Web案件の受注率を高める営業手法とは？Web制作会社とフリーランス向けの方法を紹介

Web制作会社向けの営業手法6選

スマートフォンの普及や市場競争の激化により、企業は新規顧客と接点を持ちづらい状況になりました。安定して収益を確保するため、既存顧客を含めて案件の受注率を高めなければなりません。

Web制作会社向けに、案件受注率向上につながる6つの営業手法を以下にまとめました。

複数の方法を組み合わせると、案件の受注率がより高まります。

1. テレアポ

テレアポのメリットは、費用をかけずに多くの見込み顧客へ営業をかけられる点です。電話番号を把握できれば、ホームページ制作やECサイト構築など、自社の得意分野に関するWeb案件の発注先を探していないか、ヒアリングできます。

コストをかけずに営業をできますが、営業電話にネガティブなイメージが定着しており、営業先に好印象を持たせるのは難しいでしょう。

何度も電話をかけるとクレームを招く可能性もあるため、細心の注意を払わなければなりません。1つのアポイントを獲得するまでに多くの時間と手間を要するため、従業員にかかる心身の負担が大きくなります。

2. メール営業

見込み顧客へWeb案件の発注先を探していないか、メールで確認する方法となります。メール配信システムを利用することで、1度に100〜200件のメールを配信できます。

メール営業のメリットは、短時間で多くの見込み顧客へ営業をかけられる点です。顧客と直接コミュニケーションを交わさないため、従業員にかかるストレスも抑えられます。

デメリットは、送付したメールが必ず開封してもらえる保証がない点です。顧客がメールを読んだとしても、自社に興味を持ったかどうかがわかりません。アポイント獲得率を高めるためには、多くのメールを配信する必要があります。

3. SNSの活用

TwitterやInstagram、Facebookなど、SNSで自社の強みや事業内容に関して発信する方法となります。SNSを活用するメリットは、拡散力に優れている点です。

不特定多数の方へ効率的に情報を発信できます。多額の広告費を割く必要はありません。

専門的なスキルがなくても、文章や写真、動画などを簡単に発信でき、手間をかけずに案件の受注率向上や新規顧客獲得を実現できます。

デメリットは、投稿に不適切な表現や制作したホームページに不備があった場合、悪評がすぐに拡散されることです。イメージダウンによる多額の利益損失を避けるためにも、細心の注意を払いましょう。

4. 既存顧客からの紹介

継続的な取引がある既存顧客から新規顧客を紹介してもらう方法となります。メリットは、既存顧客から自社の強みや特徴に関して話を聞いており、高確率でWeb制作案件の受注を望める点です。継続的な案件受注や別の顧客紹介も期待できます。

既存顧客と強い信頼関係が構築されていないと、顧客の紹介は望めません。同じ顧客に何度も紹介を依頼すると相手に不信感を与えるため、避けましょう。

5. プレスリリースの配信

プレスリリースとは、企業が発表する公式文書のことです。新商品販売や新サービスの開発、新事業参入などをニュース素材としてメディアに提供します。

新聞社やPR会社、ニュースサイト運営会社など、さまざまなメディアで自社に関する情報を取り上げてもらうことで、信頼性の高い情報を多くの方へ発信できます。個人と法人、双方からWeb制作の案件依頼を望める点が魅力です。

プレスリリースを作成しても、メディアに必ず取り上げてもらえるわけではありません。報道の内容もメディア側が決めます。会社を設立して間もないベンチャー企業やスタートアップ企業に適した手法といえるでしょう。

6. オウンドメディアの活用

ブログでの記事更新やメールマガジンの配信など、オウンドメディアからの情報発信をおこなう方法となります。メリットは、顧客との関係強化を図れる点です。SNSとの相性もよく、手間をかけずに新規顧客獲得が望める点も魅力です。

自社に関する正確かつ有益な情報を発信し、顧客ロイヤリティを高めます。ロイヤリティが高い顧客は、自社サービスの利用に特別な価値を見出しており、簡単に他社へは乗り換えません。継続的な案件受注による収益拡大が期待できます。

デメリットは、情報発信の効果が表れるまで、多くの時間と費用がかかることです。内容が薄い記事や情報を発信し続けていると、イメージダウンも招くため注意しましょう。

フリーランス向けの営業手法7選

Web制作の受注案件増加につながるフリーランス向けの営業手法は、以下の7つが挙げられます。

Web制作会社の時と同様、複数の営業手法を活用することが重要です。

1. クラウドソーシングの活用

クラウドソーシングとは、企業や個人事業主がインターネット上で仕事を発注できるサービスです。案件の応募から納品まで、一連の作業をオンライン上で完結できるため、自由度の高い働き方を実現できます。打ち合わせのために、顧客の元へ足を運ぶ必要もありません。

メリットはデザインやライティング、システム開発など、Web制作の案件も多数扱われており、営業が苦手な方も仕事を受注しやすい点です。継続的な受注により実績を重ねると高単価案件にも挑戦でき、安定した収益が得られます。

デメリットはスキルや実績に乏しいと、単価の低い案件にしか応募できないことです。単発での案件も多く、継続的な依頼に結びつきにくいでしょう。

2. SNSの活用

Twitter上で募集している案件へ応募する方法が挙げられます。特徴は、募集案件が少ないクラウドソーシングよりも競合が少なく、高単価案件が多いことです。受注確率が高い点も魅力でしょう。

メリットは高品質な成果物を納品できれば高評価が拡散され、仕事の依頼を受けやすくなることです。フリーランスの方と知り合えると、情報共有や案件の紹介も望めます。

Instagramは、自身が手掛けた作品やスキルをアピールするポートフォリオとしての活用が可能です。投稿に興味を持った方から仕事の依頼をもらえる可能性があります。

SNSは多くのメリットが望める必要以上に時間を費やして本業に支障が及ばないよう、注意が必要です。

3. ブログの活用

ブログをポートフォリオとして活用できます。経歴やスキル、制作物のURLなどを掲載することで、ブログを見た方から仕事の依頼がもらえるでしょう。

ブログ経由で仕事を得ると企業や個人事業主と直接契約を締結できるため、クラウドソーシングのように手数料は発生しません。ブログ運営により広告収入を得られる点も魅力です。

成果が出るまで本業と並行しながら執筆の時間を確保しなければなりません。デザイナーやエンジニア、ライターなど、ポートフォリオの提出を求められる機会が多い方におすすめです。

4. 友人からの紹介

Web制作の発注先を探している方を友人や知人から紹介してもらう方法です。すでに信頼関係が構築されているため、高確率で案件の受注が望めます。

納期や予算、品質など、案件に関するやりとりを比較的スムーズに進められる点も魅力です。ポートフォリオとしての公開も許可してもらえる可能性が高く、実績やスキルの証明に活用できます。

報酬額や納期は最初に確認することで、トラブル防止につながります。報酬面でのトラブルや納期遅れが発生した場合、今後の人間関係にも悪影響を及ぼすでしょう。

5. 営業パートナーとの連携

SNSや異業種交流会で知り合った方とパートナー契約を結び、営業活動を任せる方法です。経歴やスキル、得意分野などをまとめた資料を渡せば、パートナーに営業活動全般を任せられます。

制作活動に集中して取り組める環境を整備し、制作時間短縮や成果物の品質向上を実現できる点がメリットです。

営業に関するノウハウや実務経験が豊富な方が周囲にいないと、難しい方法です。報酬に関する取り決めは事前に行い、トラブル発生を防ぎましょう。

6. Web制作会社へ連絡

Web制作会社のホームページにある問い合わせフォームから営業メールを送る方法です。まとめサイトや求人サイト、検索エンジンなど、さまざまな方法でWeb制作会社を探せます。

メリットは、多くの案件が集まっているため、一定水準以上の成果物を納品できれば、継続して案件を受注できる可能性が高いことです。

デメリットは、実務経験や実績がないと、高単価案件の受注は難しい点です。実績公開の許可も得られにくい傾向があります。

案件の受注率を高めるためには、居住地から通える範囲の企業に連絡しましょう。案件を依頼する前に対面商談を希望する企業が多く、対応できると信頼関係を築きやすくなります。

7. エンド営業

Web制作の発注先を探していないか、中小企業や個人事業主に直接連絡する方法です。受注できた場合は仲介企業を挟まず直接契約を締結するため、手数料が発生しません。

顧客がWeb制作に関するノウハウを持っていない場合は一層頼りにされ、高単価案件を獲得できる可能性が高まります。要望を正確に反映した成果物を納品できれば、継続依頼や他の顧客の紹介を望める点も魅力です。

顧客に直接営業をかけるため、優れたコミュニケーション能力や提案力が必要となります。事前に経営者交流会やセミナーに参加し、人脈を拡げておかなければなりません。信頼関係構築のために、商談を何度か重ねておく必要もあり、手間が多くかかります。

Web案件の受注率を高める6つのポイント【Web制作会社向け】

上記で紹介した営業手法を実践しても思うように案件の受注率が伸びず、困っている方もいるでしょう。受注率を高めるため、以下6つのポイントを意識することが重要です。

自社対応が難しい場合は、外部企業の力を借りるのも1つの選択肢となります。

SEO対策を実施する

コンテンツマーケティングとは、ターゲットユーザーに対して有益な情報を発信し、収益拡大や新規顧客獲得につなげるマーケティング手法です。ホームページやSNSでの記事や画像、動画の掲載などが該当します。

コンテンツマーケティングのメリットは、比較的手間をかけずに始められる点です。記事作成や動画撮影を従業員に任せれば、外注費用はかかりません。CMSを使っていれば、運用や編集作業の手間も最小限に抑えられます。

コンテンツマーケティングで成果を出すためにはペルソナの設定が重要です。今回は案件を受注できる可能性が高いBtoBのペルソナ事例を下記にまとめました。

実施した後、内部施策と外部施策にとりかかります。

コンテンツマーケティングを重視する

コンテンツマーケティングとは、ターゲットユーザーに対して有益な情報を発信し、収益拡大や新規顧客獲得につなげるマーケティング手法です。ホームページやSNSでの記事や画像、動画の掲載などが該当します。

コンテンツマーケティングのメリットは、比較的手間をかけずに始められる点です。記事作成や動画撮影を従業員に任せれば、外注費用はかかりません。CMSを使っていれば、運用や編集作業の手間も最小限に抑えられます。

コンテンツマーケティングで成果を挙げるためには、ペルソナの設定が重要です。案件を受注できる可能性が高いBtoBのペルソナ事例を下記にまとめました。

ビジネスマッチングを活用する

ビジネスマッチングとは「案件の発注先を探す企業」と「案件の受注先を探す企業」をつなぐサイトです。ホームページ制作やECサイト構築など、Web制作の発注先を探している企業を効率的に見つけられます。

オウンドメディアの運用代行やSEO対策、営業代行など自社の代わりに顧客へ営業をおこなう依頼先も探せます。オンラインでやり取りが完結するため利便性に優れる依頼先は慎重に見極めなければなりません。

弊社が運営するサービス「比較ビズ」を利用すると地域や予算、キーワードを入力するだけで条件に合った企業が提示されます。資料請求や見積取得を無料でおこなえる点も魅力です。

営業代行サービスを利用する

営業のノウハウやリソースが自社に不足している場合に選択する方法となります。ミスマッチを避けるためにも、競合他社や同じ業界での営業実績が豊富な企業を選びましょう。

営業代行サービスを利用するメリットは、実務経験やスキルを持つ人材に営業を依頼できる点です。Web案件の受注数増加や新規顧客獲得が高い確率で実現できます。Webアプリケーションやシステム開発など、自社リソースを開発工程に集中できる点も魅力です。

SEO対策会社を活用する

オウンドメディアのSEO対策を自社で対応するのが難しい場合、SEO対策会社に相談しましょう。SEO対策会社を活用するメリットは、不特定多数の方へ向けた効果的な情報発信ができる点です。

SEO対策に関する知識や実績が豊富な人材が多数在籍しており、検索エンジンでの上位表示を実現できます。SNSでの拡散効果も期待できるため、自社の宣伝のために多額の広告費用を割く必要はありません。

効果測定も依頼でき、継続的な集客が望める点も魅力です。SEO会社に依頼しても、成果が出るまでに、一定の費用と時間がかかる点に注意しましょう。

MAを導入する

MA（Marketing Automation）は、マーケティング関連の機能を豊富に搭載したツールです。問い合わせやセミナーで得た名刺など、見込み顧客に関する情報を一元管理できます。スコアリングはMAが自動でおこなうため、従業員が対応する必要はありません。

ホームページの訪問履歴や資料請求、メルマガ開封など、顧客の行動からサービスへの関心度の高さを把握できます。購買意欲の高い見込み顧客の可視化により、営業活動の効率化と収益拡大の両立を図れます。

SNSやWeb広告との連携が望める点も魅力です。

Web案件の受注率や収入を上げるポイント【フリーランス向け】

フリーランスはクラウドソーシングの活用やWeb制作会社への連絡などにより、案件の受注率を高められます。

受注率を高めて安定した収入を得るため、以下6つのポイントを意識することが重要です。

下請け案件と直請け案件の特徴を知る

下請け案件は、エージェントやWeb制作会社などを経由して案件を受注します。一定水準以上の成果物を納品できれば継続的に案件を受注できます。コーディングやデザインだけなど、特定の作業に特化した案件も多く、案件を獲得しやすい点も魅力です。

直請け案件は、Web案件の発注先を探している顧客から直接受注する方法です。直接契約を締結するため、高単価案件を得られる確率が高まります。信頼関係が深まると、幅広い案件の受注が可能です。

どちらが自分に合うか見極めることが大切です。

ポートフォリオを作り込む

プロフィールや経歴、スキルが一目でわかるポートフォリオを作りましょう。企業側としてはミスマッチを避けるため、フリーランスのスキルチェックにポートフォリオの提出を求めるのが一般的です。

ポートフォリオで自身のスキルや実績を証明できれば、案件を受注できる可能性が高まります。ブログやInstagramに制作した作品をまとめておくと、ポートフォリオの提出を求められてもすぐに対応できるでしょう。

ポートフォリオ作成ツールを利用するのも1つの選択肢です。ユーザインタフェースに優れたツールが多く、簡単に作品をまとめられます。無料で利用できるサービスが多い点も魅力です。

フリーランス向けエージェントサービスの活用

エージェントサービスとは、スキルや得意分野に合った企業案件をエージェントから紹介してもらえるサービスです。営業が苦手な方や外部からのサポートを必要としている方に適した手法になります。

自身に合った案件を紹介してもらえるため、営業活動の手間を省ける点がメリットです。非公開の高単価求人も多く保有しており、安定した収入確保も望めます。

契約の締結や請求書作成、報酬管理など、事務処理全般の代行を依頼できる点も魅力です。エージェントに一定の仲介手数料を支払わなければなりません。高単価や継続案件は常駐勤務を求められるケースも多く、働き方の自由度は制限されます。

複数のクラウドソーシングを比較する

フリーランスになったばかりの方は、複数のクラウドソーシングを活用してみましょう。サイトにより案件の数や種類、手数料は異なるため、自身に合ったサイトの見極めが求められます。

クラウドワークスやランサーズなど、クラウドソーシングの数は年々増えており、サイト別の特徴を知ることが重要です。特徴がわかってきた段階で、継続的に使うサイトを絞りましょう。1つのサイトで案件を受注した方が実績も積みやすく、高単価案件を獲得しやすくなります。

ビジネスマッチングを活用する

フリーランスにとっても、ビジネスマッチングの活用は有効な選択肢となります。人件費削減やリソース集中など、さまざまなメリットが見込めるため、フリーランスへの発注を検討している企業は多いです。

スキルや実績などのプロフィール情報を登録しておけば、案件を受注できる確率が高まります。営業代行会社やフリーランスクリエイターなど、ビジネスパートナーをサイト上で見つけられる点も魅力です。

対応可能な業務や得意分野など、特徴がコンパクトにまとめられており、短時間で多くの情報を収集できます。

スキルの幅を拡げる

高単価案件が多い直請け案件を受注できるよう、幅広いスキルを身に付けましょう。案件遂行に必要なスキルが不足していた場合、受けられる案件の数も少なくなります。

たとえば、フロントエンドとバックエンドのスキルだけでなく、デザインのスキルを身に付けられれば、ホームページ制作に関する作業全般を1人でこなせます。

スキルアップのためにブログを始めるのも有効です。ライティングスキルやWebマーケティングの知識など、さまざまな能力が自然に身に付けられます。

まとめ

今回の記事では、Web制作会社向けの営業手法、フリーランス向けの営業手法などを解説しました。

Web制作会社が案件の受注率を高める営業手法には、SNSやオウンドメディアの活用などが挙げられます。フリーランスは、クラウドソーシングの活用やWeb制作会社への相談など、さまざまな方法を組み合わせることが重要です。

弊社が運営するビジネスマッチングサービズ「比較ビズ」では、必要事項を入力する2分程度でWeb制作会社やSEO対策会社を探し出せます。資料請求や見積取得を無料でおこなえる点も魅力です。

Web制作の案件受注率向上に向けてパートナーを探している方は、比較ビズをご利用ください。

監修者のコメント

株式会社キネクト

代表　小林 謙介

1979年東京生まれ。東北芸術工科大学芸術学部を卒業後、美大進学の予備校に２年間勤めたのちフリーのデザイナーとして活動。飲食店のメニューや酒造メーカーのカタログなど、食に関連するクリエイティブ業務を開始。その後、インハウスデザイナーとして商品デザインの企画・制作を経験し、現在は株式会社キネクトを設立。グラフィックやWEBなどのデザイン制作をはじめ、広告事業や講演会など幅広い分野で活動している。

詳しく見る

Web案件の受注率を高めるための方法は上記に記載された通りですが、アプローチを掛ける前には、顧客のニーズと課題を正確に理解することが必要です。クライアントが何を求めているのかを把握し、そのニーズに対する適切な提案をすることで受注につなげられます。

さらに、提案やプレゼンテーションの際には、分かりやすく魅力的な資料や成功事例を活用し、導入のメリットや自社の強みを効果的にアピールすることで、提供する価値を明確に伝えましょう。

顧客とのコミュニケーションを通じて信頼関係を築き、柔軟な対応や適切な価格設定も成功につながります。これらのアプローチを組み合わせることで、より効果的な営業が可能となります。

執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。