相続税の基礎控除額、正しく計算しよう!控除を増やす方法も…

更新日:2019年12月20日 発注カテゴリ: 相続・事業承継対策
相続税の基礎控除額、正しく計算しよう!控除を増やす方法も…

故人の遺産を相続する際に発生する相続税について考える場合、最初に知っておくべきなのが基礎控除額についてです。控除金額によっては申告が不要で、相続税を納める必要がないことがあります。しかし、この基礎控除額の計算では勘違いも起きやすいので、正確な知識を頭に入れておきましょう。ここでは相続税の基礎控除額の計算方法や注意点、控除額を増やす方法を説明します。

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相続税の基礎控除額とは

故人の遺産相続の際、ある一定の金額までは相続税を払わなくてもよいという決まりがあります。そのリミットの金額が相続税の基礎控除額です。

つまり、故人からの遺産が基礎控除額を下回っているケースでは、相続税を納めなくてよいのです。割合でいうと、相続税を申告しなければならない人の方が圧倒的に少ないです。

しかし、2015年の税制改正によって、基礎控除額が大きく引き下げられたため、相続税が発生する割合も、全体の4%から8%以上に増えています。

さらに、相続税は遺産の相続から10か月以内に納めなくてはなりません。それゆえ、この金額なら相続税は発生しないだろうと安易に考えるのではなく、前もって正しい知識を身につけておくことが重要です。

相続税の基礎控除額の計算方法

はじめに、相続税の基礎控除額の計算方法を知りましょう。

3,000万円+(600万円×法定相続人の数)=相続税の基礎控除額

法定相続人とは民法で定められている相続人のことで、簡単にいうと続柄上、遺産を受け取るはずの人です。

具体的に、法定相続人数が4名のケースを考えてみましょう。

基礎控除額は、3,000万円+(600万円×4人)=5,400万円となります。

この場合、相続する遺産の総額が5,400万円以下であれば、相続税の納税義務はありません。申告も不要です。

遺産の総額とは、故人(被相続人)が亡くなったその日に所有していた財産をすべて換金したらいくらになるかというものです。

法定相続人が受け取る遺産分配後の金額と混同しないようにしましょう。遺産の総額には、被相続人が所有していた現金や貯金に加え、不動産や証券なども含めて計算します。

相続した遺産が基礎控除額を超えているケースについても説明します。先ほどの法定相続人が4名である計算で、遺産の総額が5,400万円を超えている場合です。

遺産の総額が1億円だったと仮定すると、1億円-5400万円=4,600万円に対して相続税が課税されます。

相続人個人の相続税の金額の計算は、ここでは簡単な説明にとどめておきます。

具体的な計算方法ですが、まず、相続財産から基礎控除額をマイナスし、その金額を、相続人それぞれの負担割合で分けます。

これを課税価格といいます。課税価格に税率をかければ相続税が出せます。

税率は以下の通りです。課税価格によって税率が変わります。

  • 1,000万円以下は10%
  • 3,000万円以下は15%
  • 5,000万円以下は20%
  • 1億円以下は30%

相続税を計算する際は、遺産の総額を正確に把握し、そこにさらに細かい条件がいくつも加えなければならないので、被相続人本人以外が生前に把握するのは難しいです。

まずは、相続税の基礎控除額をしっかりと計算できるようにしましょう。実際の遺産相続がどうなるかの大きな指標になります。

基礎控除額の正しい計算をするためには、法定相続人が誰になるかを正確に把握しておかなくてはなりません。

法定相続人は大きく分けると、配偶者とその他の血族相続人となります。まず、法定相続人に配偶者がいる場合、事実上婚姻が破綻しているなどの理由がない限り、法定相続人に含めます。

配偶者以外の親族には相続順位があり、第1順位は被相続人の子ども(亡くなっている場合は孫)、第2順位は被相続人の父母(亡くなっている場合は祖父母)、第3順位は被相続人の兄弟姉妹となります。

第1順位にあたる人がいなければ、第2順位の人が法定相続人となり、第2順位もいなければ第3順位というようになります。

相続順位は、故人の財産を相続人が適正に受け取れるようにするためや、第三者に故人の財産が不当に奪われないようにするなどの意義もあります。

相続税の基礎控除額を計算する場合以外にも必要な場面がありますので、しっかり把握しておきましょう。

相続税の基礎控除額の注意点

相続税の基礎控除額を計算するためには、法定相続人が誰にあたるのか正しく数える必要があります。混乱しやすいパターンを4つ紹介しますので、頭に入れておきましょう。

相続税の基礎控除額の注意点 「相続放棄をした人がいる」

相続を放棄した人がいた場合、法定相続人の人数はどうなるのでしょうか。結論からいうと、相続を放棄した人も法定相続人としてカウントします。法定相続人は、遺産を放棄する前の人数になるのです。

具体例をあげてみます。法定相続人が4人のうちの1人が相続放棄をしたとすると、遺産を実際に相続する人は3人になりますが、法定相続人は4人と数えます。

つぎに、故人に配偶者と子どもが5人いて、その5人とも相続を放棄するというパターンを考えてみましょう。このケースでは、第2順位となる故人の親に遺産の相続が移ります。

しかし、法定相続人は配偶者と子ども5人で合計6人と数えます。他の相続人とのトラブルを回避したい人がいる場合や、相続財産に借金が多い場合は、法定相続人が相続を放棄する可能性がありますが、基礎控除額の計算上では人数は変わりませんので覚えておきましょう。

相続税の基礎控除額の注意点「代襲相続人がいる」

法定相続人がすでに亡くなっているケースで、代わりに法定相続人になる人を代襲相続人といい、基礎控除額の人数にも反映されます。

例をあげると、故人(被相続人)の子どもがすでに亡くなっており、その子どもに子ども(故人からみた孫)がいる場合、孫が代襲相続人となります。

故人の孫世代が代襲相続人になるというパターン以外に、相続順位が第2順位の親から祖父母に代襲されることもあります。第3順位の被相続人の兄弟姉妹もいない場合、相続権はその子供に代襲されます。

代襲相続という制度には、法定相続人が被相続人より早く死亡した際に、財産をきちんと次の世代に引き継がせるというメリットがあります。

一方、デメリットとしては、遺産の相続争いに巻き込まれてしまうという点が挙げられます。被相続人の孫やひ孫世代が代襲相続人になるケースが多いため、若年で財産などの知識が乏しいまま、相続人のトラブルに巻き込まれてしまうのです。

このような状態では、十分な話し合いや発言ができないまま、遺産協議書にサインしてしまうことになりかねません。成

人していない代襲相続人の不利益を回避するためには、周囲が代理人を立てるなどの準備が必要です。

相続税の基礎控除額の注意点 「相続欠格等の対象者がいる」

法定相続人が遺産相続に関して不正を行ったことが発覚した場合、法定相続人としての権利を奪われます。

これを相続欠格(そうぞくけっかく)といい、対象者は、基礎控除額の計算上も法定相続人にカウントされません。

相続欠格は遺産相続において、刑事事件が起きないように定められているもので、かなり重大な理由が対象になります。

具体例は以下の通りです

  • 遺産を相続するために、被相続人を故意に死亡させる
  • 相続を有利にするため、自分以外の相続人を死亡させる
  • 故人死亡の事件性を知りながら告発しない
  • 詐欺や脅迫で遺言を意図的に変更させる

上記のケースは相続欠格が適応されます。

また、被相続人が相続人について、虐待や脅迫があると届け出た場合は、法定相続人の権利を剥奪できる、相続人廃除が適応されます。

相続人廃除の対象者も、基礎控除額の計算上は法定相続人として数えられません。相続人の廃除は、基本的に相続人が被相続人を虐待、侮辱などしていたという事由で認められます。

具体的な事例は以下の通りです。

  • 相続人が重大な犯罪に関わり、有罪判決を受ける
  • 被相続人の財産を相続人が勝手に持ち出す
  • 相続人が多額の借金を作り被相続人が返済する

上記のように生前の金銭トラブルで申し立てられることが多いです。

被害を被った被相続人が、この人には絶対遺産を渡したくないということで、家庭裁判所に相談するか、遺言に残し、条件を満たしていれば受理されます。

相続人廃除は相続人だけでなく配偶者に適応されることもあります。配偶者がまったく家に帰らず不倫しているなど、離婚はしていないが、事実上婚姻関係が破綻しているなどの事例が当てはまります。

ちなみに、相続廃除の申し立てよりも遺言の方が正当に扱われることが多く、遺言の方が優先されると判断された場合は、相続排除は取り消されることがあります。

相続欠格や相続廃除の対象者は法定相続人になれませんが、子どもがいる場合は、代襲相続が可能です。このときの代襲相続人は法定相続人に数えます。

相続税の基礎控除額の注意点 「遺言書で法定相続人以外が相続」

遺言書に記載すれば、法定相続人以外でも受遺者(じゅいしゃ)として遺産を相続することができます。

しかし、この受遺者は、法定相続人の数には含まれませんので、相続税の基礎控除額を計算する際に、うっかりカウントしないように注意しましょう。

受遺者を数に入れてしまうと、本当は相続税を納めなくてはならないのに、気づかなかったというトラブルが発生します。

受遺者については、相続人が遺産相続になってはじめて気づくというケースもあります。

トラブルにならないためにも、被相続人と普段から意思疎通をはかることが大切です。なお、遺言状に要件を満たすよう明記されている必要があり、記載が正しくない場合は認められないこともあります。

相続税の基礎控除額を増やす方法

相続税の基礎控除額を増やして節税できないでしょうか。実は、養子縁組で法定相続人を増やすという方法があります。

養子縁組をすれば、法的に親子関係が認められるので、法定相続人を増やせるのです。養子1人に対し、基礎控除額が600万円増える計算です。

しかし、だからといって養子縁組を増やせばよいというわけではありません。過剰な節税を防止するため、法定相続人と認められる養子の数には制限があり、被相続人に実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人までと決まっています。

なお、養子縁組は相続税の減額に効果がありますが、被相続人の財産の状況や、誰が法定相続人となるかによって、どれくらいの金額を節税できるかが大きく変わります。

自己判断は難しいので、弁護士や税理士など、専門家に相談してから判断しましょう。

相続税に際しての養子縁組でよくあるパターンに、被相続人が孫を養子にするというものがあります。他人を養子にするよりトラブルが少ないという判断です。

しかし、孫を養子にすると原則として相続税が2割加算になりますので注意が必要です。

これとは別のパターンで、被相続人の子どもが亡くなっており、孫が代襲相続人となる場合は2割加算は適応されません。あえて養子縁組する必要はないのです。

養子縁組で基礎控除額を増やす際の補足になりますが、実は養子が法定相続人として認められないケースがあります。

第三者からみて、あまりにも露骨な節税目的の養子縁組だと判断されると、法定相続人としてカウントされないことがあるのです。

節税のために養子縁組をするのであれば、正当な理由がある場合もタイミングなどを十分に考慮し、周囲からおかしいと思われないようにしましょう。

そして、被相続人に実子がいる場合では、養子と実子の間でトラブルになる場合があります。このパターンでは相続人同士の問題が大きくなることもあるので十分注意しましょう。

原因として多いのが、実子が養子の存在を遺産相続の時点まで知らなかったというものです。被相続人が離れて暮らす実子が知らないうちに、被相続人が養子縁組することで起こります。

そのほかにも、養子も実子と相続財産が変わらないことなど、火種が多いです。養子縁組は節税以外にも正当な理由がある場合に行いましょう。節税のためだけに行うとトラブルの元になります。

相続税額を大きく左右する基礎控除額

相続の問題は決して他人事ではありません。実際に故人から相続を受けたあとで、相続税がすぐに払えないということでは大変です。

そんなトラブルを回避するうえで大事なのが基礎控除額。法定相続人の定義や数え方などが明確であれば、相続前後で慌てることもありません。

なお、相続や相続税については専門の弁護士や税理士がいるので、わからないことがあれば迷わずプロに相談してみましょう。

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