自動車保険料は経費にできる?勘定科目や家事按分について解説!

竹中啓倫税理士事務所
監修者
竹中啓倫税理士事務所 税理士・米国税理士・認定心理士 竹中啓倫
最終更新日:2024年01月18日
自動車保険料は経費にできる?勘定科目や家事按分について解説!
この記事で解決できるお悩み
  • 自動車保険料は経費にできる?
  • 自動車保険料を経費にする際の勘定科目は?
  • 自動車保険料以外に経費にできる車両関連費は?

「自動車保険料は経費にできる?」「勘定科目は何?」とお悩みの個人事業主や経理担当者、必見です。自動車を仕事とプライベートで使用している場合、事業に使用した割合だけ経費計上できます。

この記事では、自動車保険料を経費にする際の勘定科目や家事按分の方法を紹介します。記事を読み終わった頃には、確定申告での自動車保険料の処理方法がわかるでしょう。

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自動車保険料は経費計上可能

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自動車保険料は、確定申告の際に経費計上可能です。自動車保険料は年間数万円〜十数万円になるため、経費計上することで節税につながります。

自動車保険料を経費にする場合、法人か個人事業主かにより注意点が異なります。確定申告や税務調査の際にトラブルにならないよう、適切な経費計上を行いましょう。

法人の場合

自動車を商用車として完全に事業にのみ使用している場合は、自動車保険料を全額経費計上できます。

代表者が同じ車をプライベートでも利用する場合、経費計上できるのは事業で使用している分のみです。事業とプライベートを分けて経費計上することを家事按分(かじあんぶん)と呼びます。

個人事業主の場合

個人事業主の場合も同様に、運送業で使用している事業専用の自動車を対象にした自動車保険であれば、保険料を全額経費にできるでしょう。自己所有の車を事業でもプライベートでも利用する場合には家事按分しなければなりません。

税務調査では、経費を適切に計上しているかを厳しくチェックされます。事業に関連した支出の証明を準備しましょう。

自動車保険料を経費にする際に使う勘定科目

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自動車保険料やその他の支出を経費にする際に使える勘定科目は以下の5つです。

  • 損害保険料
  • 租税公課
  • 車両費
  • 修繕費・地代家賃・旅費交通費
  • 減価償却費(購入時のみ)

自動車保険料やその他の経費をどの勘定科目にすべきか厳格な決まりはないため、自社の都合にあわせて勘定科目を設定できます。勘定科目は毎年同じものを使い続けなければなりません。

1. 損害保険料

自動車保険料を経費計上する際、よく用いられる勘定科目は「損害保険料」です。自動車保険の契約期間が複数年の場合、自賠責保険と任意保険では仕訳の方法がやや異なります。

複数年にまたがる費用は、当年分のみ経費にすることが基本ですが、車検時に複数年分の保険料をまとめて支払う自賠責保険は支払い年度に一括で経費計上可能です。年間21,550円の自賠責保険を、2年間分支払った場合は以下のように仕訳します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
損害保険料 43,100円 普通預金 43,100円

任意保険の場合、1年契約であれば自賠責保険と同様の仕訳方法です。複数年契約であれば該当する年度の自動車保険料のみ、経費計上しなければなりません。たとえば、年間50,000円の自動車保険(任意保険)を3年分、合計150,000円支払った場合の仕訳例は以下のとおりです。

借方科目 金額 貸方科目 金額
損害保険料 50,000円 普通預金 50,000円

2. 租税公課

自動車に関連する税金を支払った場合は「租税公課」の勘定科目を使用します。経費計上できる自動車関連の租税公課には「自動車取得税」「自動車税」「自動車重量税」「印紙税」などです。

たとえば、2,000cc以下の自動車を営業用として登録した場合の自動車税9,500円の仕訳は以下の方法で行います。

借方科目 金額 貸方科目 金額
租税公課(自動車税) 9,500円 現金 9,500円

3. 車両費

自動車保険料を含め、自動車関連費用をまとめて経費計上する際に便利な勘定科目が「車両費」です。自動車保険料はもちろん、ガソリン代や車検代などを車両費として経費計上することもできます。

実際にどのような目的で使われた経費なのかを明確にするためにも、勘定科目は分けることがおすすめです。主に、自動車の維持にかかる費用を車両費に分類することが多いため、ガソリン代、ETC料金など、特定の費用項目だけを割り当ててるといいでしょう。

4. 修繕費・地代家賃・旅費交通費

自動車保険料以外に、自動車関連の費用を仕訳する際よく使われる勘定科目が「修繕費」「地代家賃」「旅費交通費」です。車検代や修理・整備にかかった費用を「修繕費」に、月極駐車場などの継続した駐車場代を「地代家賃」に分類できます。

コインパーキング代は利用頻度によって「旅費交通費」「雑費」に仕訳できるでしょう。一例として、車検時の自賠責保険料を経費計上する際の仕訳例は以下のとおりです。

借方科目 金額 貸方科目 金額
損害保険料(自賠責保険) 43,100円 普通預金 43,100円

5. 減価償却費(購入時のみ)

事業用に自動車を購入する場合、購入費用も経費として計上可能です。10万円以上の物品は資産として減価償却していく必要があるため、普通自動車の新車であれば耐用年数6年、軽自動車であれば4年かけて、減価償却費を計上しなければなりません。

中古車の場合は耐用年数が短くなるため、早く減価償却したい場合は中古車を購入するのも1つの方法です。中古資産の耐用年数は2年で、購入価額によっては多くの経費を計上できる可能性があります。

自動車保険料を家事按分する方法

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車を事業とプライベートの両方で使用している場合、事業で使用している分の自動車保険料を家事按分によって算出しなければなりません。一般的に、自動車関連費は走行距離もしくは使用日数の割合で按分します。

たとえば、年間走行距離10,000km、事業で使用した際の走行距離が8,000kmであれば、自動車保険料の80%を経費に計上できます。もしくは車を年間240日事業に使用している場合、保険料の3分の2を経費にできるでしょう。

自動車保険料は所得控除できない点に注意

自動車保険料は確定申告の際に所得控除に含めることはできません。所得控除の対象は細かく定められていますが、自動車保険は対象外です。

年末調整も同様に所得控除できないため、会社員・個人事業主の別なく控除されません。個人事業主・法人の場合、保険料は所得控除ではなく経費計上によって節税可能となります。

自動車保険料以外に経費にできる費用4つ

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自動車保険料以外にも、経費にできる費用が4つあります。

  • ガソリン代
  • 租税公課
  • 付属品の購入費用
  • 駐車場代・コインパーキング代

個人事業主や法人の場合、経費を漏れなく計上することで所得税額を抑えられます。1つひとつの支出は小さくても、必ず領収書やレシートを保管し、すべての経費を計上しましょう。

1. ガソリン代

自動車保険料以外にも、ガソリン代を経費として計上できます。事業で自動車を使用している場合、ガソリン代も利益を上げるために必須の経費と考えられるでしょう。

ガソリン代の勘定科目について厳密な決まりはありませんが、一般的には「車両費」「燃料費」「旅費交通費」などで処理されます。

2. 租税公課

自動車関連の租税公課も経費にできます。自動車税・自動車重量税、自動車税環境性能割は「租税公課」の勘定科目で仕訳可能です。

租税公課は経費計上可能ですが、交通違反の反則金は経費にできません。従業員が犯した交通違反の反則金を雇用主が支払った場合、給与と見なして必要経費に計上できる可能性があります。

3. 付属品の購入費用

事業で使用する自動車の付属品を購入した場合、購入費用を経費にできます。タイヤ、タイヤホイール、エンジンオイルなどの備品は取得価額によって勘定科目が変わるため注意しましょう。

自動車を購入した際に一緒に購入したタイヤやタイヤホイールは「車両運搬具」で固定資産として計上します。エンジンオイルや洗車用品などは「消耗品費」で処理できます。

4. 駐車場代・コインパーキング代

駐車場代は、月極契約の場合「地代家賃」が勘定科目となります。コインパーキングを頻繁に使用する場合は「旅費交通費」もしくは「車両費」で、年に数回程度の利用であれば「雑費」で仕訳します。

コインパーキング代の仕訳方法についてさらに知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

まとめ

自動車保険料は、確定申告の際に経費計上可能です。損害保険料や車両費などの勘定科目を使い、毎年適切な仕訳を心がけましょう。スムーズに確定申告を行えるよう、自動車保険料以外の経費も計上することが重要です。

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監修者のコメント
竹中啓倫税理士事務所
税理士・米国税理士・認定心理士 竹中啓倫

岐阜県出身。上場会社の経理に勤務する傍ら、竹中啓倫税理士事務所の代表を務める。M&Aなどの事業再編を得意とし、セミナーや研修会講師にも数多くあたるほか、医療分野にも造詣が深く、自ら心理カウンセラーとして、心の悩みにも答えている。税理士会の会務では、名古屋税理士協同組合理事を務める。

現在、公共交通機関は非常に便利になってきましたが、都心部や都市部の一部を除き、車は非常に便利な移動手段であり。日常生活に欠くべからざるものとなってきました。事業を行う場合でも、車抜きでは語れない時代になってきています。

事業を行う上で、少なからずの事業関連性は認めることができる場合はあります。そこで、車両の使用実績を記録することをお勧めいたします。そこには、車両の実績証明のため、距離数も記載する必要はありますが、オド(ODO)メータ―の距離数をそのまま記載すれば、距離数を計算する手間が省けます。

個人事業の場合、車両の使用割合に応じて、費用の一部を事業主貸として処理する必要がありますが、実務的に車両関連費用を「車両費」として処理する場合があります。経費否認する際は、勘定科目総額に否認割合を乗じて、仕訳一本で否認することができますので、非常に便利です。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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