副業で経費計上できる支出例を紹介!経費計上の流れや節税方法3つ

税理士
監修者
税理士 佐藤 憲亮
最終更新日:2023年11月20日
副業で経費計上できる支出例を紹介!経費計上の流れや節税方法3つ
この記事で解決できるお悩み
  • 副業で経費計上できる所得の種類は?
  • 副業で経費計上できる・できない支出例は?
  • 副業で節税する方法は?

「副業時に発生した経費を計上したいが、経費計上できる具体的な支出がわからない…」という方必見!

この記事では副業をしている個人事業主やサラリーマンに向けて、副業で経費計上できる・できない支出例を分かりやすく解説します。最後まで読めば、副業の経費を計上する流れや節税方法もわかります。

初めての副業の経費計上や複雑なケースでわからない際は、税理士に相談することで最適な節税対策を提案してくれるでしょう。副業の経費を計上する際の注意点も紹介しているため、副業を始めたばかりで経費に関して不安がある方はぜひ参考にしてください。

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副業で経費計上できる所得の種類3つ

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副業を始める際に重要な要素の1つは、経費の計上です。経費を適切に計上することで税金を節約し、事業の収益を最大化できます。正しく経費を計上し、効果的に節税策を活用するために、以下3つの所得種類を理解しておきましょう。

雑所得 給与や給与以外の収入いずれにも該当しない所得。株式売却益やFX利益、フリマサイトから得た利益、印税、年金収入などが含まれる
事業所得 商売や事業を行うことにより得られる所得。農業や小売業、サービス業などの事業から生じる所得が含まれる
不動産所得 不動産賃貸により得られる所得。家賃収入などが含まれる

副業で経費計上できる支出例一覧

経費を計上することにより副業から得た利益から差し引けるため、課税所得が減少し税金の負担を軽減できます。一般的に副業で経費計上できる支出例は以下のとおりです。

通信費 副業に関連する電話代やインターネット接続費など
交通費 副業のために外出や移動が必要な際の費用。ガソリン代や駐車場代、交通機関の運賃など
事務用品 副業に必要な事務用品の購入費用。ノートパソコンやプリンター、文房具など
広告宣伝費 副業を広めるための広告や宣伝活動にかかる費用。Web広告やチラシ制作の費用など
外注費 他の個人や会社に対して業務を委託した際の費用。制作費用やコンテンツ制作費用、開発費用、翻訳費用など
研修費用 副業のスキルアップのために受講するセミナー受講料
家賃や光熱費 自宅を副業の作業スペースとして使用する場合に家賃や光熱費を経費にできる。ただし、全額は計上できないため家事按分が必要

副業で経費計上できない支出例一覧

副業の経費計上は、収益最大化や税金の節約に寄与しますが、すべての支出を経費にすることはできません。副業で経費計上できない支出を知っておくことで、法的な問題や税金のトラブルを避けられます。一般的に、副業で経費計上できない支出例は以下のとおりです。

個人的な支出 副業としての業務とは無関係である家族の食事代や私用の交通費、家電など
非効率的な支出 不必要な贅沢品や高級レストランでの外食費など
医療費 通院や入院などにかかった医療費

副業の経費を計上する流れ

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ここからは、副業の経費を計上する流れを紹介します。

  1. 必要書類の準備
  2. 所得と控除の計算
  3. 申告書の作成と提出

1. 必要書類の準備

確定申告には、給与所得の明細書や領収書、医療費の証明書などの書類が必要です。これらの書類は所得や支出、控除を証明するために必要です。

現在、多くのオンラインツールが確定申告の書類作成をサポートしており、e-Taxを活用することで手続きが簡単になります。e-Taxを活用することにより、画面の案内に従いながら確定申告をオンラインで行えるため、自身の好きなタイミングで申告が可能です。

2. 所得と控除の計算

副業所得は大きく分けて雑所得や事業所得・不動産所得の3つがあり、各所得に応じて控除が異なります。医療費控除や住宅ローン控除・ふるさと納税控除など、多くの控除が存在し適用することで税金が軽減されます。

以下の医療費控除に関する記事では、医療費控除に必要な書類や注意点を解説しているため、参考にしてみてください。

3. 申告書の作成と提出

申告書は税務署に直接持参する方法と、オンラインで提出する方法があります。青色申告の特別控除65万円を適用させるためには、オンラインで提出する必要があるため、e-Taxを利用しましょう。

副業で節税する方法3つ

ここからは、経費計上以外にできる節税方法を3つ紹介します。

  1. 青色申告をする
  2. iDeCoで掛金を積み立てる
  3. ふるさと納税をする

1. 青色申告をする

青色申告を申請すると、個人事業主や副業を行うサラリーマンが所得税を軽減できます。最大で65万円の所得控除が受けられ、課税所得を減少できるでしょう。

青色申告をする際は、事前に税務署に「所得税の青色申告承認申請書」を提出する必要があります。帳簿は複式簿記でつける必要がありますが、クラウド申告ソフトを利用することで、ハードルは低くなります。

青色申告決算書の書き方や提出方法は、以下の記事で詳しく解説しているため、参考にしてみてください。

2. iDeCoで掛金を積み立てる

iDeCo(個人型確定拠出年金)を利用すると、積み立てた金額は所得から控除され節税効果があります。iDeCoは、将来のリタイアメント資金を積み立てるための制度です。年間で最大81万6,000円までの掛金が所得控除され、所得税と住民税の負担が軽減されることから節税が可能です。

iDeCoへの加入資格(国民年金の被保険者種別)に応じて掛金の月額上限は異なり、年間の最大控除額が個々で異なります。iDeCoは長期間の積み立てが前提となるため、原則的に60歳まで途中解約できないことに注意しましょう。

3. ふるさと納税をする

ふるさと納税は地方自治体に寄付をすることで、その寄付額が所得税や住民税から控除される制度です。ふるさと納税は上限額の範囲内であれば、寄付金額マイナス2,000円の金額が、所得税と住民税から控除されます。節税をしながら地方自治体を支援できます。

寄付先や寄付額により所得控除の上限があるため、計画的に寄付をする必要があります。ふるさと納税後の確定申告方法は、以下の記事で詳しく紹介しているため、参考にしてみてください。

副業の経費を計上する際の注意点2つ

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ここからは、副業の経費を計上する際の注意点を2つ紹介します。

  1. プライベートと併用して利用しているものは全て家事按分が必要
  2. 領収書をきちんと保管する

1. プライベートと併用して利用しているものは全て家事按分が必要

プライベートと事業で共有している費用に関しては、家事按分が必要です。家事按分とは、家庭と仕事で共通して使用する資産やサービスの費用をどの程度仕事で使用したかに応じて按分することです。

たとえば自宅をオフィスとして使用している場合、家賃やインターネット費用は全額経費にできません。プライベートと事業に兼ねられる支出を業務で使用された割合を計算し、その分を経費として申告します。

一般的には、使用時間や使用面積などを基に按分します。自宅の一室をオフィスとして使用している場合、その部屋の面積に応じて家賃や光熱費を按分することが一般的です。

2. 領収書をきちんと保管する

領収書は、経費計上の際に必要な証拠です。税務調査が行われた場合、領収書がないと経費として認められない可能性が高くなります。

領収書は日付や金額、支払いの内容がはっきりとわかる形で保管しましょう。デジタル化して保管することも可能ですが、その場合もオリジナルの領収書を一定期間保管することが推奨されます。税法により領収書は7年間保管することが義務付けられているため、注意しましょう。

まとめ

副業を行う際に経費計上が必要ですが、初めての場合や複雑なケースではどのように計上するかわからない場合があるでしょう。税理士に相談することで個々のビジネス副業や所得に応じて、最適な節税対策を提案してくれます。

比較ビズには、全国の税理士が多数在籍しているため、自身の条件から一括見積が可能です。比較ビズの活用は完全無料であるため、副業の経費に関して迷った際は相談から始めてみてください。

よくある質問とその回答

  • 副業の経費はいくらまで計上できる?

    副業の経費に特定の上限はありません。しかし、その経費が必要経費であると認められるかが重要です。一般的にオフィス用品や通信費、交通費、広告費などが経費として計上できます。プライベートでの使用が混在する場合は、家事按分が必要です。

  • 副業で使う車代は経費にできる?

    副業で使用する車の維持費やガソリン代は、基本的に経費として計上できます。

    車がプライベートと事業で共用されている場合、使用比率に応じて経費を計上する必要があります。車の購入費は一括で経費計上できず、償却資産として計上する必要があることに注意しましょう。

監修者のコメント
税理士
佐藤 憲亮

京都市出身。 医療系特化事務所、税理士法人の社員税理士(役員)を経て、気軽に相談できる専門家として税務顧問業務をメインに活動。実務で得た知識や経験を活かし、税務記事や税務論文の執筆、ブログの運営をしている書くことが好きな税理士。大学卒業後、税理士事務所で14年の実務経験を積みながら、大学院で税法を学ぶ。2020年に税理士登録。2023年6月に京都市中京区にて独立。また、顧客企業の利益最大化を実現するため、バックオフィスの効率化や改善に力を入れており、経理代行及びコンサルの事業会社を設立。経理、財務、税務の支援を得意としている。

給与所得がある方が副業を行っている場合は、その所得(収入-必要経費)が年20万を超えたときは、確定申告が必要となります。なお、サラリーマン等で給与により生計を立てており、副業を行っている場合、そのほとんどが事業所得ではなく雑所得となることにご注意ください。

雑所得は事業所得と同じく必要経費を収入から控除することができますが、青色申告の特典を受けることはできません。そのため、収入より必要経費が多くなり赤字となってしまった場合でも、その赤字部分を他の所得から控除することはできません(損益通算不可)。

副業が事業所得になるか雑所得になるかは、その収入や働き方等によって総合的に判断することになりますので、副業の規模が大きくなってきた場合は税理士等の専門家に相談するようにしましょう。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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