相続税を申告しないとどうなる?4つのペナルティと申告について詳しく解説

最終更新日:2023年08月28日
竹中啓倫税理士事務所
監修者
税理士・米国税理士・認定心理士 竹中啓倫
相続税を申告しないとどうなる?4つのペナルティと申告について詳しく解説
この記事で解決できるお悩み
  • 相続税を申告しないと課せられるペナルティとは?
  • どのようなペナルティを受ける?
  • 相続税の申告が必要なケースと必要ないケースを知りたい

人が亡くなって財産を相続をする際、遺産総額によっては相続税がかかる場合があります。相続税申告を行わないと無申告加算税が課せられるため注意が必要です。

この記事では、相続税を申告しなかった場合に課せられるペナルティや、申告が必要なケースを解説します。最後まで読めば、相続税の申告を行う重要性を理解し、手続きに着手できるでしょう。相続税について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

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相続税を申告しないとペナルティがある

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相続税の申告が必要であるのにも関わらず、期限までに税務署へ申告しないとペナルティを課せられます。本来支払わなければいけない相続税に加えて、ペナルティ分の税金も納めなければいけません。時間が過ぎるほど、相続できる金額が減ります。

無申告加算税

相続税の申告期限を過ぎても、税務署に申告をしていない場合「無申告加算税」が課せられます。無申告加算税は、申告した時期や相続税の金額によって、加算される税率が異なります。

  税務調査の事前通知前に申告を自主的にした場合 税務調査の事前通知後に申告を自主的にした場合 税務調査を受けてから申告した場合
納付金額が50万円以下の部分 5% 10% 15%
納付金額が50万円を超える部分 5% 15% 20%
期限を過ぎても大丈夫な場合

申告期限を過ぎて1カ月以内に手続きを行った場合は、無申告加算税が課されません。「申告期限以内に申告する意思があった」と認められた場合も同様です。

申告してもペナルティがかかる場合もある

期限内に相続税の申告をしても、状況に応じて以下のペナルティを課せられる場合があります。

  • 延滞税
  • 過少申告加算税
  • 重加算税

延滞税

相続税の申告をしても、期限内に相続税の支払いが済んでいない場合「延滞税」が課せられます。延滞税は、期限を過ぎてから相続税を支払うまでの期間によって、加算される税率が変わります。

期限を過ぎて2カ月以内に支払った場合 7.3%
期限を過ぎて2カ月を超過した場合 14.6%

銀行の金利によって金額が変化する場合もありますが、確実に負担は増えるため注意が必要です。未納の状態が続くと、財産を差し押さえられます。現金での支払いが難しい場合は、物納での支払いを認められる場合もあります。

過少申告加算税

相続税の申告をしても、遺産総額を過少に申告していた場合「過少申告加算税」が課せられます。過少申告加算税は、正しい金額を申告したタイミングによって税率が変わります。

  税務調査の事前通知前に申告を自主的にした場合 税務調査の事前通知後に申告を自主的にした場合 税務調査を受けてから申告した場合
納付金額が50万円以下の部分 なし 5% 10%
納付金額が50万円を超える部分 なし 10% 15%

重加算税

財産を意図的に隠ぺいした場合「重加算税」が課せられます。「申告の有無」や「過去5年以内に無申告加算税か重加算税を課せられているか」により、税率が変わります。

無申告の場合 40%
過少申告の場合 35%

過去5年以内に無申告加算税か、重加算税を課せられている場合は、それぞれにプラスで10%加算されます。

無申告の場合 50%
過少申告の場合 45%

申告の期限は10カ月

相続税を税務署に申告しなければいけない期限は、被相続人が死亡したことを知った日(通常、被相続人の死亡日)の翌日から10カ月以内と法律で決められています。 話し合いに時間がかかる場合がありますが、期限を過ぎるとペナルティで税金が加算されるため、妥協することも大切です。

話し合いは早めに済ませ、余裕をもって手続きを終わらせましょう。

相続税を申告していないと税務署に発覚するのはなぜ?

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相続人が申告しなくても、税務署は相続税が発生している事実を把握しています。市町村の役所に提出される死亡届から亡くなった方を把握し、税務署の持つ広い情報網を使って、財産データを調べられるためです。

相続税の過少申告や隠ぺいは、財産データを調べるとすぐにわかります。不正行為を働くと、懲役10年以下または1,000万円以下の罰金が課せられるため、正しく申告しましょう。

KSK(国税総合管理)システム

税務署はKSKシステムを使って、亡くなった方の情報を調べます。KSKシステムは、日本全国の税務署や国税局とつながっており、さまざまな情報を手に入れることが可能です。

給料の額や不動産収入の有無など、すぐに調べられます。有価証券の売買履歴もわかるため、申告していないと税務署から連絡が来るでしょう。

どのような場合に申告が必要?

遺産総額や特例の利用によって、相続税の申告が必要な場合と必要ない場合があります。

申告が必要なケース

申告が必要なケースは以下の2つです。

  • 遺産総額が基礎控除額を上回っている場合
  • 特例を適用する場合

遺産総額が基礎控除額を上回っている場合

基礎控除額は「3,000万円+(600万円×法定相続人の人数)」で割り出せます。

  • 法定相続人が1人の場合:3,000万円+(600万円×1)=3,600万円
  • 法定相続人が3人の場合:3,000万円+(600万円×3)=4,800万円

遺産総額が4,000万円の場合、法定相続人が1人の場合は基礎控除額3,600万円を超えているため、相続税の申告が必要です。法定相続人が3人の場合は、基礎控除額4,800万円以内のため、申告は必要ありません。

特例を適用する場合

相続税にはさまざまな特例が存在し、適用することで相続税を支払う必要がなくなる場合があります。よく使われる特例は、次の2つです。

配偶者の税率の軽減 配偶者が相続する財産額が1億6,000万円まで、もしくは法定相続分までは相続税を課税しない特例
小規模宅地等の特例 亡くなった方の自宅や、営んでいた事業の事務所や店舗など、宅地の評価額を大きく下げてもらう措置

特例を適用するには、相続税の申告が必須です。特例の適用によって相続税の支払いが必要なくなる場合も、申告していなければ特例が適用されないため、注意しましょう。

申告が必要ないケース

相続税の申告が必要ないケースは、遺産総額が基礎控除額を下回っている場合のみです。

遺産総額が基礎控除額を下回っている場合

基礎控除額は「3,000万円+(600万円×法定相続人の人数)」で割り出せます。

  • 法定相続人が1人の場合:3,000万円+(600万円×1)=3,600万円
  • 法定相続人が3人の場合:3,000万円+(600万円×3)=4,800万円

遺産総額が3,600万円の場合、法定相続人が何人いても相続税の申告は必要ありません。

法定相続人の人数が増えれば、基礎控除額もあがります。法定相続人が3人の場合は、遺産総額が4,800万円まで相続税の申告は必要ありません。

生命保険は相続税の課税対象になる?

生命保険に加入する方も多くいるでしょう。生命保険が相続税の課税対象になるかは、保険料負担者によって変わります。

課税対象になる場合

生命保険の被保険者と、保険料負担者が同じ場合は、相続税の課税対象になります。たとえば被保険者と保険料負担者が父、受取人が母の場合です。

被保険者 保険料負担者 受取人

課税対象にならない場合

生命保険の被保険者と保険料負担者が違い、受取人が保険料負担者の場合は所得税の課税対象になります。たとえば被保険者が父、保険料負担者と受取人が母の場合です。

被保険者 保険料負担者 受取人

生命保険の被保険者と保険料負担者が違い、受取人も違う場合は贈与税の課税対象になります。たとえば被保険者が父、保険料負担者が母、受取人が子の場合です。

被保険者 保険料負担者 受取人

申告期限後に財産があるとわかった場合

相続する財産が、申告期限後に見つかる場合があります。亡くなった本人ではないため、財産のすべてを把握するのは難しいですが、あとから財産が見つかった場合もペナルティの対象になります。

故意ではなくても、期限を過ぎてから申告することに変わりありません。税務調査の通知が来ると税率が上がるため、財産を見つけた場合はすぐに申告しましょう。

あとから財産が見つかることのないように、亡くなった方の家を入念に片付け、書類はていねいに確認することが大切です。

相続税に時効はあるの?

税金を支払わなかった場合、通常5年、悪徳な脱税の場合は7年の時効があります。

時効を迎えるまでに財産の差し押さえや督促の電話、督促状などさまざまな取り立てがあり精神的に大変です。

不安があるときには税理士に相談しよう

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遺産総額の算出は難しいため、相続税の申告は税理士に相談すると安心です。

あとから遺産の価値が高いことに気づき、ペナルティを支払わなければいけない事態になる場合もあるでしょう。早い段階で税理士に相談することで、的確なアドバイスをもらい、安心して手続きを行えます。

まとめ

相続税を期限内に正しく申告をしないと、さらに多くの税金を支払わなければいけません。被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10カ月以内という期限に余裕をもって申告しましょう。相続税があることを税務署は把握しているため、隠しとおすことは不可能です。

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監修者の一言

相続はある日突然発生します。その上、多額の財産をもらったりするものです。また、一生のうちに何度も発生するものではないため、どうすればいいのかわからないというのも事実です。

こんなたまにしかないことであれば、忘れたふりをしてやり過ごせば、問題がないようにも考えがちですが、それは大きな間違いといえましょう。

まず、人が亡くなれば、その事実は100%税務署には把握されます。生前どのくらいの所得があったのかは、データとして持っています。また、所有不動産は固定資産税というデータからすぐにわかります。

それらの情報から、相続税が課税される財産を保有していたことはわかりますので、相続税の申告がなければ、相続税の申告をするよう促されますし、相続税申告を過少に行い相続税を脱税しても、わかってしまうかと思います。

税務署には、ほぼ把握されていますので、ごまかすことを考えず、税理士に相談して、合法的にどう節税するのかを相談するのが得策といえます。

竹中啓倫税理士事務所
税理士・米国税理士・認定心理士 竹中啓倫
監修者

岐阜県出身。上場会社の経理に勤務する傍ら、竹中啓倫税理士事務所の代表を務める。M&Aなどの事業再編を得意とし、セミナーや研修会講師にも数多くあたるほか、医療分野にも造詣が深く、自ら心理カウンセラーとして、心の悩みにも答えている。税理士会の会務では、名古屋税理士協同組合理事を務める。

比較ビズ編集部
執筆者
比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。
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