チームビルディング研修とは?目的や企業の事例5選を紹介

最終更新日:2023年01月30日
ビジネスマナー講師
監修者
代表 鈴木あき
チームビルディング研修とは?目的や企業の事例5選を紹介
この記事で解決できるお悩み
  • チームビルディング研修とは?
  • チームビルディング研修は何のためにやるの?
  • チームビルディング研修にはどんな事例があるの?

チームビルディング研修とは、ゲームやアクティビティを通してチームで協力し、目標達成するための考え方や行動を学ぶ研修です。

仕事をする際、チームワークは非常に重要です。チームビルディング研修は、チーム内での相互理解や目的意識を高め、チームを成功に導く画期的な手法です。

本記事は、チームビルディングの概要や研修目的・事例について紹介します。組織の生産性低下やコミュニケーション不足で悩まれている方はぜひ参考にしてください。

チームビルディングとは:組織力向上のための取り組み

チームビルディングとは、個々のチームメンバーが自身の持つスキルや経験を十全に発揮し、組織のチームワーク向上を図るための取り組みのことです。

優秀な人材を集めれば自動的に優れたチームができるわけではありません。お互いの持つ異なる能力や経験を尊重しながら、ゴールに向かって団結して進んでいくことが大切です。

チームビルディングという言葉がよく使われるのは、大きな変革が求められる組織や業種が中心です。チームビルディングを通して、リスクを伴いつつも革新的な目標達成のために協力できるチームを作り上げていきます。

チームビルディング研修の3つの目的

チームビルディングは日々の業務だけで行われるものではありません。別途チームビルディングをするための機会がつくられます。チームビルディング研修目的は、主に以下の3つです。

チームビルディング研修の3つの目的

各メンバーが主体的に取り組むチームを作るために、どのようなことがチームビルディング研修に求められているか、確認しましょう。

チームメンバーの目的意識を高める

チームで目標を達成するためには、メンバー各人の目的意識が高まることが必要です。

なぜこのプロジェクトをするのか、どんな成長をしたいのかなど各メンバーがチームに参加する目的意識を高めることで、主体性の高いチームを作れます。

言われたことをこなすだけでなく、チームのために自らリスクを取って行動できる人を増やすことにつながるでしょう。

チームでのコミュニケーションを活発化する

チームビルディング研修を行うことで、チーム内の会話が増え、コミュニケーションが活発になることが期待できます。共通の目的・目標を持つことや、研修内でお互いのことを知り活発的な会話をすることで、チームへの緊張感や抵抗感が薄められるでしょう。

褒め言葉に限らず、相互の考え方に触れたり行動改善をしたりするためのフィードバックも積極的に行われ、チーム全体の生産性を高められるでしょう。

上司・部下間のコミュニケーションも活発になるため、ナレッジやノウハウの共有や悩み相談などがしやすい土壌が育つ点でも効果的です。

チームで働く意義を体感する

チームビルディング研修は、チームで働く意義を再認識する機会としても有効です。

研修内ではチームで競い合ったり何かを作ったりするゲームやワークショップが多く存在します。チーム内での自分の役割を発見すること・チームで何かを達成する経験を積むことは、実務でも活かせる経験・学びとなるでしょう。

チームがつまずきそうな時も、研修内でのチームでの成功体験を思い出すことは、一丸となって取り組む自信につながります。

チームビルディング研修の4つの形式

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チームビルディング研修の形式を、その目的とともに4つ紹介します。

  • ゲーム形式
  • アクティビティ形式
  • 合宿形式
  • 座学形式

それぞれの特徴やメリット・デメリットを押さえて、研修を実施する際の参考にしてみてください。

ゲーム形式

ゲーム形式の研修の特徴は、共通の目的に向かって楽しみながら行えることです。ゲームを通して、チームメンバーの考え方や行動を知りながら、相手チームへの勝利や目的の達成で一体感を強めることができます。

ゲームによっては時間配分や役割分担・戦略思考など、ビジネスに必要な思考を養うこともでき、自身やチームの能力を振り返る機会となるでしょう。

無料で用意でき、短時間で実施できるゲームが多いため、研修の取り組みやすさもおすすめできるポイントです。

アクティビティ形式

アクティビティ形式の研修は、スポーツやBBQなどチームで体を動かすものが多いため、チームワークを体感できメンバーの団結も生みやすいです。

アクティビティを通じてコミュニケーションが活性化し、チームでの目標達成意識を高めることができます。

費用は会場費や備品程度で安価に実施できますが、1日がかりや数日以上かかることが多いです。

合宿形式

合宿形式の研修では、合宿や社員研修旅行などチームメンバーと長く一緒にいることで、お互いの価値観や普段の姿を深く知ることができます

ビジネス上の関係のみならず、メンバーの素の部分やプライベートの一面まで知った仲なら、チームの結束力はより強まるでしょう。

研修の中でゲームやアクティビティ・座学などを実施し、目標設定やメンバー理解などを行うため、短い時間でチームの関係を深めることが可能です。

費用は宿泊費、会場費、移動費などがかかります。日数は数日間になることがほとんどです。

座学形式

座学形式の研修は、チームワークや生産性に関する学習を行なったり活発な議論を行ったりすることで、実務に活かせる学びを得られます

実務に近い形で学習や議論、ワークショップを行うケースが多く、研修内容をそのまま活かせるのが特徴です。

近年ではオンライン形式も一般化しており、手軽にどこからでも学びやすいところがポイントです。対面で実施するにしても会場費・備品程度なので、容易に実施することが可能です。

チームビルディング研修の参考事例5選

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各企業でチームビルディング強化のためのさまざまな研修が行われています。ここでは、実際に行われたチームビルディング研修の事例を紹介しましょう。

  • 株式会社リクルートキャリア
  • 株式会社メルカリ
  • 日清食品株式会社
  • 株式会社オリエンタルランド
  • ソフトバンクグループ株式会社

株式会社リクルートキャリア

株式会社リクルートキャリアでは、ビジネスゲーム「The Team」を活用した営業力・組織力強化研修を行い、実践的なゲームを通して、組織におけるチームワークやコミュニケーションの改善を図っています。

「The Team」とは上司と部下の立場の違いから生まれる視点の違いや問題、チームワークの差異を学ぶことを目的にしたゲームです。

ゲームの実践や振り返りを通して、その組織の価値観や考え方が浮き彫りにされます。組織におけるタテ・ヨコ・ナナメのコミュニケーションをどうやったら強化できるかのヒントが得られるでしょう。

株式会社メルカリ

株式会社メルカリでは、「誰もつくったことのない料理」を作るワークショップを実施。限られた時間と材料の中で、戦略を立てながら役割分担をして料理制作に挑みました。

料理を作る中でお互いのバックグラウンドを知るためのコミュニケーションが育まれ、相互理解が深まります。

調理が完了し料理を食べ終わった後は、料理を作るまでのプロセスやお互いの行動について話し合うのも重要な点です。話し合いを通して、実務に活かせる学びが生み出されます。

日清食品株式会社

日清食品株式会社では、新人管理職向けに2泊3日無人島サバイバル研修を実施します。指示を待つのではなく自ら困難を乗り越える考え方を体験から学べるのが特徴です。

数日間、過酷な環境に身を置くことで仲間の存在や文明の偉大さに感謝でき、何もないところからでも活路を見出せる自信を持てるようになるのです。

自社のサービスである「食」の重要性への意識が高まり、チームワークの必要性を身にしみて感じるなど、心に強く焼き付くような気づきを得られます

株式会社オリエンタルランド

株式会社オリエンタルランドでは、仲間と力を合わせてカヌーを漕ぐ体験を通して、チームワークや職場の一体感を生み出しています。

チーム対抗で優勝を目指して戦う中で、チームでの一体感や速く漕ぐための工夫を凝らし、チームの成長につなげます。

ソフトバンクグループ株式会社

ソフトバンクグループ株式会社では、新入社員向けに「新規事業提案ワークショップ」を実施。zoomによるフルリモート形式で行われ、4〜5名のチームに分かれ新規事業を立案しました。

事前に新規事業開発の講義が行われた後の実践という形を取るため、新規事業立案の方法や必要性を体感できる特徴があります。

チームビルディングの5つの段階・タックマンモデル

チームビルディングは単に人を集めればできるわけではありません。チームを正常に機能させるには、心理学者のタックマンが説く「タックマンモデル」という5つの段階を経るのが常道です。

  • 形成期
  • 混乱期
  • 統一期
  • 機能期
  • 散会期

形成期ではチームメンバーの決定や緊張感の緩和・相互理解・目標設定が行われます。混乱期は目標を決めるものの、価値観や考え方の違いから対立や衝突を起こす時期です。

統一期は混乱期の衝突・議論を経て、お互いの考え方や価値観に対する理解の深化やメンバーの役割が明確化が行われ、チームが安定した状態です。続く機能期で各メンバーが主体的に活動し、チームとして大きな成果を出せるようになります。

散会期では目標を達成してプロジェクトが終了、もしくはメンバーの異動によって、チームがその役割を終えた状態になります。 このようにチームが経る段階によって、必要なチームビルディングの研修も変わってくるのです。

チームビルディング研修の費用

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チームビルディング研修に必要な費用は主に、「会場使用料」「道具代」「外注費」の3つです。

会場使用料

大がかりなアクティビティやワークショップを実施するには外部の施設に頼りましょう。会場やグラウンドなどの使用料が発生します。宿泊が必要な場合は宿泊料が発生しますが、宿泊と会議室がセットになったプランもあるので探してみてください。

道具代

ゲームでもイベントでも、完全に手ぶらで行えるものは少ないです。道具が必要なら、その費用がかかります。あまりコストがかからない場合もありますが、ゲームの備品セットによっては数万円かかるケースもあるので事前に確認しましょう。

外注費

講師によるファシリテーションや、研修プログラムの企画・実施を外注するケースも多いです。外注する場合数十万〜数百万の費用はかかりますが、研修の質を担保でき、研修担当者の負担を大きく軽減できます。

まとめ

本記事では、チームビルディング研修の概要、研修の実例などを紹介しました。

チームビルディングは、モチベーション・コミュニケーション・マネジメントなど、ビジネスで重要な要素を育成するのにおすすめです。目的に応じてさまざまな手法があるので、チームビルディングの段階や組織の目指す方法に合わせて、研修を企画検討しましょう。

チームビルディング研修を提供する会社もあります。さまざまな企業が登録されている『比較ビズ』を参考に、よい方法が思いつかないときは予算の範囲で利用してみてください。

監修者の一言

昨今リモートワークが増えて、働きやすさは推進されたものの、その反面「上司、または新入社員に会ったことがない」など、顔すらも知らないなど、仕事仲間との繋がりが希薄になってきてしまっているようです。

チームビルディングの手法を通して、まず基本の「チームの人間関係を強化する」ことに取り組むのは、これまで以上に必要な時代なのかもしれません。

同じ仕事でも、「同じ目的に向かって一緒に笑い合いながら頑張った」経験を通した相手と、そうでない相手とでは楽しく頑張れる度合いが大きく異なってきてしまいます。

それは、その仕事を続けたいか、日々改善意識を持って取り組めるかなどの意識や行動の違いにも繋がります。

どうせなら、日々、仕事仲間と一体感を持ちながら仕事に取り組みたいですよね。リモートワークが多い会社の方でも、オンライン開催など、出来ることから探ってみてはいかがでしょうか。

ビジネスマナー講師
代表 鈴木あき
監修者

大手企業での顧客満足度(CS)向上の研修講師として、年間1000人以上のへの講義実績をベースに企業や店舗にCS向上アドバイザー、ビジネスマナー講師として活動。相手への尊重を正しく伝えることもスキルとして表現を重視。著書「うまくいかない人間関係のトラブル対処」がある。

比較ビズ編集部
執筆者
比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。