不動産所得はどのように確定申告するの?節税対策も一挙ご紹介!

更新日:2019年07月17日 発注カテゴリ: 確定申告
大原政人税理士事務所
監修者
代表税理士 大原政人
不動産所得はどのように確定申告するの?節税対策も一挙ご紹介!

サラリーマンなら誰しもが憧れるであろう不動産所得。今回は不動産所得とは何か、確定申告はどうすればいいか、経費計上できるものは何か、などをまとめました。不動産所得の経費はややこしいですが、覚えておくと節税対策になります。既に不動産所得を得ている方、これから得る予定の方は必見です。

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そもそも不動産所得ってどんな所得のこと?

不動産、つまり土地や建物に関する収入というのはいくつかのルートがあって、不動産所得といってもどれが該当して、どれが該当しないのかと迷ってしまうこともあります。不動産に関する所得としては、不動産を売った、不動産を賃貸している、不動産を借りるためのローンを組んで融資を受けたなどがあります。こうした所得の中で、不動産所得に含まれるのは不動産を賃貸して得た収入のことになります。

不動産を売った場合は、不動産所得ではなく譲渡所得として計上することになります。また、住宅ローンを組んだ場合は、所得と見なされるのではなく、単に住宅ローンの控除を受けるだけとなります。

このように、不動産所得はあくまでも賃貸収入に限られるというのがポイントとなります。ここでの注意点は、所得として計上されるのは単に土地と建物だけではないということです。不動産に関する権利を設定して貸し付けている場合も、対象となります。

具体的には地役権や地上権を設定して、その相手から何らかの代金を得ている場合にも不動産所得して見られることになります。地上権などはそれほど一般の人にはなじみがありませんが、不動産の中では強い力を持つ権利ですので、十分収入を得られるだけのものとして設定されることがあります。

不動産所得を計算する方法

不動産所得の計算は単純ですので、不動産収入を得ている人であれば覚えておいた方が良いでしょう。不動産所得の金額は、(総収入金額)−(必要経費)という計算で出されます。このうち、総収入金額には、まず通常の賃貸料が含まれます。

その他にも、保証金などを受け取って、その分返さなくて良いということが分かっているものについて算入することになります。契約の中で、いずれかのタイミングで借り手に返却することが決まっているお金であれば算入しません。

名義変更のための費用、更新料などの目的で受け取った代金も不動産所得として数えることになります。さらに、共有スペースの管理のために使う電気、水道料金、掃除や管理費用などの目的で受け取ったお金もここに入ります。

一見すると、単なる一時預かりのような形で受け取っているだけに過ぎず、すぐに経費としてなくなってしまうように見えます。しかし、入って来たお金はどういうルートでまた出ていくにせよ、収入は収入ですので、きちんと含めるようにしましょう。

こうして出てきた総収入金額から経費を引くことになります。ここでの経費には、いろいろなものが含まれます。また、固定資産税です。毎年それなりの金額の税金を支払うことになりますので、経費としては一番大きなものとなるケースもあります。

損害保険料と減価償却費に関して

もし加入しているのであれば損害保険料も経費として認められます。必ず保険会社から発行される証明書を保管して、確定申告の際に使えるようにしておきましょう。

もう一つは減価償却費です。年数に応じて不動産は減価償却できることになっています。この減価償却の計算については、一定の式が定められていますので、チェックしておきましょう。もしちょっと複雑で分かりづらいというであれば、事前に税理士さんや税務署の窓口で相談してはっきりとさせておいた方が無難です。

修繕費と雑費に関して

もう一つの経費としては修繕費があります。特に建物を建てている場合は、一定の状態を保つために定期的にいろいろな修繕をすることになります。その分の費用は基本的にすべて経費として申告できます。

他にも、不動産登記などのための手続き費用、ローン金利、不動産会社への管理手数料、マンションなどの場合には管理費などがあります。これらの経費については、節税をするために効果的に使えますので、しっかりと経費として計上できるものをチェックしておくと助かります。

不動産所得は必ず確定申告しないといけない

不動産を持っていて賃貸している人は、基本的にすべて確定申告することになります。確定申告とは、給与所得以外に収入がある人が、自分で収入や経費などについて申告して、税金の額を決め納付するという制度です。

会社員として給与所得だけの人は、会社が源泉徴収という形で税金を計算して天引きしていますので、確定申告は不要です(勤めている会社の年末調整で終わります)。しかし、そこに不動産で収入を得ているという、いわば副業の収入がある場合は、自分で申告する必要が出てきます。申告をしなければ、税務署も収入について分からないのだから、しないでおいた方が良いと思う人もいるかもしれません。

しかし、これは脱税に当たり、重い罰金が課せられますし、刑事罰を受けることにもなりかねません。また、申告を期限通りにしっかりと行わないと、延滞税がかかってきます。通常の税金よりもかなり割高です。本来支払う必要のないものですので、きちんと書類をまとめて期日通りに確定申告を済ませられるようにしましょう。

確定申告の期間は、毎年2月16日から3月15日までとなっています。(還付申告の場合には1月1日から)十分な期間がありますので、早めに済ませられるようにしたいものです。

税金関連というと難しい話のように思えるかもしれません。しかし、今では国税庁で「タックスアンサー」という不動産所得関連の税金についての解説を行っているページがあります。

また、税務署の窓口でも相談に乗ってくれますので、書類を持って質問してみると良いでしょう。確定申告自体もかなり簡単になっていますので、ちょっと勉強すればすぐに誰でもできます。

不動産所得の確定申告の方法とは?

不動産所得に関する確定申告は、二つの方法を採ることができます。「青色申告」と「白色申告」というものです。この違いとしては、青色申告の方がちょっと作成する書類が多い分、控除が大きい、白色申告は書類作成が簡単な分控除が少ないというものです。

収入による差はなく、どちらの申告方法となるかは、本人が「個人事業の開業届書」と「青色申告承認申請書」を提出するかどうかだけで決まります。青色申告の場合は、損益計算書や賃貸対照表を作らないといけませんが、それほど難しくないのでちょっと勉強すればできるでしょう。

この二つのうちのどちらの申告方法を選ぶかによって、若干確定申告の際の書類の書き方が変わってきますが、基本的には同じような内容を書いていきます。まず、不動産所得用の収支内訳書に記入していきます。この収支内訳書には、左上に収入金額を記入する欄がありますこのセクションには、賃貸料や礼金、名義変更料などの項目が設けられていますので、そこに記帳してある通りの金額を書いていきます。

そして、最後にこのセクションの一番下のところに合計金額を計算して記入します。これが不動産所得における総収入金額となります。

その「収入金額」の下には、経費についてのセクションが続いています。ここには、「減価償却」や「借入金利子」、「損害保険料」、「修繕費」などの項目が設けられています。それぞれの項目に合う経費を一年間分まとめて記載します。この際、自宅をオフィスのようにして仕事をしている場合には注意が必要です。このケースでは、自宅で消費される電気などの経費は、家事部分と業務部分に分けて算出する必要があるからです。

また、たとえばマンションを持っていて、その一室に自宅があるという場合も同様です。固定資産税や修繕費、保険料なども、自宅のために支払った部分は業務における経費としては認められません。そのため、自宅分は除外して、他の部分を業務上の経費として算出する必要があるのです。

どのくらいの割合で家事部分、業務部分と分けるかは微妙なラインになることもあります。しかし、貸している建物や土地の面積によって、ある程度明確な基準での分割方法が定められているので、不明だったら税理士さんなどに相談してみると良いでしょう。

こうして収支内訳書の左側の部分を記載し終わったら、右側を記載していきます。従業員を雇っていないのであれば、「不動産所得の収入の内訳」という欄を書くだけとなります。ここには、賃貸している相手の情報を記載していきます。土地の目的や所在地、貸している相手の住所氏名、賃貸契約の期間、貸付面積などがあります。

そして、それぞれの貸している不動産ごとの収入金額や保証金の金額も書いていきます。ここは、情報量が多くなる部分ですので、何らかの台帳に分かりやすく内容をまとめておくとスムーズに記載できます。契約書の内容と合っていないといけませんので、大体の内容ではなく、しっかりと契約書と見比べながら正しい内容を入れていくことが大事です。

何かしらの不備があった場合、税務署はこの情報を賃貸契約書と比較することになりますので、契約書との違いがないようにします。

この収支内訳書を記載し終えれば、ほとんど作業は終わったようなものです。あとは、保険料などの支払通知書や経費支払いの際に受け取った領収書などをまとめておきます。

基本的にこうした細かな書類は提出することは求められていませんが、税務署からの要請に応じてすぐに提出しなければなりませんので、分かりやすいようにまとめておくこと、いつでもすぐに取り出せるようにしておくことが肝心です。

不動産所得の節税には経費に関する理解が欠かせない

できることであれば、税金は少ないに越したことはありませんので、税金対策となる行動を取ることは大事です。といっても、不動産収入に関する部分はどうあっても動かせませんので、所得を減らす効果のある経費を上手に利用することはカギとなります。

経費についての理解をしっかりと持っておくことで、税金の額がぐんと変わってくることもあります。

たとえば、減価償却は税金対策に欠かせない経費項目です。土地には適用されず建物分だけに適用されるという特徴がありますが、たとえ空室があっても経費として計上できるというメリットがあります。

法律で建物の種類に応じた耐用年数が決まっていて、木造建築物は22年、鉄骨造は34年、RC作りは47年となっています。この耐用年数中、既定の償却率に基づいて償却費が決まり、経費として計上できることになります。ある程度金額の算出方法が規定されているのですが、オーナーによって扱い方が任されている部分も多いので、上手に活用すれば経費を増やすことができます。

また、経費として計上できないものを減らしていくということも大事です。たとえば、マンションを持っているとして、その一室を自宅として利用していたり、親族にタダで貸しているという場合が該当します。

こうした部屋の固定資産税と減価償却費は、経費として含めてはいけないことになっています。収入を下げる元でもありますし、経費にもなりませんので、他の不動産を利用した方が税金対策には効果的となります。さらに、修繕費も一定の枠を超えると経費として認められなくなってしまいます。建物自体の価値を上げるような、大規模な修繕は経費として認められません。

一方で、一件あたりの修繕がだいたい60万円以下、定期的、目安としては3年ごとにメンテナンスが必要な工事や設備交換であれば、経費として計上できます。この境をしっかりと覚えておき、上限ギリギリのところで修繕を行えば、経費を増すことができます。

この修繕費ですが、住人が退去して次の人が入れるように、クリーニングをしたり壁紙を張り替えたりするのも経費として認められます。きちんと部屋をきれいな状態にメンテナンスすることで、不動産価値も上がりますし、そこにかかった費用は経費となります。

経費として認められる上限を見ながらも、しっかりとこうしたところにお金をかけることで、意味のある経費の使い方ができて、節税にもなります。どうせ経費を払うのであれば、不動産価値を守れるようなお金の使い方をすることで、長期的に見てお得な使い方ができます。

さらに、青色申告で確定申告をするのも大事です。控除額がぐんと大きくなりますので、大きな節税となります。さらに、不動産所得は損益通算の対象になるということも積極活用できます。損益通算とは、赤字が出たら他の所得と相殺できるという仕組みです。

特に不動産を買ってすぐの年は不動産取得税などで赤字が出やすいので、その赤字分を給与所得からマイナスするのです。こうすることで、トータルでの税金を減らすことができます。

法人化して節税をするという手も

ある程度の不動産を抱えているのであれば、個人としてではなく法人で管理しているという形にするのも一つの手です。事業規模になったら、法人化してしまい不動産を会社管理とするのです。事業規模として認められるのは、おおまかに言って部屋を10室、戸建てであれば5棟所有している場合です。もし、このくらいの不動産を持っているのであれば、法人化した方が税金は少なくなります。

というのも、法人の場合は控除額が大きくなり、所得を圧縮できるようになるからです。青色申告をしている場合でも、65万円まで控除額を押し上げることができます。また、給与を支払うという形で、自分自身に所得を分散できますし、家族に何らかの仕事を手伝ってもらって給料を払うこともできます。

個人に対する保険も経費に加えることができるようになりますので、経費が大きくなります。さらに大事なのは、法人にすることによって、減価償却を融通できるということです。個人事業の場合は、完全に定まったタイミングと割合で減価償却するしかありませんが、法人の場合は好きなタイミングで償却できますので、所得が大きくなった年にまとめて利用することができます。

法人化にはちょっと手間もかかりますが、節税にはかなり効果的ですので検討してみると良いでしょう。

まとめ

不動産所得とは、不動産を持っている人が賃貸することで得た収入のことを指します。不動産を売却して得た収入に関しては、同じ不動産でも譲渡所得となって、不動産所得とはなりません。不動産所得がある人は、会社員として給料を持っている人であってもすべて確定申告をしないといけません。

きちんと正確に、そして期限内にしないと延滞税などが課されますので、しっかりと書類を揃えて申告する必要があります。

不動産所得の計算方法はとても簡単で、賃貸料などから得た総収入金額から経費を引くだけです。収入には、書類の書き換えのためにもらう料金、共有部分の掃除や管理費としてもらうお金も含まれるので注意が必要です。

経費には、修繕費や損害保険料、減価償却費などが含まれます。こうして金額の把握ができたら、確定申告用の収支内訳書に記載していきます。この書類は、きちんと項目に分けられているので、それに沿っていけば簡単にできるでしょう。

節税のためには、経費を正しく理解して、無駄なく経費を計上すること、そしてどうせなら不動産価値を保つ、もしくはアップさせる仕方で用いることが肝心です。また、投資が拡大してきたら、法人化するという手段も検討できます。いろいろな方法を使って、効率よく不動産所得を得られるようにしましょう。

大原政人税理士事務所
代表税理士 大原政人
監修者

川崎・横浜起業、確定申告支援センター 税理士大原政人。1975年茨城県土浦市出身。趣味はサッカー。法政大学経営学部経営学科卒業。都内税務会計コンサルティング会社勤務の後、税理士として独立。川崎市(駅徒歩5分)で中小企業・個人事業主を支援して今年で17年目。法人税務申告約1,500件、個人確定申告約1,200件、相続税申告約200件、セミナー、研修会講師年間平均30回

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