100万PVを超えるサイトを複数立ち上げるなどの実績を持つ。現在は中小企業を中心にWEBマーケティングを支援。

btob向けオウンドメディアは、広告費をかけずと自社サイトへ訪問してくれるということが大きなメリットではないでしょうか。

たとえば毎月10件の申し込みをWebサイトから獲得したいと考え、申し込みをしてくれる人の割合が1000人に一人のWebサイトとした場合、目標達成には毎月1万人の訪問が必要となりますが、広告費だけで実現させるには、ある程度の予算が必要となります。

毎月1万人が訪問するオウンドメディアは多々ありますので、Webマーケティングの観点における集客方法としては非常に現実的な手法となります。 ただしオウンドメディアによる集客は、広告配信での集客に比べ時間を要します。

そのため年間の売上目標に対し、どの時期にどのくらいの訪問者数を獲得するのかといったプランの作成には、広告とオウンドメディアの予算投下をバランスよく組み合わせることが重要になります。

また、オウンドメディアは定期的な現状分析、効果測定、次のアクションプランの企画立案、実施が非常に重要ですが、オウンドメディアの運用で手いっぱいなケースもよくありますので、そのあたりを外注化を検討する事もオススメです。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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