商品券は経費計上できる!経費にできるパターンや勘定科目・注意点を解説

小西裕也税理士事務所
監修者
小西裕也税理士事務所 税理士 小西裕也
最終更新日:2023年07月20日
商品券は経費計上できる!経費にできるパターンや勘定科目・注意点を解説
この記事で解決できるお悩み
  • 商品券やギフト券は経費計上できる?
  • 経費にできるパターンとは?
  • 経費計上する際の注意点は?

商品券やギフト券は事業のために購入した場合、経費として計上できます。経費計上する場合は、商品券の金額や領収書の発行などいくつか注意が必要です。

この記事では「利益を残すために商品券を経費にしたい」と考えている方に、経費計上できるパターンを紹介しています。最後まで読めば、商品券の購入目的にあった経費の計上ができるようになります。

商品券を経費計上するときに気をつけるポイントや個人事業主の経費処理についても詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。

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商品券は事業に関連している場合経費にできる

名称未設定のデザイン

商品券は事業に関連する支払いに使用された場合、経費として認められます。商品やサービスを購入する際には、事業に関係しているかどうかを判断しなければいけません。

プライベートでの使用では認められないため、申告する際は注意が必要です。

【具体例】商品券を経費処理する際の5つのパターン

名称未設定のデザイン (1)

商品券を経費処理するパターン5つは以下のとおりです。

  • 自社用に購入・使用する場合
  • 贈呈用に購入した場合
  • 従業員に贈呈した場合
  • 報酬の支払いに使用した場合
  • 期末まで未使用の商品券が残っている場合

取引先に贈呈する場合は「接待交際費」として、報酬の支払いに使用する場合は「給与」として、パターンによって勘定科目が異なります。それぞれのパターンを詳しく解説します。

1. 自社用に購入・使用する場合

自社用に購入したときと使用したときでは、勘定科目が異なるため注意が必要です。

購入したとき

自社で発行した商品券の場合「負債」とみなされるため、勘定科目は「商品券」です。他の会社や店舗が発行した商品券の場合「資産」とみなされるため、勘定科目は「他社商品券」で記帳します。

自社で使うために他社商品券を10万円分購入した場合、帳簿には以下のように記載しましょう。

借方 貸方
他社商品券 100,000円 現金 100,000円

購入時は消費税が非課税のため、帳簿に記載する必要はありません。

使用したとき

商品券を使用して消耗品を購入した場合「消耗品費」として経費に計上できます。購入するときは非課税ですが、使用するときには消費税がかかるため注意が必要です。

たとえば2万円分の消耗品を商品券で購入し、会社が税抜経理を行っている場合は、帳簿へ以下のように記載しましょう。

借方 貸方
消耗品費   18,182円 他社商品券 20,000円
仮払消費税 1,818円  

2. 贈呈用に購入した場合

商品券を得意先や取引先に贈呈用として購入した場合「接待交際費」として経費に計上できます。得意先への贈答用に10万円分購入した場合は、帳簿へ以下のように記載しましょう。

借方 貸方
接待交際費 100,000円 現金 100,000円

商品券を得意先や取引先に譲渡したときの経費処理は不要です。

商品券を金券ショップで安く購入した場合も「接待交際費」として認められます。割引価格で購入した場合には、差額を雑収入として処理しなければいけません。

たとえば10万円分の他社商品券を、金券ショップで9万円で購入すると、1万円分安く購入できたことになります。帳簿上、借方と貸方の金額は同額でなければいけないため、差額は雑収入として計上しましょう。

借方 貸方
接待交際費 100,000円 現金  90,000円
  雑収入 10,000円

3. 従業員に贈呈した場合

商品券を従業員に贈呈した場合「福利厚生費」か「給与」として経費に計上できます。商品券は自社で使ったり贈答用にしたりするほかに、結婚祝いや出産祝いなどにも活用可能です。

たとえば出産祝いのために、従業員へ3万円分購入して渡したとき、金額が一般的な理解の範囲内と認められる場合は「福利厚生費」となります。

借方 貸方
福利厚生費 30,000円 現金 30,000円

誕生日祝いや忘年会の景品など、結婚・出産祝い以外の場合は「給与」扱いとなるケースが多いため、注意が必要です。

経費とするためには、一般的に考えられる金額であることや、すべての従業員を対象としたものであることなど、条件をクリアすることが求められます。

勘定科目は「福利厚生費」「給与」のどちらでも記載可能ですが、必ずどちらかにそろえて書く必要があるため注意しましょう。

4. 報酬の支払いに使用した場合

商品券を報酬の支払いに使用した場合「給与」として経費に計上できます。給与とする場合は、通常の給与と同様に源泉徴収を行わなければいけません。処理が複雑になるため、細かい点は税理士に確認しながら行うといいでしょう。

10万円の報酬を商品券で支払う場合には以下のように記載しましょう。

借方 貸方
支払報酬 102,260円 他社商品券   100,000円
仮払消費税 8,180円 預り源泉所得税 10,440円

5. 期末まで未使用の商品券が残っている場合

商品券が期末まで未使用のまま残っている場合「貯蔵品」として資産計上する必要があります。在庫処理をしなければいけないため、経費として計上できません。収入印紙や新幹線の回数券なども期末まで在庫があれば、商品券と同様に「貯蔵品」として資産計上しましょう。

商品券を経費処理する際の4つの注意点

名称未設定のデザイン (2)

商品券を経費処理する際の注意点は下記の4つです。

  • 経費処理は用途や目的によって異なる
  • 領収書を発行し証拠を残しておく
  • 商品券の額面に注意する
  • プライベートで使用しないように注意する

1. 経費処理は用途や目的によって異なる

商品券を使う用途や目的によって、経費処理の方法は異なります。

たとえば贈答用の場合「接待交際費」として処理する必要があり、従業員への報奨として支給する場合は「福利厚生費」か「給与」として処理しなければなりません。

企業が正確に処理することは、正確な会計処理を行うためにも重要です。

2. 領収書を発行し証拠を残しておく

商品券を経費として処理するときには、領収書を発行して証拠を残すことが重要です。領収書を発行していないと何に使われたか証明できず、不正処理の疑いが生じる可能性があります。

領収書を適切に発行して証拠を残すことで、会計処理上の正確性を確保できるでしょう。

3. 商品券の額面に注意する

高額な商品券を贈っていたり、額面が少ない商品券を贈っていたりすると、税務署から怪しまれることがあります。

1万円前後の商品券であれば、一般的な理解の範囲内と判断される可能性が高いです。会社が個人に贈与する場合は1人あたり年間1万円までが非課税とされています。

高額な商品券を購入すると、脱税の疑いがかけられる可能性があります。あまりに多くの取引先に商品券を贈っていると、同様に税務調査で指摘されることも少なくありません。

4. プライベートで使用しないように注意する

商品券は企業の経費に含まれるため、プライベートでの使用はできません。企業の経費処理が不正確になる可能性があります。

従業員が商品券を受け取り、プライベートで使うと企業の会計において問題が起こるでしょう。企業は商品券の規則を定め、従業員に周知することで、不正使用を防げます。

仕事とプライベート兼用の場合

商品券が仕事とプライベートの両方で使用された場合、仕事で使用した金額とプライベートで使用した金額は、わけて処理する必要があります。仕事で使用した金額は経費として認められますが、プライベートで使用した金額は認められません。

たとえば企業が従業員に商品券を支給し、仕事とプライベートで使用したとします。仕事で5,000円分を使った場合5,000円は経費になりますが、プライベートでは認められません。商品券を利用する場合は、仕事とプライベートの判断を行いましょう。

個人事業主でも企業と同様の処理が必要

個人事業主が商品券を購入して得意先に贈った場合は「接待交際費」になります。たとえば1万円の商品券の場合、帳簿には以下のように記載します。

借方 貸方
接待交際費 10,000円 現金 10,000円

1万円分の商品券を使用して事務用品を購入した場合は次のように記載しましょう。

借方 貸方
事務用品費  9,090円 他社商品券 10,000円
仮払消費税  910円  

まとめ

商品券が経費に計上できるパターンや商品券を経費に計上する際の注意点、個人事業主の経費処理について解説しました。商品券の経費処理は目的によって変わります。

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よくある質問とその回答

  • Amazonギフト券は経費にできる?

    Amazonギフト券は条件によって経費にできます。社内の備品購入や運営上必要となる物、取引先への謝礼は経費として認められる可能性が高いです。

    上記以外にも、仕事に関係している場合は経費に計上できます。会社と関係ない相手にAmazonギフト券を使用しても、経費にできません。経費は仕事と関係している場合のみ認められます。

  • クオカードは経費にできる?

    クオカードもAmazonギフト券と同様に、仕事に関係している場合は経費にできます。取引先に贈与した場合は「接待交際費」として、社員に配布した場合は「福利厚生費」「給与」と勘定科目が変わるため注意しましょう。

監修者のコメント
小西裕也税理士事務所
税理士 小西裕也

1990年生 大阪府出身 大阪大学経済学部卒業。個人事務所、200人規模の税理士法人で実務経験を積み、2021年に独立。「お客様との対話を大事にする」をモットーに、クラウド会計を活用し、顧客に合わせた節税策や資金繰り対策を積極的に提案。ZOOMを使ったオンライン顧問サービスを行い、クライアントは全国に。

商品券の購入は、その使用用途により経理処理が変わりますので注意が必要です。

・得意先への贈答用の場合は「接待交際費」
・従業員に渡す場合は「給与」
・雇用契約に基づいて支給する出産等の祝い金として従業員に渡す場合は「福利厚生費」
・一般消費者に対してプレゼントする場合は「広告宣伝費」
・期末時に在庫として残っている場合は「貯蔵品」

また、決算直前に商品券を大量に購入する場合には、税務調査で税務署に課税回避目的に購入したのではないかと疑われることもありますので、使用した場合は商品券をどういう用途でどれだけ使用したのか等の記録を残すことが大切です。

商品券の経理処理に迷った場合には、専門家に相談することをお勧めします。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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