空き家を相続して保有しているだけで固定資産税がかかる?

更新日:2020年03月20日 発注カテゴリ: 相続・事業承継対策
空き家を相続して保有しているだけで固定資産税がかかる?

両親が亡くなり、長子ということもあり実家を相続したけど活用できていない…。そうした方はよくいらっしゃるようです。こうした空き家は活用できていないというだけでなく、むしろマイナスになることをご存知でしょうか。本記事では空き家の固定資産税について解説していきます。

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不動産を保有するだけで固定資産税と都市計画税がかかる

不動産を保有して活用できていないと、もったいないどころかマイナスになってしまいます。不動産の所有者には固定資産税が課されるからです。また、市街化区域内にある土地だと都市計画税も課されることになります。

ここでは、これら固定資産税や都市計画税の基本的な内容をお伝えしていきます。

固定資産税・都市計画税の税率

固定資産税、都市計画税の税率は以下のようになっています。

  • 固定資産税=固定資産税評価額×1.4%
  • 都市計画税=固定資産税評価額×0.3%

なお、固定資産税は市区町村の課す税金のため、市区町村次第で上記税率とは別に税率を定めることもできます。

固定資産税評価額とは

固定資産税や都市計画税は固定資産税評価額に基づいて計算されます。 固定資産税評価額は、固定資産税等の計算に用いられるもので、市区町村が調査して定めます。全ての不動産に対してこれら調査を行う必要があり、手間が膨大になるため3年に1回しか評価替えが行われません。

このため、3年間の地価変動等見込むことができず、納税者間の不公平をなくすため、時価(実際の取引価格)の7割程度を目安に定めることとされています。

住宅用地の特例

土地の上に居住用建物(セカンドハウスや賃貸アパート・マンション含む)が経っている場合、「住宅用地の特例」の適用を受けることができます。

住宅用地の特例の適用を受けると、それぞれ以下のように税金が軽減されます。

固定資産税面積軽減率
小規模住宅用地200岼焚1/6
一般住宅用地200崢1/3

都市計画税面積軽減率
小規模住宅用地200岼焚1/3
一般住宅用地200崢2/3

ここまでをまとめてみましょう。

たとえば、時価1,000万円程度の空き家(土地の面積150/建物の固定資産税・都市計画税は考慮しない)があったとすると、その固定資産税評価額は概ね700万円程度となります。

この場合、固定資産税、都市計画税を計算すると以下のようになります。

  • 固定資産税:700万円×1/6×1.4%=約1.63万円
  • 都市計画税:700万円×1/3×0.3%=約0.7万円

空き家を放置すると固定資産税が最大6倍になる?

お伝えした通り、土地の上に居住用建物が建っている場合、住宅用地の特例の適用を受けることができ、最大で6分の1まで税負担を軽減できます。これは空き家でも同じです。

しかし、これは空き家が減らない要因にもなってしまっています。使っていない空き家があったとしても、空き家を解体してしまえば住宅用地の適用を受けられなくなり、固定資産税の負担額が大きくなってしまうのです。

こうした問題を解消するため、2015年に「空き家対策特別措置法」が施行されました。

空き家対策特別措置法とは

空き家対策特別措置法は空き家を放置することで生じるトラブルを解消するための法律で、具体的には問題のある空き家を「特定空き家等」として認定し、行政が修繕や撤去の指導、勧告、命令を行うことができます

さらに、特定空き家等の認定を受け、行政から勧告を受けた空き家は住宅用地の特例の適用を受けられなくなります。

なお、特定空き家等の認定を受けるかどうかの基準には以下のようなものがあります。

倒壊の危険性があるか?

空き家が倒壊すると通行人や近隣住民が巻き込まれてしまう危険性があります。また、倒壊して散らばった破片が強風などにより飛んで人や物にぶつかってしまうといった可能性も考えられるでしょう。

このため、倒壊の危険性があるかどうかが、特定空き家等の認定の基準の一つとなっています。

衛生面の問題はないか?

空き家が放置されると動物の糞尿や不法投棄などにより周辺の衛生環境を著しく悪化させてしまう可能性があります。 こうした衛生面に与える影響も特定空き家に指定されるかどうかの基準の一つとなっています。

景観に悪影響を及ぼしていないか?

草や木が伸び放題であったり、家の壁が苔だらけだったりすると、その家だけでなく周辺地域を含めて景観が悪くなってしまいます。

空き家対策特別措置法では、こうした景観を満たす家を特定空き家に指定するかどうかの基準の一つとしています。

周辺の生活環境を悪化させていないか?

放置された空き家はホームレスのたまり場になったり、放火や空き巣といった犯罪の温床となったりしてしまうことがあり、周辺地域の治安悪化につながってしまいます

こうした問題が懸念される空き家かどうかも、特定空き家認定の基準の一つです。

特定空き家に指定される前と後で固定資産税を比較

特定空き家等に指定されると住宅用地の特例の適用を受けられなくなりますが、実際のところどの程度負担額が変わるのでしょうか。

ここでは、いくつかのケースに分けて特定空き家等に指定されて住宅用地の特例を受けられなくなる前後の税負担の違いを見ていきたいと思います

なお、いずれについても建物の固定資産税については考慮しないこととします。

固定資産税評価額1,000万円、土地の面積200屬両豺

固定資産税1,000万円、土地の面積200屬両豺隋⊇斬靈冀呂瞭団蠅療用を受けると固定資産税は以下のようになります。

1,000万円×1/6×1.4%=約2.3万円

一方、特定空き家等の認定を受け、住宅用地の特例の適用を受けられなくなった場合の固定資産税は以下のようになります。

1,000万円×1.4%=14万円

この場合、単純に税負担額が6倍になってしまいました。

固定資産税評価額3,000万円、土地の面積300屬両豺

次に、固定資産税評価額3,000万円、土地の面積300屬両豺腓僚斬靈冀呂瞭知稘用後の固定資産税は以下の通りです。

3,000万円×2/3×1/6×1.4%=約4.7万円
3,000万円×1/3×1/3×1.4%=約4.7万円


次に、特定空き家等の認定を受け、住宅用地の特例の適用を受けられない場合、固定資産税は以下のようになります。

3,000万円×1.4%=42万円

固定資産税評価額5,000万円、土地の面積500屬両豺

最後に、固定資産税評価額5,000万円、土地の面積500屬両豺腓鮓てみましょう。

住宅用地の特例の適用を受ける場合、以下のようになります。

5,000万円×2/5×1/6×1.4%=約4.7万円
5,000万円×3/5×1/3×1.4%=約14万円


次に、特定空き家等の認定を受けた場合の税負担額は以下の通りです。

5,000万円×1.4%=70万円

倍率は6倍より少なくなっていますが、負担額の大きさにも注意する必要があるでしょう。

活用できない空き家は売却を検討しよう

実家を相続したケースなど、空き家を活用できなくとも思い入れがあるといった理由で手放せずにいる方は少なくないでしょう。 しかし、空き家対策特別措置法の施行により、空き家の固定資産税の負担額が最大で6倍になってしまう可能性があります。 活用の道がないのであれば、早めに売却を検討してみてはいかがでしょうか。

ちなみに、不動産を売却すると譲渡所得税が課されることになります。場合によっては膨大な課税額になることもあるため、税理士に相談しながら進めましょう。

まとめ

不動産は所有しているだけで固定資産税が課されますが、空き家対策特別措置法の施行により、特定空き家等の認定を受けると税負担額が最大で6倍になってしまうことになりました。

その負担はバカにならない額となってしまうため、活用していないのであれば売却を前向きに検討してみてはいかがでしょうか

なお、空き家を売却すると譲渡所得税が課されることになります。少しでも税負担を和らげるためにも、税理士に相談してみることをおすすめします。

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