一時所得で経費はどこまでOK?【節税テクも解説】

更新日:2021年09月17日 発注カテゴリ: 確定申告
一時所得で経費はどこまでOK?【節税テクも解説】

一時所得は営利目的ではない行為によって得た収入に当てはまるものです。この一時所得は、いろいろな税制上のメリットがある区分です。そのため、上手に使えば節税効果を生み出せます。今回は一時所得の基礎的な知識から経費計上のコツなどを解説しましょう。一時所得の税制を活用した節税テクも解説します。

一時所得の計算方法

一時所得の所得額の計算はかなりシンプルです。「総収入金額-その収入を得るために支出した金額-50万円(特別控除額)」という計算式で求めることができます。

総収入額というのは、競馬で言うとレースを当てて受け取った配当金のことです。「収入を得るために支出した金額」というのは、事業所得などで言うところの経費に当たります。

この経費のルールについては多少細かく定められていますので、後に詳述します。経費分は所得から減額されますので、税金を減らすことにもつながります。

そして特別控除というのは、一時所得において50万円を一律差し引いて合計を出すという制度のこと。50万円分の所得を減らすことがでいますので、その分税額もダウンします。

一時所得で認められる経費について

一時所得は非営利目的での所得ですが、経費の計上が認められています。それが「収入を得るために支出した金額」ということになります。

しかし、なんでもかんでも経費として計上できるわけではありませんので注意が必要です。

「収入を得るための支出した金額」とは?

他の所得区分で一般的に言う経費ですが、一時所得はあくまでも営利目的ではないという点に注目する必要があります。

他の所得では、直接収入につながっているわけではない、接待費や宣伝費、ガソリン代なども経費として認められています。

しかし、一時所得は営利によるものではないので、直接収入を生み出した経費しか認められないのです。たとえば、競馬でレースを的中させて収入を得たケースで解説しましょう。

馬券の購入費は経費になるのか?という点です。結果を当てて配当金を得たレースの馬券については、直接収入を生み出すために使ったお金ですので、経費として認められます。

逆に言うと、他の外したレースの馬券については経費とならないのです。一見すると、外した分も経費に入れても良さそうなものですが、直接収入を生み出しているかというと、そうではありませんので除外されるのです。

このように、一時所得においては経費の計上についてのルールが、他の所得区分に比べると狭く設定されています。そのため、経費分が少なくなる傾向にあります。

使った経費をすべて計上できるわけではない

また、他の諸費用も経費としては計上できませんので注意が必要です。やはり、同じ競馬の例で考えてみましょう。

競馬場に行くまでの電車賃などの交通費、情報を聞き出すための競馬新聞の購入費などがその代表的な例です。他の所得区分であれば、ほぼ経費として認められるような内容です。

しかし、一時所得の場合だと、これらは直接収入を得るための支出ではありません。そのため、競馬場に行くまでの電車賃などの支出は計上はできないのです。

一時所得を使った節税方法について

このように、一時所得は他の所得区分と比べると、いろいろな違いがあります。経費という面では不利な点がありますが、他の面では高い節税効果を生み出すことがあります。

というのも、一時所得の税額の計算をする際には、所得額を一度1/2にしてから税率をかけるという方法を採るからです。最終的な税額が、他の税金の額よりも安くなることが多いという利点があるのです。

節税効果を考えて一時所得を利用することも可能で、他の所得区分にはないメリットも生まれます。その適用できるいくつかの事例を考えてみましょう。

法人から個人への贈与

不動産などの資産や現金を他の人に譲渡すると、通常は贈与税という税金がかかります。贈与税は税額が高くなる傾向がありますし、いろいろな複雑なルールが定められています。

しかし、法人の資産や現金を個人に譲渡した場合は、贈与税ではなく一時所得による所得税という分類がなされます。法人からすると、贈与した分は寄付として扱うことができますので、損金への算入が可能となります。

受け取る方も、一時所得となって安い税額で済ませることができます。もちろん、受け取る額や資産の中身によってどちらがいいかが変わってくることもありますので、事前にシミュレーションすることが大事です。

個人の保険で一時所得を利用することができる

個人が保険、特に積み立て型の生命保険に加入している場合、一時所得のルールを覚えておくと便利です。生命保険が満期になったり解約したりする時、保険金を受け取ることになりますが、この保険金にも税がかかります。

生命保険については源泉徴収制度が適用されないため、保険金を受け取った時に確定申告をして税金を支払うことになります。保険金による所得区分は、雑所得と一時所得の二つがあります。

結論から言うと、保険金は雑所得として受け取るよりも、一時所得の方が最終的な税額は安くなる傾向にあります。そのため、できるだけ一時所得として受け取った方が、トータルで手取りの保険金が多くなるのです。

保険金を一時所得にしたい場合は受け取りを「一時金」に

では、保険金受け取りの雑所得と一時所得の違いはどこにあるというと、一時金受け取りか年金方式かという点です。一時金とは全額を一度に受け取る方法で、年金とは何年にも分けて細かくもらうという方法です。

一時金受け取りにすると、一時所得として扱われます。一方で年金方式にすると、雑所得として毎年申告することになります。

プランによっては年金方式の方が受け取れる保険金額が増えるということもありますが、税金という面では一時金受け取りの方が有利なのです。こうした点においても一時所得を有効活用したいものです。

疑問点があれば税理士相談も視野に

一時所得額の計算をする際には、収入から経費を差し引いて計算をします。そのため、経費が大きければ納める税額が減ることになります。

しかし、一時所得の場合は、経費として認められている枠が、他の所得区分に比べて狭くなっています。しかし、トータルの税額では他の所得区分よりも、低くなる傾向にあります。

そのため、お金の受け取り方などを工夫することによって、一時所得として区分することで節税対策ができます。上手にこの制度を利用することによって、税額を下げられるのです。

税制上お得な面が多い一時所得。ですが、誤った確定申告を行うと余計な税金を支払うリスクや、税務署から指摘が入り修正申告(間違いを訂正し再度確定申告を行うこと)をさせられるリスクがあります。

そのため、「確定申告をはじめて行う」といった方は税理士に相談すると良いでしょう。税のプロのため、分かりやすく解説してくれますし、節税アドバイスも得られるはずです。

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