ECサイト分析で見るべき10の指標とツールの選び方【実践例付き】

最終更新日:2023年07月18日
ECサイト分析で見るべき10の指標とツールの選び方【実践例付き】
この記事で解決できるお悩み
  • ECサイト分析の目的や方法は?
  • ECサイト分析に必要なデータや指標には何がある?
  • ECサイト分析に最適なツールは?

ECサイト分析について知りたいサイト運営者の方は必見。ECサイト分析には、目的にあったツールが必要です。本記事では、ECサイト分析の基礎知識と実践方法をわかりやすく紹介しています。

最後まで読めばECサイト分析の目的と重要性が明確になり、見るべき10の指標と意味が理解できるでしょう。必要な3つのツールの使い方も紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

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ECサイトの分析は収益を最大化するために必要

お店

ECサイトの分析は収益を最大化するために必要です。分析値や問題点を見つけることで、サイトのパフォーマンスを改善し続けられるでしょう。

アクセス数やコンバージョン率、離脱率など定期的にチェックすることで利用者のニーズや行動パターンが理解でき、コンテンツの最適化が図れます。リピートや紹介など、収益につながる行動を促すには、ユーザーの満足度や信頼度のアップが必要です。

サイト分析の結果をもとに、仮説の立案や改善策の実施を行うことで、ECサイトの収益向上を目指しましょう。

ECサイト分析で見るべき10の指標

ECサイト_お金

ECサイト分析は、定期的に分析することで改善ポイントが明確になり収益性の向上につながります。ECサイト分析で見るべき10の指標は下記のとおりです。

  • 売上高
  • 利益率
  • アクセス数
  • コンバージョン率
  • 顧客単価
  • 顧客生涯価値
  • 離脱率
  • 直帰率
  • リピート率
  • CPA

1. 売上高

売上高はECサイトの収益を表す指標です。以下の計算式で計算できます。売上高を増やすには、販売価格を上げるか、販売数量を増やすか、あるいは両方が必要です。

  • 「売上高 = 商品の販売価格 × 商品の販売数量」

たとえば、付加価値の高い商品やサービスの提供、クロスセルやアップセルの手法で販売価格を上げることができます。価格競争力のある商品やマーケティング活動の強化による販売数量の増加も目指しましょう。常に売上高の推移を把握し、目標に向けて改善策を講じることが大切です。

クロスセルとは追加購入を促す手法の1つ

購入予定の商品と関連性の高い商品やサービスを提示することで追加購入を促します。本を購入する場合、同じ著者やジャンルの本、オーディオブックや電子書籍などのサービスの提案が該当します。

アップセルとは高額購入を促す手法の1つ

購入予定の商品よりも、高品質かつ高機能な商品やサービスを提示し購入を促す方法です。パソコンを購入する場合、より性能の高いモデルや保証期間の延長、カスタマイズなどのサービス提案が該当します。

2. 利益率

ECサイト分析で欠かせない利益率は以下の計算式で計算できます。利益率を高めるには、売上高を増やす、コストを削減する、あるいは両方が必要です。

  • 「利益率 = (売上高 − 費用) ÷ 売上高」

在庫管理や物流コストの最適化、広告効果の測定や改善で、コスト削減が可能です。販売価格や販売数量の増加は、売上高の増加につながります。

3. アクセス数

アクセス数はECサイトへの訪問者数を表しサイトへの訪問者数で把握できます。アクセス数は、サイトへの露出度や知名度がわかる指標です。

アクセス数を増やすには、SEOやSNS運用、広告配信などの方法があります。SEOを実施し、キーワード選定やコンテンツ作成を行うことで検索エンジンの上位表示が可能です。SNSで話題性のある投稿やキャンペーンなどを行うことで、サイトへの誘導効果を高めることができます。

広告配信は、ターゲット層や目的に応じて適切な広告媒体や広告形式の選択が重要です。常にアクセス数の推移と効果測定を実施することで、集客力の強化が図れます。

4. コンバージョン率

コンバージョン率はECサイトの成約力を表し、以下の計算式で把握できます。コンバージョン率を高めるには、サイトの信頼性や説得力の向上が必要です。

  • 「コンバージョン率 = 成約・商品購入したユーザー数 ÷ サイトのアクセス数」

サイトのデザインやレイアウト、ナビゲーションの改善や購入者による商品レビュー、返品保証の実施でユーザーの不安や疑問を解消できます。商品の価値やメリットの強調、期間限定、数量限定などの要素を加え、ユーザーの購買意欲を高めましょう。

5. 顧客単価

 顧客単価はECサイトの収益力を表し、以下の計算式で把握できます。顧客単価を上げるには、購入者に対してより多くの商品やサービスの提供が必要です。

  • 「顧客単価 = 売上高 ÷ 購入者数」

関連商品やおすすめ商品の提示、セット販売、割引クーポンの提供により、ユーザーの購買意欲を促進できます。会員制度やポイント制度の導入、メールマガジンの配信でリピーターや定期購入の獲得が可能です。

6. 顧客生涯価値

顧客生涯価値はECサイトの将来的な収益性を表し、以下の計算式で把握できます。顧客生涯価値を高めるには、顧客単価の向上、リピート率の向上が効果的です。

  • 「顧客生涯価値 = 顧客単価 × リピート率 × 顧客との関係期間」

たとえば、顧客満足度を高めるために、アフターサービスやカスタマーサポートの品質向上、感謝やお詫びなどのコミュニケーション強化があります。顧客ニーズに合った商品やサービスの提供、リピート購入者に特典や優待の提供も効果的です。

7. 離脱率

離脱率はECサイトの訪問者がすぐにサイトを離れた率を表す指標であり、以下の計算式で把握できます。離脱率を低くするには、サイトの魅力度や説得力の向上が必要です。

  • 「離脱率 = サイト内で目的の行動を行わずにサイトを離れたユーザー数 ÷ サイトへアクセスしたユーザー数」

サイトの目的や価値を明確に伝えることで、ユーザーの興味や関心を引き留めます。ユーザーのニーズやペルソナに合わせたコンテンツの配信、商品の提供、CTAや導線の工夫で、ユーザーに目的の行動を促すことが可能です。

CTAにはユーザーの購買意欲を高める効果がある

CTAとは「Call To Action」の略であり「行動喚起」の意味をもつ用語のことです。ユーザーに行動を起こさせる目的で設置するテキストや画像、ボタンが該当します。たとえば「今すぐ購入」「無料登録」「詳細を見る」などの文言や、赤や緑などの目立つ色や形のボタンなどがCTAの代表例です。

8. 直帰率

直帰率はECサイト入口ページの魅力度を表し、以下の計算式で把握します。

  • 「直帰率 = 入口ページで何もせずサイトを離れた数 ÷ 入口ページへアクセスした数」

入口ページはサイトの目的や価値を明確に伝え、ユーザーにとって有益な情報や商品を提示することで、興味や関心を惹きつけることが可能です。入口ページから他のページへの導線の工夫で、ユーザーに目的の行動を促せます。

9. リピート率

リピート率はECサイトの顧客満足度を表し、以下の計算式で把握します。

  • 「リピート率 = 一定期間内にサイトへ再訪した数 ÷ サイトへアクセスした数」

商品やサービスの品質向上、アフターサービスやカスタマーサポートの提供により顧客満足度を高めることで、リピート率の向上につながります。

10. CPA

CPAはECサイトの広告効果を表し、以下の計算式で把握できます。CPAを低くするには、広告費用を削減するか、成約数を増やすか、場合によっては両方が必要です。

  • 「CPA = 広告費用 ÷ 成約数」

広告費用を削減するには、広告媒体や広告形式の選択、広告配信の最適化があります。成約数を増やすには、広告のターゲティングやメッセージング、ランディングページの改善などが効果的です。CPAの状況を分析し、広告効果の向上に取り組みましょう。

ECサイト分析の流れと実践例【4選】

スマホ見てる2人

 ECサイト分析とは、サイトのパフォーマンスや収益性を測定し、改善策を立てる方法です。ECサイト分析を効果的に行うには、下記4つの流れを意識しましょう。

  • データ分析で現状把握をする
  • 仮説立案で改善点を見つける
  • 施策実行で効果を測定する
  • 結果検証で改善サイクルを回す

1. データ分析で現状把握をする

まずはECサイトのデータ分析により、サイトの強みや弱み、問題点や改善点を客観的に把握します。Googleアナリティクスやツールの使用で、売上高や利益率の数値データ、アクセス数やコンバージョン率の指標データを収集し分析が可能です。

データ分析にはPDCAサイクルの実施をおすすめします。データ分析による現状把握は、ECサイト分析の第一歩です。常にデータに基づいて現状把握を行いましょう。

PDCAサイクルとは品質を高めるために実施するフレームワーク

PDCAサイクルとは、計画(Plan)→実行(Do)→評価(Check)→改善(Act)を繰り返すことで、仮設や検証を循環させ品質を高める方法です。

2. 仮説立案で改善点を見つける

仮説立案で改善点を発見し、効果的な施策実行の方向性や優先順位を決めます。たとえば、データ分析の結果により購入率(CVR)の数値が低い問題点が出てきた場合「コンバージョン率の低さは少ない商品情報」の仮説と「商品の詳細情報やレビューの追加でコンバージョン率は上がる場合」の検証が可能です。

仮説立案にはAIDMAモデルを適用します。仮説立案で改善点を発見しましょう。

AIDMAモデルとは購買行動における心理的プロセス

AIDMAモデルは、ユーザーの購買行動における心理的プロセスを表します。注意(Attention)→興味(Interest)→欲求(Desire)→記憶(Memory)→行動(Action)の順にユーザーの心理状態が変化するという考え方です。

3. 施策実行で効果を測定する

施策実行で効果を測定し、仮説の正当性や施策の有効性を確認します。結果検証のためのデータ収集も可能です。たとえば、コンバージョン率向上を目的として「商品ページに詳細情報やレビューを追加する」施策を実行した場合、施策前とのコンバージョン率の変化を測定します。

施策実行にはA/Bテストやマルチバリアントテストなど、ツールの活用がおすすめです。A/Bテストでは、同じ目的の異なる2つのバージョンを比較し、どちらがより効果的かを測定します。

マルチバリアントテストとは、同じ目的の異なる複数の要素を組み合わせ、どの組み合わせがより効果的かを測定する方法です。施策実行の効果測定をもとに有効性を確認しましょう。

4. 結果検証で改善サイクルを回す

結果検証で改善サイクルを回すことで、仮説の検証や施策の評価を行い、次の目標設定やデータ分析につなげます。

「商品ページに詳細情報やレビューを追加する」施策が「コンバージョン率を上げる」仮説を支持したか検証することが大切です。「コンバージョン率の上昇分が売上高や利益率にどの程度影響したか」を評価できます。

結果検証にはKPIやOKRなどのフレームワークの活用がおすすめです。OKRとは、目標と達成に必要な成果を定義し、進捗状況や成果物を可視化するフレームワークになります。結果検証で改善サイクルを回すことは、次の改善策を発見するためにも必要です。

KPIとは目標達成度や業績向上度を測定するための指標

企業や組織の目標を達成するために行う日々の活動の具体的な行動指標を表します。

ECサイト分析に役立つ3つのツールの使い方

ECサイト分析を効果的に行うには、下記のツールを有効活用することが重要です。ECサイト分析に役立つ代表的な3つのツールと使い方を紹介します。

  • Google アナリティクスでサイトのアクセス状況を分析する
  • Google Search Consoleでキーワード分析をする
  • Hotjarでユーザー行動を可視化する

1. Googleアナリティクスでサイトのアクセス状況を分析する

Googleアナリティクスとは、Googleが提供する無料のウェブ解析ツールです。サイトへのアクセス数やアクセス元、滞在時間や離脱率などの指標を把握できます。

コンバージョンやEコマースの目標設定や測定も可能です。対象サイトにトラッキングコードを埋め込むことで使用できます。トラッキングコードは、Googleアナリティクスの管理画面から取得可能です。Google アナリティクスでサイトのアクセス状況を分析し、サイトの強みや弱み、問題点や改善点を客観的に把握できます。

2. Google Search Consoleでキーワード分析をする

Google Search Consoleとは、Googleが提供する無料のウェブマスターツールです。Google Search Consoleを使用し、サイトの検索エンジンへの登録状況やインデックス状況、検索パフォーマンスを確認できます。

検索キーワードや順位、クリック数やCTRのデータ取得も可能です。Google Search Consoleを使用するためには、サイトの所有権を確認する必要があります。所有権の確認方法は、HTMLタグやDNSレコードなど複数あります。Google Search Consoleでキーワード分析し、サイトのSEO対策やコンテンツ作成に役立てましょう。

3. Hotjarでユーザー行動を可視化する

Hotjarとはユーザー行動分析ツールであり、ヒートマップの可視化機能や、セッションレコーディングやフォームの分析機能が利用できます。

フィードバックポールやサーベイなどのフィードバック機能もあり、対象サイトにトラッキングコードを埋め込み使用します。トラッキングコードは、Hotjarの管理画面から取得可能です。Hotjarでユーザー行動の可視化が可能になり、対象サイトのコンバージョン率の向上に役立ちます。

まとめ

ECサイト分析とは、サイトのパフォーマンスや収益性を測定し、改善策を立てる行動です。ECサイト分析を効果的に行うには、目標設定やデータ分析、仮説立案や施策実行、結果検証などのステップを踏むことが重要です。

分析ツールを活用し、アクセス状況やキーワード分析、ユーザー行動の可視化ができます。ツールの設定が難しいと感じる方には、専門家に依頼することもおすすめです。

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比較ビズ編集部
執筆者

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