融資以外の資金調達にはなにがある?6種類それぞれの特徴を詳しく解説

中央みらい会計事務所
監修者
中央みらい会計事務所 代表税理士 奥村 和仁
最終更新日:2023年04月18日
融資以外の資金調達にはなにがある?6種類それぞれの特徴を詳しく解説
この記事で解決できるお悩み
  • 融資以外の資金調達方法は?
  • ベンチャーキャピタルとは?
  • クラウドファンディングとは?

「銀行融資以外の資金調達手段にはなにがあるの?」とお悩みの個人事業者や中小企業の経営者は必見!

銀行融資以外の資金調達は主に、「ベンチャーキャピタルから投資を受ける」「クラウドファンディングを利用する」「公的制度を用いる」「遊休資産の換金」「ファクタリングを利用する」「事業の売却」の6つです。

この記事では、銀行融資以外の資金調達を知りたい経営者向けに、6つの資金調達方法を解説します。最後まで読めば、資金調達について悩むことはなくなるでしょう。

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銀行融資による資金調達が難しいことも多い

まとまった金額の資金調達をするには、銀行や信用金庫などの金融機関から融資を受けるという手段を思い浮かべる人が多いです。しかし、申し込みをしても断られてしまうこともあり、特に小規模な企業では難しい手段とも言えます。どんな理由で融資が断られてしまうのかを考えてみましょう。

返済能力に不安がある

銀行は融資をして、確実に返済と利子の回収ができると判断できない限り、融資をすることはありません。そのため、与信能力についてはかなり厳しく審査をします。

現在の収支状況や融資の状況、過去のローン利用履歴などをチェックします。その上で、返済の遅れがあったり現状での借金額が大きかったりすると、返済能力に問題があると見なされてしまうことがあります。

企業としての規模と経営状況

どんな企業かということも、与信では重要なポイントとなります。資本力や会社員の数、創業からの年数などを総合的に見て、審査がなされていきます。やはり、資本力の小さい小規模な企業だと融資は難しくなります。

また、赤字経営となっている場合にも、審査では厳しく見られます。特に数年間赤字が続いていて、その状態が改善傾向でなければかなり難しいでしょう。

銀行融資以外の方法を探ることも必要

一度銀行融資を断られてしまったら、その後もよほど状況が改善しない限りは、審査に通るのは難しいです。そのため、それ以外の資金調達の手段を探る必要があります。

現在、銀行融資を受けているとか、過去に審査に通ったという会社であっても、さらなる融資がうまく行くとは限りません。また、より厚い資金調達をするためにも、融資以外の方法を知っておくことは経営判断に余裕を持たせるためにも重要です。

ベンチャーキャピタル

創業して間もない場合だと、企業としての信頼が薄いということもあって、銀行融資は難しいものです。そんな企業が資金調達をするのに役立つのが、ベンチャーキャピタルという手段です。どんな形で行われるのか、注意点をチェックしましょう。

ベンチャーキャピタルとは?

ベンチャーキャピタルとは、ベンチャー企業つまりスタートアップしたばかりの企業に対する投資を受けるという手段です。投資家は未上場の企業に投資をすることで、将来上場した時に株式を売却して利益を得ることができます。

また、配当金という形で、定期的に投資額のいくらかを利益として受け取ることを求めてくるケースも多いです。投資家が個人で自己資金を使って投資をしてくれる場合と、投資ファンドを経由して投資をしてくるやり方があります。

ベンチャーキャピタルはあくまでも投資という形で行われ、融資とは異なります。そのため、自社に魅力的な事業や商品を持っているということが条件となり、将来的な成長をいかにしてアピールできるかというのが投資を受けられるかを分けるものとなります。

ベンチャーキャピタルのメリットとは?

スタートアップしたばかりの企業というのは実績がないため、資金調達の手段が限られています。その中で、豊富な資金を投資してくれるというのは、とても心強いものとなります。

また、配当を出す必要が多いとはいえ、融資ではないので、月々の返済の負担がかなり少なくなるというメリットもあります。より資金力の強い経営ができることになり、思い切った事業展開をすることも可能となります。

投資家としても事業を成功させることで利益回収ができますので、資金以外にも援助をしてくれることが多いです。関連技術を持つ会社との提携や人脈の紹介などを行ってくれて、事業がスムーズに行くようなサポートを多面的に得られるのもメリットとなります。

デメリットにも注意

ベンチャーキャピタルでは、投資家個人もしくは投資ファンドが株式を購入する形を取ることが多いです。経営権の一部を取ることになりますので、経営そのものに意見をしてくる可能性が高いです。

そのため、今までの経営方針からの変更が求められたり、業務システムを改善していくように促されたりすることもあります。自分の思う通りには経営ができなくなってしまうリスクもありますので、デメリットして覚えておくべきです。

クラウドファンディング

より気軽に資金を調達する方法として注目を集めているのが、クラウドファンディングです。企業だけでなく個人事業主でも実施できることもありますので、よりすそ野が広く、メリットの大きなやり方となっています。

クラウドファンディングとは?

多くはインターネット上で自社のサービスや商品をアピールして、その開発や販売のための資金を不特定多数の賛同者から集めるという手段です。資金を提供してくれるのは、ほとんどのケースが個人となっています。

そのため、一人当たりの出資額は少ないものの、たくさんの賛同者が集まれば、かなりの金額となることもあります。資金は購入型、融資や投資、寄付などの形を採り、募集サイトや事業の種類によって選択することが可能です。

クラウドファンディングで資金調達するメリット

資金調達の方法としては最も気軽なやり方と言えるほど、便利で始めやすいのがメリットです。ネット上にいくつものクラウドファンディングサイトがありますので、そこに申し込んで、自社の新しいサービスや商品をアピールするだけです。

目標金額を定めてスタートしますが、多くの賛同者を集めることができれば、期待していた以上の金額を得られることもあります。購入型のクラウドファンディングであれば、賛同者に対して製品を送付するだけですので、資金返済の負担もなくてリスクが低いというのもメリットと言えます。

注意すべきポイントとは?

気軽にできる反面、賛同者が集まらなければ求めるだけの資金を得るのは難しいです。いかに魅力的な商品やサービスをアピールできるかというのが、非常に重要なポイントとなってきます。

クラウドファンディングの傾向として、今までにない新しいアイディアのものを求める人が多いです。そのため、既存の商品をリニューアルするだけといった、あまり斬新さを感じられないものだと成功させるのは難しいです。

また、クラウドファンディングの場を提供している運営者に対して、手数料を支払う必要があります。集まった資金のうち、15パーセント前後を差し引かれることが多く、そのことも見据えて、目標金額や一口の金額を設定する必要があります。

公的制度を用いる

補助金や助成金といった、公的な制度を利用して資金調達することもできます。国や自治体が行っている制度で、行政が求める条件を満たしていれば、リスクなしの支給を得られるのでとてもメリットの高い方法です。

補助金と助成金

給付金としては補助金と助成金の2種類があり、どちらも国や自治体が定める基準をクリアした時に受けられます。基本的には国や自治体が推進する政策を促すという目的があって、その政策に適った行動を取る時に、その支援として給付金が出されるという仕組みになっています。

業種や企業の規模、目的によってたくさんの補助金や助成金がありますので、じっくりと探せば自分たちが適用範囲に含まれる制度を見つけられる可能性が高いです。特に、従業員を増やしたり職業訓練をしたりするなど、雇用促進のための行動を取っている会社であれば利用できることが多くなります。

負担なしで得られる

補助金にしても助成金にしても、返済の必要性がありません。ここが融資とは全く違う特徴で、返済の負担がゼロになるという大きなメリットがあります。そのため、助成制度を使えるようであれば、第一選択肢として考えるようにします。

助成金制度は全体的に給付金額が低い傾向にありますが、補助金の場合はまとまった金額となることもあります。特に、設備資金にも対応している補助金だと、銀行融資と比べても遜色のない金額になることもありますので、積極的に利用したいものです。

手続きと審査に通るかがポイント

メリットが大きい分、補助金や助成金を得るためにはきちんとした手続きをしないといけません。単に書類を提出するだけでなく、国や自治体が求めている行動を実際に取り、それを証明する必要があります。

たとえば、障害者雇用促進であれば、実際に障害者の方を採用して勤務している実態が必要となります。働き方改革のための職場改善であれば、勤怠管理システムの導入をすでにしているなどの行動が求められます。

こうした条件に適っているかどうかの審査があり、条件をクリアしていないと給付はなされません。審査に通らないと資金調達ができないのは銀行融資と変わりませんので、しっかりと準備を進める必要があります。

遊休資産の換金

自社で保有している資産を売却して、現金化することで資金を得るという方法です。リスクが少なくまとまった金額を得られるので、銀行融資以外の手段としてとても優れているやり方となります。

売却できる資産

現金化しやすい資産としては、不動産や在庫製品、設備、仕入れ原料などがあります。もちろん、日常の業務に関係する資産を売ってしまうと業務に響きますので、遊休資産に限定しなければなりません。

現金の獲得と税金のカットにつながる

遊休資産売却が優れているのは、特に大きな負担を抱えることなく現金を得られるということです。特に、不動産の場合は高額の取引ができますので、まとまった資金を獲得できるのがメリットです。

また、固定資産税の支払いもそれ以降なくなりますので、税金の負担というメリットも生まれます。使う道もなく、ただ保有している資産があるのであれば、売却という選択肢を真剣に検討しましょう。

売却の見込みと課税に注意

遊休資産を持っていても、魅力的な資産でなければ売却するのが難しかったり、思ったような価値が付かなかったりすることもあります。また、不動産は売れるまでに時間がかかりますので、どうしても資金調達が具体化するまでに待つことになるという点も覚えておきましょう。

さらに、資産を売却して多額の資金を得た場合、収入としてカウントされますので、それだけ税金が高くなります。その時は良いかもしれませんが、翌年の税金負担が大きくなるということをあらかじめ予測して、その分の資金をプールしておくべきです。

ファクタリングで資金調達

すぐに現金を得る手段として、ファクタリングという方法もあります。気軽に使えますが、デメリットもある手法なので、注意して利用することが求められます。

ファクタリングとは?

未回収の状態の売掛債権を買い取ってもらって現金化するという方法です。売掛分の回収まで待っていられないという時に、すぐに資金を得られる方法となるのがメリットです。

また、回収相手の信用状況が悪く、不良債権となってしまうリスクを感じる時にも、安心感を得られるというのも利点です。当然、本来の額面よりも低い額で買い取ってもらうことになります。

長期的な解決策にはならない

将来的に回収する予定だった債権を前もって現金化しているだけですので、時期が早まるという以外のメリットはありません。しかも、本来の額よりも少なくなります。

根本的な収支状況の改善ではありませんので、あくまでも緊急時の使用に留めましょう。また、信頼できるファクタリング会社でないと、トラブルに巻き込まれる可能性もありますので、慎重に会社を選ぶ必要があります。

事業の売却

会社の事業の一部門を売却して、それを現金化するという方法もあります。メリット、デメリットの両方がありますので、慎重に検討しましょう。

M&Aによる事業の資金化

M&Aによって事業を売却して、会社をスリム化することで資金調達をするというものです。もともと事業の整理をしたいと思っていた場合には、とても有効な手段となります。

また、将来性があることや効率的な業務ができている部門であれば、高額のM&Aとなるのもメリットと言えるでしょう。本来業務に集中できるようになりますので、企業活動を効率化させられます。

時間と手間がかかる

M&Aは簡単な作業ではありませんので、実行するにはかなりの手間と時間がかかります。そのため、すぐに資金調達ができるわけではありません。

また、社員の雇用が守られないこともありますので、社内の意見をまとめるのに苦労するものです。入念な準備のもとで行うようにしましょう。

まとめ

審査に通るのが難しい銀行融資以外にも、いくつかの資金調達の手段を確保しておくことは、経営を安定させるために大事なことです。様々な融資以外の道がありますので、自社に合ったやり方を探りましょう。

そのようなリサーチに役立つのが、様々なサービスを一括比較できる「比較ビズ」です。資金面でのアドバイスをしてくれるプロを探したり、資産売却をサポートしてくれる会社を探して比較したりできます。

監修者のコメント
中央みらい会計事務所
代表税理士 奥村 和仁

昭和50年生まれ大分県生まれ。埼玉県さいたま市西区在住個人の税理士事務所での勤務5年、税理士法人での勤務7年を経て、平成25年2月に独立。埼玉県さいたま市で中小企業・個人事業主の新規設立から経営コンサルまで、クライアントのニーズに合わせたトータルサポートを実践している。最近では、事務所のIT化にも積極的に取り組み、ZOOMを使ったオンライン顧問サービスを始動し、クライアントは全国に。

今回紹介されております6つの方法のうち、遊休資産の換金とファクタリング及び事業の売却という、所有しているものを売却等する方法以外の3つの方法については、共通点があります。それは、第三者に対して現在の事業の状況と、その事業の今後の見通し等をきちんと伝える必要があるということです。

なぜなら、投資を募るにしろ、クラウドファンディングを利用するにしろ、あるいは補助金等を申請するにしても、第三者を納得させるだけの材料を用意し、今の事業が、もしくはこれから行おうとする事業が、いかに魅力的なものであるかを伝える必要があるからです。

この点については、銀行から融資を受ける場合でも同じことだと思います。言い換えれば、常に自分の事業の状況を把握し、今後の見通しを意識していくことが必要だということです。こうした観点から考えますと、現在の状況等をきちんと説明してくれる税理士などと付き合っていくことも、事業の発展のためには、必要になってくるのではないかと思います。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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