飲食店のオープンに活用できる補助金4選！申請するメリットや注意点を確認

飲食店のオープンに活用できる補助金4選

補助金は、新しい飲食店をオープンするための資金調達をサポートします。設備や装飾、機器、人件費など、事業開始に必要な費用を補完できます。具体的な情報は随時変更されるため、最新情報を確認することが重要です。

一般的に飲食店のオープンに活用できる補助金は、以下のとおりです。

1. 小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、持続可能なビジネス運営を目指す小規模事業者に対して、販路開拓や業務効率化の取り組みに必要な経費を補助します。

商工会議所の管轄地域で事業を営む小規模事業者が対象であるため、事前に自身の事業が対象地域に含まれるか確認しましょう。専用のWebサイトから申請が可能であり、必要な書類や様式はサイトでダウンロード・確認できます。

申請の流れ

飲食店を開業する際は、この補助金を活用して販路開拓や業務効率化の取り組みを強化することが可能です。申請の流れは以下のとおりです。

2. 事業再構築補助金

事業再構築補助金は、新分野への展開や事業転換、業種転換などを行う費用を補助する制度です。日本国内に本社を有する中小企業者等および中堅企業等が対象です。

成長枠やグリーン成長枠、産業構造転換枠、最低賃金枠、物価高騰対策・回復再生応援枠など、さまざまなカテゴリーから選択します。補助金の額は、申請する事業内容や規模により異なるため、公式HPを確認しましょう。

申請の流れ

事業再構築補助金を上手に活用することで、企業は新しい事業モデルや市場に挑戦し、持続的な成長を目指せます。申請の流れは以下のとおりです。

3. 雇用調整助成金

雇用調整助成金は、経済的な理由で事業活動が縮小した場合に活用できる補助金です。事業主が従業員の雇用を維持するために休業や教育訓練、出向にかかった費用を助成してくれます。受給要件は以下のとおりです。

受給額は、休業や教育訓練を実施した場合に中小企業で3分の2、中小企業以外で2分の1の金額を受給できます。教育訓練の場合、1人1日あたり1,200円が加算され、最大で1年間に100日分、3年間で150日分の助成を受けられます。

4. IT導入補助金

IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者がITツールを導入する費用の一部を補助する制度です。ITツールとは、ソフトウェアパッケージの購入費やクラウドサービスのセットアップ・初期費用などを指します。飲食店で対象となるものは、販売業務を効率化するPOSレジシステムや、労働力不足を補うためのオーダーマネジメントシステムなどが該当します。

クラウドベースのシステムは、最大で2年間の使用料が補助対象です。通常枠には、導入するITツールにより対応する業務プロセスの数でA類型とB類型のカテゴリーにわけられ、それぞれで補助金の額が異なります。

申請の流れ

IT導入補助金をうまく活用することで、ビジネスのDX（デジタルトランスフォーメーション）を加速できます。申請の流れは以下のとおりです。

飲食店を営む際に補助金を申請するメリット3つ

飲食店を営む際に補助金を申請するメリットを3つ紹介します。

1. 資金調達の負担を軽減できる

補助金を受けることにより、飲食店経営に必要な資金を自己資金や借入金に頼る必要が減少します。新しい飲食店を開業する場合や、既存の店舗を拡張・改装する場合に特に重要です。自己資金で賄う必要がなくなることで、経営者の個人資産への負担を軽減でき、リスクを分散できます。

補助金を受けることで飲食店の経営資金を確保し、経営の安定性を高め、資金調達に伴う負担を軽減できます。飲食店の長期的な成功に向けた基盤を築くための、重要な要素となるでしょう。

2. キャッシュフローを安定させられる

補助金は特定の条件を満たす企業や業種に提供され、飲食店に追加の収入源が確保されます。補助金は、営業収益とは独立しており、季節や景気変動に左右されにくいため、キャッシュフローの予測がしやすくなります。

安定したキャッシュフローは、飲食店経営者に新たな機会や成長戦略を追求する余裕をもたらすでしょう。たとえば、新しいメニューの導入や店舗の拡張、新規店舗の開業、マーケティングキャンペーンなどに資金を投資できます。補助金は、飲食業界において持続可能なビジネスを築くための重要な要素となります。

3. ビジネスの拡大と多角化につながる

補助金は、新しい飲食店の開業に使えます。既存の店舗とは異なる場所で新しい店舗を立ち上げ、新たな市場や顧客層を開拓する機会が生まれます。多店舗展開は収益の多様化を促し、競争力を高める手段となるでしょう。

補助金を使うことで、店内の設備やテクノロジーを改善し、顧客体験を向上できます。たとえば、厨房機器の近代化やPOSシステムの導入、オンライン予約システムの開始など、効率性を高め、競争力を向上できる投資が可能です。

補助金を受けることで飲食店はビジネスの拡大と多角化に向けた資金を調達し、新しい機会を追求しやすくなります。

補助金を申請する注意点3つ

補助金を申請する注意点を3つ紹介します。

1. 締切日を厳守する

補助金の締切日を守らない場合、申請が受け付けられず、資格を喪失する可能性があります。補助金プログラムは一般的に予算が限られていることが多く、締切日を過ぎた申請は受け付けられないか、優先度が低くなることがあります。

補助金申請には、必要な文書や情報を収集し、申請書を準備するための時間が必要です。締切日に間にあわせるために、申請プロセスをスムーズに進める計画と準備をしましょう。

補助金を申請する際は、締切日を厳守することが極めて重要です。早めに申請準備を始めることで、資格の喪失を防ぎ、スムーズな申請プロセスを確保できます。

2. 他の補助金との併用規定を確認する

補助金プログラムには同様の目的を持つ複数のプログラムが存在します。複数のプログラムから、同時に補助金を受けることは通常許可されていません。併用規定を確認せず、異なるプログラムからの補助金を同時に申請すると、認められない場合に問題が生じる可能性があります。

併用規定を確認することで、複数の補助金プログラムを最適に組みあわせて活用することが可能です。たとえば、1つが設備投資に、もう1つが雇用創出に焦点を当てている場合、どちらも利用することで総合的な支援を受けられる可能性があります。

補助金を申請する際は、他の補助金との併用規定を確認し、適切に対処することが重要です。

3. 使用状況や事業の進捗を報告する

補助金を受ける場合、資金の使用状況や事業の進捗状況を報告することは、透明性を確保する重要な手段です。補助金提供機関や審査委員会に対して、資金の使途が公正かつ適切であると示すことが求められます。

補助金提供機関やスポンサーに対して、事業やプロジェクトに対する信頼性を高める役割もあります。定期的かつ正確な報告を提出することで、提供機関からの将来的な支援を維持することが可能です。報告に関するガイドラインや期限に従い、適切な文書と情報を提出しましょう。

まとめ

補助金のプログラム要件や条件が複雑で理解しづらい場合、経営コンサルタントに相談し、適格性を確認すると安心です。経営コンサルタントは、ビジネス戦略や財務、運営、マーケティングなどの分野で専門的な知識と豊富な経験を持っています。

比較ビズには、全国の飲食店開業に詳しい経営コンサルタントの一括見積が可能です。補助金を受けることで、資金に関する財政的な圧力を軽減できるため、比較ビズを活用して経営コンサルタントを探してみてください。

監修者のコメント

プロフェッショナルマネージャーグループ

代表　岩瀬 好史

大学卒業後、信用金庫で融資と営業を経験。リーマンショックの影響で融資先企業の業績が悪化する中、目の前で苦しむ企業を十分に支援できない自らの力不足を痛感。困っている企業の力になりたいと思い投資会社に転職し、中小企業の事業再生業務に従事。多くの再生案件に携わる中で現場の経営に関わりたいという思いが強くなり、副業で経営コンサルティング事業を開始。その後、視野を広げるために信用調査会社に転職し調査業務を行った後に独立。現在は経営者のパートナーとして、戦略立案・計画策定・資金調達・組織作り・人材育成・実行支援などを中心に、経営課題の解決を支援している。

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補助金を活用した新規事業を検討する際には、以下のような点に注意すると良いでしょう。

・補助金なしでもその事業を行いたいか補助金がないと成り立たないような事業であったり、補助金を利用すれば簡単に参入できるような事業だと、事業の継続が難しくなるかも知れません。

・計画に余裕はあるか基本的に補助金は後払いのため、一旦は別の方法で資金調達を行う必要があります。また、計画通りに行かず、予想外の経費がかさむこともよくあります。

・新規事業を始めると、資金的な余裕ができやすいため、事業を継続していく見通しが甘くなりがちです。飲食店は立地と業態が大きく影響するため、計画を慎重に見極める必要があります。

執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。