商工会議所とはどんな組織？加入するメリットとデメリット

商工会議所とはどんな組織？

商工会議所とは、商工会議所法という法律に基づき設立された、特別認可法人です。そのため、商工会議所法という法律がなくならない限り、商工会議所はなくなりません。

なお、その名の通り、商工業者が加入する経済団体ではありますが、公的な機関であり、営利目的の団体ではないという特徴もあります。簡単に言えば、一定地区ごとにある経営者や個人事業主のための団体で、加入することで経営上のさまざまなサービスが受けられます。

ただ、経営者や個人事業主であっても、誰もが商工会議所に加入できるわけではありません。入会資格については後ほど改めて述べますが、加入できない業種もあります。

商工会との違い

商工会議所とは別に、商工会という団体もあります。どちらも同じような目的のために同じような業務を行っている団体なのですが、商工会議所は商工会議所法、商工会は商工会法というふうに、基準となる法律が別です。

また、商工会議所は市を基準としているのに対して、商工会は町村基準で設置されているため、商工会の方が商工会議所より規模が小さい傾向があります。そのため、サービスの内容も商工会議所の方が充実していることが多いです。

商工会議所に加入するメリット

商工会議所がどんな団体なのかはわかりましたが、では、商工会議所に加入することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。商工会議所の業務内容は多岐にわたるため、すべてを説明することはできません。そこで、一般の経営者や個人事業主にとってメリットになる点に焦点を当ててみましょう。

経営相談が受けられる

商工会議所の会員になると、経営についてさまざまな分野の専門家に無料で相談に乗ってもらえます。その専門家とは、弁護士、税理士、経営コンサルタント、ITコンサルタント、また、弁理士や社会保険労務士などです。商工会議所によっては、より専門的なアドバイスができる専門家を派遣してくれるところもあります。

会員同士の交流がある

商工会議所の会員とは、その地域の経営者や個人事業主です。そこで、商工会議所では、会員同士の交流を目的としたイベントなどを定期的に開催しています。その内容は商工会議所ごとに違いますが、ビジネス上の交流会からセミナー、視察旅行、さらに娯楽までさまざまです。通常の会費とは別に費用を支払うことで、サークル活動に参加できるところもあります。いずれにせよ、商工会議所に加入すると、地域の経営者や個人事業主と知り合えるのが大きなメリットです。

福利厚生の支援が受けられる

中小企業に向けて、商工会議所では福利厚生の支援を行っています。大企業では自社で手厚い内容の福利厚生制度を用意できるところもありますが、中小企業では十分な内容の制度さえないところも珍しくありません。そこで、商工会議所では、安価な費用で利用できる福利厚生の代行サービスを中小企業向けに提供しています。

小規模事業者経営改善資金の融資を受けられる

小規模事業者経営改善資金、一般に「マル経融資」として知られる融資を受けられることも、商工会議所に加入することの大きなメリットです。日本政策金融公庫という公的な機関が提供する融資なので、無担保かつ無保証で融資が受けられます。金利も低く、令和2年11月現在、年利1.21％の低金利で2,000万円まで融資可能です。

商工会議所に加入するための資格と費用

先に少し触れたように、商工会議所は誰でも加入できる団体ではありません。加入するには、加入資格を満たしているだけでなく、入会費と年会費も必要です。

商工会議所の加入資格

商工会議所の加入資格はそれほど厳しいものではありません。その商工会議所の管轄する地域で営業している法人や個人事業主なら、基本的に入会できます。ただ、消費者金融業や風俗業、病院などの一部の事業については、その事業主や経営者は入会できない決まりです。

商工会議所の費用

商工会議所に加入するには、加入するための入会費と、年ごとにかかる年会費を支払う必要があります。入会費は法人や団体の規模にかかわらず一律3,000円ですが、年会費は資本金や団体会員数など、規模に応じて差があることに注意です。

具体的な金額は地域によって違うこともありますが、東京商工会議所の場合、資本金1,000万円以上の法人は45,000円です。学校法人、医療法人、社会福祉法人、その他の業界団体は団体会員となり、その従業員数に応じて年会費が異なります。たとえば、10名以上30名未満の団体では30,000円の年会費です。

商工会議所に加入する前に費用対効果を検討しよう

商工会議所に加入することは、その地域の企業や個人事業主にとってメリットとなることが多いのですが、上で見たように、毎年一定のコストがかかるというデメリットもあります。3,000円の入会費は大きくないですが、年会費は法人や団体の規模が大きくなるほど高額です。毎年それだけの負担が必ず発生するわけですから、商工会議所に加入することにそれ以上のメリットがあるかどうかをよく検討しましょう。

規模が大きくなるほど高額になるのが商工会議所の年会費ですが、地域ごとにその仕組みは少々違っています。加入したい商工会議所がどうなっているのか、そちらも併せて事前に確認しておくべきでしょう。いずれにせよ、商工会議所に加入する前に、その費用対効果をじっくり検討してください。

まとめ

商工会議所に加入することにはさまざまなメリットがあることをお伝えしてきました。ただし、加入するにはコストがかかるというデメリットも見逃せません。

商工会議所に加入する企業や個人事業主はそれほど多くないのが実情です。詳しい加入率等は公表されていないものの、東京商工会議所で1〜2割程度とされています。ただ、地方に行くほど加入率は高くなる傾向があり、場所によっては5割以上になるところもあるとのことです。

実際、商工会議所が経営者同士のコミュニティとして重要な地位を占める地域もあるので、そういう場所で人脈や取引先のネットワークを広げるには、商工会議所に加入することがほとんど必須になる場合もあるでしょう。

というわけで、どこで事業を営んでいるのかという地域性が強く影響することも無視できません。地域で孤立してしまうことのないように、同業他社がどうしているかも確認しながら判断してください。

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