外注費の勘定科目で仕訳する取引とは?混同しやすい取引と仕訳事例も解説

最終更新日:2023年05月01日
竹中啓倫税理士事務所
監修者
税理士・米国税理士・認定心理士 竹中啓倫
外注費の勘定科目で仕訳する取引とは?混同しやすい取引と仕訳事例も解説
この記事で解決できるお悩み
  • 外注費の勘定科目で仕訳をする取引とは?
  • 外注費と混同しやすい取引とは?
  • 外注費が給与として認められたときの対応方法とは?

外部の企業や個人事業主に仕事を依頼した場合の支払費用は、外注費の勘定科目で処理をします。外注費は、支払手数料・販売手数料・給与などと混同しやすく、仕訳を作成する際に悩まれている方も多いのではないでしょうか。

当記事では、経理担当者に向けて外注費の正しい仕訳処理方法について解説します。混同しやすい取引や、給与として認められたときの対応方法についても解説するため、ぜひ参考にしてください。

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外注費とは?|業務を外部委託したときに発生する費用

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外注費とは、外部の企業や個人事業主に対して業務を委託したときに発生する費用のことです。業務請負契約や業務委託契約を締結し、仕事の一部を外部に発注した場合は外注費に該当します。

外注費として計上するケースは、以下のとおりです。

  • コールセンターの業務を外部委託したときの費用
  • WEBサイトのデザインを依頼したときの費用
  • 事務所の警備や清掃を委託したときの費用
  • 経理業務の一部をアウトソーシングしたときの費用

外注費の帳簿記入例

外注費の帳簿への仕訳記入例を以下のケースで解説します。

  • 法人に外注費を支払った場合の記入例
  • 個人事業主に外注費を支払った場合の記入例

法人に外注費を支払った場合の記入例

コールセンターの業務を月2,000,000円で外部企業に委託した場合の事例です。

借方 貸方
外注費 2,000,000円 普通預金 2,000,000円

個人事業主に外注費を支払った場合の記入例

WEBサイトのデザインを個人事業主に500,000円で依頼した場合の事例です。

借方 貸方
外注費 500,000円 普通預金 448,950円
  預り金 51,050円

個人事業主に外注費を支払う場合は、源泉徴収しなければなりません。一時的に「預り金」の勘定科目で計上しておきます。

源泉徴収税額は金額によって計算方法が異なります。100万円を超えない部分については支払金額に10.21%をかけた金額です。100万円を超える部分については支払金額から100万円を引いて20.42%をかけた金額に102,100円を加算します。

外注費と混同しやすい3つの処理

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外注費と混同しやすい3つの処理は、以下のとおりです。

  1. 支払手数料
  2. 販売手数料
  3. 給与

1. 支払手数料

専門家のサービスを受けたときに支払う費用は「支払手数料」です。売上に直結していない費用が支払手数料です。

たとえば、税理士・弁護士・社労士などの士業の専門家に支払うケースです。専門家への支払時は、源泉徴収しなければならない点に注意しましょう。

専門家への支払いかどうかで「外注費」か「支払手数料」かを判断します。

2. 販売手数料

販売代理店に支払う費用は「販売手数料」になります。販売手数料は、代理店契約を締結し自社の商品・サービスを代理店としてお客様に販売してくれたときの手数料です。

販売手数料は、売り上げに直結している費用になります。代理店契約を締結しているかどうかで「外注費」か「販売手数料」かを判断しましょう。

3. 給与

会社の従業員に支払う費用は「給与」です。組織内で同じ仕事を行っていても、雇用しているかどうかで「給与」になるか「外注費」になるかを判断します。

給与の場合は、記入する勘定科目だけではなく源泉徴収が必要になる点で外注費とは大きく異なる点に注意しましょう。

外注費が給与として認められる条件

外注費は源泉徴収が必要なく、社会保険料負担もありません。外注費の処理は税務署から指摘されるケースが多いため、給与との明確な違いについて理解しておきましょう。

国税庁のHPによると外注費が給与として認められる条件は、以下のとおりです。

  1. その契約に係る役務の提供の内容が他人の代替を容れられない
  2. 役務の提供に当たり事業者の指揮監督を受けている
  3. まだ引渡しを了しない完成品が不可抗力のため滅失した場合などにおいても、当該個人が権利としてすでに提供した役務に係る報酬の請求をなすことができる
  4. 役務の提供に係る材料又は用具などを供与されている 

たとえば、自分の責任と裁量で業務を遂行している場合は外注費であり、指揮命令者の指示のもとに業務を遂行していれば給与となります。上記の条件に当たるかどうかを検証し、外注費と給与の判断をしましょう。

外注費が給与として認められたときの対応方法

税務調査から指摘を受け、外注費ではなく給与として認められたときの対応方法は、以下のとおりです。

  • 源泉所得税を支払う
  • 仕入にかかった消費税を支払う
  • 追徴課税を支払う

源泉所得税を支払う

給与として認められた時点で、これまで支払ってきた外注費に対する源泉所得税を支払わなければなりません。

支払った金額が100万円以下の場合は、支払い金額×10.21%が所得税額です。100万円を超える場合は(支払い金額−100万円)×20.42%+102,100円が所得税額となります。

たとえば、5,000,000円の外注費が給与として認められたときは、918,900円を支払います。

仕入にかかった消費税を支払う

外注費であれば仕入消費税が控除の対象となりますが、外注費ではなく給与として認められてしまうと、仕入消費税の控除が否認されてしまいます。

たとえば、税込5,000,000円の外注費を支払っていた場合は、約450,000円を支払います。消費税額=税込金額−(税込金額/1.1)で計算します。

追徴課税を支払う

後から外注費が給与として認められた場合は、源泉所得税・消費税以外に、過少申告加算税・不納付加算税・延滞税が課税されます。過去に遡って計算しなければならないため、会社にとって追徴課税が大きな負担となるでしょう。

過少申告加算税

  追加税額50万円未満 追加税額50万円以上
事前通知後から税務調査までの期間 5% 10%
税務調査後 10% 15%

不納付加算税

税務署の事前通知前 5%
事前通知以降 10%

延滞税

納期限から以2カ月内 年率7.3%
納期限から2カ月以降 年率14.6%
納期限から2カ月以内 特例:令和3年1月1日〜12月31日 年率2.5%
納期限から2カ月以降 特例:令和3年1月1日〜12月31日 年率8.8%

日割り計算は(本来の税額×延滞税の割合×日数)/365で算出します。

外注費が給与として認められないための方法

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外注費が給与として認められないための対策は、以下のとおりです。

  • 業務請負契約書や業務委託契約書を締結し、委託先であることを明確にする
  • 成果物や納品物を明記し、委託先の裁量で業務が遂行できる体制を構築する
  • 自社の組織図に名前を掲載せず、従業員との明確な区別をする

契約書や取り交わした文書は、依頼があればすぐに探し出せるように管理しておきましょう。

まとめ

外注費とは、契約書を締結して企業や個人事業主に業務委託したときに発生する費用のことです。外注費は、法人と個人事業主で仕訳方法が変わる点に注意しましょう。

支払手数料・販売手数料・給料は外注費と混同しやすいため、業務の背景を正しく理解する必要があります。

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監修者の一言

個人事業で行ってみえたり、個人事業者と取引を行う場合に注意すべき点は、源泉徴収の問題と消費税課税の問題です。個人事業者に対して、外注費を支払う必要があるのかないのかを確認することが重要です。

仮に、相手が源泉徴収の必要がないから全額支払ってください、といわれたとしても、本当に必要ないかは確認するようにしてください。本当は源泉徴収する必要があった場合は、源泉徴収義務があるあなたが、源泉税の負担をしなければならなくなる可能性があります。

名目は外注費であっても、その実態が給与であると認定された場合、あなたが原則課税で消費税事業者であった場合、この外注費(実は給与)に対応する消費税額はあなたは修正申告をして支払わなければならない場合があります。自分の目で確認してください。わからない場合は税理士にご確認下さい。

竹中啓倫税理士事務所
税理士・米国税理士・認定心理士 竹中啓倫
監修者

岐阜県出身。上場会社の経理に勤務する傍ら、竹中啓倫税理士事務所の代表を務める。M&Aなどの事業再編を得意とし、セミナーや研修会講師にも数多くあたるほか、医療分野にも造詣が深く、自ら心理カウンセラーとして、心の悩みにも答えている。税理士会の会務では、名古屋税理士協同組合理事を務める。

比較ビズ編集部
執筆者
比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。
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