レジ導入費用の目安はいくら?2つの補助金制度や注意点をわかりやすく解説

税理士
監修者
税理士 佐藤 憲亮
最終更新日:2023年09月28日
レジ導入費用の目安はいくら?2つの補助金制度や注意点をわかりやすく解説
この記事で解決できるお悩み
  • レジ導入費用はいくら?
  • レジ導入費用の補助金はある?
  • レジ導入時に注意すべきポイントは?

レジの導入を検討している方は必見です。この記事ではレジ導入にかかる費用や補助金を解説します。最後まで読めば、レジ導入費用の相場を把握でき、適正な予算を立てられるでしょう。

レジ導入費は、IT導入補助金や小規模事業者持続化補助金などを有効活用することで節約可能です。 レジを選ぶ際のポイントも紹介するので、事業に適したレジを見つけたい方はぜひ参考にしてください。

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レジ導入費用は数万円から200万円まで幅広い

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レジを導入するための費用は、数万円から200万円までの幅があります。レジの種類に応じて必要な費用が異なるためです。レジ選びには店舗の販売形態や規模によって、最適な種類を見つける必要があります。

適切なレジの種類を見つけるためには、レジ導入の目的を明確にすることが大切です。どのような業務改善を期待しているか、投資した分の業務効率化や費用削減が期待できるかを検討しましょう。

レジにかかる主な費用

レジ導入で発生する費用は、主に「導入費用」と「月額利用料」の2つです。

1. 導入費用

導入費用は、レジを購入して設置するために発生する費用です。レジの種類や規模、台数によって価格は異なります。たとえば、POSレジと呼ばれる会計情報の集計システムを搭載したレジの場合、1台あたり15〜30万円が必要です。

2. 月額利用料

レジの種類によっては、月額利用料が発生するものもあります。たとえばPOSレジの利用料は、月額1万円前後です。初期費用が高く月額利用料が安いケース、逆に初期費用はほとんどかからず月額利用料が高いケースがあります。

レジは1度購入すると費用やシステムの面から買い替えが簡単ではありません。とくにPOSレジシステムでは、1度導入するとデータが蓄積されていきます。導入の際は、月額利用料に見合った効果が得られるか慎重に検討しましょう。

【種類別】レジの導入費用目安

種類別のレジ導入費用目安は、次のとおりです。

  1. レジスター:数万円
  2. POSレジ:15〜30万円
  3. タブレットレジ:数万円
  4. 自動レジ:200万円以上
  5. セミセルフレジ:100万円以上

種類1. レジスター:数万円

レジスターの導入費用は数万円で収まります。レジスターは、会計機能のみを搭載したレジです。メカレジやガチャレジなど呼ばれることもあります。ボタンが少なく最も操作方法がシンプルな構造です。

基本的に会計以外の機能がないため、商品別の売上管理や多店舗のデータ統合、在庫管理などを望む場合には適しません。手動操作のため、誤入力のリスクや不正を誘発しやすい点にも注意が必要です。 

種類2. POSレジ:15〜30万円

POSレジの導入費用は、15〜30万円です。POSレジはPOSシステムを用いたレジを指します。POSシステムとは「Point of Sale」の略で、日本語では「販売時点情報管理」です。POSレジは売上を商品の種類ごとに集計・分析し、データを経営に活かすシステムを搭載しています。

POSレジを利用すると手動で集計をせずとも、商品が購入された時点で即座に売上情報の管理が可能です。いつ、どの商品が、どれだけ売れたかを正確に把握できます。 会計管理だけではなくデータ収集もできるため、売上管理やマーケティングに有効です。

種類3. タブレットレジ:数万円

タブレットレジは、タブレット台を含む数万円でレジを構築できます。タブレットレジは、タブレット端末にレジ機能をインストールして使用する仕組みです。導入コストが低く手軽なため、昨今ではタブレットレジの普及が進んでいます。

1度システムを構築してしまえば、持ち運びができテーブルまで行って注文を取ることも可能です。 レジのように大きくないためスペースを取りません。ただし、周辺機器と無線で通信するためインターネット環境の整備は必須です。

種類4. 自動レジ:200万円以上

自動レジの導入には、200万円以上が必要です。自動レジとは、無人で対応できるレジを指します。顧客が商品を持参し、会計のプロセスを進めて支払いまでおこなう構造です。導入により、人件費の削減や混雑の緩和が期待できます。

自動レジはまだ普及過程にあり、慣れていない顧客や高齢者はスムーズに進行できないリスクがあり、浸透するまでサポートが必要です。導入費用が高いため、費用対効果の算出に基づく慎重な検討が求められます。

種類5. セミセルフレジ:100万円以上

セミセルフレジの導入費用は100万円以上かかります。セミセルフレジは、従業員が商品のバーコード読み込みを担当し、顧客がレジで精算をおこなう仕組みです。会計作業を機械化することで、計算ミスを防止、混雑の緩和が期待できます。

セミセルフレジは会計処理に時間がかかっているケースや、会計ミスが多発しているケースの解決策に最適です。処理速度・精度が向上するため、長期的な作業効率化のための投資になります。

レジ導入費用で活用できる2つの補助金

チェック

レジ導入にかかる費用に活用できる補助金は「IT導入補助金」と「小規模事業者持続化補助金」です。

1. IT導入補助金

レジを導入する際に使える補助金に「IT導入補助金」があります。 IT導入補助金とは、中小企業や個人事業主がITツールを導入する際に利用できる補助金です。ルーティン業務を効率化させるため、ITツール導入のサポートを目的としています。

IT導入補助金の申請類型は、通常枠(A類型・B類型)やセキュリティ対策推進枠、デジタル化基盤導入枠に分類され、レジの場合はデジタル化基盤導入枠のデジタル化基盤導入類型に該当します。

IT導入補助金の補助対象

IT導入補助金の補助対象事業者は、資本金・従業員数の基準を満たす中小企業や財団法人、社団法人、中小企業団体などが該当します。資本金または常勤の従業員数が、基準数以下であることが条件です。

基準数は以下のとおりです。

  資本金 従業員
(常勤)
製造業、建設業、運輸業 3億円 300人
卸売業 1億円 100人
サービス業 5,000万円 100人
小売業 5,000万円 50人
ゴム製品製造業 3億円 900人
ソフトウェア業または情報処理サービス業 3億円 300人
旅館業 5,000万円 200人
その他の業種 3億円 300人
医療法人、社会福祉法人、学校法人 - 300人
商工会・都道府県商工会連合会および商工会議所 - 100人
その他の法人 - 主たる業種に記載の従業員規模

小規模事業者の基準は資本金額に関係なく、従業員数が基準以下であることが条件になります。

  資本金 従業員
(常勤)
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) - 5人
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 - 20人
製造業その他 - 20人

IT導入補助金の補助額

レジ導入に利用できるIT導入補助金の申請類型は、通常枠(A類型・B類型)とデジタル化基盤導入枠のデジタル化基盤導入類型です。

  補助率 補助額
通常枠(A類型) 2分の1以内 5万円以上150万円未満
通常枠(B類型) 2分の1以内 150万円以上450万円以下
デジタル化基盤導入枠
(デジタル化基盤導入類型)
ITツール
・〜50万円以下:4分の3以内
・50万円超350万円以下:3分の2以内
レジや券売機(ハードウェア):2分の1以内
ITツール:下限なし〜350万円以下
ハードウェア(レジ・券売機):20万円以下

参照:IT導入補助金2023「IT導入補助金とは」

それぞれの申請類型に補助要件が細かく規定されているため、IT導入補助金については下記の記事を参考にしてください。

2. 小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業を継続や発展させるために経営企画書に沿った事業に対しておりる補助金です。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた事業者に対して、上限額や補助率の引き上げもおこなっています。

下記に該当する法人・個人事業主・特定非営利活動法人が対象です。

  資本金 従業員
(常勤)
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) - 5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 - 20人以下
製造業その他 - 20人以下

補助率や補助上限額は以下のとおりです。

  補助率 補助上限額
通常枠 3分の2 50万円
賃金引上げ枠 3分の2
(赤字事業者は4分の3)
200万円
卒業枠 3分の2
後継者支援枠
創業枠

レジ導入の3つのポイント

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レジ導入時のポイントは、次の3つです。

  1. 補助金の対象か事前に確かめる
  2. 業務形態に適したレジを選ぶ
  3. レジの集計データをマーケティングに活用する

ポイント1. 補助金の対象か事前に確かめる

レジを導入する際は、補助金の対象かを確認しましょう。レジ導入にかかる費用は最低でも数万円、POSレジであれば15万円以上必要です。

対象となる補助金を活用することで、負担を軽減してレジシステムが構築できます。補助金の対象となる事業者や機器の条件は変更される可能性があるため、導入の前に必ず再確認しましょう。

ポイント2. 業務形態に適したレジを選ぶ

レジを導入する際は、業務形態に則した仕組みを選択しましょう。種類ごとに機能が異なるため、店舗が抱えている課題に応じて最適なレジは異なります。たとえば、小型の店舗で客数が多くなければ、作業効率化を重視する自動レジの導入に必要はありません。

導入費用と照らし合せ、レジを用いることで節約できる費用や時間を想定すると最適なレジを選びやすくなります。費用対効果を計算して慎重に導入することが大切です。

ポイント3. レジの集計データをマーケティングに活用する

レジ導入により得たデータを、マーケティングに活用しましょう。POSレジを導入すると、購入や会計のデータを逐一集計・管理できます。

集めたデータを活用することで、力を入れるべき商品やターゲット層の絞り込みが可能です。POSレジを導入することで、会計の効率・精度向上に加え、売上アップのための施策を考えやすくなります。

まとめ:店舗に合わせたレジの選択を

業務形態や店舗規模に応じて、最適なレジの構造は異なります。レジ導入にはまとまった費用が発生するため、導入を検討する際は費用対効果を慎重に考慮することが大切です。

レジの導入に不安を感じる場合、コンサル企業に相談すると的確な答えが得られます。会計処理やマーティングに精通したコンサルを見つけるためには、複数社から見積もりをとり条件の比較をしましょう。

比較ビズでは、複数のコンサルからの一括見積もりを無料でおこなっています。価格やサービス内容を比べると、企業のニーズに適したコンサルの絞り込みが可能です。効率的に条件のいいコンサルを見つけたい方は、ぜひご利用ください。

監修者のコメント
税理士
佐藤 憲亮

京都市出身。 医療系特化事務所、税理士法人の社員税理士(役員)を経て、気軽に相談できる専門家として税務顧問業務をメインに活動。実務で得た知識や経験を活かし、税務記事や税務論文の執筆、ブログの運営をしている書くことが好きな税理士。大学卒業後、税理士事務所で14年の実務経験を積みながら、大学院で税法を学ぶ。2020年に税理士登録。2023年6月に京都市中京区にて独立。また、顧客企業の利益最大化を実現するため、バックオフィスの効率化や改善に力を入れており、経理代行及びコンサルの事業会社を設立。経理、財務、税務の支援を得意としている。

POSレジ等を取得する際に、IT導入補助金等を受給したとき、その受給金額は収入として計上する必要があります。例えば、50万円のPOSレジシステムを導入する際に、IT導入補助金を申請し、補助金を25万円受給することとなったときは、その受給金額の25万円を収入として計上します。

50万円で取得したPOSレジシステムは減価償却資産となるため、耐用年数にわたり減価償却を行い、毎年少しずつ経費化していきます。この場合、経費よりも収入が先に計上されることとなり、このままだと補助金を受け取ったときに税負担が重くなってしまいます。

こういった場合は、収入と同時に経費を計上することができる、圧縮記帳を行うことをおすすめします。圧縮記帳は、補助金の受給額を限度に、その対象となった固定資産の取得価額から一定の金額を控除し、減価償却を通じて費用配分を平準化する方法です。

具体的な仕訳は下記のとおりとなりますので、参考にしてください。

・PSOレジシステム取得時
工具器具備品/現金預金 50万円

・補助金の受給時
現金預金/雑収入 25万円

・圧縮記帳
固定資産圧縮損/工具器具備品 25万円
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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