人事評価改善等助成金とは?受給条件や受給金額・申請方法の3ステップを解説
- 人事評価改善等助成金とは?
- 人事評価改善等助成金の受給条件・受給金額は?
- 人事評価改善等助成金を活用するメリット・デメリットは?
人事評価改善等助成金とは、社内の人事評価制度を整備するための助成金です。現在は、人材確保支援助成金に統合されています。人事評価制度を整備して、企業の人手不足の解消と生産性上昇の実現を目的とした制度です。
この記事では、人事評価改善等助成金の概要や受給条件・受給金額・申請方法などを解説します。最後まで読めば、人事評価改善等助成金の活用方法を理解して人事評価制度の改善を行い、働きやすい環境を提供できるでしょう。
人事評価改善等助成金を活用したいけれど、具体的な方法がわからずお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
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人事評価改善等助成金とは
人事評価改善等助成金とは、人事評価制度を整備し「生産性の上昇」「報酬上昇」「退職率の減少」を図る助成制度です。令和7年より人材確保等支援助成金(雇用管理制度・雇用環境整備助成コース)に統合されています。
人事評価制度の体系を見直すことで、就業者への報酬上昇・退職率の減少などが期待できるでしょう。人事評価を見直すと、成果を出している就業者の報酬を高め、働きやすい環境を構築しやすいです。
人手不足解消と生産性向上の実現が目的
人事評価改善等助成金の目的は「企業の人手不足の解消」「生産性の上昇」です。限られた人材で企業が成長するためには、就業者の生産性上昇や長期雇用は欠かせません。
人材確保等支援助成金は、定期昇給だけではない報酬制度を設けることで「就業者の待遇改善」「離職率の減少」を図る事業主に対しての助成です。人事評価改善等助成金の活用で、生産性上昇の実現と人手不足の解消に期待できます。
平成30年に人材確保支援助成金と統合
人事評価改善等助成金は、平成30年度から「人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)」として支援していた制度です。しかし、人事評価改善等助成コースも令和7年3月で廃止となりました。
現在は同じ助成金の「雇用管理制度・雇用環境整備助成コース」で同様の支援を行っています。人事評価改善等助成金との変更点は、以下のとおりです。
人事評価改善等助成金 (平成30年3月まで) |
人材確保等支援助成金 (令和7年4月〜) |
|
---|---|---|
目標達成助成の支給申請が可能となる時期 | 人事評価制度の実施日の翌日から起算して1年を経過する日の翌日から起算して2カ月 | 評価時離職率算定期間終了後2カ月以内 |
生産性の比較時期 | 目標達成助成の支給申請を行う直近の会計年度と3年度前を比較 | ・「認定申請日の12カ月前の日の属する月の初日~認定申請日の属する月の前月末までの期間の離職率」 ・「雇用管理制度等整備計画期間の末日の翌日から起算して12カ月経過する日までの期間の離職率」 この2点を比較 |
人材確保支援助成金の受給条件
人材確保支援助成金(雇用管理制度・雇用環境整備助成コース)の受給条件は、以下のとおりです。
- 雇用管理制度等整備計画の認定を受けている
- 雇用管理制度または業務負担軽減機器等を導入している
- 離職率の低下目標を達成している
それぞれの条件を達成していない場合、助成金を受給できないため注意してください。
人材確保支援助成金の受給金額
人材確保支援助成金(雇用管理制度・雇用環境整備助成コース)の受給金額は、以下のとおりです。
雇用管理制度等区分 | 助成額 | 上限額 |
---|---|---|
賃金規程制度 (賃金表の整備) | 40万円(50万円) | 80万円(100万円) |
諸手当等制度 (資格手当の導入) | ||
人事評価制度 (人事評価制度の導入) | ||
職場活性化制度 (メンター制度の導入) | 20万円(25万円) | |
健康づくり制度 (人間ドックの実施) | ||
雇用環境整備 (労働者の業務負担の軽減が図られる機器・設備の導入) | 対象経費の2分の1(62.5%) | 150万円(187.5万円) |
かっこ内の金額は、賃金要件(5%以上の賃上げ)を満たした場合の支給額です。
人材確保支援助成金の申請方法
人材確保支援助成金(雇用管理制度・雇用環境整備助成コース)の申請を行う手順は、以下のとおりです。
- 雇用管理制度等整備計画を策定
- 雇用管理制度または業務負担軽減機器等の導入・実施
- 離職率の低下目標を達成
- 助成金の支給(最大230万円)
計画の策定や制度の導入・実施など、助成金を受給するまでに時間がかかります。活用を検討している場合は、早めに計画を立てましょう。
人材確保支援助成金の注意点2つ
人材確保支援助成金(雇用管理制度・雇用環境整備助成コース)の注意点は、以下の2つです。
- 離職率は過去1年間のデータで判断する
- 労働者賃金の総額で5%以上の増加が必要になる
1. 離職率は過去1年間のデータで判断する
人材確保支援助成金(雇用管理制度・雇用環境整備助成コース)の離職率は、過去1年間のデータで判断します。過去1年間で「雇用保険一般被保険者」の該当者を1人も雇用していない場合は、対象外になるため注意が必要です。
「雇用保険一般被保険者」とは「雇用形態を問わず」「31日以上」「週20時間以上」の条件で働いている者を指します。以下の雇用者は対象外です。
- 65歳以上の雇用保険に加入している者
- 短期的(4カ月以内、1週間で30時間以内)に雇用されている者
- 1日ごともしくは30日以内の規定で雇用されている者
2. 労働者賃金の総額で5%以上の増加が必要になる
労働者に支払う給与の総額が、雇用管理制度等整備計画中に5%以上増加させる必要があります。「給与の総額」が5%以上増えていることが条件で、労働者全員の給与を増やす必要はありません。
賃金の引き上げは、実施日から整備計画期間の末日までの間に実施する必要があるため注意してください。
雇用管理制度改善は継続的な取り組みが重要
雇用管理制度制度の改善は、継続的な取り組みが重要です。助成金を受給するためには、離職率の低下や賃金の引き上げなどさまざまな条件を達成する必要があります。改善に取り組むことで、人手不足の解消や就業者のモチベーション上昇にもつながるでしょう。
人材確保支援助成金のメリット2つ
人材確保支援助成金(雇用管理制度・雇用環境整備助成コース)のメリットは、以下の2つです。
- 適切な雇用管理制度により生産性が向上する
- 報酬に不満を抱える就業者の退職防止につながる
1. 適切な雇用管理制度により生産性が向上する
適切な雇用評価制度を設けると、企業が労働者の成果に対して明確な評価ができます。会社から自身の頑張りが認められていると感じることで、労働者の意欲が高まり、結果的に生産性の向上につながるでしょう。
2. 報酬に不満を抱える就業者の退職防止につながる
働いた分の成果と報酬に乖離を感じている労働者は、より高額な報酬がもらえる企業へ転職する可能性があります。適切な人事評価・報酬制度を確立することで、報酬に不満がある就業者の退職防止につなげられるでしょう。
人材確保支援助成金のデメリット2つ
人材確保支援助成金(雇用管理制度・雇用環境整備助成コース)のデメリットは、以下の2つです。
- 助成金取得後も人件費の増加が継続する
- 助成金申請の手間がかかる
1. 助成金取得後も人件費の増加が継続する
助成金を活用すると一時的な補助は受けられるものの、賃金上昇後の人件費負担は継続するため労働コストが上昇します。
雇用評価制度を見直す前より、人件費が増える可能性もあるでしょう。助成金の受給が申請の目的となる場合は、コスト増加で頭を悩ませる可能性があるため注意してください。
2. 助成金申請の手間がかかる
人材確保支援助成金(雇用管理制度・雇用環境整備助成コース)の申請には10種類もの書類が必要なため、助成金の申請に手間がかかります。書類をそろえるだけでも時間がかかりますが、提出後に不備がある場合は、再提出の手間が増えるため注意してください。
制度の趣旨を理解したうえで活用することが重要です。一時金目的の申請の場合は、手間と継続的なコスト増加がかかります。人事評価制度の見直しが必要か、自社内で検討してから申請することが大切です。
まとめ
人材確保支援助成金を利用することで「就業者の生産性向上」「退職率の減少」が期待できます。支給には「人事評価制度の整備」「報酬総額の上昇」の要件があるため、しっかりとした準備が必要です。
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