コンテナ輸送とは?仕組みや3つのメリット・料金相場をわかりやすく解説

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最終更新日:2024年07月11日
コンテナ輸送とは?仕組みや3つのメリット・料金相場をわかりやすく解説
この記事で解決できるお悩み
  • コンテナ輸送とは?
  • コンテナ輸送のメリットは?
  • コンテナ輸送にかかる料金は?

コンテナ輸送とは、高い強度を持つ大型の容器「コンテナ」を使った輸送方法です。大量の貨物を効率的に運ぶ手段として、近年注目を集めています。

この記事では、海上輸送に関心のある方に向け、コンテナ輸送の概要やメリット、料金などをわかりやすく解説します。記事を読み終えた頃には、コンテナ輸送の仕組みを理解し、コンテナ輸送を利用するイメージができるでしょう。

「コンテナ輸送の仕組みを理解したい」「貿易業務で効率化を図りたい」という方は、ぜひ参考にしてください。

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コンテナ輸送とは貨物を専用のコンテナに積み込んで運ぶ方法

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コンテナ輸送とは、貨物を専用のコンテナに積み込んで運ぶ方法です。コンテナとは、貨物を輸送するために使用する大型の金属製容器です。コンテナは強度があり、海上輸送や陸上輸送などさまざまな場面で利用されています。

従来の輸送方法は荷役作業が非効率的で危険が伴い、荷物の保護も十分ではない状況でした。納期の不確実性がありましたが、コンテナ輸送の導入により安全で効率的な輸送を実現し、国と国をつなぐ物資の流れをよりスムーズにしました。

コンテナ輸送のメリット3選

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コンテナ輸送のメリットには、次の3つが挙げられます。

  • メリット1. 物流コストが抑えられる
  • メリット2. 積荷へのダメージが抑えられる
  • メリット3. たくさんの荷物が送れる

メリット1. 物流コストが抑えられる

コンテナ輸送は物流コストを抑えられるメリットがあります。コンテナ輸送では荷物の梱包や荷役作業を簡略化し、一貫輸送を実現できるためです。

コンテナにより定型化された単位で輸送することで、船への積載量やスペースを最大限に活用できます。貨物の積み替えに多くの労働力も必要としません。そのため、より多くの荷物を積めるうえに人件費がかからず、費用を安く抑えられます。

メリット2. 積荷へのダメージが抑えられる

コンテナ輸送は積荷へのダメージを抑えられることがメリットです。コンテナは頑丈な構造で、荷物を保護する役目を果たします。積み替え作業が少なくなるため、荷物の破損や盗難リスクを大幅に抑制できます。

従来の輸送方法は、個々の荷物を手作業で積み降ろしするため、破損や盗難のリスクがありました。コンテナ輸送では、荷物はコンテナ内に密閉され、外部からの影響を受けにくくなります。積み替え作業も最小限に抑えられるため、破損や盗難のリスクが大幅に低減されます。

メリット3. たくさんの荷物が送れる

コンテナ輸送は、1度に大量の荷物を運べます。従来の輸送方法では、荷物の量や種類に応じて複数の輸送手段を組み合わせる必要がありました。コンテナ輸送では規格化されたコンテナを使用するため、さまざまな種類の荷物を効率的に輸送できます。

コンテナ船と在来船との違いとは?

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コンテナ船と在来船との違いは下記のとおりです。

  コンテナ船 在来船
積載形態  コンテナ コンテナ以外も含む
荷役作業  クレーン  手作業
輸送コスト  低コスト  変動
輸送時間  安定 変動
適合する荷物 一般的な雑貨 重量物
長尺物
特殊貨物
メリット 効率性
低コスト
安定性
汎用性
柔軟性

コンテナ船は、コンテナのみを扱い積載する船です。在来船は一般の貨物船で、重量貨物や長尺貨物などの特殊貨物を運ぶのに適しています。従来の海上輸送では在来船で貨物を運んでいましたが、コンテナ船の登場以降はコンテナ輸送が主流です。

コンテナ輸送は「FCL」と「LCL」の2種類

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コンテナ輸送の種類は、次の2つにわけられます。

  1. FCL
  2. LCL

1. FCL

FCLはコンテナを丸ごと1つ利用する方法です。「Full Container Load」の略で、1人の荷主がコンテナを独占するため、荷物へのダメージが少なく積み下ろしにかかる時間を短縮できます。

貨物へのダメージをできるだけ抑えたい荷主や、スピーディーな輸送を望む荷主に適しています。荷物の量がまとまっており、安全性を重視したい場合はFCLがおすすめです。

2. LCL

LCLは複数の荷主で1つのコンテナを共有する輸送方法です。「Less than Container Load」の略で、日本語では「混載輸送」と訳されます。LCLは、価格が安く、必要な分だけ利用できることがメリットです。

貨物へのダメージを気にしない場合は手軽に輸送を行えるため、柔軟に荷物を送りたい荷主にとって便利な輸送方法でしょう。少量の荷物の輸送や、コストを抑えたい場合はLCLがおすすめです。

海上輸送で使うコンテナ6種類

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海上輸送で使うコンテナには、次の6種類があります。

  1. ドライコンテナ
  2. リーファーコンテナ
  3. タンクコンテナ
  4. オープン・トップ・コンテナ
  5. サイド・オープン・コンテナ
  6. フラット・ラック・コンテナ

1. ドライコンテナ

ドライコンテナは世界的に広く利用されているコンテナです。食品から工業製品まで、常温で輸送するさまざまな貨物に利用されています。鉄製で作られた堅牢な構造で、規格は3種類あります。

ドライコンテナの規格は、20フィート、40フィート、45フィートの3種類です。

コンテナサイズ  20フィート 40フィート 45フィート
長さ(内寸) 5,898mm 12,032mm 12,032mm
幅(内寸) 2,352mm 2,352mm 2,352mm
高さ(内寸) 2,385mm 2,385mm 2,690mm
内容量 33.1立法メートル 67.5立法メートル 76.3立法メートル
最大積荷重量 21,780k/28,080kg 26,740kg 26,560kg
最大総重量 24,000kg/30,480kg 30,480kg 30,480kg
コンテナ自重 2,220kg/2,400kg 3,740kg 3,920kg

20フィートと40フィートのコンテナは、1968年1月のISO総会で規格が決定しました。 45フィートは2005年に規格が決定しています。

2. リーファーコンテナ

リーファーコンテナは、冷凍や冷蔵機能を備えたコンテナです。温度設定が可能で生鮮食品や医薬品などの輸送に最適です。定期的なメンテナンスが必要なため、専門のレンタル業者が利用されます。

温度調節の幅は、-25℃〜+25℃まで可能で、サイズは20フィートと40フィートが標準です。

3. タンクコンテナ

タンクコンテナは、液体貨物を輸送するためのコンテナです。鋼製フレーム内にタンクが格納されており、酒類や醤油、液体化学薬品など幅広い液体貨物の輸送に使用されています。容量に応じてさまざまなサイズがあります。

4. オープン・トップ・コンテナ

オープン・トップ・コンテナは、屋根がない構造のコンテナです。屋根部分が開放されていることにより、上部からクレーンでの積み込みが可能です。高さや長さが規格外の貨物や、コンテナのドアからの出し入れが難しい貨物に使用されます。

背の高い機械類や重くてかさばる完成品などを輸送する際に有効なコンテナです。

5. サイド・オープン・コンテナ

サイド・オープン・コンテナは、側面が開閉可能な構造のコンテナです。開口面が広く側面から搬出入できるため、作業効率と安全性の高さが特徴です。2mを超える貨物や板材、棒材などの長尺物に適しています。

通常のタイプはサイド面(平側)とリア面(妻側)が開口します。

6. フラット・ラック・コンテナ

フラット・ラック・コンテナは屋根や側面がないコンテナです。貨物を上方から積み込むことができるため、大型の重量物や異形の貨物を輸送する際に使用されます。左右と上方からの荷役が可能で、積載方法の柔軟性が高いです。

屋根と両側面、扉面がない構造のため、建設機械やクルーザー船などの大型貨物の輸送に適しています。

海上運賃の決定方式には「自由運賃」と「表定運賃」の2種類

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海上運賃の決定方式には「自由運賃」と「表定運賃」の2種類あります。

  • 自由運賃とは自由契約によって決まる運賃
  • 表定運賃は基本運賃と割増運賃で構成される運賃

自由運賃とは自由契約によって決まる運賃

自由運賃とは、自由契約に基づき市場の需要と供給によって変動する運賃です。貨物の運賃負担力と運送原価を考慮し、船腹への需要と供給から決定されます。

市場動向を反映した柔軟な運賃設定が可能で、ニッチなニーズに対応しやすいメリットがあります。安定性が低く運賃が変動しやすいため、海上輸送で自由運賃を選択する場合は注意が必要です。

表定運賃は基本運賃と割増運賃で構成される運賃

表定運賃は公的な権限者によって決定される運賃です。国土交通大臣の認可によって設定され運賃表として一般公表されます。

表定運賃は、次の2種類の運賃で構成されます。

  • 基本運賃(ベースレート)
  • 割増運賃(サーチャージ)

基本運賃(ベースレート)

基本運賃(ベースレート)には「品目別運賃」と「品目無差別運賃」の2種類の運賃があります。

品目別運賃 貨物の種類や形状、価格、包装などの要素に基づいて設定される運賃
品目無差別運賃 品目に関わらず設定される運賃

品目別運賃の算出方法は次の3つです。

  • 容積建て
  • 重量建て
  • 従価建て

品目無差別運賃は品目に関わらず設定される運賃であり「ボックスレート」と呼ばれています。

割増運賃(サーチャージ)

割増運賃(サーチャージ)は、基本運賃に加えて課される追加料金です。燃料費の高騰や為替レートの変動などにもとづいて価格が変動します。

割増運賃(サーチャージ)の主な種類は以下の4つです。

燃料サーチャージ 燃料価格変動に基づく運賃
通貨変動サーチャージ 為替レート変動に基づく運賃
港湾サーチャージ 港湾利用料に基づく運賃
その他のサーチャージ 保安費用や環境対策費用

船主の営業努力に影響されない価格変動要因を運賃と別建てにすることで、経営リスクを回避する手段として導入されました。

まとめ

海上コンテナ輸送は、現代の物流を支える重要なインフラです。大量の貨物を安全かつ効率的に運ぶ手段として世界中で利用されています。

海上コンテナ輸送には、コストの削減や納期の短縮、販売機会の拡大など、ビジネスを大きく成長させるメリットを持ちます。複雑な手続きやリスクへの対応などが課題です。

海上コンテナ輸送を検討している場合、専門業者への依頼が一般的です。「比較ビズ」では、必要事項を入力すると2分程度で、目的や用途にあわせた物流会社がスピーディーに探せます。ぜひ利用してみてください。

監修者のコメント
みんなの貿易相談室
台田雄樹

国際輸送分野に8年間従事。東証上場の総合物流企業で、国際一貫輸送業務を中心に7年間携わる。通関士として航空貨物の通関業務も行う。またミャンマーへ6ヵ月間駐在し、現地の物流事情の調査や営業も経験する。その後大手自動車部品メーカーへ転職。現在は国内、海外工場間の国際輸送業務、及び貿易企画に従事する。北南米、中国、ベトナム、フィリピンの輸送を担当。日本と海外拠点間だけでなく、海外拠点同士の輸送管理も行っている。

コンテナ輸送のメリットは大量の貨物を1度に輸送できる点にあります。また、航空輸送と比較して費用も安価になります。

例えば、日本→上海まで1000kgの貨物を輸送する場合、市況にもよりますが、航空運賃は約15万円前後、海上運賃20FTであれば2万〜3万円ほどになります。(諸チャージは除く)

さらには物量に応じてコンテナ1本を借りるFCL、他の荷主とスペースを共有するLCLと荷量に応じた選択肢もあります。安価に出荷ができ、かつ物量に応じた輸送プランが組めるのもコンテナ輸送の特徴です。

コンテナタイプには、通常のドライコンテナ以外に温度調節ができるリーファーコンテナ、設備品など、大型貨物の輸送に適したオープントップ、フラットラックコンテナといった特殊コンテナも存在します。リーファーコンテナの場合は食品や化学品の温度管理の他、寒暖差による結露を防ぐために利用するケースもあります。

特徴コンテナについてはドライコンテナと異なり本数が少なく、コンテナ手配の手続きも通常と異なりますので、余裕を持った手配をするようにしましょう。特にオープントップ、フラットラックコンテナについては出荷する1ヶ月前には船会社orフォワーダーに連絡したほうが良いでしょう。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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