確定申告は無職でも必要なのか?必要なパターンや確定申告の手順を解説!

小西裕也税理士事務所
監修者
小西裕也税理士事務所 税理士 小西裕也
最終更新日:2023年01月31日
確定申告は無職でも必要なのか?必要なパターンや確定申告の手順を解説!
この記事で解決できるお悩み
  • 確定申告は無職でも必要なのか?
  • 無職でも確定申告が必要なパターンとは?
  • 申告しなかった場合のペナルティとは?

「無職になったけれど確定申告は必要なのか?」「不要な条件がわからない」という方必見!

この記事では無職や離職者の方に向けて、確定申告をする必要があるパターンや、不要な条件などについて解説。最後まで読めば、確定申告のメリットや手順などのポイントがわかります。

確定申告をしなくてはいけないにも関わらず放置することへのペナルティも紹介するので、今年確定申告をするか迷っている方はぜひ参考にしてください。

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確定申告とは?

領収書 レシート クレジットカード

確定申告とは、個人が1月1日から12月31日までに稼いだ所得を申告し、所得税等の金額を確定させるための手続きのことです。所得が発生した翌年の2月16日から3月15日までの間に確定申告を行なう必要があります。

1月から12月の1年間に得た所得が対象であるため、申告時点で無職だとしても確定申告が必要な場合があります。

無職で確定申告をするメリット

無職の方であっても確定申告をするメリットには、以下の2つがあります。

  • 所得税の還付を受けられる可能性があること
  • 住民税や国民健康保険が安くなる可能性があること

会社を年度の途中で退職した場合、所得税の還付を受けられる可能性が高くなります。還付金がなかったとしても、前年の所得額が低い場合は、翌年に支払う住民税や国民健康保険が安くなる可能性が高まります。

住民税は、給与収入が100万円以下の方は非課税になるため、確定申告をすることで納税免除となります。

無職でも確定申告が必要なパターン

今の時点で無職であっても、昨年の1月から12月の間で何かしらの収入があった場合、または一定の条件に当てはまる方は確定申告が必要です。ここからは、無職の方でも確定申告が必要な5つのパターンを解説します。

  • 給与所得以外で収入がある場合
  • 年末調整の前に退職した場合
  • 年金を受けている場合
  • ふるさと納税を行なった場合
  • 年間10万円以上の医療費を支払った場合

給与所得以外で収入がある場合

金融投資の利益や家賃収入などがある場合は確定申告が必要ですが、所得の金額次第では確定申告をしなくていいケースもあります。下記の式を参考に、課税所得額が0円以下であれば確定申告は不要です。

計算式

課税所得額 =収入ー経費 ー 基礎控除

確定申告が不要な目安の収入額は、年収48万円です。年収2400万円以下の基礎控除は48万円であり、年収が48万円以下の場合は課税所得額が0円となるためです。

年末調整の前に退職した場合

課税対象期間の1月から12月の間で働いていた時期があり、かつ年末調整を受ける前に退職した方は、現在無職であっても確定申告が必要です。

会社側がおこなう給与から所得税を天引きする源泉徴収は概算であるため、本来納めるべき所得税を払いすぎている可能性があります。

12月末に在籍している社員が対象で、超過分の所得税は年末調整で控除されます。途中で退職した場合は、ご自身で還付申告をする必要があるのです。

年金を受けている場合

公的年金も所得の対象となるため確定申告が必要です。下記のどちらか、もしくは両方に当てはまる場合は、無職でも確定申告が必要です。

  • 1月から12月まで公的年金等による収入金額が400万円以上
  • 公的年金以外の収入金額が20万円以上

いずれにも当てはまらない場合は「年金受給者の確定申告不要制度」が適用されるため、確定申告義務がなくなります。

ふるさと納税を行なった場合

ふるさと納税の寄付金控除は、確定申告やワンストップ特例申請をしなければ受けられません。ふるさと納税は寄付金のうち2,000円分を超えた金額が所得税と住民税の控除として使える制度です。

確定申告をしないことによるペナルティはありませんが、完全無職で1月から12月まで所得がなかった場合、寄付金控除を受けられないため注意しましょう。

年間10万円以上の医療費を支払った場合

医療費が年間10万円以上、または所得合計額が200万円以下でその5%を超える額の場合、確定申告を行うことで課税所得を減額できます。

1月以降で働いていた時期があり、きちんと所得税を納税していれば、無職の方でも医療費控除を受けることができます。ふるさと納税と同様に、1月から12月までの所得がない場合は控除を受けられないため注意しましょう。

無職で確定申告が不要な条件

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無職の方で確定申告が不要な場合、以下の条件に当てはまっているかを確認しましょう。ここからは確定申告が不要な4つの条件を解説します。

  • 収入が全くのゼロである場合
  • 収入が失業保険のみの場合
  • 不用品処理が目的のフリマアプリで売却した場合
  • 配偶者や親の扶養に入っている場合

収入が全くのゼロである場合

昨年の1月1日から12月31日まで完全無職で、収入がゼロの場合は翌年の確定申告が不要です。

確定申告の義務はありませんが、完全無収入だったことを申告することで住民税や国民健康保険料が安くなる可能性が高くなります。これらは前年の所得額に基づいて金額が決まるため、任意でおこなうのも賢い方法です。

収入が失業保険のみの場合

失業保険は非課税所得となり、課税所得として扱われないため確定申告は不要です。課税対象時期に求職中で、収入が失業保険のみの場合は確定申告の義務はありません。

不用品処理が目的のフリマアプリで売却した場合

不用品をフリマアプリで販売した場合、売上は「譲渡所得」に分類されます。譲渡所得は「生活用動産」かつ「1個または1組の価額が30万円」以下であれば課税されません。

転売目的の売却である場合や30万円以上の高額販売は、儲けと判断されて課税所得となるため申告が必要です。

配偶者や親の扶養に入っている場合

課税期間の1月から12月まで配偶者や親の扶養に入っている方の確定申告は不要です。アルバイトやパートで年収103万円を超えた時点で扶養から外れるため、確定申告の義務が発生します。

無職で確定申告をしないとどうなるのか

確定申告の義務があるにも関わらず、申告しなかった場合は無申告加算税や重加算税、延滞税などペナルティが発生します。無申告加算税で追加される金額は納付税額の15〜20%が上乗せさせるため、負担が非常に大きくなります。

既に前職で源泉徴収されている所得税の還付も受けられないほか、翌年に支払う住民税や国民健康保険の金額に影響があるため注意してください。

確定申告に必要な書類

確定申告をする際に必要な書類は以下のとおりです。

必要書類 概要
確定申告書 確定申告専用の書類。国税庁HPや税務署で入手できる
所得がわかる書類 源泉徴収票や支払調書など
本人確認書類 マイナンバーカード、または運転免許証や保険証、パスポートなど
控除に必要な書類 ふるさと納税の寄付金控除、医療費控除、住宅ローン控除などを受けるために必要な書類
源泉徴収票 年度内に退職した場合や公的年金を受給している場合

所得税の還付を受ける場合は、銀行口座番号も用意しておきましょう。

確定申告の手順

ひらめき 書類

確定申告は1年に1度のタイミングでおこないます。ここでは、最もおすすめなe-Taxを使った確定申告手順を紹介します。

  1. 必要な書類・情報を用意する
  2. 国税庁ホームページで確定申告書を作成する
  3. e-Tax WEB版から確定申告書を送信する

1. 必要な書類・情報を用意する

e-Taxを使った確定申告では、マイナンバーカードが必要です。まだ取得していない方は市役所や区役所で発行してもらいましょう。

利用者識別番号も取得する必要があり、e-Taxのログイン画面から利用者情報を登録して予め取得しておきましょう。スムーズに確定申告を進めることができます。

2. 国税庁ホームページで確定申告書を作成する

国税庁ホームページの確定申告書等作成コーナーで確定申告書を作成します。案内に沿って入力すると自動的に所得税額を計算してくれるため、特別な知識は必要ありません。

参照元:【国税庁】確定申告書等作成コーナー

3. e-Tax WEB版から確定申告書を送信する

作成した確定申告書を、e-TaxのWEB版ソフトを使って送信します。送信は24時間可能です。

まとめ

昨年1年間全く収入がなかった場合、確定申告の義務はありません。給与所得以外に何かしらの収入がある場合や、年金を受けている場合は確定申告の義務が発生する可能性があります。

無職の方でも、昨年に所得税を払い過ぎた場合や、翌年の住民税や国民健康保険料が安くなる場合などは確定申告をすることで恩恵が受けられます。

確定申告をしたことがなくても、専用の作成ソフトを使うことで簡単に確定申告書を作ることができるため、この機会にぜひ検討してみましょう。

監修者のコメント
小西裕也税理士事務所
税理士 小西裕也

1990年生 大阪府出身 大阪大学経済学部卒業。個人事務所、200人規模の税理士法人で実務経験を積み、2021年に独立。「お客様との対話を大事にする」をモットーに、クラウド会計を活用し、顧客に合わせた節税策や資金繰り対策を積極的に提案。ZOOMを使ったオンライン顧問サービスを行い、クライアントは全国に。

年末時点で無職であっても、確定申告が必要なケースがあります。

・年度の途中で退職して無職になった場合
・年金のみ受給している場合(400万円超)
・無色で給与収入はないが、不動産収入など他に所得がある場合

上記の場合に該当すると確定申告が必ず必要となり、期限内に申告と納税が間に合わなかった場合には「加算税」「延滞税」「無申告加算税」などのペナルティが発生します。

一方で、確定申告が必要なケースに該当しなくても、確定申告を行うことで翌年の住民税や健康保険料が安くなるケースがあります。

国税庁の確定申告書等作成コーナーや一般の作成ソフトを使えば、初めてでも簡単に確定申告書を作ることができます。 現在、無職の方でも、確定申告が必要かどうかを調べておき、必要な場合は自分に合った方法で手続きを行いましょう。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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  • 信頼できる税理士に依頼したい
  • 自身の状況に合わせた税務アドバイスがほしい
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上記のようなお困りがありましたら、比較ビズへお気軽にご相談ください。比較ビズでは、複数の税理士・公認会計士に一括で見積もりができ、相場感や各社の特色を把握したうえで業者を選定できます。見積もりしたからといって、必ずしも契約する必要はありません。まずはお気軽にご利用ください。

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