空き家を相続したときの相続税や譲渡所得税はどうなる?

更新日:2020年03月20日 発注カテゴリ: 相続・事業承継対策
空き家を相続したときの相続税や譲渡所得税はどうなる?

都心に住んでいる子供が、親から実家を引き継ぐなどして活用できず、空き家になることがあります。こうしたケースで気になるのが税金の取扱いです。空き家を相続するとどのような税金が課されるのでしょうか。 本記事では、空き家を相続したときに課される税金として、相続税や譲渡所得税について解説していきます。

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空き家を相続したときの相続税はどうなる?

現金や不動産など財産を相続したときに発生するのが相続税で、財産の価値に応じて課される税金が決まります。

空き家を相続した場合もこの点に変わりはなく、土地と建物それぞれの価値に応じて相続税を納める必要があります

相続税の計算方法

相続税がどのように課税されるかを理解するのに必要な知識として「法定相続分」「基礎控除」があります。

法定相続分とは、亡くなった方の配偶者であるとか、子であるとか、関係性によって定められる相続分のことで、以下のように定められています。

法定相続人法定相続分法定相続人法定相続分
第一順位配偶者1/21/2
第二順位配偶者2/3両親1/3
第三順位配偶者3/4兄弟姉妹1/4

上記の通り、配偶者は常に法定相続人となりますが、子や両親、兄弟姉妹などはより高い順位の人がいる場合は法定相続人になれません。たとえば、相続人に子がいる場合は両親や兄弟姉妹は法定相続人になれず、逆に子も両親もいない場合は兄弟姉妹が法定相続人となります。

また、基礎控除とは法定相続人の数に応じて受けられる控除のことで、以下の計算式で求められます。

基礎控除額=3,000万円+(法定相続人の数×600万円)

たとえば、配偶者がいて、子が2人いるケースでは基礎控除額は3,000万円+600万円×3人=4,800万円となります。

空き家を相続した場合も、まずは上記を理解しておくとよいでしょう。

空き家だと相続税の負担が大きくなる?

空き家を相続する場合、もしくは相続した結果空き家になる場合、「小規模宅地等の特例」の適用を受けられなくなることから、相続税の負担が大きくなってしまう可能性があります

小規模宅地等の特例とは、亡くなった人と同居していた人が自宅を相続する場合、自宅の土地のうち330屬泙任良分について80%軽減を受けられるという特例です。

つまり、空き家を相続する場合には「相続人の自宅」に該当しないため、また相続した実家が空き家になる場合は「相続人と同居していた」ことにならないため、特例の適用を受けられません。

ただし、相続人が配偶者の場合や、相続人が他に持ち家を持っていない場合には特例の適用を受けることができます。

小規模宅地等の特例は最大で80%も相続税を軽減できる特例のため、基礎控除額を超える財産を相続する場合には、特例の適用を受けられるかどうか確認しておくことが大切です

相続した空き家を売却したときはどうなる?

次に、相続した空き家を売却することになったときには、どんな税金がかかるのでしょうか?

不動産を売却して利益を得ると、その利益額に応じて譲渡所得税を納める必要があります。空き家を売却する場合も、これは同じです。

譲渡所得税の計算方法

不動産を売却したときの譲渡所得税は以下の計算式で求めることができます。

課税譲渡所得=売却価格-取得費-譲渡費用-特別控除
税額=課税譲渡所得×税率


上記計算式の内、取得費とは売却する不動産を取得したときに要した費用のことで、相続財産の場合、被相続人(亡くなった方)が取得したときに要した費用を計上できます。

売買契約書や領収書など、その額を証明できるものが必要になるので、相続前から保管場所等について確認しておきましょう。

また、不動産の譲渡所得の税率はその所有期間によって以下のように定められています。

所有期間所得税住民税合計
短期譲渡所得5年以下30.63%9%39.63%
長期譲渡所得5年超15.315%5%20.315%

この所有期間について、相続した不動産の場合は、被相続人(亡くなった方)の所有期間も含められることになっています。

取得費加算の特例で相続税を減らせる

相続した不動産を3年以内に売却する場合、「取得費加算の特例」の適用を受けることができます。

取得費加算の特例とは、相続時に支払った相続税分を、不動産売却時の課税譲渡所得計算時に、取得費に加算できるというものです。

たとえば、不動産を相続して300万円の相続税を支払った場合、その相続税分を不動産売却時の取得費に計上できます。

(例)取得費加算の特例適用前

3,000万円(売却価格)-1,000万円(取得費)-300万円(譲渡費用)=1,700万円(課税譲渡所得)
1,700万円(課税譲渡所得)×20.315%(長期譲渡所得の税率)=345万3,550円

(例)相続税を300万円支払い、取得費加算の特例の適用を受ける

3,000万円(売却価格)-1,000万円(取得費)-300万円(取得費加算)-300万円(譲渡費用)=1,400万円(課税譲渡所得)
1,400万円(課税譲渡所得)×20.315%(長期譲渡所得の税率)=284万4,100円

空き家を売却したときに利用できる控除がある?

マイホームを売却する場合、一定の要件を満たすと「3,000万円特別控除」の適用を受けることができます。

3,000万円特別控除とは、先ほどの課税譲渡所得の計算において、最後に特別控除として3,000万円差し引ける特例です

課税譲渡所得=売却価格-取得費-譲渡費用-3,000万円(特別控除)

3,000万円も控除を受けられることから、非常に効果の高い特例です。

しかし、この特例の適用を受けるには売却する不動産がマイホームである必要があり、相続した不動産が空き家になっている場合には適用を受けられません。

ただし、一定の要件を満たすと空き家でも特別控除を受けられる制度が設けられています。

  • 2013年1月2日以降に相続が発生し2023年12月31日までに売却
  • 旧耐震基準(1981年5月31日以前)で建築
  • 相続直前まで親が居住
  • 一戸建て
  • 相続後、賃貸等に出していない
  • 相続開始から3年以内の売却

条件は厳しめですが、適用を受けられるかどうか確認しておくとよいでしょう。

相続前から対策しておくことも大切

空き家は相続時には相続税が、売却時には譲渡所得税がかかり、その額が大きくなることも珍しくありません。

本記事でご紹介した通り、空き家であることを理由に適用できない特例や、逆に空き家である場合に一定の要件を満たせば適用を受けられる特例もあります。

なお、これら税金への対策については、相続前から計画を立てて取り組んでくとより高い効果を得やすくなります

たとえば、不動産を相続して空き家になってしまうケースでは、小規模宅地等の特例の適用を受けられないことをお伝えしましたが、相続の発生する3年以上前に賃貸に出すことで、貸付用宅地として200屬泙悩蚤50%の減額を受けられるようにすることもできます。

もちろん、被相続人がその家に住み続けたい場合には対象外ですが、老人ホームに引っ越す予定があるようであれば検討しやすい方法だと言えるでしょう。

どのようにすれば税負担を少なくできるかは個別の状況によるため、納税額が大きくなりそうな場合は税理士に相談するようにすることをおすすめします

まとめ

空き家を相続したときにかかる税金として、相続税と譲渡所得税についてお伝えしました。

ここ数年、空き家の数は増えており、政府もその対策にさまざまな政策を打ち出しています。

うまく活用することで税負担を大きく減らすことができる可能性があるため、将来的な相続を見越して早めに税理士に相談してみてはいかがでしょうか。

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