相続登記に必要な書類は?3つのケースと書類の取得方法や申請方法も解説!

株式会社Aoiコンサルティング
監修者
株式会社Aoiコンサルティング 代表取締役 大川紗苗
最終更新日:2023年08月04日
相続登記に必要な書類は?3つのケースと書類の取得方法や申請方法も解説!
この記事で解決できるお悩み
  • 相続登記に必要な書類はなに?
  • どうやって書類を取得したらいいの?
  • 申請はどうやって行うの?

亡くなった方が不動産を持っていて相続をする場合、相続登記の手続きを行う必要があります。戸籍謄本や住民票などの書類を準備し、相続登記申請書の作成をしなければいけません。

この記事では、相続登記に必要な書類の種類や取得方法、申請の仕方を解説します。最後まで読むと、相続登記に必要な書類や手続きの流れを理解し、安心して手続きを行えるでしょう。相続登記の手続きを行う方は、ぜひ参考にしてください。

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【ケース別】相続登記に必要な書類

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相続登記を行う機会はあまりないため、不動産の名義変更を行うために必要な書類や、手続きがわからず困る方も多いでしょう。相続するケース別に、相続登記の際に必要な書類を解説します。

  • 法定相続人が相続するケース
  • 遺産分割協議によって相続するケース
  • 遺言によって相続するケース

法定相続人が相続するケース

遺言書や遺産分割協議がなく、法定相続人が不動産を相続する場合、以下の書類5つが必要です。

  • 戸籍謄本(除籍謄本)
  • 住民票(除票)または戸籍の附票
  • 固定資産評価証明書
  • 相続登記申請書
  • 相続関係説明図

亡くなった方の戸籍謄本を見ることで、親子関係や兄弟関係を把握し、相続人が誰になるのか明らかにします。出生から死亡まで、すべての戸籍謄本が必要となるため注意しましょう。

住民票と戸籍の附票は、登記簿と戸籍の亡くなった方が同一人物であることを証明するために必要です。法定相続人が相続の際に生きている証明をするために、相続人全員分の戸籍謄本と住民票も取得する必要があります。

固定資産評価証明書は、相続する不動産の価値を証明する書類です。相続登記の手続きを行う年度の書類が必要なため注意しましょう。

相続関係説明図

相続関係説明図は、亡くなった方と法定相続人の関係を表す家系図のような書類です。手続きに必ず必要な書類ではありませんが、一緒に提出すると戸籍謄本の原本還付請求が簡単に行えます。

遺産分割協議によって相続するケース

相続人が複数いる場合、協議を行って誰がどの遺産を相続するか決められます。協議を行う場合、以下の書類7つが必要です。

  • 戸籍謄本(除籍謄本)
  • 住民票(除票)または戸籍の附票
  • 固定資産評価証明書
  • 相続登記申請書
  • 遺産分割協議書
  • 印鑑証明書
  • 相続関係説明図

遺産分割協議を行う場合、相続人全員が集まって話し合わなければいけません。遺産分割協議書は、相続人全員が実印を押すことで承諾した証拠になります。印鑑証明書も相続人全員分が必要です。

住民票は亡くなった方と、不動産を相続する方のものを取得する必要があります。戸籍謄本は、不動産を相続しない相続人も含めた全員分のものが必要となるため、注意しましょう。

遺言によって相続するケース

遺言による相続は「法定相続人が相続した場合」と「法定相続人以外が相続した場合」の2パターン考えられます。手続きに必要な書類はどちらも同じで、以下の5つが必要です。

  • 戸籍謄本(除籍謄本)
  • 住民票(除票)または戸籍の附票
  • 固定資産評価証明書
  • 相続登記申請書
  • 遺言状

終活が勧められる現在、亡くなった方が遺言状を作成していた場合もあるでしょう。遺言状を作成していた場合、内容に基づいて遺産を分割する必要があります。

相続登記に必要な書類は「法定相続人が相続するケース」や「遺産分割協議によって相続するケース」とほとんど同じです。

相続登記に必要な書類の取得方法

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相続登記の手続きには、さまざまな書類が必要です。以下7つの書類を取得する方法を解説します。

  • 戸籍謄本
  • 住民票
  • 戸籍の附票
  • 固定資産評価証明書
  • 法定相続情報一覧図
  • 相続登記申請書
  • 不動産登記事項証明書

戸籍謄本

戸籍謄本は、本籍地のある市区町村の役所で取得できます。役所へ行くことが難しい場合は、郵送での取り寄せも可能です。詳しくは役所のHPや問い合わせで確認すると確実でしょう。 マイナンバーカードを持っている場合、コンビニのマルチコピー機からも取得可能です。

被相続人の本籍地移動が多い場合すべて取得が必要

亡くなった方が、引っ越しをする機会が多くて高頻度で本籍地を変えていた場合、すべての戸籍謄本が必要です。 少し大変ですが、最終本籍地の役所から原戸籍謄本および除籍謄本をもらい、本籍地がどうなっているのか確認していかなければいけません。

もし本籍地の移転があれば記載があるため、移転先の役場に行き、ふたたび原戸籍謄本を取る必要があります。 手間も時間もかかるため、大変に感じる方も多いでしょう。

自分たちで本籍地をたどっていくのが大変なときは

本籍地を変えている頻度が多いとわかっている場合、費用はかかりますが司法書士に頼むことも可能です。亡くなった方の本籍地を1カ所ずつたどり、代わりに取得してもらえます。

住民票

住民票も、本籍地のある市区町村の役所で取得できます。役所へ行くことが難しい場合は、郵送での取り寄せも可能です。詳しくは役所のHPや問い合わせで確認すると確実でしょう。 マイナンバーカードを持っている場合、コンビニのマルチコピー機からも取得可能です。

戸籍の附票

戸籍の附票も、本籍地のある市区町村の役所で取得できます。役所へ行くことが難しい場合は、郵送での取り寄せも可能です。詳しくは役所のHPや問い合わせで確認すると確実でしょう。 マイナンバーカードを持っている場合、コンビニのマルチコピー機からも取得可能です。

固定資産評価証明書

固定資産評価証明書は、不動産が所在する市区町村の役所で取得可能です。自治体によっては、マイナンバーカードがあれば、コンビニのマルチコピー機で取得できる場合もあります。相続登記には、登記する年度に取得した固定資産評価証明書が必要となるため注意しましょう。

法定相続情報一覧図

法定相続情報一覧図とは、相続関係を一覧にした家系図のようなものです。相続人が法務局に戸籍謄本や住民票など必要書類と、作成した法定相続情報一覧図を提出することで、認証を受けられます。

相続登記に必ず必要な書類ではありませんが、他の必要書類と一緒に添付することで、戸籍謄本や住民票の添付を省略することが可能です。

相続登記申請書

法務省HPに相続登記申請書の雛型があるため、ダウンロードして相続人が作成する必要があります。 登記申請書類を作成するためには、下記で解説する不動産登記事項証明書が必要です。

不動産登記事項証明書

相続登記の手続きに提出する書類ではありませんが、相続登記申請書の作成に必要な書類であり、法務局で取得できます。亡くなった方の住む地域に限らず、全国どこからでも取り寄せ可能です。取得するために不動産の地番が必要であるため、事前に調べておきましょう。

相続登記に必要な書類の有効期限

相続登記の手続きに必要な書類は、有効期限がありません。例外として、相続人の戸籍謄本は、被相続人の死亡後に取得する必要があるため注意しましょう。

相続登記に必要な書類の綴じ方

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書類の綴じ方は特に順番を決められているわけではありませんが、相続登記申請書の後ろに添付書類をホチキスで留めるのが一般的です。申請書に記載している書類の順番に並べていると、わかりやすいでしょう。

書類の原本は返却してもらえる?

手続きに必要な書類は基本的に原本の提出が必要ですが、原本還付の手続きを行えば、審査終了後に返却してもらえます。

原本のコピーを取り、末尾に「原本と相違ありません」と記載し、申請人の署名と押印をすることで、原本還付の手続きは完了です。書類が複数枚にわたる場合は契印をしましょう。原本還付の手続きを行ったコピーと原本を、他の書類と一緒に提出します。

必要書類をそろえたら登記申請を行う

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相続登記に必要な書類を準備したら、登記申請を行いましょう。 申請の仕方は以下の2種類です。

  • 書類申請
  • オンライン申請

書類申請

書類申請を行う場合、法務局の不動産登記係へ行きます。 持参した書類を提出し、指示された日数(1週間〜10日)待機して、再度法務局へ行きましょう。申請書類に使用した印鑑や、身分証明書を必ず持っていく必要があります。

書類を提出したときに持ってくるよう言われたものがあれば、忘れないように気をつけましょう。相続登記が完了すると、登記識別情報通知書がもらえます。以上で相続登記の手続きは終了です。

法務局へ行くときはどこで申請手続きをする?

相続登記をする場合、相続する不動産がある県の法務局で手続きを行う必要があります。亡くなった方が住んでいる県の法務局ではないため注意しましょう。

手続きは代理人に頼める?

相続登記を行う際、相続人も高齢になっているケースが多々あります。 相続人が80歳や90歳の場合、法務局まで出向くのが大変な場合があるでしょう。たとえば高齢の方の子どもが、代わりに法務局へ手続きに行くことは問題ありません。必ず委任状を作成して持っていきましょう。

郵送でも申請可能

手続きする時間がほとんどなく、法務局に行かずに済ませたい場合は郵送でも手続き可能です。 法務局まで少し遠い場所に住んでいる場合、わざわざ時間を取る必要がないため、楽に感じるでしょう。

書類を封筒に入れて送る際、少しお金は必要ですが書留郵便を使えば、確実に届けてもらえます。郵送してから大体2週間後に、法務局へ登記識別情報通知書や原本還付手続きを行った書類を受け取りに行きましょう。

郵送時に返信用封筒と切手を同封すると、書類を返送してもらうことも可能です。

書類に捨て印を押しておく

郵送で手続きを行う場合、書類に不備があっても直せません。書類に相続する方全員で捨て印を押しておくと、代わりに不備を訂正してもらえます。

オンライン申請

オンラインからも相続登記の申請が可能です。郵送の場合は返信用封筒や切手などを準備する必要がありますが、オンライン申請では必要ありません。

ただし、ソフトのダウンロードや電子証明書の取得などが必要です。パソコンに慣れていない方は、難しく感じる場合もあるでしょう。

オンライン申請は、法務省HPに申請手続きの流れが記載されています。パソコンを使い慣れている方であれば、わざわざ時間を作り、法務局へ行って申請するよりも楽に感じるでしょう。

わからない点がある場合は法務局へ持っていくと確実

相続登記をする機会は少ないため、特にはじめて手続きを行うときには不安な点が出てくるでしょう。 自分たちだけで書類を準備し、いざ申請するときに聞いておきたいことや確認したいことが出てくる可能性もあります。

不安な場合には、法務局へ持っていき、聞きながら申請するのが1番確実です。 もし足りないものや不備があっても、聞きながら書類の準備や修正ができます。印鑑の漏れがある可能性もあるため、行くときには書類のほかに印鑑も必ず持参しましょう。

相続登記って絶対やらなければいけない?

人が亡くなった後は、葬儀や契約の解約などさまざまな手続きをする必要があります。「相続登記は被相続人名義のままにしておきたい」「数年後に手続きしたい」と考える方もいるでしょう。

相続登記を放置すると、登記に必要な書類を手に入れるのが難しくなったり、不動産を売れなかったり、デメリットがいくつも生じます。相続登記の期限は決まっていませんが、早めに手続きを終えておくと安心です。

困ったときにはプロに相談

相続人同士が集まり、相続登記の話を進めすべて手続きをすることは可能ですが、実際は想像以上に大変な場合もあります。 書類を準備している間にも、聞きたいことがある場合や忙しくてなかなか準備が進められない方もいるでしょう。

困った場合は多少お金をかけても司法書士に頼むと、疑問点の解決や書類集めの代行などさまざまなことをしてもらうことが可能です。

費用は司法書士や、どのような相続登記になるかによって変わります。たとえば、相続登記する不動産が1つの場合と複数の場合では、同じ費用にはなりません。ネットで口コミを見たり、複数の司法書士から見積もりをとって比べたりして、自分にあった司法書士を選びましょう。

まとめ

相続登記は、どのように相続人が分割するかによって、必要な書類の種類が変わります。 解説したケース3つのどれに当てはまるのか、判断して書類を用意しましょう。

さまざまな書類を準備して記入も行い、申請をしなければなりません。 多くの時間が必要なため、忙しい方からすると大変に感じる方もいるでしょう。

困ったときには、司法書士へ相談して代行してもらい、範囲を伝えてお願いするのがおすすめです。 比較ビズには、相続登記に詳しい司法書士が多数在籍しています。相続登記の手続きをスムーズに進められるよう、ぜひ比較ビズを活用してみてください。

監修者のコメント
株式会社Aoiコンサルティング
代表取締役 大川紗苗

大阪府出身。幼少期をアメリカ コネチカット州にて過ごす。立教大学経済学部在学中に公認会計士試験に合格。大学卒業後、EY新日本有限責任監査法人に入社し、国内外法人の監査に従事。日本/米国/国際会計基準での会計/内部統制監査、開示書類の英訳等を経験。2022年にAoiグループを設立し、創業/資金調達/IPO/事業再生の支援、クラウド会計を活用した税務会計サポート等のサービスを提供している。趣味はバレエとヨガ。

相続登記がされない土地は、不動産の所有権が明確にならず、不動産が適切に管理されない、売買取引が不可能となる、など様々な問題の原因となります。

こうした点が問題視され、令和6年4月1日からは、相続で不動産取得を知った日から3年以内の登記が義務化されることとなります。

登記にあたっては、必要書類が多く、準備に時間を要するためお早めに準備されることをおすすめします。遺産分割協議書や登記申請書など準備・作成が必要となる提出書類については、専門家に作成を依頼する方法もございます。

また、個別の事情により提出書類が異なる場合もございますので、相続登記でお困りのことがある場合には、法務局や司法書士会へご相談しましょう。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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