不動産所得の確定申告が不要な条件とは?不動産所得の基本・節税のポイントを解説!

竹中啓倫税理士事務所
監修者
竹中啓倫税理士事務所 税理士・米国税理士・認定心理士 竹中啓倫
最終更新日:2024年04月22日
不動産所得の確定申告が不要な条件とは?不動産所得の基本・節税のポイントを解説!
この記事で解決できるお悩み
  • 不動産所得の確定申告が不要なケースは?
  • 不動産所得の計算方法は?
  • 不動産所得にあてはまる収入と経費は何?

不動産所得の確定申告が不要になるケースについて知りたい方は必見。

不動産所得に関する確定申告の基本から、申告が不要になる3つのケースまで詳しく解説します。最後まで読めば、自分が所有する不動産から得られる収入が確定申告の対象になるかどうかを判断できるでしょう。

不動産所得の計算方法や不動産所得と事業所得の違い、確定申告が不要でも不動産所得の申告が必要なケースも解説するため、ぜひ参考にしてください。

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不動産所得の確定申告が不要になる3つのケース

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不動産所得は必ず確定申告しなければならないものではありません。下記の3つの要件のいずれかに該当する場合は、申告が不要になります。

  • 個人事業主で不動産所得が48万円以下の場合
  • 不動産所得が20万円以下の場合
  • 納める税金がない場合

1. 個人事業主で不動産所得が48万円以下の場合

個人事業主やフリーランスの方は、不動産所得を含めたすべての所得合計額が48万円以下の場合、確定申告が不要です。

所得とは、収入から経費を引いた金額のことです。収入から経費を引いた残りの金額である不動産所得が、48万円以下の場合は確定申告は不要となります。

収入が20万円であっても確定申告が必要ということではないため注意しましょう。

2. 不動産所得が20万円以下の場合

副業で不動産事業をおこなっている場合、家賃や土地などの貸付収入から必要経費を差し引いた不動産所得が20万円以下であれば確定申告は不要です。

不動産所得が20万円以下であっても、本業以外の所得と合算で20万円を超える場合は、確定申告が必要です。会社員の方で給与所得が2,000万円を超えるときも確定申告は必須になります。

3. 納める税金がない場合

不動産収入より経費が多い赤字の場合は、納税額が発生しないため確定申告は不要です。本業で不動産所得がある場合でも、所得が基礎控除額の48万円以下であれば、所得額が「0」となり申告は不要となります。

確定申告が不要でも不動産所得の申告が必要なケース

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確定申告が不要な場合でも、申告することで翌年以降の節税対策になる場合があります。主なケースは下記の5つです。

  • 赤字の場合
  • 各種控除を受ける場合
  • 不動産所得以外にも所得がある場合
  • 2カ所以上から給与を受け取ってる場合
  • 同族会社から給与以外に賃貸料や利子をもらっている場合

1. 赤字の場合

個人事業主やフリーランスの方で不動産所得が赤字の場合、青色申告者は損失発生から3年にわたって黒字の所得と相殺できます。

たとえば、1年目は100万円の赤字になり損失を繰越し、2年目は200万円の黒字だったと仮定します。損失の繰越をしているため前年度の100万円分を相殺し、残りの100万円が課税所得になり税金が発生します。

申告の義務はありませんが、事業が赤字でも申告をおこなうことによって、節税効果が期待できます。白色申告者の場合は、損失を繰越せないため注意が必要です。

損益通算をおこなうことで節税が可能

同年度であれば、損益通算でほかの所得の赤字と黒字を相殺できます。損益通算は白色申告でも適用できる方法のため、複数の所得がある場合には節税効果が期待できるでしょう。

2. 各種控除を受ける場合

会社員の方は年末調整がありますが、医療費控除や住宅ローン控除の適用を受ける初年度は、確定申告が必要です。税額控除の計算は、年末調整で網羅できないためです。

控除の種類が多ければ、確定申告する方が節税効果が期待できます。ふるさと納税を5カ所以上でおこなっている場合もワンストップ特例が使用できないため、確定申告が必要です。

3. 不動産所得以外にも所得がある場合

不動産所得以外にも所得がある場合には、確定申告が必要です。不動産所得と雑所得や、会社員であれば給与所得も含まれます。

複数の所得がある場合、所得の内容によっては給与以外にも源泉徴収されているケースもあるでしょう。必ずしも納税額が出るとは限らず還付の可能性もあります。

4. 2カ所以上から給与を受け取ってる場合

不動産所得の有無にかかわらず、2カ所以上から給与を受け取っている場合は確定申告が必要です。2カ所から給与を受け取っている場合、1カ所は源泉徴収税額が高い率で計算されています。申告することで、源泉所得税分が還付になる場合があります。

5. 同族会社から給与以外に賃貸料や利子をもらっている場合

不動産所得の有無に関係なく、同族会社の役員が給与のほかに貸付金の利子や賃貸料を受け取っている場合には、確定申告が必要です。所得額が20万円であっても関係はありません。

会社の建物が役員所有のもので賃貸料が発生している場合や、役員個人から会社がお金を借りており利息をつけて返済している場合が該当します。

不動産所得の計算方法

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不動産所得は、下記の計算式で求めることができます。

  • 不動産所得 = 総収入金額 - 必要経費 - 青色申告特別控除

たとえば、青色申告で賃貸経営をしており、総収入額が800万円、必要経費が300万円と仮定します。上記の計算式にあてはめた場合、下記の計算式が成り立ちます。

  • 800万円(総収入金額)- 300万円(必要経費)- 65万円(青色申告特別控除)= 435万円

上記の場合、不動産所得は435万円となります。435万円をもとに、ほかの所得も考慮して税額を計算しましょう。

不動産所得の計算には、下記の2つを正しく理解することが必要です。収入の範囲や経費の範囲を間違えてしまうと、正しい確定申告ができなくなります。

  • 不動産収入となるもの【一覧表】
  • 不動産経費となるもの【一覧表】

不動産収入となるもの【一覧表】

不動産収入となるものは、家賃収入だけではありません。臨時的に発生する更新料や、入居者から預かる光熱費も収入として計算します。主な収入は下記のとおりです。

  内容
家賃収入 不動産(土地、建物など)の貸付け、駐車場代
承諾料や更新料など 名義書換料、承諾料、更新料、頭金など
敷金や保証金 敷金や保証金のうち、返還を要しないもの
共益費 共益費の名目で受け取る電気代や水道代など

共益費の名目で受け取る電気代や水道代において、実際には発生した金額と同額を預かっているケースがほとんどです。受け取った金額がそのまま経費として支払われるため、共益費だけをみれば課税所得がでないといえます。

自販機を設置している場合は、敷地内にある自販機の収入も家賃収入です。近年新しく建築している賃貸物件には、消費税法の改正から設置しているところは減少傾向にあります。

不動産経費となるもの【一覧表】

不動産経費となる主なものは、下記のとおりです。税金の種類によっては租税公課として経費計上できるものがあります。

  内容
租税公課 登録免許税、不動産取得税、印紙税、固定資産税、事業税など
委託管理費・手数料 居住者とのやり取りを管理会社に任せている場合
水道光熱費 賃貸物件の電気代や水道代など
立ち退き料 居住者に転居してもらた場合に支払う費用
修繕費 賃貸物件の修理代
借入金利子 事業を運営するために金融機関から借入れたお金の支払い利息
減価償却費 建物や設備など耐用年数に応じて価値を減少

修理代は、退去されたときに発生する給湯器の取り換えや浴槽の取り換えが該当します。賃貸物件そのものの耐用年数を延ばす工事は資本的支出に該当する場合があるため、確認する必要があります。

不動産所得税の計算方法

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不動産所得の計算方法は、下記の2つを正しく理解することで、正確に計算できます。

  • 総合課税
  • 超過累進税率

総合課税

不動産所得以外に所得が発生している場合、給与所得をはじめとした他の所得と合算して計算する方法です。不動産所得が400万円、給与所得が600万円、所得控除が150万円ある場合、課税所得は下記のように計算できます。

  • 400万円(不動産所得)+ 600万円(給与所得)- 150万円(所得控除)= 850万円(課税所得)

850万円の課税所得に、最大で23%の所得税が課税されます。

超過累進税率

所得が一定額を超えた場合、超過累進税率の対象になります。一定額を超えた部分に、高い税率が課税される計算方法です。会社員の場合、不動産所得と給与所得の2つの合算で所得が決まるため、税率が高くなる傾向があります。計算方法は下記のとおりです。

  • (所得 - 所得控除)× 超過累進税率 = 所得税

所得税の税率については、国税庁のサイトを参照してください。

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まとめ

不動産所得の確定申告は、収入と経費を正しく把握することで申告の必要性が理解できます。赤字の場合でも申告をすることで、翌年以降の節税につながるケースもあります。不動産収入が、事業所得と不動産所得のどちらに該当するか、正しい判断が必要です。

不動産所得の申告や、所得分類がわからない場合は1人で悩まず、税金のプロである税理士に相談することをおすすめします。

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監修者のコメント
竹中啓倫税理士事務所
税理士・米国税理士・認定心理士 竹中啓倫

岐阜県出身。上場会社の経理に勤務する傍ら、竹中啓倫税理士事務所の代表を務める。M&Aなどの事業再編を得意とし、セミナーや研修会講師にも数多くあたるほか、医療分野にも造詣が深く、自ら心理カウンセラーとして、心の悩みにも答えている。税理士会の会務では、名古屋税理士協同組合理事を務める。

家賃収入は、原則として確定申告は必要になります。但し、家賃がすべて利益になるわけではなく、必要経費を差し引きの上、利益を算出します。それが課税所得となりますので、必要経費は漏れのないようにして下さい。

必要経費は、家賃収入に付随して発生するものです。賃貸物件を持っていれば、持ち始める際に、不動産取得税や登録免許税がかかりますし、保有し続ける限り、固定資産税はかかってきます。建物を購入したのち、減価償却費が経費化できますし、火災保険を掛けた場合、保険料が経費化できます。借入金で購入した場合、借入金利息が発生し経費化も可能です。

適切に利益を計算し、確定申告をお願いしたいのですが、申告を怠った場合は、無申告加算税が賦課されますし、所得を少なく申告すれば、過少申告加算税が賦課され、無駄な税金を支払うことになってしまいますので、正しい申告を心がけてください。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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