コンプライアンス研修の資料作成のポイント7選!盛り込むべき要素を解説

全国PHP友の会
監修者
全国PHP友の会 顧問 大江弘
最終更新日:2023年04月17日
コンプライアンス研修の資料作成のポイント7選!盛り込むべき要素を解説
この記事で解決できるお悩み
  • コンプライアンス研修の資料作成のコツは?
  • コンプライアンス研修を成功させるポイントは?
  • コンプライアンス研修で役立つ情報の集め方とは?

従業員に向けたコンプライアンス研修で使用する資料は、具体的な事例の紹介や法令の解説を交えて作ることで、より深い理解を促せます。

この記事では「コンプライアンス研修の資料作成のコツを知りたい」と思っている方に資料作成の7つのコツを紹介します。

コンプライアンス研修を成功させるポイントや盛り込むべき要素も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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コンプライアンス研修の目的:法令遵守意識の浸透

コンプライアンスとは「法令遵守」という意味です。企業が法律を守ることを指します。

企業にとってコンプライアンスを守ることは、企業価値の向上やリスクマネジメントなどにつながるため、非常に大切です。

企業の価値を上げることで社会に必要とされる会社となり、売上向上にもつながります。ユーザーは、コンプライアンスを守っていない会社の商品を購入したいと思わないでしょう。

法令遵守することは、会社のイメージを向上させ、リスクマネジメントの向上を図るために重要です。

コンプライアンス研修の資料に盛り込むべき7つの要素

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コンプライアンス研修では、コンプライアンス遵守の重要性を伝えたり、具体的な事例を紹介したりする資料を活用する研修は効果的です。ここでは、コンプライアンス研修の資料に盛り込むべき7つの要素を紹介します。

  1. コンプライアンス遵守の重要性を明確に伝える
  2. コンプライアンスに関する法令を解説する
  3. コンプライアンス違反の具体的な事例を紹介する
  4. 自社における想定事例を紹介する
  5. コンプライアンス違反による被害の重大さを認識させる
  6. 社員が実践すべき具体歴な行動を紹介する
  7. 管理者が行うべき具体的な施策を解説する

それぞれ詳しく解説します。

1. コンプライアンス遵守の重要性を明確に伝える

コンプライアンス研修では、社員にコンプライアンス遵守の重要性を明確に伝える必要があります。重要性を明確に伝えないと、法令や規則を守らない人が出てきたり、コンプライアンスをないがしろにしたりする人が出てくる可能性があります。

「コンプライアンスを守らなくても大丈夫」という心のゆるみから、わずかな油断が大きな問題を引き起こします。日々モチベーションを保つことが大切です。

「法令違反を起こした場合、どのような問題が起きるのか?」を説明することも1つの方法です。会社が社会的な制裁を受け、最悪の場合は倒産する可能性があることをしっかりと伝えましょう。

2. コンプライアンスに関する法令を解説する

研修では、それぞれの業務に関係した法律や省令、自治体条例を解説する必要があります。

たとえば、社内情報を外部に漏らし株で利益を上げる行為であるインサイダー取引や、特殊薬品を扱うときの保管方法や廃棄方法の法令が挙げられます。

法律の紹介や説明だけでは理解が深まりません。法令のおよぶ範囲や罰則などもまとめて取り上げると効果的です。コンプライアンスを広義的に捉えて、社会のルールやビジネスマナーも含めて研修を行いましょう。

3. コンプライアンス違反の具体的な事例を紹介する

コンプライアンス研修の資料には、コンプライアンス違反の具体的な事例を紹介しましょう。

具体的な事例を伝えることで、コンプライアンス違反が別世界の話ではなく、自分にも関係するという気づきを得られます。

自分が働く業種の事例を取り上げることで、身近に感じ、真剣にコンプライアンスを遵守しようと考えるようになります。実際に起こる可能性が高い事例であれば、より現場における遵守意識を高められるでしょう。

4. 自社における想定事例を紹介する

自社におけるコンプライアンス違反の想定事例を紹介する研修であれば、問題を未然に防げるでしょう。

自社における想定事例を掲載することで、社員の応用力が身についたり、会社として対策を講じているアピールが可能です。自社の想定事例をもとに対応策を考えると、似たような状況に置かれたときに、判断の物差しとなります。

自社における想定事例を紹介することで、問題が起こったときに適切な判断ができます。

5. コンプライアンス違反による被害の重大さを認識させる

コンプライアンス違反による具体的な被害を明確にすることで、法令遵守の大切さを認識できます。

社員は、企業が払った賠償金の金額や社員が懲戒免職になる例を説明されることで、コンプライアンス違反したときの想像が容易になります。

日頃の業務を行っていくうえでも、思わぬリスクがあることを理解してくれるでしょう。

コンプライアンス違反によって会社をはじめ、顧客や社会にどれほど迷惑をかけてしまうのかを知ることは、気のゆるみを防ぐ力となります。

6. 社員が実践すべき具体的な行動を紹介する

コンプライアンス研修では、社員が実践するべき具体的な行動を紹介することが大切です。

人はやるべきことが明確になると、主体的かつ積極的に行動してくれるようになります。なかなか行動に移してくれない場合、社員がどのような行動をとっていいか理解していないことがあります。

社員間で行動の差が生まれないようにするためにも、個人が行うべき具体的な行動を説明しましょう。

7. 管理者が行うべき具体的な施策を解説する

コンプライアンス研修では管理者として部署や店舗などで、行うべき具体的な施策を解説することが大切です。管理者として、コンプライアンス遵守のために、どのような考え方や対策が必要なのかを研修で伝えましょう。

具体的に伝えることで、社内のコンプライアンス遵守レベルは格段に上がります。

管理者が明確な行動指針を持っていると、社員に伝えるときにも具体的にわかりやすく伝えられます。

コンプライアンス研修の資料作成における7つのポイント

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コンプライアンス研修の資料作成におけるポイントは下記の7つです。

  1. 法令や事例ごとに資料をまとめる
  2. 視覚教材を活用する
  3. 研修参加者への質問を用意する
  4. 社員にアンケートを実施する
  5. 自社に当てはめて考える
  6. 参加型の研修にする
  7. 要点をシンプルにまとめる

それぞれ詳しく解説します。

1. 法令や事例ごとに資料をまとめる

コンプライアンス研修の資料を作成するときには、法令や事例ごとに資料をまとめるとわかりやすい資料になります。コンプライアンス研修では法令や具体的な事例を取り上げるため、聞き慣れない言葉が多く、参加者はあいまいな理解で終わる危険性が高いです。

対策として、サブタイトルを明示して事例や法令を分けたり、法令が変わるごとにページを別にしたりすることが1つの方法です。

2. 視覚教材を活用する

法律の解説や事例は、イラストや動画を用いて説明すると理解が深まります。資料の内容を覚えてもらうために、視覚に訴える教材作りをしていきましょう。

社内における想定事例では、実際に会社を活用して事故の再現動画で説明するとより臨場感が強くなります。研修に参加している社員もイメージしやすく身近に感じます。

法令違反を自分ごととして捉えられない社員に対しても、視覚教材を用いた研修を行うことで、当事者意識を持ってもらえるようになるでしょう。

3. 研修参加者への質問を用意する

研修参加者に対して「質問」を行い、参加型の研修にすることが大切です。話を聞くだけの一方的な講義の形では参加者は飽きてしまいます。

質問することによって思考が刺激されて活発な雰囲気が生まれることで、自然と集中力が高まり、学ぶ意欲が高まります。

解説する内容だけではなく、適切な質問も事前にしっかり準備しておき、資料の中に含めるようにしましょう。わかりやすくレベルの高いコンプライアンス研修資料に近づきます。

4. 社員にアンケートを実施する

社員のコンプライアンスに対するレベルを把握するためにも、事前に社員にアンケートを実施しておくことも1つの方法です。

どのような状況でコンプライアンス違反の心配が生じたのか情報が得られたり、書いた本人自身が気づきや問題意識を持てたりします。社員にアンケートを実施することで、管理者側も現場の実情を知る助けになります。

アンケートを実施し、現場の声を理解しつつ、質の高いコンプライアンス研修の資料が作れるでしょう。

5. 自社に当てはめて考える

コンプライアンス研修の資料では、紹介するすべての事例や法令を自社に当てはめて考えましょう。実在する工場やプロジェクト名などを使って資料を作り、イメージしやすいようにします。自社の話になれば、親近感も湧くため、より理解度が向上します。

たとえば、研修内でロールプレイングが実施できるように、状況設定をしておくと、より実用的な研修が可能です。

6. 参加型の研修にする

コンプライアンス研修は講義で終わるのではなく、参加型の研修にしましょう。参加型の研修には下記のスタイルがあります。

  • ディベート
  • ロールプレイ
  • フィールドワーク

参加型にすることで、事例によるロールプレイを実施できます。

社員同士が議論を重ねることによって、より頭に残りやすく印象的な研修にできます。法令の具体的な適用は、現場の状況を想定して、自分がそこにいたらどのように対処したらいいのか質問するのはいい方法です。

参加型のコンプライアンス研修を実施することで、社員同士の議論を深め質の高い研修になります。

7. 要点をシンプルにまとめる

コンプライアンス研修の資料は、解説する法令や事例の要点をシンプルにまとめることが大切です。研修の終わりに、学んだことを振り返る時間を作り、復習しやすくするためです。

コンプライアンス資料は、何を伝えたいのかを常に念頭に置いて作成しましょう。

研修が終わると、研修の内容を忘れてしまう可能性が高いです。少しでも実務に役立てられるよう、今後の業務に生かしてもらうためにも要点をシンプルにまとめることが大切です。

コンプライアンス研修に役立つ情報の集め方4選

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資料の中に取り入れる情報は、さまざまなソースから手に入れられます。コンプライアンス研修に役立つ情報の集め方は下記の4つです。

  1. 社内で起きたコンプライアンス違反の事例を集める
  2. コンプライアンス関連の書籍を参考にする
  3. 危機管理コンサルタントからの情報を参考にする
  4. 法令違反の事例をSNSで検索する

情報の集め方を詳しく解説します。

1. 社内で起きたコンプライアンス違反事例を集める

社内で起きたコンプライアンス違反事例を集めることで、社内の身近な情報を手に入れられます。コンプライアンス研修では、いかに自社の実情に合わせられるかが重要です。

社内に法務部があれば、法令上の問題点や、自社の営業活動に関係する法律で最近改正されたものなどの情報を集められます。コンプライアンス違反の事例を集めるときには、他部署へのヒアリングや過去の事例を探しましょう。

2. コンプライアンス関連の書籍を参考にする

コンプライアンス関係の書籍を参考にすることも有効です。

専門書や具体事例を特集した書籍が多数出版されているため、業種、分野を超えて多種多様な情報を入手できます。

数多く出版されていることから、自社の業種や企業規模に適した内容が見つかります。

3. 危機管理コンサルタントからの情報を参考にする

コンプライアンスのプロである、危機管理コンサルタントに相談することも1つの方法です。コンサルタントのなかには、無料相談を引き受けてくれるケースもあります。

生のプロの声は教育を受けている側にとって響きやすく、質の高いコンプライアンス研修になります。

危機コンサルタントの情報は、企業としての弱点を把握する助けにもなり一石二鳥です。自社でどのようなリスクが生じるかを分析してもらえたり、競合他社がどのような失敗をしたのかなど、より実践的なアドバイスが得られたりします。

4. 法令違反の事例をSNSで検索する

SNSを活用することで、リアルタイムの法令違反の実例を見つけられます。企業の不祥事として拡散された事例まで確認可能です。社員が会社の不満や告発をつぶやいているコメントも見つかります。

SNSは誰もが活用しているツールであり、手軽さからコンプライアンス違反をする人がいます。社員を教育する意味でも、資料に落とし込むときには、SNSの情報を参考にすることも1つの方法です。

しかし、SNSには信憑性が低い情報もあるため、情報の見極めが必要となります。

コンプライアンス研修における重要なテーマ例

コンプライアンス研修では伝える内容が多く、研修のテーマを絞りきれない方もいるでしょう。ここでは、コンプライアンス研修における重要なテーマを3つ紹介します。紹介する3つのテーマで違反を起こすと、すぐに会社の信頼が低下するため、研修に取り入れて注意喚起を促しましょう。

  1. ハラスメント
  2. SNS
  3. 情報セキュリティ

詳しく解説します。

1. ハラスメント

近年、ハラスメントでコンプライアンス違反を起こす社員が増えています。

数年前まであまり問題視されなかった行動や言動でも、ハラスメント認定される可能性があります。日頃から言動や行動に気をつけていないと、ハラスメントの加害者になるでしょう。

社員が気づかないうちにハラスメントを起こさないためにも、コンプライアンス研修でハラスメントを取り上げましょう。

2. SNS

SNSを使って、企業の雰囲気や採用情報を伝える企業が増えています。SNSは気軽に投稿できるため、知らずにコンプライアンス違反を起こしている可能性があります。

SNSを上手に活用すると、数多くの人たちに自社をアピール可能です。使い方を間違えると、会社の価値を落とし、売上が落ちる可能性があります。

気軽に使えるSNSだからこそ、コンプライアンス研修で取り扱い、法令違反を起こさない自覚を持って利用することが大切です。

3. 情報セキュリティ

情報セキュリティのコンプライアンス研修は、個人情報保護や社内情報の漏洩防止などに必要です。情報セキュリティを高めることは、企業の顧客情報や内部情報を守ることにつながります。

顧客情報が漏れてしまうと、顧客から信頼を失います。企業の信頼を失わないために、個人情報の扱い方やセキュリティソフトの使い方などを伝えましょう。

まとめ

資料作成の7つのコツやコンプライアンス研修を成功させるポイント、情報の集め方などを解説しました。

コンプライアンス関係の資料作成においては、研修参加者に対して当事者意識を持ってもらうことが大切です。コンプライアンス資料作りのために、自社内の状況把握や書籍などから情報を集めるようにしましょう。

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監修者のコメント
全国PHP友の会
顧問 大江弘

出版社にて37年にわたり勤務。その間、実に幅広い事業活動に携わる。直販開発営業の現場経験を経て、研修事業の企画、運営管理、松下幸之助の思想研究に基づいた書籍、教材の開発や制作。新聞、雑誌への寄稿。さらに内閣府へ出向し教育改革に参画、地方自治体では教育問題や地域創成の審議委員としても活躍。近年は、国内はもとより韓国、中国、台湾等にて経営幹部や大学生に対し積極的に講演、講義、研修活動を行なっている。

コンプライアンスを遵守するのは当然のことです。子どもだってわかっています。ところが繰り返し何度も大きな問題が起こっています。しかもその渦中にいるのは、しばしば立派な肩書をもっている方ばかりです。

そうしてみると、コンプライアンス研修は、決して新人や若手のためのものではないことがわかります。むしろ責任ある立場の人々にこそ求められると言っても過言ではありません。

また、問題を引き起こすきっかけは、概して些細な気のゆるみでです。 「この程度は誰にもわからない」「みんなやっているのだから大丈夫」「昔から行ってきたことだ。自分の責任ではない」など、いずれも油断以外の何物でもありません。

人間を油断するものだと考えれば、コンプライアンス研修は、一度で済まないことは明らかです。全社をあげ、肩書問わず、定期的にあるいは抜き打ち的に繰り返し実施し続けてこそ、意味があるのです。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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