商工会議所とは？その主な役割を確認してみよう

商工会議所とは?

商工会議所という団体の概要と役割を確認することから始めましょう。その上で、どのように運営されているのかや、具体的にどんな活動をしているかをチェックすることができます。

非営利の経済団体

商工会議所は、その果たしている役割から公的な意味合いが強いのですが、国や自治体が運営している組織ではありません。非営利の経済団体という枠組みで、それぞれの地域で経済発展のために働くという役割を果たしています。

商工会議所法という法律が存在していて、どんな活動を行いどのように運営されるべきかは、法律によって決まっています。そのため、官公庁ではないものの、かなり公共性の強い団体であると言えます。

地域の経済振興のために働く

商工会議所の主な目的は、地域の経済もしくは産業振興にあります。自治体の管轄内にある中小企業や個人事業者を対象として、様々なサポートを行っています。経営相談や事業者間での交流を深めるためのイベントなどを開催しています。

さらに、人材確保をするための支援や、他地域や海外への事業進出をする手助けなどもしています。公的保障という面で難しさを抱えがちな個人事業主や中小企業への、共済制度の提供なども含まれています。

基本は会員制のサービス

商工会議所は事業者向けのサービスを提供していますが、誰でも自由に利用できるわけではありません。基本的には、会員制の団体となっているからです。そのため、活動の恩恵に預かりたいのであれば、登録と会費の支払いをして会員になる必要があります。

会員でなくても受けられるサービスもあります。その一つが、定期的に開催される経営相談会や税務関連相談会です。無料で受けられることが多く、悩みを抱えている経営者をサポートするために実施されます。

収入源

商工会議所は前述の通り、国や自治体によって運営されている訳ではありませんので、自分たちで費用を賄う必要があります。主な収入源としては、会員から毎年受け取る会費があります。

また、商工会議所が行っている事業からも収入があります。特に、商工会議所主催の検定試験がいくつかあって、その受験料が主な収入源となっています。他にも、会員を対象とした研修代金や、情報提供を目的としたOAシステムの提供料などがあります。

さらに、商工会議所は公共性が強いので、国からの補助金を受けています。もちろん、無条件で支給されるわけではなく、事業者へのサポートを行った場合、その実績に応じて所定の補助金が下りるという形になっています。

産業振興のための融資活動

商工会議所は実に様々な活動を行っていますが、会員が利用する機会が多いのは融資関連の制度です。商工会議所では、会員企業に対して経営指導を行い、事業を拡大したり改善したりできるように助けています。

こうした経営指導を受けた事業者は、マル経融資と呼ばれる融資制度を受ける資格を得ます。一定の条件を満たすと、日本政策金融公庫が実施している融資の対象となり、有利な条件で資金調達ができるのです。

いろいろな融資条件がありますが、無担保かつ保証人不要という条件で融資がなされることが多いです。また、一般の金融機関で借りるよりもずっと金利が低く設定されていますので、少ない負担で資金を得られるというメリットがあります。

スキル向上の活動も実施

商工会議所が行っているその他の主要な活動としては、人材育成サポートがあります。商工会議所主催の検定試験がその代表的な活動で、ビジネス実務に関係した様々な資格があります。

たとえば、日商簿記や販売士といった資格は、毎年多くの人が受験する検定資格で知名度が高いです。こうした検定試験を主催することで、幅広いスキルにおいて専門知識や能力を高められるように支援しているのです。

商工会と商工会議所との違いとは?

このように、いろいろな面で地域の経済や産業の振興のために働いているわけですが、似た団体に商工会というものがあります。両者には明確な違いがありますので、それを理解して適切なサービスを受けられるようにしましょう。

管轄している官庁が異なる

商工会議所は経済産業省の中の経済産業政策局という部署が管轄しています。一方の商工会は、同じ経済産業省でも中小企業庁が直接管轄しているのが特徴です。

この管轄庁の違いは、その役割や対象事業者に差を生み出しています。商工会は中小企業庁が扱っているということで、主に小規模の企業から中堅までの事業者を対象としています。他方、商工会議所は大企業までを含み、事業規模の差による会員受付の制限はありません。

対象となるエリアの広さ

活動の範囲にも違いがあり、商工会は主に町村という狭い範囲でサポートをします。そのため、より地元の小さな事業者に対して、きめ細かなサポートをすることができるのが特徴です。

商工会議所は市もしくは特別区が活動範囲となっています。そのため、幅広いタイプの事業者に対応できますし、提供するサポートも多様性があり、規模が大きくなります。

こうした対象エリアの違いは、拠点数にも差を生んでいます。商工会議所は一つで扱える範囲が広いので、日本国内に500超の拠点を持っています。一方で商工会は、1,600超もの拠点があります。

商工会議所は、広いエリアをまとめて扱っていますので、異なる企業との交流を深めるにもいろいろな経営者と会えるというメリットがあります。また、対応できる業種にも幅があり、対応能力が高いです。

主な事業の違い

商工会は、主に小さめの規模の企業や個人事業主の経営改善をメインとして働いています。そのため、より細かく個別のサポートをするのに優れている団体と言うことができます。

商工会議所は中小企業への事業拡大支援や、海外進出の手助けをするということも、主な事業として含まれています。より大きな規模でのサポートを与え、積極的な事業拡大を助けるのが主な事業と言えます。

まとめ

商工会議所は、地域の中で様々な事業者に対して積極的な支援を行い、産業を発展させるための活動を行っています。会員になると、経営指導や好条件の融資を受けられるなどのメリットもあります。

経営をしていく中で、こうした団体の支援を受けることは大きな助けとなります。会員になるかどうかを考えてみましょう。

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