印税収入の経費に認められる費用は?経費計上の手順や節税ポイント2つ

小西裕也税理士事務所
監修者
小西裕也税理士事務所 税理士 小西裕也
最終更新日:2023年08月10日
印税収入の経費に認められる費用は?経費計上の手順や節税ポイント2つ
この記事で解決できるお悩み
  • 印税収入の経費に認められる費用は?
  • 印税収入で経費を計上するメリットは?
  • 印税収入の経費を計上する手順は?

「印税収入があるが、何を経費にできるかわからない…」という方必見!

この記事では、著作権を持つ作品を出版・販売しているアーティストに向けて、印税収入の経費に認められる費用や経費計上のメリットについて解説します。最後まで読めば、印税収入の経費を計上する手順もわかります。

経費計上による節税は、印税収入を得る方にとって重要な経済的メリットとなります。印税収入の節税ポイントも紹介しているため、印税収入の取り扱いや税務処理に不安がある方はぜひ参考にしてください。

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印税収入の経費に認められる費用一覧

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印税収入を得るためにかかる経費は、個々の状況により異なります。一般的に、印税収入で経費を計上する場合に認められる費用は以下のとおりです。

印税支払いの関連費用 印税収入のために著作権者に支払う印税額に関連する費用
著作権関連費用 著作権の登録費用や著作権管理団体への加入費用など
出版関連費用 出版する際にかかる編集費用や製本費用、印刷費用など
広告費用 宣伝や販促のためにかかる費用
著者への報酬 印税収入を得るために他の著者に報酬を支払う費用
旅費交通費 宣伝や販売のために出張する際の交通費や宿泊費など
事務所費用 著作活動に関連する事務作業にかかる費用やオフィス家賃、通信費など
翻訳費用 他の言語に翻訳する際にかかる費用
調査費用 著作活動のための調査や研究にかかる費用
10万円以上は減価償却が必要

10万円を超える経費は、一括で経費計上できません。
支出額を耐用年数で均等に分割し、その分割額を計上する必要があります。

印税収入で経費を計上するメリット2つ

印税収入で経費を計上することは、財務面だけではなく、税務や法的な側面でのメリットも含めて重要な活動です。ここからは、印税収入で経費を計上するメリットを2つ紹介します。

  1. 節税効果がある
  2. 正確な収益評価ができる

1. 節税効果がある

印税収入で経費を計上するメリットの1つは、節税効果があることです。経費を計上することで、実際の収入に対して控除を受けられます。経費が多いほど、課税対象となる収入が少なくなり、税金負担を軽減できます。

節税により資金を節約できるため、新しい著作物の制作や出版活動への投資に充てられるでしょう。税金負担の軽減による経済的な余裕は、著者の創作活動にもプラスの影響をもたらすことが期待されます。

2. 正確な収益評価ができる

印税収入で経費を計上すると、正確な収益評価ができます。経費を計上することで、著作物や出版活動にかかる実際の費用が収益に反映されます。印税収入に対して正確な収益評価が行われ、経済的な健全性を把握できるでしょう。

経費を適切に計上することで、収益の内訳が明確になります。収入だけではなく、経費も考慮した実際の利益を把握できるため、ビジネスの健全性や収益性を評価しやすくなります。将来の事業戦略や予算の立案がより正確に行われるでしょう。

印税収入の経費を計上する手順

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印税収入の経費を計上する手順は、会計処理において以下のように行います。

  1. 経費の明確な分類
  2. 経費の帳簿への記入
  3. 確定申告の準備と提出
  4. 領収書や請求書の保存

1. 経費の明確な分類

印税収入に関連する経費を明確に分類します。著作権関連費用や出版費用、宣伝費用など、どの経費が印税収入に直接関係しているか整理しましょう。適切な分類は後の処理をスムーズに進めるために重要です。

2. 経費の帳簿への記入

経費を適切な仕訳帳に記入します。金額や詳細な内容、支払い日付を正確に記載し、経費の明細を整理しましょう。この段階で正確な帳簿記入を行うことで、後の税務申告や財務管理が楽になります。

3. 確定申告の準備と提出

経費の詳細な記録をまとめ、確定申告書を準備しましょう。計上した経費を正確に申告することで、税務上のトラブルを避けられます。確定申告期間は、原則2月16日〜3月15日に行います。

4. 領収書や請求書の保存

経費計上に関連する領収書や請求書を保存します。書類は経費の正当性を証明するために重要です。必要な証拠書類を整理して保管し、税務調査などで問題が生じないようにします。

印税収入の節税ポイント2つ

ここでは、印税収入の節税ポイントを2つ紹介します。

  1. 専業であれば青色申告をする
  2. 平均課税制度を利用する

1. 専業であれば青色申告をする

専業で印税収入を得ている場合、青色申告を申請すると節税できる可能性があります。印税収入による所得は、継続的に営利を目的とした事業的な規模の取引がある場合に、事業所得として扱われます。事業所得として認定されると、損益通算や必要経費が認められ、税金の軽減が可能となるでしょう。

青色申告を行うことで、最大65万円の青色申告特別控除が受けられます。青色申告は、正確な記帳と経費計上が求められますが、節税効果が期待できる制度です。

2. 平均課税制度を利用する

印税収入の節税ポイントの1つとして、平均課税制度を利用する方法があります。一時的に収入が増加した方や収入の変動が激しい方に適用される制度であり、通常の超過累進税率よりも低い税率で所得を計算する仕組みです。

すべての方が適用される制度ではなく、以下の条件を満たす場合に適用されます。

  • 臨時所得や変動所得の合計が、総所得の20%以上であること
  • 変動所得がある場合は、前年と前々年の変動所得の合計の50%を超えていること

印税収入のある方は、変動所得に分類されます。計算や申告が複雑になる場合があるため、税理士のアドバイスを受けると安心でしょう。

印税収入で経費を計上する際の注意点2つ

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ここからは、印税収入で経費を計上する際の注意点を2つ紹介します。

  1. 各経費を正確に分類する
  2. 税法を遵守する

1. 各経費を正確に分類する

印税収入で経費を計上する際は、各経費を正確に分類しましょう。経費と事業の関連性を明確化し、仕訳帳に正確な金額と詳細な内容を記入します。必要な証拠書類を適切に保管し、税務上の信頼性を高めることが大切です。

税法に適合し、専門家のアドバイスを仰ぎながら経費の適切な分類と計上を行いましょう。正確な経費の分類は、税務上の信頼性を高め、節税効果を最大化するために不可欠です。

2. 税法を遵守する

印税収入で経費を計上する際は、税法を遵守しましょう。税法を遵守することで、不正な行為や税務上のトラブルを回避し、合法的な節税ができます。具体的には、正確な経費計上を行い、著作権に関連する事業に対する費用や業務に直接関連した費用のみを計上します。

税法に詳しい専門家のアドバイスを仰ぎながら、適切な税務手続きを確保し、法律を順守しましょう。税法を遵守することで、経費計上の信頼性を高め、合法的な節税を実現できます。

まとめ

経費を計上することで、課税対象の所得が減少し、税金の負担が軽減されます。経費計上による節税は、印税収入を得る方にとって重要な経済的メリットとなります。

比較ビズには、印税関係に詳しい税理士が多数在籍しているため一括見積が可能です。自身の印税収入の状況にあわせて最適な経費の計上方法を提案し、税金負担を軽減するアドバイスをしてくれるでしょう。正確で効果的な経費管理と税金最適化を実現するために、まずは比較ビズへ相談から始めてみてください。

よくある質問とその回答

  • 印税収入を得ると税金を取られる?

    印税収入を得る場合は、税金が課されることが一般的です。たとえば、個人で本を出版した際は個人事業主の扱いとなり、その印税には所得税が発生する仕組みです。

    印税には源泉所得税が課税され、印税が100円の場合に源泉所得税が10円発生します。印税額が100万円を超える場合は、源泉所得税の税率が20.42%に増加します。

  • 印税収入を得たら確定申告が必要?

    印税収入を得たら、確定申告が原則必要になります。所得金額から必要経費を差し引いた結果、48万円を超える方や、副業で20万円以上の所得がある方は確定申告が必要です。

    副業で印税を受け取っている場合は、雑所得として申告します。印税収入が本業で生計を立てている場合は、事業所得に認められる可能性が高いため、個別の状況に応じて適切な申告を行いましょう。

    確定申告は正確に行うことが重要であるため、専門家のアドバイスを仰ぐことをおすすめします。

監修者のコメント
小西裕也税理士事務所
税理士 小西裕也

1990年生 大阪府出身 大阪大学経済学部卒業。個人事務所、200人規模の税理士法人で実務経験を積み、2021年に独立。「お客様との対話を大事にする」をモットーに、クラウド会計を活用し、顧客に合わせた節税策や資金繰り対策を積極的に提案。ZOOMを使ったオンライン顧問サービスを行い、クライアントは全国に。

印税収入の確定申告をするにあたっては、印税の支払調書をもらうようにしましょう。こちらを見ると、収入金額とその収入金がから天引きされた源泉税額が記載されているので、確定申告の際の参考になります。

作家の方の場合は、確定申告をすると、所得税が還付されるケースが多くあります。印税収入から源泉徴収された所得税よりも、確定申告の際に計算した年税額が小さくなるということがあるためです。

確定申告をするということは、必ずしも納税をしなくてはならないということではありません。納めすぎた所得税の還付を行うためにも、確定申告は必要です。

国税庁の確定申告書等作成コーナーや一般の作成ソフトを使えば、初めてでも簡単に確定申告書を作ることができます。 確定申告が必要かどうかを調べておき、必要な場合は自分に合った方法で手続きを行いましょう。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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