棚卸資産には税金がかかるって本当?賢く節税する方法を解説!

最終更新日:2023年09月20日
竹中啓倫税理士事務所
監修者
税理士・米国税理士・認定心理士 竹中啓倫
棚卸資産には税金がかかるって本当?賢く節税する方法を解説!
この記事で解決できるお悩み
  • 棚卸資産には税金がかかる?
  • 棚卸資産の付随費用は経費にできる?
  • 棚卸資産で節税する方法は?

棚卸資産には税金がかかるとよく言われますが、それは事実です。棚卸資産を多く抱えている方の場合、どのくらいの税金を支払わなければならないのだろうかと不安に思うかもしれません。

この記事では、棚卸資産に税金がかかる理由や賢く節税する方法について解説します。棚卸資産と消費税の関係もわかりやすく説明するので、法人・個人事業主で在庫を多く抱えている方はぜひ参考にしてください。

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棚卸資産は課税対象ではないが税金は増える

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棚卸資産は、正確にいうと課税対象ではありません。しかし、棚卸資産が多ければ納税額も増えるため、税金がかかっているように見えるのです。 商品の売上原価は「前期末棚卸(在庫)+当期仕入高―期末棚卸(在庫)」で計算をします。期末棚卸が増えると、売上原価が少なくなり利益が増加するため、結果的に所得税・法人税が増えるのです。

たとえば、商品単価1,000円の商品を10個購入し、その内の7個を1,200円で売ったとしましょう。以下の表の通り、 収支は赤字なのに在庫が残っているために売上原価が下がり、所得税・法人税がかかるのです。

収支8,600円(収入)-10,000円(支出)=-1,400円
経費7,000円(仕入高と期末棚卸の差)
利益8,600円(収入)-7,000円(経費)=1,600円

棚卸資産自体に税金がかかるわけではありませんが、棚卸資産が多いと納税額が増えるのは事実。逆に棚卸資産が少なければ、売上原価が上がり納税額が減ります。

棚卸資産の評価方法として「低価法」と「原価法」が存在します。この2つの違いや評価については下記記事にて解説しているため、参考にしてください。

棚卸資産が多いデメリット

棚卸資産を多く抱えていると、企業にとってデメリットとなることがあります。主なデメリットとして挙げられるのは以下の3つです。

  • 資金繰りが悪化する
  • 在庫の品質や商品価値が低下する
  • 保管のコストや人件費が増加する

棚卸資産は企業の資金が形を変えているものなので、自由に使える現金が減少し資金繰りが悪化する恐れがあります。在庫が売れなければ、利益は上がらずコストが増加していく悪循環に陥ってしまうのです。

棚卸資産の種類と付随費用

棚卸資産は大きく分けて以下の2つの種類があります。それぞれの棚卸資産に異なる付随費用があるので注意が必要です。

  • 購入した製品
  • 製造した製品

購入した製品

企業が他社から購入して棚卸資産になっている製品があります。他社から購入した資産には、購入代金に加え、製品の運搬費用や商品の検収などの費用がかかっているでしょう。資産の消費や販売のために直接費やした付随費用も棚卸資産の金額に含まれます。

製造した製品

自社で製造した製品が棚卸資産になっている場合もあります。製造した製品では、以下の費用が棚卸資産の価額に含められる点に注意が必要です。

  • 原材料費
  • 工賃
  • 工場の電気代や家賃などの費用
  • 運送費

付随費用は経費計上できる

棚卸資産にかかった付随費用の中には、棚卸資産の金額に含めるものと経費として計上できるものがあります。付随費用を経費にできれば、所得を圧縮して所得税・法人税額を減らすことが可能です。 棚卸資産の付随費用は、購入価額のおよそ3%以内であれば経費処理することが認められています。

付随費用が購入価額の3%以内かどうかは、1年分ごと、さらに棚卸資産の種類ごとに計算可能。付随費用を定期的にチェックすることで節税できる可能性があります。

棚卸資産の含み損が経費にできるケース

棚卸資産の含み損が経費にできるケース

棚卸資産の取り扱いでは、含み損の取り扱いも非常に重要なポイントです。含み損は経費に計上できるので、賢く節税に活用できます。含み損が経費にできるのは主に上記の3つのケースです。

物価変動や過剰生産によって棚卸資産の価値が下がってしまったケースでは、含み損を経費に計上できません。購入価額よりも安く在庫処分したり、在庫を破棄したりした場合には損失分を経費に計上可能です。

棚卸資産と消費税の関係

棚卸資産は所得税や法人税だけでなく、消費税の計算にも影響を与えます。免税事業者から課税事業者になった場合、免税事業者の間に購入した商品の消費税を、課税事業者になった年度の仕入れにかかった消費税に含めなければなりません。売上にかかった消費税と仕入れにかかった消費税の差額を納税する必要があります。

課税事業者から免税事業者になったケースでは、棚卸資産の消費税を仕入れにかかった消費税から差し引いて計算を行います。棚卸資産はその年度の売上に対応していないためです。消費税を多く計上するために大量の棚卸資産を抱えても節税にならないので注意しましょう。

棚卸資産で節税する2つの方法

棚卸資産で節税する2つの方法

棚卸資産を抱えている企業は、棚卸資産で賢く節税する方法を知っておく必要があります。棚卸資産で行える節税方法は上記の2つです。

含み損による節税

棚卸資産の含み損は、経費に計上できるので節税に活用すべきです。たとえば、災害によって著しく損傷した製品の含み損は経費になります。

税務署とのトラブルを防ぐため、客観的な証拠を集めておくことが重要。災害を取り上げた新聞記事、被災現場の写真、災害を受けた棚卸資産の見本、売却価格の記録などが証拠になります。 季節商品や古い商品で含み損が発生している場合も同様に、陳腐化した原因と販売実績が分かる証拠を用意しましょう。

在庫を減らすことによる節税

棚卸資産が多いと売上原価が減って所得税・法人税額が上がります。在庫を減らして売上原価を上げることで節税が可能です。 在庫を減らす方法は、見切り品として販売、思い切って廃棄などの方法が考えられるでしょう。棚卸資産の保管料や管理コストを考慮して、もっともよい方法を探す必要があります。

まとめ

棚卸資産自体に税金はかかりませんが、売上原価の減少によって所得税・法人税額が上がるため、税金がかかっているように見えます。購入した製品も製造した製品も、付随費用を経費にしたり含み損を計上したりして節税が可能です。棚卸資産が多すぎると資金繰りに悪影響を及ぼすため、在庫管理を適切に行うようにしましょう。

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監修者の一言

かつては、在庫をたくさん持つことが良いとされていた時代がありました。在庫をたくさん持つことによって、消費者にいろんなパターンで提案でき、販売機会を逃がす心配がないと考えられていました。

確かに、品揃えの豊富さはお客様のニーズに合致しています。その一方で、在庫を多く抱える「無駄」に着目するようになっていました。在庫を多く持つことにより、その在庫の価値が時間経過とともに下がっていくリスクがあります。

例えば、季節商品ですとその季節を逃してしまった場合、価値は大きく下がりますし、翌年まで持ち越しても、前と同じ価値までは回復しません。場合によっては、廃棄せざるを得ず廃棄損を計上したり、値引き販売による粗利益の低下を招いています。

また、在庫を抱えることは、その仕入金額を先払いし、眠らせていくことになります。資金的にもマイナスですし、その期間に発生する金利分はマイナスになってしまいます。

そもそもの商売のやり方として、在庫を多くもつ方法は敬遠されるようになってきています。経営者として、自社にとって何がメリットがあるのか、考える必要があります。

竹中啓倫税理士事務所
税理士・米国税理士・認定心理士 竹中啓倫
監修者

岐阜県出身。上場会社の経理に勤務する傍ら、竹中啓倫税理士事務所の代表を務める。M&Aなどの事業再編を得意とし、セミナーや研修会講師にも数多くあたるほか、医療分野にも造詣が深く、自ら心理カウンセラーとして、心の悩みにも答えている。税理士会の会務では、名古屋税理士協同組合理事を務める。

比較ビズ編集部
執筆者
比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。
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