自宅兼事務所の家賃・光熱費は経費計上できる?個人事業主向け仕訳も解説

最終更新日:2024年02月27日
小西裕也税理士事務所
監修者
税理士 小西裕也
自宅兼事務所の家賃・光熱費は経費計上できる?個人事業主向け仕訳も解説
この記事で解決できるお悩み
  • 自宅を事務所として使う場合は経費にできる?
  • 家事按分とは?
  • 光熱費・通信費も経費にできる?

「自宅と事業用事務所を兼用している」「家賃や光熱費は経費にできる?」という方は、必見です。自宅兼事務所の家賃や光熱費は、事業で使用した分のみを経費にできます。

この記事では自宅兼事務所にかかる費用の経費計上について解説します。費用別の家事按分のやり方や経費の仕訳方法紹介します。

最後まで読めば、適切に経費計上するためのノウハウがわかるでしょう。

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自宅兼事務所の家賃・光熱費は経費計上できる

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自宅を事業用事務所としても使う場合、家賃や光熱費などは事業に用いた分だけ経費として計上できます。事業用支出と個人的支出を適切に分配することを「家事按分」といいます。

自宅兼事務所にかかる費用のうち経費計上できる金額は家事按分で算出します。家事按分の計算には原則的な考え方があるものの、簡単に割り出せないケースもあります。

私用と業務用をおおまかな計算で確定申告することはできますが、税務調査を受けた場合、不適切と指摘されるリスクがあります。家事按分の根拠を尋ねられた際に、明確な根拠の準備が大事です。

自宅兼事務所にかかる費用の「家事按分」は何割?

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自宅兼事務所にかかる費用を「家事按分」で分配する場合、費用ごとに算出方法が異なります。

  1. 家賃
  2. 水道代
  3. 電気代
  4. ガス代
  5. 通信費

1. 家賃

家賃は、自宅のなかで事業に使用している範囲の広さをもとに家事按分を算出します。たとえば、3階建ての一軒家で1階部分をすべて事務所に活用している場合、広さに応じて家賃の3分の1を経費に計上可能です。

自宅の1部屋を事務所にしている場合、事務所部屋が家の総面積に対するおおよその割合で経費計上できる金額が決まります。

家族も使用するリビングの一角で仕事をしているケースでは正確な範囲の判断は困難ですが、おおまかな割合を算出しましょう。

2. 水道代

水道代は事業形態により異なるため、状況に適した配分で計上しましょう。水を多く使う飲食店の場合、50%程度の家事按分が妥当です。

来客時のお茶出しや来客がトイレで使用する分などは経費として扱えますが、経費計上できるのは数%でしょう。経費である明確な根拠を用意できない点が課題です。

3. 電気代

電気代の家事按分は、使用時間や同居人の有無などで求められます。

自分以外に電気を使う同居人がいない場合、1日の電気の使用時間と仕事時間から家事按分の比率を算出します。たとえば1日に合計12時間程度は電気を使用、8時間程度を仕事に費やしている場合の電気代は、12分の8つまり66%を経費計上可能です。

業務に携わらない同居人がいる場合、仕事のみで使うコンセントを決めて家全体のコンセントの数との割合で家事按分を求める方法があります。たとえば家のコンセントの数が全部で10、仕事用のコンセントの数が2であれば、10分の2で電気代の20%が経費です。

4. ガス代

ガス代は電気代と同様、業務に欠かせないものではないため、経費計上が難しいです。自宅の一部を飲食店や料理教室に使用する場合はガス代も問題なく経費にできます。

暖房器具としてガスストーブや、ガスを使用する温水循環式床暖房を使用する場合は、冬期に限りガス代が経費に該当します。

ガス代は家事按分の判断は難しく、あまり多くを計上できない費用です。

5. 通信費

通信費は、私用と仕事それぞれの使用時間から家事按分で割合を求めます。インターネット回線は定額制、従量制とありますが、いずれの場合も基準は使用時間です。

たとえば、1週間に60時間ほどインターネットに接続しており、うち仕事の時間が30時間であれば50%を経費にできます。

自宅兼事務所の経費仕訳で用いる勘定科目

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自宅兼事務所の経費仕訳で用いる勘定科目は、費用ごとに異なります。

  1. 家賃
  2. 光熱費
  3. 通信費

仕訳1. 家賃

家賃を支払う場合の経費仕訳は、支払いが事業用の口座かプライベート口座かにより異なります。家賃10万円の自宅兼事務所を例に見てみましょう。

  • 家賃:10万円
  • 床面積:50
  • 事業部分:10

事業用の口座から家賃を払った場合、仕訳は次のとおりです。プライベートでの使用分は「事業主貸」と記載します。

借方 金額 貸方 金額
地代家賃 20,000円 普通預金 100,000円
事業主貸 80,000円
合計 100,000円 合計 100,000円

プライベートの口座から家賃を払った場合、仕訳は次のとおりです。

借方 金額 貸方 金額
地代家賃 20,000円 事業主借 20,000円
合計 20,000円 合計 20,000円

仕訳2. 光熱費

水道光熱費の仕訳は、次のとおりです。例では、光熱費を事業用口座で支払い、総利用量の半分が事業目的に該当したケースを紹介します。仕訳の条件は以下のとおりです。

  • 水道代:1,000円
  • 事業部分:500円
  • 支払いは事業用口座より
借方 金額 貸方 金額
水道光熱費 500円 現金 1,000円
事業主貸 500円
合計 1,000円 合計 1,000円

仕訳3. 通信費

通信費の仕訳は次のとおりです。例では、事業用口座で通信費を支払い、総利用量の3分の2が事業目的であるケースを紹介します。仕訳の条件は以下のとおりです。

  • 通品費:9,000円
  • 事業部分:6,000円
  • 支払いは事業用口座より
借方 金額 貸方 金額
通信費 6,000円 現金 9,000円
事業主貸 3,000円
合計 9,000円 合計 9,000円

自宅兼事務所の住宅ローン利子は「必要経費」になる可能性も

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自宅兼事務所が持ち家の場合、住宅ローン利子が経費扱いになる可能性があります。持ち家の一部を事務所として利用する場合、次の費用が経費計上可能です。

  • 減価償却費
  • 固定資産税
  • 借入金の金利

事業割合が自宅全体の50%を超える場合、住宅ローン控除が受けられません。節税の観点においては、経費計上よりも住宅ローン控除のほうが効果が高い可能性に留意しましょう。

事務所の割合が10%で「住宅ローン控除」により高い節税効果

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事務所の割合が自宅全体の10%以下であれば、住宅ローンを全額受けられるため高い節税効果があります。持ち家の自宅兼事務所の住宅ローン控除の金額は、事務所の割合に応じて変動するためです。

事業割合50%以上 住宅ローン控除を受けられない
事業割合10%超50%未満 事業割合分は住宅ローン控除を受けられない
事業割合10%以下 住宅ローン控除を全額受けられる

まとめ:自宅兼事務所の経費計上の不明点は専門家に相談

自宅を事業用事務所と兼用している場合、家事按分により家賃・水道光熱費などを経費にできます。税務調査で説明できるよう明確な根拠を準備しましょう。

経費や確定申告に不安がある方は、専門家への相談がおすすめです。専門的で正確なアドバイスが受けられるため、税務上のトラブル回避だけではなく効果的な節税方法を知る機会になります。

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監修者の一言

個人事業主やフリーランスの方など、自宅をプライベートと仕事の両方で使っている方も多いと思います。

事例にもありますように、自宅の家賃や家にかかった費用を経費として認められないケースが実際にありますので、経費にする場合には注意が必要です。

自宅の使用に対してどのくらい仕事用で使用しているか、つまり自宅にかかった費用の経費割合をいくらにするのか、またその割合を算出した根拠に合理性があるのかを検討する必要があります。

一方で、自宅とは別に事務所を賃貸している場合など、事業で使用するために借りている家賃であれば全額経費にして問題ありません。

経理処理や家事按分の判断に迷った場合には、専門家に相談することをお勧めします。

小西裕也税理士事務所
税理士 小西裕也
監修者

1990年生 大阪府出身 大阪大学経済学部卒業。個人事務所、200人規模の税理士法人で実務経験を積み、2021年に独立。「お客様との対話を大事にする」をモットーに、クラウド会計を活用し、顧客に合わせた節税策や資金繰り対策を積極的に提案。ZOOMを使ったオンライン顧問サービスを行い、クライアントは全国に。

比較ビズ編集部
執筆者
比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。
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