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人間ドックの費用は経費に計上できる?法人と個人事業主それぞれケースで解説

最終更新日:2022年11月29日
小西裕也税理士事務所
監修者
税理士 小西裕也
人間ドックの費用は経費に計上できる?法人と個人事業主それぞれケースで解説
この記事で解決できるお悩み
  • 従業員に人間ドックを受けさせる費用は経費になるの?
  • 従業員の人間ドックの費用が経費にならないのはどんなケース?
  • 個人事業主の人間ドックは医療費控除の対象になるの?

人間ドックを従業員に受けさせたり、経営者が自ら受けたりする場合、費用が経費にできるか心配になる方も多くいます。人間ドックにはかなり高額な費用がかかるので、経費にできれば所得税の負担を減らせるからです。

この記事では、確定申告の際に人間ドックの費用が経費にできるのか、法人と個人事業主とで違いはあるのかについて解説します。医療費控除についても説明するので、確定申告の前にぜひ参考にしてください。

従業員の人間ドックは「福利厚生費」で経費計上可能

人間ドックを雇用している従業員に受けさせるのであれば、費用を経費として計上できます。確定申告の際には、「福利厚生費」という勘定項目で経費にできるでしょう。従業員にとっても、原則として所得税がかからずに支給されるので、大きなメリットがあります。

法人でも個人事業主でも、雇用している従業員には健康診断を受けさせなければなりません。さらに健康診断の費用は会社側が負担します。一般的な健康診断と人間ドックはやや異なるとはいえ、条件を満たした場合にはすべての費用を福利厚生費として計上できるでしょう。

従業員の人間ドックが経費計上されるための条件

従業員の人間ドックの費用を経費にするためには、いくつかの条件を満たさなければなりません。これは「福利厚生費」が経費として認められる条件が決められているからです。福利厚生費は「従業員への給料や賞与とは別に付与される報酬」を指します。

人間ドックの費用が福利厚生費として認められる条件は以下の3つです。それぞれみていきましょう。

  • 全ての従業員に受診の機会を与えている
  • 受診した全員の費用を直接診療機関へ支払っている
  • 常識の範囲内の費用である

1. 全ての従業員に受診の機会を与えている

人間ドックをすべての社員に受けさせているのであれば、費用を全額経費として計上できます。正社員だけでなく、パート・アルバイト、派遣社員も、正社員と同等の就業時間であれば対象です。ただし、全従業員の人間ドックの費用を会社が全額負担している場合に経費に限ります。

受診率にかかわりなく費用を経費にできる

すべての従業員、もしくは一定の年齢以上の従業員に公平に受診の機会を与えていれば、受診率が3割程度であっても、人間ドックの費用は問題なく経費に計上できます。

全従業員が対象でない人間ドックも経費として認められる

一定の年齢以上の希望者を対象に人間ドックを受けさせるケースでは、全従業員が対象でないとしても経費計上が可能です。たとえば、45歳以上の希望者全員に人間ドックを受診させるのであれば、費用を福利厚生費として計上できます。

2. 受診した全員の費用を直接診療機関へ支払っている

人間ドックの費用を経費にするうえで重要なポイントは、会社が負担する費用を直接診療機関に支払っているかどうかです。会社が従業員に費用を支払い、従業員が診療機関に支払いを行うケースでは、福利厚生費として認められません。

会社が従業員に金銭を支給すると、人間ドックのための費用であっても給与として課税されます。指定日に人間ドックを受診できなかった従業員に対し、後日現金を支給して受診させる場合も同様に課税対象です。

3. 常識の範囲内の費用である

人間ドックの費用を経費にするためには、受診費用が著しく高額でないことも条件です。一般的に実施されている1日もしくは2日の人間ドックにかかる数万円の費用であれば、会社が全額負担して経費として計上できます。数十万円単位の受診費用は高額すぎると税務署から指摘されるでしょう。

たとえば、PET検診は1度の撮影でほぼすべてのがんを調べられる非常に有効な検査の1つですが、1回あたりの受診費用は10万円前後です。一般的に高額な受診費用であると見なされるので、経費にするのは避けた方が賢明でしょう。

従業員の人間ドックが経費計上されないケースは?

従業員の人間ドックの費用は福利厚生費として経費計上できる可能性がありますが、経費として認められないケースも多く見られます。経費にできない支出を経費として確定申告すると、税務署から指摘されたり税務調査が入ったりするかもしれません。

適切な確定申告を行うためにも、人間ドックの費用を経費計上できないケースについて以下の2つからみていきましょう。

  • 役員のみを対象としている
  • オプションは経費にできない場合も

役員のみを対象としている

人間ドックの対象が従業員全員ではなく役員のみであれば、費用を福利厚生費として計上できません。福利厚生費は、従業員全員が得る機会を与えられていることが条件だからです。正社員のみならず、条件を満たしているパートやアルバイト、派遣社員にも同様の機会が与えられなければなりません。

特定の従業員に限定して支給されるものは福利厚生費として認められず、課税対象になることがあります。確定申告後に課税対象が増えて、所得税額が増える恐れがあるので注意しましょう。

オプションは経費にできない場合も

人間ドックだけの費用であれば経費にできることもありますが、高額なオプションが加わると税務署から指摘されるかもしれません。人間ドックの費用自体は1人あたり数万円でも、オプションを加えると10万円以上になることがあるからです。

人間ドックは全従業員に受けさせ、社長だけ高額なオプションを付けるケースでも、経費への計上は否認される可能性が高いでしょう。

個人事業主の人間ドッグは経費計上できる?

法人では人間ドックの費用が経費に計上できる可能性がありますが、個人事業主の方の場合には別のルールに従わなければなりません。法人とは異なり、経費にできるケースとそうでないケースがあるので注意しましょう。

従業員がいない場合は経費計上は難しい

従業員を雇用していない個人事業主の方の場合、健康診断や人間ドックの費用を経費にはできません。個人事業主の方が病気やけがをした時に治療するのと同じ扱いとなります。個人事業主の方は自己負担で人間ドックを受けなければならないのです。

従業員に健康診断を受けさせることは労働安全衛生法に定められており、人間ドックの費用も経費計上可能ですが、個人事業主の方には適用されません。

年に1回は健康診断や人間ドックを受けること

従業員が健康を害した時に受け取れる傷病手当や休業補償がないので、少なくとも年に1回は健康診断や人間ドックを受けることが推奨されています。

従業員を雇っている場合は経費計上可能

個人事業主が雇用している従業員全員に健康診断や人間ドックを受診させる場合には、福利厚生費として経費に計上できます。

ただし、個人事業主の方が家族を従業員として雇っているケースでは、人間ドックの費用を経費にできません。配偶者や家族を青色事業専従者として雇用している方は多くいますが、青色事業専従者は基本的に個人事業主と同様の扱いとなることを覚えておきましょう。

個人事業主の人間ドッグは原則医療費控除の対象外

個人事業主の人間ドックの費用が経費にできないのであれば、医療費控除として所得から差し引きたいと考える方もいます。しかし、個人事業主の方の場合、人間ドックの費用は医療費控除の対象になりません。

国税庁HPには、以下のように記載されています。

いわゆる人間ドックその他の健康診断は疾病の治療を伴うものではないので、その人間ドック等の費用は、医療費控除の対象とはなりません。

人間ドックは病気を治療を目的としたものではなく、病気の早期発見を目的としているため、医療費控除の目的にそぐわないと判断されます。詳しい内容は、「医療費は経費に算入できる?仕訳・勘定科目や医療費控除も解説!」をご覧ください。

重大な病気が見つかった場合は対象となるケースも

個人事業主の方の人間ドックの費用は基本的に医療費控除の対象になりませんが、例外があります。それは、人間ドックを受診した結果、がんや心疾患、高血圧、糖尿病などの重大な疾病が見つかった場合です。

人間ドックを受診した結果、メタボリックシンドロームと判明した場合には、生活習慣病との関連が明らかであるため医療費控除の対象と考えられます。一方、ピロリ菌が見つかっても、胃がんとの因果関係が証明されていないため医療費控除の対象から除外されるでしょう。

各地域の税務署によってやや判断基準が異なるので、確定申告を行う前に確認しておく必要があります。

まとめ

法人でも個人事業主でも、従業員の人間ドックにかかった費用は福利厚生費として経費に計上できます。従業員全員、もしくは一定の年齢以上の従業員全員に平等に機会が与えられていることが条件です。

個人事業主の方の場合、自分や青色事業専従者の人間ドックの費用は基本的に経費にできないので、確定申告を行う際には注意しましょう。

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監修者の一言

税務調査では、オーナー社長の会社経費の“公私混同”がよく指摘されます。人間ドックにかかった支出を経費とするためには、下記の3つの要件を満たす必要があります。

〜桓勸に受診機会を与えていること
(社長や一部の役員だけしか認めていない場合は、認められません)

検診を受けた社員全員分の費用を会社が負担すること
(会社から直接診療機関に支払う必要があります)

7鮃管理上必要とされる、常識の範囲内の費用であること
(著しく高額な検査費用は認められません)

コロナ禍により健康を意識するような会社が増えてきています。健康診断や人間ドックを充実させる会社も増えてくると考えられます。 上記3つの要件を満たすように気をつけながら、従業員と一緒に健康診断や人間ドックを経費としていきましょう。

小西裕也税理士事務所
税理士 小西裕也
監修者

1990年生 大阪府出身 大阪大学経済学部卒業。個人事務所、200人規模の税理士法人で実務経験を積み、2021年に独立。「お客様との対話を大事にする」をモットーに、クラウド会計を活用し、顧客に合わせた節税策や資金繰り対策を積極的に提案。ZOOMを使ったオンライン顧問サービスを行い、クライアントは全国に。

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