個人事業主が還付申告を行えるのは、該当年の翌年1月1日から5年間です。たとえば、令和4年分の所得税等に関して還付申請を行う場合、還付申告できるのは令和5年1月1日から5年間となります。
還付申告できる5年間を過ぎると、所得税の還付金は受け取れません。還付金があることがわかった場合、できるだけ早く申告しましょう。
個人事業主が還付金を受け取れるケースとは?申告方法や受け取り方法を解説!
- 個人事業主が還付金を受け取れるケースは?
- 個人事業主の還付金額はどうやって計算するの?
- 個人事業主が還付申告する方法は?
「支払い過ぎた所得税は戻ってくる?」とお悩みの個人事業主の方、必見です。還付金申請をすることで、支払い過ぎた所得税は戻ってきます。
この記事では、個人事業主が還付金を受け取れるケースや還付金の申告方法を解説します。記事を読み終わる頃には、還付金がどれくらい戻ってくるかがわかるでしょう。
初めて還付金申請をする方は、ぜひ参考にしてください。
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個人事業主が還付金を受け取れるケース3つ
個人事業主が還付金を受け取れるのは、以下の3つのケースです。
- 予定納税額が申告納税額を上回ったケース
- 源泉徴収額が申告納税額を上回ったケース
- 純損失の繰り戻し請求をするケース
それぞれのケースをくわしく解説します。
予定納税額が申告納税額を上回ったケース
個人事業主の予定納税額が申告納税額を上回った場合、還付金を受け取ることが可能です。前年の所得金額や所得税額によって計算された予定納税基準額が15万円を上回ると、所得税の一部を前もって納めることが求められます。
予定納税したにも関わらず、業績が急激に悪化した、廃業したなどの理由で申告納税額が少なくなることもあるでしょう。予定納税額が本来納めるべき所得税額を上回ると、確定申告が不要となり還付申告を行うことで支払いすぎた所得税が還付されます。
源泉徴収額が申告納税額を上回ったケース
個人事業主が源泉徴収の対象となっている場合、源泉徴収額が申告納税額を上回ると還付の対象です。報酬は源泉徴収されるものの例は、以下のとおりです。
- 記事の原稿料
- 講演料
- 弁護士や税理士への報酬
- 芸能人のギャランティ
源泉徴収された金額は顧客からの支払調書で確認可能です。確定申告の際、源泉徴収された金額が所得税額より多いことがわかれば、還付金が受け取れます。
純損失の繰り戻し請求をするケース
青色申告をしている個人事業主の場合、純損失の繰り戻し請求によって還付金が受け取れるケースがあります。青色申告のメリットの1つは、過去の黒字と赤字を相殺できる点です。
前年は業績が黒字で所得税を納め、本年は大幅な赤字だった場合、前年の黒字と相殺し納めすぎた所得税を還付してもらえます。赤字の場合、確定申告は必要ありませんが、純損失の繰り戻し請求を行うためには確定申告期限内に確定申告と還付請求手続きを行う必要があります。
個人事業主の還付金申請と年末調整の違い
個人事業主の還付金申請の内容は、年末調整とよく似ていますが違いがあります。年末調整は、給与所得者が源泉徴収された所得税額と、実際の所得税額の過不足を確認するものです。年末調整は基本的に会社が行うため、給与所得者が行う必要はありません。
個人事業主の還付金申請は、源泉徴収だけではなく予定納税や赤字によって発生した所得税の差額を精算するためのものです。税務署が所得税の納めすぎを知らせてくれることはないため、個人事業主が還付金申請を行わなければなりません。
個人事業主の還付金計算方法
個人事業主の還付金計算は3つのステップで行います。
- 申告納税額を計算する
- すでに納めた所得税額を計算する
- 申告納税額と納めた所得税額の差を求める
1. 申告納税額を計算する
個人事業主が還付金の金額を計算するために、納めるべき納税額を計算しましょう。ある個人事業主の収入が700万円、経費が300万円、所得控除が80万円である場合、課税所得は収入700万円−経費300万円−所得控除80万円=320万円です。
課税所得320万円の場合、所得税率は10%、控除額が97,500円であるため、所得税額は320万円×10%−97,500円=222,500円となります。課税所得額によって所得税率は変わるため、税率を間違えないよう注意しましょう。
所得税率は国税庁「所得税の税率」で確認できます。所得税に関するパンフレットや各種様式もダウンロードできるため、あわせてチェックしましょう。
2. すでに納めた所得税額を計算する
確定申告により正確な所得税額がわかったところで、すでに納めた所得税額を計算します。予定納税している場合は、納付書やクレジットカードの明細、銀行口座の引き落とし履歴を見て納税額を確認できるでしょう。
報酬が源泉徴収されている個人事業主の場合、顧客が発行する支払調書を見て源泉徴収額を確認します。支払調書の発行は義務ではないため、報酬額を自分で確認しながら源泉徴収額を計算しなければならない場合もあるでしょう。
3. 申告納税額と納めた所得税額の差を求める
確定申告によって確定した所得税額と、すでに納めた所得税額に差がある場合、追加納税もしくは還付が発生します。すでに納めた所得税額が申告納税額よりも多いケースでは、納めた所得税が還付されるでしょう。
先ほどの例では、222,500円が所得税額であるため、30万円の予定納税を行っていた場合、差額の77,500円が還付されます。
個人事業主の還付申告方法
個人事業主が還付金の申告を行う手順は、以下のとおりです。
- 還付申告の必要書類を準備する
- 還付申告書類を提出する
- 還付金が振り込まれる
1. 還付申告の必要書類を準備する
個人事業主が還付申告する際の必要書類は、以下のとおりです。
- 確定申告書
- 支払調書
- 医療控除や住宅ローンなどの控除証明書類
- 本人確認書類
源泉徴収票や支払調書は顧客に発行義務がないため、早めに発行依頼しましょう。収入から差し引かれる控除は、生命保険料や地震保険料、ふるさと納税など多くあるため、確定申告のときから漏れなく控除証明書を準備することが重要です。
2. 還付申告書類を提出する
還付申告に必要な書類をそろえたあと、税務署に提出します。主な提出方法は以下の3つです。
- 税務署の窓口に書類を持参する
- 郵送する
- e-Taxを使ってオンラインで提出する
税務署の窓口に書類を持参する場合、書類の不備がないかその場で確認できます。郵送やe-Taxを利用すると、自分の都合のいい時間に書類を提出できることがメリットです。
3. 還付金が振り込まれる
書類に不備がなければ、還付申告が精査されたあと還付金が振り込まれます。個人事業主の銀行口座に還付金が振り込まれるか、郵便局・ゆうちょ銀行に出向いて受け取る方法で還付金を受け取れるでしょう。
まとめ
個人事業主が所得税を納めすぎている場合、還付金を受け取れます。確定申告後に所得税額を確認し、還付金が発生するか確認しましょう。
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よくある質問とその回答
また、既に還付申告をした人が、その申告した年分について、還付を受けるべき税金を少なく申告してしまった場合には、更正の請求という手続により納めすぎになっている所得税の還付を受けることができます。
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