個人事業主が経費にできる支出13選!確定申告での注意点を解説
- 個人事業主が経費にできる支出は?
- 個人事業主が経費に計上できるかどうかはどうやって決まるの?
- 個人事業主が経費を計上する際に注意すべき点は?
「個人事業主の支出は、どこまで経費にできる?」とお悩みの方、必見です。個人事業主の支出を経費にするためには、事業に関係していることを明確にすることがポイントです。
この記事では、個人事業主が経費にできる・できない支出を解説します。記事を読み終わる頃には、正しい経費計上の方法が身に付くでしょう。
経費にする際の注意点も解説するため、個人事業主の方は、ぜひ参考にしてください。
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個人事業主が経費にできる支出13選
個人事業主が経費にできる主な支出は、以下の13項目です。
- 租税公課
- 消耗品費
- 水道光熱費
- 広告宣伝費
- 通信費
- 接待交際費
- 旅費交通費
- 給料賃金
- 福利厚生費
- 雑費
- 減価償却費
- 外注工賃
- 地代家賃
1. 租税公課
個人事業主が支払う租税公課のなかには、経費計上できるものがあります。以下の租税公課は経費計上可能です。
- 個人事業税
- 固定資産税
- 自動車税
- 登録免許税
- 印紙税
事業に関係ない以下の租税公課は、経費にならないとされています。
- 住民税
- 所得税
- 税金の延滞金
- 交通違反の反則金
仕事中に交通違反を犯した場合、交通違反の反則金は経費計上できません。
2. 消耗品費
個人事業主が仕事で使用する文房具や机、椅子などは、消耗品費として経費計上できます。消耗品は、取得価額が10万円未満もしくは法定耐用年数が1年未満のものです。
取得価額が10万円以上もしくは法定耐用年数が1年以上のものは、後述の減価償却費に含めなければなりません。建物や備品の法定耐用年数は、確定申告書等作成コーナーの「確定申告書等作成コーナーよくある質問」で確認しましょう。
3. 水道光熱費
個人事業主が事業で使用する電気代、ガス代、水道代、ストーブに使う灯油代は、水道光熱費として経費計上できます。
住居を自宅と事務所を兼ねて使用している場合、事業に使っている分だけを経費にする「家事按分」が必要です。家事按分の割合は、根拠のある説明や証拠が求められます。
4. 広告宣伝費
個人事業主が事業を拡大するためにかかった費用は、広告宣伝費として経費計上できます。求人広告を出す際にかかる費用、チラシの印刷代、ポスティングにかかった費用などが該当します。
広告宣伝費の支出の日付は、支払いが発生した日ではなく広告が掲載された日です。支払いから掲載まで時間がかかるチラシや雑誌の場合、経費計上の日付がかなり後になるため、注意しましょう。
5. 通信費
電話代やインターネット回線の料金、スマートフォンのプラン料金、切手代やはがき代は、通信費として経費計上します。
仕事とプライベートの両方で同じスマートフォンを使用している場合は、家事按分が必要です。スマートフォン本体の価格は通信費ではなく消耗品費もしくは減価償却費となります。
6. 接待交際費
接待交際費は、個人事業主が取引先との接待で発生した費用です。顧客や取引先と打ち合わせを兼ねた食事をしたケースでは、経費計上できます。領収書の裏や記録帳に食事をした相手先の氏名名称・日時や場所を記録しましょう。
プライベートの食事や事業に関係ない人との飲食は接待交際費に計上できません。
7. 旅費交通費
個人事業主が事業のために費やした交通費は、旅費交通費として経費計上できます。出張だけではなく、打ち合わせや営業のために出かけた際の交通費も旅費交通費です。
電車やバス、飛行機などの公共交通機関に加え、タクシー代や自家用車のガソリン代も経費計上可能です。出張先での観光費用、交通違反や駐車違反の反則金・罰金は経費にできないため注意しましょう。
8. 給料賃金
個人事業主が従業員に対して支払った給与、賞与は、給料賃金として経費計上できます。残業代も給料賃金に含まれます。
個人事業主が売上から給料をもらっている場合、給料賃金として経費計上できません。一緒に働く家族に支払う給与は、給料賃金ではなく専従者給与として経費計上できます。
9. 福利厚生費
個人事業主が従業員の保険や医療のために支払った支出は、福利厚生費として経費計上できます。従業員の健康診断費用、慰安旅行の費用、慶弔見舞金、忘新年会が挙げられます。
個人事業主自身の健康診断費用や旅行費用は経費にできません。従業員として働く家族の保険や医療のために支払った支出も、福利厚生費として計上できないため注意しましょう。
10. 雑費
どの費用にも当てはまらないものは、雑費として経費計上します。雑費となり得る支出はクリーニング代や書籍代、市区町村の会費、振込手数料、税理士や行政書士への報酬などです。
雑費が多いと会社の収支を正しく把握できなくなるため望ましくありません。雑費に分類する支出を減らすよう努力しましょう。雑費は税務調査で質問されやすいため、支出内容や日時の記録を残しましょう。
11. 減価償却費
減価償却費とは、10万円以上の高額な資産を一定期間に分けて経費計上します。減価償却の対象はパソコンや自動車、コピー機などです。
30万円のパソコンを購入した場合、30万円を1度に経費にすることはできず、減価償却しなければなりません。サーバーではないパソコンの場合、耐用年数は4年であるため、1年あたり7万5,000円ずつ経費に計上します。
12. 外注工賃
個人事業主が外注を依頼した場合、支出を外注工賃で経費にできます。
外注であることが条件であるため、従業員や家族従業員に業務を依頼した場合には外注工賃とはなりません。
13. 地代家賃
個人事業主が事務所を借りて事業を行っているケースでは、地代家賃を経費にできます。家賃だけではなく、借りている駐車場代も地代家賃で計上可能です。
土地や建物ではなく物品や機械を借りている場合、地代家賃ではなく賃借料になるため注意しましょう。
個人事業主が経費にできない支出3選
個人事業主が経費にできない支出として、以下の3つが挙げられます。
- 私的な飲食代や交際費
- 個人事業主本人への給与や福利厚生費
- メガネ代/スーツ代
私的な飲食代や交際費
個人事業主が支払った私的な飲食代や交際費は経費にできません。事業に関係ない支出は経費と認められないためです。飲食代や交際費のレシートや領収書だけで事業に関係する支出だったかどうかを判別することは難しいため、どの支出が私的なものかを分ける必要があります。
書籍代や飲食代を事業に関係するものと説明できる場合は経費にできますが、不透明な部分は税務調査の際に尋ねられます。正しく説明ができないと、追徴課税を科せられるおそれもあります。
個人事業主本人への給与や福利厚生費
個人事業主本人への給与や福利厚生費は経費にできません。福利厚生費は、個人事業主のもとで働いている従業員のためのものです。福利厚生費に関しては、青色専従者に対するものも経費にならないため注意しましょう。
個人事業主が行った健康診断費用、国民年金や国民健康保険の保険料、生命保険料、損害保険料、健康のために通っているスポーツクラブの会費などは経費になりません。所得から控除できるものが少なくないため、確定申告の際に注意が必要です。
メガネ代/スーツ代
個人事業主が購入したメガネやスーツの代金も基本的に経費になりません。メガネやスーツは、業務以外でも使用することがあるため、事業を継続するための経費になりません。パソコンで仕事をするためにメガネを購入した場合は、プライベートと仕事の割合で経費が認められる可能性があります。
スーツ代を経費にできるケースは、以下の記事も参考にしてください。
個人事業主の経費は事業に関係しているかがポイント
個人事業主の経費が認められるかどうかは、事業に関係しているかがポイントとなります。法人は事業と社員のプライベートが区別されていますが、個人事業主は仕事とプライベートが密接に関わっているため経費の判断が難しくなるでしょう。
個人事業主の支出が経費と認められるために、宛名入りの領収書やレシートを保管しましょう。支出内容をメモに残すと説得力のある証拠となります。
個人事業主の経費に上限はない
個人事業主の事業に関係する支出は、経費にできる金額に上限はありません。中小企業の場合、交際費が年間800万円までと定められていますが、個人事業主には適用されません。
すべての支出を経費にできるわけではありません。売上に対して接待交際費が多すぎる、事業内容に対して消耗品費が高すぎるなど、妥当性が低いと判断される経費に関しては税務署から指摘を受けるおそれがあります。
個人事業主と経費に関する注意点4つ
個人事業主が経費を計上する際に注意すべき点は以下の4つです。
- 業務とプライベートは「家事按分」でわける
- 経費計上には証明書類が必要になる
- 青色申告で節税する
- 必要に応じて税理士に相談する
1. 業務とプライベートは「家事按分」でわける
個人事業主の場合、経費の家事按分が必要となります。自宅や車を業務とプライベートの両方で使用している場合、経費にできるのは業務で使用した分だけです。家事按分は、税務署に明確に説明できる方法で行わなければなりません。
自宅兼事務所を借りている場合、家賃を家事按分します。一般的には床面積もしくは使用時間から経費を算出します。居住スペースが100屐業務に使用している面積が20屬両豺隋家賃の20%を経費計上可能です。電気代は床面積やコンセントの数、通信費は使用時間、ガソリン代や車の維持費は走行距離や使用時間によって家事按分します。
2. 経費計上には証明書類が必要になる
個人事業主が経費計上するためには、証明書類が必要です。帳簿に経費が記載されているにもかかわらず領収書やレシートがない場合、脱税を疑われるおそれがあります。普段から領収書やレシート、振込明細、請求書、納品書など支出が証明できる書類を保管しましょう。
領収書やレシートをなくした、公共交通機関を利用して領収書が発行されなかった場合、出金伝票を作ることで経費が認められます。出金伝票には以下の情報がすべて記載されてることを確認しましょう。
- 日付
- 支払先
- 金額
- 勘定科目
- 摘要
- 作成者名
3. 青色申告で節税する
個人事業主は、青色申告を行うことで節税が可能です。青色申告の場合、青色申告特別控除が最大65万円認められており、所得金額を大きく減らせます。
経費を漏れなく計上することで赤字になった年は、最大3年間にわたり赤字を繰り越せる点も青色申告のメリットです。税制上の優遇措置が多いため、個人事業主は青色申告を積極的に行うことが重要です。
4. 必要に応じて税理士に相談する
個人事業主が経費を計上する際、必要に応じて税理士に相談することも重要なポイントです。個人事業主の支出は多岐にわたり、プライベートと業務の境界線が曖昧なものもあります。経費と認められるか、トラブルにならないか税理士に相談しましょう。
個人事業主が領収書やレシートの管理、確定申告まで税理士に依頼したい場合、顧問契約を結ぶのも1つの方法です。税理士に依頼することで、経費についての相談ができたり、税務署の対応を任せられたりします。
まとめ
個人事業主が計上できる経費に上限はありませんが、事業に関係した支出に限られます。業務とプライベートの支出が混在している場合は、家事按分が必要です。不安がある場合は税理士に相談し、正確な経費計上を心掛けましょう。
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