不動産所得の経費になるもの・ならないもの|節税に役立つ基礎知識を解説!

更新日:2022年01月12日 発注カテゴリ: 確定申告
不動産所得の経費になるもの・ならないもの|節税に役立つ基礎知識を解説!

「不動産所得の経費になるものはどんな費用?」「経費にならないもの、注意が必要なものはどんな費用?」「経費以外に不動産所得の節税に役立つことを知りたい」超低金利を背景に不動産投資に取り組む方が増えていますが、不動産売却益ではない、家賃収入などによって得られるインカムゲインを不動産所得と呼びます。当然、一定以上の不動産所得があれば確定申告と所得税の納付が必須。節税のためにできる限りの経費を計上したいが、なにが経費になるものなのかわからない、そんな不動産オーナーも少なくないのではないでしょうか?そこで本記事では、不動産所得の経費になるもの・ならないもの、経費計上の際に注意が必要なものを徹底解説!不動産オーナーなら知っておきたい、不動産所得の節税に役立つ基礎知識も紹介していきます。

不動産所得と必要経費の関係

本記事をご覧いただいている不動産オーナーの方なら、所得税の課税対象となる不動産所得が、年間を通じた「家賃収入などの不動産収入 - 必要経費 - 所得控除」であることはご存知のはずです。ただし、不動産所得には「総合課税」「累進課税」が適用される特徴があるため、給与所得のある会社員の方は原則として所得控除ができません。

つまり、所得税の課税対象となる不動産所得を抑え、納付すべき所得税額を抑える、イコール節税するためには「不動産収入を得るために使った費用」である必要経費が重要なポイント。これはアパート・マンション経営を本業にする方でも、会社員の副業として不動産収入を得ている方でも同様です。

不動産所得の経費になるもの

税法のうえでは経費として計上できる金額に上限は設けられていませんが、不動産所得で認められる経費は、あくまでも「不動産収入を得るために使った費用」です。

経費にならないものまで計上してしまえば、税務署から修正を指摘される場合もあり、追加の所得税だけでなく過少申告加算税や延滞税などのペナルティを課される可能性もあります。

不動産所得の経費になるものをしっかり把握し、適切に計上していくことが重要でしょう。以下から、不動産所得の経費になるもの費用例を具体的に紹介していきます。

参照元:国税庁「No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)」

租税公課

不動産は取得時だけではなく、維持していくためにも税金がかかります。これらの税金は租税公課と呼ばれ、不動産所得の経費になるもののひとつです。経費になる具体的な租税公課は以下の通りです。

不動産所得の経費になる租税公課 概要
不動産取得税 土地・建物を含む不動産購入時にかかる税金
登録免許税 取得した不動産を登記する際にかかる税金
印紙税 不動産取得時に交わす売買契約書にかかる税金
固定資産税 取得した不動産を管轄する市区町村に毎年支払う地方税
都市計画税 市街化区域内の不動産に毎年かかる地方税

ただし、同じ国税・地方税であっても、所得税・住民税などは経費になりません。事業に使っている車があれば、自動車税・重量税なども経費に算入できる場合があります。

減価償却費

取得した不動産のうち、建物とそれに付随する設備に関しては、減価償却費という形で経費に算入できます。建物・車両などのように、時の経過とともに価値が減少していく資産を減価償却資産といい、資産の取得費用は使用可能期間を通じて償却していくという考え方が減価償却です。

たとえば、木造住宅であれば償却期間が22年とされているため、2,200万円で取得した木造アパートの場合「年間100万円」を経費として計上できる計算が成り立ちます。

参照元:国税庁「No.2100 減価償却のあらまし」

修繕費

設備の不具合などに伴う日常的な修繕、賃借人の入退去に伴う原状回復リフォームなどの費用も、不動産所得の経費となるもののひとつです。ただし、不動産の価値を高めるようなものは「資本的支出」であると判断されるため、固定資産として減価償却していかなければなりません。

たとえば、壊れた給湯器を同じものに交換するのであれば「修繕費」となりますが、追い炊き機能付きの給湯器に交換した場合はアップグレードとなるため「資本的支出」となります。部屋の壁紙、建物の外装塗り直しなどの場合も、従来よりも高い素材を使うなら資本的支出です。

損害保険料

賃貸物件を対象にした火災保険・地震保険など、不動産オーナー自身が負担する損害保険料も、不動産所得の経費となるものです。近年問題になりつつある孤独死に対応する保険をかけるオーナーの方も少なくありませんが、これも経費になる損害保険料に含まれます。

管理費・仲介手数料・支払手数料

物件の管理費、管理委託費用、仲介手数料、支払手数料なども不動産所得の経費となるものです。管理費には共用部分の清掃や設備点検などが含まれますが、入居者募集も含めた物件管理を不動産会社に委託する場合もあるでしょう。仲介手数料や振込手数料も含め、これらの費用はすべて経費となります。

ただし、不動産を取得する際にかかる仲介手数料に関しては、不動産取得価額に含まれるため、減価償却資産に含めて減価償却していく必要があります。

広告宣伝費

不動産会社に物件管理を委託している不動産オーナーの方であれば該当することは少ないかもしれませんが、入居者を募るためのチラシ、広告、Web広告などに使った費用も、広告宣伝費という経費になるものです。物件を自分自身で管理する不動産オーナーの方は覚えておくといいでしょう。

通信費

事業に使うインターネット料金、携帯電話の料金、郵便代などの通信費も、不動産所得の経費として算入可能です。また、事業用として購入するPC本体・スマートフォンなどの購入費用も通信費として計上可能。ただし、本体価格が10万円以上のものは、資産として計上し、耐用年数に応じて減価償却していく必要があります。

旅費交通費

物件の管理のために、あるいは契約・交渉などで外出した際に使った交通費は、旅費交通費という科目の経費になるものです。公共交通機関の運賃はもちろん、車のガソリン代・駐車場代・高速料金、ホテル・旅館などの宿泊費も良否交通費に含まれます。

支払利息

不動産を取得する際に不動産ローンを組んだオーナーの方であれば、返済金額の利息分に関してのみ、不動産所得の経費として算入できます。当然ですが、返済金額の元本は不動産所得価額に含まれているため、建物の減価償却費として計上していくことになります。

消耗品費

物件の備品や、管理に付随する消耗品を購入した場合は、消耗品費として経費に算入できます。PCやスマートフォンなどと同様、消耗品に関しても一括で経費にできるものは10万円未満の商品に限られます。10万円を超える商品は、消耗品といえども減価償却していかなければなりません。

交際費

不動産会社や管理会社の担当者などと、打ち合わせ・ミーティングする際に使った飲食代などは交際費として経費計上可能です。

1名あたりの飲食代が5,000円以下であれば「会議費」として計上することも可能。いずれにしても、事業に必要な支出であることが大前提であり、プライベートの会食は認められません。だれと会食したのか、レシートの裏に書いておくなどがおすすめです。

また、入居者へのインセンティブとして、家電などをプレゼントする場合も「交際費」として経費に算入できます。ただし、金券の場合は税務署のチェックが厳しくなる傾向にあるため、プレゼントは現物にしておいた方が無難です。

参照元:国税庁「No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算」

会費

不動産オーナー向けのセミナー、勉強会、オーナー同士の事業者団体など、事業を展開するうえで支出が必要な会費なども経費になるもののひとつに挙げられます。関連する書籍の購入、資料の購入などの費用に関しても同様です。

水道光熱費

不動産会社などに管理を委託する場合は含まれている場合がありますが、物件共用部分の水道光熱費も不動産所得の経費に算入できます。これも、物件を自分自身で管理する不動産オーナーの方なら知っておきたいポイントです。

専門家への支払い報酬

不動産取得から維持・運営に関して、専門家に手続き等の代行を依頼した場合の報酬も、不動産所得の経費になるものとして挙げられるでしょう。具体的には、不動産取得時の登記を司法書士に、確定申告の手続きを税理士に依頼する、などのパターンが考えられますが、その際の報酬額はすべて経費として計上可能です。

不動産所得の経費で家事按分が必要なもの

車

ここまでで、不動産所得で認められる主立った経費になるものを紹介してきました。一方、国税庁では不動産所得の必要経費として認められるものを「不動産収入を得るために直接必要な費用のうち家事上の経費と明確に区別できるもの」としています。

つまり、事業とプライベートで共用しているものに関しては、プライベートと明確に区別できるもののみ、不動産所得の経費になるものとして認められます。これを「家事按分」といいます。以下から、家事按分になりがちな、注意が必要な費用について解説していきましょう。

車の取得・維持・利用に係る費用

租税公課・旅費交通費でも触れましたが、プライベートでも使う自家用車に係る費用を経費に算入する際は、業務で利用した分のみ経費になります。

たとえば、車を業務で利用した場合のガソリン代・駐車場代・高速代などは全額経費として算入できますが、車の取得代金・税金などに関しては事業とプライベートの割合を、客観的かつ合理的に按分できなければ経費として認められません。

平日5日間を仕事、休日2日間をプライベートとして明確に区分する、あるいは、それぞれの利用状況を克明に記録しておくなどの工夫が必要です。もちろん、車を業務で利用している場合でも、反則金・罰金などを経費に含めることはできません。

オフィス・PC・スマートフォンなど

自宅をオフィスとして利用している、通信代も含め、プライベートでも使うPC・スマートフォンなどを業務で利用するなどの場合も、自家用車と同様、業務に使った分のみが経費になります。繰り返しになりますが、事業とプライベートの割合を、客観的かつ合理的に按分できなければ経費として認められません。

白色申告で家事按分する際の注意点

特に、白色申告で不動産所得の確定申告を検討している方は注意が必要。白色申告では、原則として業務で使う割合が50%以上でないと、家事按分しても経費として認められないことが多いからです。

ただし、自宅の一室を事業用に完全に専有しているなど、明確に区分できることを証明できる場合は、50%以下の割合でも例外的にか事案分が認められることもあります。

不動産所得の経費にならないもの

それでは、逆に不動産所得の経費にならないものを具体的に紹介していきましょう。不動産所得に限ったことではありませんが、大前提としてスーツ・バッグ・時計などのファッションアイテムと見なされるものは、たとえ仕事でしか使わない場合でも経費にはなりません。

給与・福利厚生費

事業主自身の給与・福利厚生費などは不動産所得の経費にはなりません。そもそも副業はもちろん、個人事業主であっても、所得には自分自身の給与という概念がないからです。

例外的に、白色申告であれば事業専従者としての配偶者・親族の給与を経費に計上できますが、その分の配偶者控除が得られなくなります。

福利厚生費に関しても同様です。事業専従者の慰安を目的とした飲食、ジムの会費などは例外的に認められることがありますが、事業者本人の福利厚生は経費になりません。

土地の取得費用

建物の取得費用は減価償却資産として経費に算入できることは解説しましたが、土地の取得費用に関しては経費になりません。これは、土地が建物・車両などのように、時間の経過とともに価値が減少していくものではないからです。

土地の場合は、資産として取得価額をそのまま維持する形になり、売却時の差額をもとに譲渡所得の計算をする際に使われることになります。

敷金・保証金の返還金

敷金・保証金などのように、退去時に賃借人に返還する必要のある費用は不動産所得の経費になりません。これは敷金・保証金が「預かり金」という性格を持つからです。ただし、賃貸物件の取り壊しなどに伴い、賃借人に支払う立退料などを負担した場合は、平費として算入可能です。

不動産所得なら青色申告で節税できる

サイン

課税対象となる不動産所得を抑え、適正な所得税額を納税するためには、経費になるもの・ならないものをしっかり把握し、適切に経費計上していくことが重要です。しかし、納付すべき税金はできる限り抑えたいもの。必要経費に加え、さらに節税できる方法はないものか?そう考える不動産オーナーの方も少なくないでしょう。

そんな方に必須の節税対策といえるのが「青色申告」です。税制面でさまざまな優遇措置が得られる青色申告は、事業所得、山林所得のほか、不動産所得でも利用可能です。

所轄の税務署に青色申告承認申請書を提出する必要がある、帳簿の記帳が必要であるものの、白色申告にはないメリットがあります。もちろん、会社員の方でも不動産所得を青色申告できます。

小規模アパート経営でも10万円の特別控除が可能

たとえば、マンションの一室のみ、アパート一棟のみといった小規模の不動産オーナーであっても、青色申告することにより「10万円の特別控除」が得られます。

確定申告時には、確定申告書、青色申告決算書、損益計算書の提出が求められますが、簡易的な記帳が許されているため、手間は白色申告とほぼ同じという点もメリットです。

一定以上の事業規模なら最大65万円の特別控除が可能

また、一定以上の事業規模だと認められた不動産オーナーであれば、最大65万円の青色申告特別控除の適用も可能です。

上述した提出書類に加え、賃借対照表の提出および、複式簿記による帳簿記帳などの条件をクリアする必要はありますが、キチンと確定申告するだけで65万円の控除額を得られるのは大きな魅力です。事業規模と認められる不動産の基準は以下の通りです。

事業規模として認められる不動産 事業規模の目安
アパート・マンション 10室以上
貸家 5棟以上
駐車場 50台以上

青色専従者給与を経費にできる

また、上限が定められている白色申告と異なり、青色申告であれば、配偶者を含む家族に支払う給与を原則全額経費にできる、青色専従者給与制度も活用できます。配偶者控除・扶養控除が得られなくなるのは同様ですが、寄田開設税効果が期待できることも事実です。

赤字を3年間繰越可能

白色申告であれば、不動産事業で赤字が発生しても所得税を払わなくて済むだけで、損失補填の方法はありませんが、青色申告であれば赤字を3年間繰り越せます。

たとえば、赤字の翌年に予想以上の黒字が出て課税所得が大幅に増えても、前年の赤字分で相殺できるため、納付すべき所得税額を抑えられるというわけです。

修繕費が思いがけずに膨らんでしまうことのある不動産所得では非常に有用な制度であり、これを活用するだけでも青色申告を選択する理由になるでしょう。

規模によっては法人化という選択肢も

事業規模に該当する不動産オーナーの方であれば、青色申告を選択するだけでも大きな節税効果が得られますが、さらに規模が大きくなるようなら、法人化するという選択肢もあります。

法人化することによって、代表者の給与を経費にできる、従業員の給与や社用車など経費の幅がより広がるといったメリットがありますが、なによりも法人税の料率が低いのが魅力。不動産から得られる年間の利益が1,000万円を超えるようなら、法人化を検討してみるのもおすすめです。

まとめ

節税のためにできる限りの経費を計上したいが、なにが経費になるものなのかわからない、そんな不動産オーナーの方に向け、本記事では、不動産所得の経費になるもの・ならないもの、経費計上の際に注意が必要なものを解説するとともに、不動産所得の節税に役立つ基礎知識も紹介してきました。

課税対象となる不動産所得を適切な額に抑えるためには、経費になるものをしっかり把握しておくことが重要。しかし、経費以外の節税方法があまりない不動産所得では、青色申告を検討することがおすすめです。本文内でも解説したように、専門家の報酬も経費になることが不動産所得のポイント。確定申告で迷うようなことがあれば、素直に税理士に相談するといいでしょう。

そんなとき「比較ビズ」なら、必要事項を入力する2分程度の手間で、確定申告に強い税理士をスピーディーに探せます。どの専門家に相談すべきなのか?迷うようなことがあれば、是非利用してみてください。

確定申告を一括見積もりで発注先を楽に探す
比較ビズへ掲載しませんか?

確定申告の案件一覧

確定申告のお見積り案件の一覧です。このような案件に対応したい場合は「資料請求フォーム」よりお問い合わせください。

  • 宮城県

    新着案件確定申告の見積り

    【依頼・相談したい内容】 確定申告の代行業務。 【形態】 会社員個人 【御社の業種】 建設業 【確定申告の経験】 経験なし 【申告の種類】 青色申告 【収入の種類】 給与配 …

    総額予算予算上限なし (02/14まで)
  • 山口県

    新着案件確定申告の見積り

    【形態】 個人 【御社の業種】 その他 【年間収入】 100万〜500万 【確定申告の経験】 経験あり 【申告の種類】 青色申告 【収入の種類】 事業給与

    総額予算150万円まで (02/14まで)
  • 大阪府

    新着案件確定申告の見積り

    【依頼・相談したい内容】 領収書などを送るので、丸投げで全てしていただきたいです。。。料金などを教えていただいて、検討させてください。2019年度の分もまだ出来ていなくて、分かりやすい見積もりのとこ …

    総額予算15万円まで (02/13まで)

市区町村から確定申告に対応できる業者を探す

一括見積もりで発注業務がラクラク!

  • 無料一括見積もりで募集開始
  • 複数の業者・専門家から提案が入る
  • ピッタリの一社を見つけよう

不透明な見積もりを可視化できる「比較ビズ」

比較ビズは「お仕事を依頼したい人と受けたい人を繋ぐ」ビジネスマッチングサービスです。
日本最大級の掲載企業・発注会員数を誇り、今年で運営17年目となります。
比較ビズでは失敗できない発注業務を全力で支援します。

日々の営業活動で
こんなお悩みはありませんか?

営業活動でよくある悩み

そのお悩み比較ビズが解決します!

詳しくはこちら
お電話での見積もりはこちら

一括見積もりで発注先を探す