「ここでいい」を「ここがいい」へ。発注先探しなら比較ビズで

ホームページ作成費用の正しい勘定科目はなに?【分かりやすく解説】

公開日:2019年11月07日 最終更新日:2021年12月23日
ホームページ作成費用の正しい勘定科目はなに?【分かりやすく解説】

ビジネスを展開していくため、いまや欠かせないツールとなったホームページ。しかし、ホームページをどのようにビジネスに活用するのかという戦略面とは別に、作成費用をどのように会計処理するのか?頭を悩ます企業・店舗担当者の方は少なくないはずです。なぜなら、勘定科目・会計処理は法人税に大きな影響を与えるから。税務署から修正を求められることのないよう、ホームページ作成費用は適切に会計処理されなければなりません。そこで本記事では、費用にすべきか?資産にすべきか?維持・更新の費用を含め、ホームページ作成費用の勘定科目・会計処理の基本を徹底解説!最後までご覧いただければ、具体的なイメージをつかめます。

ホームページ作成費用は費用か?資産か?

個人・法人を問わず、総収入に対する控除として必要経費を計上可能ですが、すべての経費が損金算入できるわけではありません。

勘定科目を広告宣伝費(費用)として会計処理すれば全額を損金算入できる一方、固定資産として仕訳を行った場合は、取得金額の一部のみ損金算入することになるのは経理担当者の方であればご存知でしょう。

それでは、ホームページ作成費用は費用(広告宣伝費)として会計処理できるのか?固定資産として処理すべきなのでしょうか?

答えは「ケースバイケースで会計処理する」です。一般的に、ホームページは企業・店舗が自社ビジネスをPRする目的で作成されます。ならば、広告宣伝費として計上できそうに思えますが、なぜ会計処理がケースバイケースで変わってくるのでしょうか?

ホームページの機能・用途は多様化している

ホームページが企業・店舗のPRを主たる目的として作成されることは上述した通り。事実、2016年頃までは「ホームページ作成費用は損金として会計処理する」という見解が、国税庁から公表されていたといわれています。

しかし、データベースを活用したWebシステムが一般化するなど、Web技術の進化にともなって状況は大きく変わりました。つまり、ホームページの機能・用途の多様化にともない、単なるPR用途というホームページの位置付けが適切ではなくなってきたのです。

具体的には、ホームページにどのような機能を持たせているのか?どのような用途で作成されたのか?によって、作成費用の会計処理を変えていかなければなりません。

勘定科目を広告宣伝費として会計処理できるホームページ

それでは、作成費用の勘定科目を広告宣伝費に仕訳、損金として会計処理できるホームページとはどのようなものなのでしょうか?

自社ビジネスのPR、広告宣伝を目的としたホームページ作成費用は、広告宣伝費として全額損金算入する形での会計処理が可能です。一般的にはコーポレートサイトなどがこれに該当するでしょう。

そもそも広告宣伝費とは、不特定多数の顧客・見込み顧客に対して、自社ビジネスをアピールするために使った経費・勘定科目のことです。

DM・チラシ・パンフレット、TVCM・新聞・雑誌広告などが代表的なものですが、過去の国税庁見解にもあったように、自社PRを目的としたホームページも広告宣伝費に含まれると考えられるからです。

1年以内に更新されることが前提

ただし、広告宣伝費として認められる条件には、取得金額(購入・開発費用)の過多のほかにも、使用期間が大きく関連してきます。

たとえば、TVCMを制作・放映するためには莫大な費用がかかりますが、使用状況から見て効果が限定的で持続性がないと判断されるため、広告宣伝費として会計処理が可能です。

この限定的・持続性がないという判断の基準となる期間は1年間。つまり、PR目的のホームページ作成費用の勘定科目を広告宣伝費にするには、1年以内に更新されることが大前提となります。

これは、更新することによってオリジナルのホームページの効果・持続性が失効したとみなされるからです。

参照元:国税庁「No.5403 少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示」

極端な例を挙げれば、年に1度ニュースを更新するだけでも、ホームページ作成費用を広告宣伝費として計上することも可能です。

ホームページ作成費用の勘定科目を広告宣伝費で会計処理する際の仕訳例は以下の通りとなります。(PR目的のホームページ作成を制作会社に30万円で依頼、普通預金から支払い)

借方 貸方 摘要
広告宣伝費:300,000円 普通預金:300,000円 ホームページ作成費用

繰延資産・長期前払費用として会計処理するホームページ

同じPR目的のホームページ作成費用であっても、1年以上更新されないのであれば、繰延資産あるいは長期前払費用として会計処理する必要があります。

繰延資産とは「支払いの済んでいる支出のうち、年度をまたいでの費用化(損金処理)が認められた資産」のことで、長期前払費用とは「賃借対照表に資産計上され、翌期以降に費用化(損金処理)するもの」のことです。

たとえば、PR目的のホームページ作成を制作会社に30万円で依頼、普通預金から支払いした後、繰延資産として3年間で均等償却する場合、1会計年度の償却額は、

  • 「300,000円 ÷(12 × 3)× 12 = 100,000円」

決算時の会計処理仕訳例は以下の通りです。

貸方 借方 摘要
開発費償却:100,000円 開発費:100,000円 ホームページ作成費用

無形固定資産として会計処理するホームページ

PR目的のホームページであっても、1年以上更新されないのであれば資産計上したうえで減価償却しなければなりませんが、逆にいえば、年に1度でも更新されるのであれば広告宣伝費として損金算入可能です。

しかし、これが適用されず、無形固定資産として会計処理しなければならないホームページもあります。該当するのはソフトウェア機能を有したホームページです。Webシステム・ECサイトなどがこれに当てはまります。

たとえば、ソフトウェア機能を有するホームページ作成を制作会社に100万円で依頼、普通預金から支払いした後、無形固定資産として5年間で償却する場合、1会計年度の償却額は、

  • 「1,000,000円 ÷(12 × 5)× 12 = 200,000円」

決算時の会計処理仕訳例は以下の通りです。

貸方 借方 摘要
原価償却費:200,000円 ソフトウェア:200,000円 ホームページ作成費用

ソフトウェア会計処理の基本

ただし、ソフトウェア機能を有したホームページを含め、ソフトウェアの購入・開発費用すべてを固定資産として計上しなければならないわけではありません。勘定科目をソフトウェアとした場合の基本的な仕訳ルールは以下の通りです。

ソフトウェア作成費用 仕訳ルール
10万円未満 全額費用(消耗品費)として損金計上
10万円〜20万円未満 一括償却資産として3年間定額償却可能
20万円以上 固定資産として減価償却

ここでも「使用期間が1年未満のもの」は全額費用として計上できるルールがありますが、ソフトウェアの場合は使用期間が1年未満と認められることは困難でしょう。

開発コストが10万円未満というソフトウェアも考えづらいため、基本的には一括償却、もしくは無形固定資産として減価償却していくことになります。

それでは、具体的にどのような機能が搭載されているホームページが「ソフトウェア機能を有する」と判断されるのか?以下からいくつかの具体例を紹介していきましょう。

オンラインショッピング機能

自社商品をオンラインで購入できる「オンラインショッピング機能」を有するホームページは、データベースを活用したソフトウェア機能を有するため、無形固定資産として会計処理する必要があります。

オンラインショッピングには、クレジットカードをはじめとした決済機能が必要ですが、これはオンラインショッピング機能とセットだと考えられるため、分離したソフトウェアとは認められない可能性が高いといえます。

検索機能

オンラインショッピング機能がない場合でも、ユーザーが任意のキーワードで自社商品を検索できる機能が搭載されていれば、データベースを活用したプログラムだと判断できます。このパターンもホームページ作成費用を無形固定資産として会計処理する必要があるでしょう。

ログイン機能

オンラインショッピング・検索機能がない場合でも、ユーザーがホームページにアクセスしてなんらかのアクションを起こせる「ログイン機能」が搭載されていれば、これもデータベースを活用したプログラムだと判断できます。

たとえば、食べログなどのようにコメントを残せるコミュニティ・マッチングサイト、ポータルサイトが当てはまるほか、ログインユーザーがコメントを残せるブログ機能などもソフトウェア機能に該当すると考えられます。

会員・予約システム

データベースを活用したプログラムが必須となる会員システム・予約システムなどを備えたWebサイトも、ソフトウェア機能を有するホームページだと考えられます。

近年では、ユーザーのエンゲージメントを高めるため、ホームページには多岐に渡る機能が搭載される傾向にあり、Webシステムといっても過言ではないホームページが主流になりつつあります。

一昔前のコーポレートサイトのように、会社を広く知ってもらうだけでいいというホームページは少数派になりつつあるのが現状です。

WordPressなどのCMS作成費用は?

それでは、WordPressに代表される、データベースを備えたWebシステム「CMS(コンテンツマネジメントシステム)」の場合はどうでしょう?プログラムだから無形固定資産として計上すべきなのでしょうか?

たしかにCMSはWebシステムの一種だとはいえますが「オープンソースとして誰でもホームページを作成できる」「コンテンツの更新が前提」という特徴を持ちます。

このため、オープンソースCMSを活用したホームページ作成費用は、広告宣伝費として会計処理される場合が多いようです。大掛かりな会員システム・ECサイトを作るのでなければ、問題になることは少ないといえるでしょう。

中小企業なら損金計上できる特例を利用可能

ここまでで、ソフトウェア会計処理の基本とともに、どのようなホームページが無形固定資産に当てはまるのかを解説してきました。

これとは別に、青色申告法人などの一定基準を満たす中小企業であれば、30万円未満の減価償却資産を一括で損金処理できる「少額減価償却資産」の特例措置を活用できます。

参照元:国税庁「No.5408 中小企業等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」

この特例措置を活用することにより、ソフトウェア機能を有するホームページであっても、作成費用が30万円未満であれば費用として会計処理可能です。

ただし、高機能ホームページの作成費用を30万円未満に抑えることが簡単ではないこと、2022年3月31日までの時限措置であることに注意が必要でしょう。特例措置が延長されない可能性もあります。

ホームページ作成費用は分割して会計処理できる?

ここまでの解説で、広告宣伝に該当するホームページ部分と、ユーザーに機能を提供するソフトウェア部分を分割して会計処理できるのでは?そう感じた経理担当者の方がいるかもしれません。

ホームページ作成費用が、広告宣伝に該当する部分、ソフトウェア部分で明確に分離できるのであれば、広告宣伝に該当する費用を広告宣伝費として損金算入、ソフトウェア部分に該当する費用を無形固定資産に計上して会計処理可能です。

逆に、ホームページ作成費用を明確に分離できないのであれば、一括したソフトウェアとして無形固定資産に計上しなければなりません。

見積書・請求書の内容がポイント

この場合、分割して会計処理できるか?できないか?の判断基準となるのは「見積書」「請求書」です。

作成費用が確定しているという意味では請求書が望ましいのですが、インターフェースとなるフロントエンド、システム・プログラムが動作するバックエンドで内訳が明確に分離されている必要があります。

逆に「ホームページ作成費用一式」といった見積書・請求書では、分割した会計処理は不可能。見積書のステップから内容をしっかり見極め、機能ごと・作業ごとに明細が記載されているかどうか?確認しておくことが重要なポイントです。

ホームページ維持・更新の勘定科目は?

作成・公開後も、ホームページは維持・更新していかなければなりません。それでは、ホームページの維持・更新にかかる費用はどのように会計処理すればいいのか?勘定科目はなににすればいいのか?以下から、ホームページ維持・更新にかかる主要な経費を、勘定科目とともに紹介していきます。

ドメイン費用

ドメインとは、インターネットにおける自社ホームページの住所的なものであり「.co.jp」「.com」などで終わる自社独自のドメインネームのことです。このドメインネームを取得するためにかかる費用がドメイン費用です。

ドメイン費用は、ドメインを扱う管理会社で取得し、年間契約で利用料を支払うことが一般的です。多くの場合、ドメイン費用は「通信費」勘定科目で会計処理して損金算入されます。勘定科目を「広告宣伝費」「支払手数料」とする企業・店舗もあるようです。

サーバ費用

サーバとは、ホームページやWebシステムのデータ・プログラムを格納し、ユーザーのリクエストに応じてレスポンスを返すコンピューターのことです。

業務システムでは自社内にサーバを設置することもありますが、ホームページの場合はレンタルサーバ・ホスティングサービスを利用することが一般的。サーバを維持していくために必要な費用がサーバ費用です。

ドメイン費用と同様、サーバ費用もレンタルサーバ・ホスティング会社と年間契約で利用料を支払う場合がほとんどです。ドメイン費用と同じように、サーバ費用も「通信費」「広告宣伝費」「支払手数料」などの勘定科目で損金算入されます。

SSL証明書費用

通信を暗号化してインターネット利用者の安全を担保するため、ホームページに欠かせないものがSSL証明書。これを取得するためにかかる費用がSSL証明書費用です。

無料で使えるSSL証明書もあるため、SSL証明書費用も「通信費」「広告宣伝費」「支払手数料」などで損金算入することが一般的ですが、なかには年間40万円を超えるSSL証明書も。こうしたケースではソフトウェアと同様、減価償却の会計処理が必要になります。

SEO費用

SEOとは、自社ホームページが検索上位に表示されるための「検索エンジン最適化」のこと。検索上位を目指す、イコール広告宣伝と考えられるため、外部の対策会社にSEO費用を支払った場合は「広告宣伝費」などの勘定科目で損金算入されることが一般的です。

ただし、SEOにかかる費用は個別の対策のみにとどまりません。場合によってはツールを導入することもあるでしょう。こうしたケースでは、ソフトウェアとして会計処理する必要があるため、ケースバイケースで対応していく必要があります。

コンテンツ制作費用

ホームページのコンテンツを更新する際、外部の企業に制作を依頼すればコンテンツ制作費用がかかります。記事の修正・リライト、新規記事の追加、写真の入れ替えなど、さまざまなものが該当しますが、コンテンツ制作費は「広告宣伝費」の勘定科目で損金算入することが一般的です。

ホームページ向け動画制作費用の会計処理

ただし、ブログ記事の作成・リライトなどであれば、コンテンツ制作費の勘定科目は広告宣伝費でも問題ありませんが、ホームページで動画を公開したいなどのニーズがある場合はどうでしょう?

外部動画制作会社に依頼した場合、動画制作費用が10万円以内で収まることはあまりありません。ホームページで公開する動画制作費用はどのように会計処理すべきなのか?見解が分かれるところではありますが、基本的な考え方を紹介しておきます。

PR目的の動画制作費用は広告宣伝費になる場合が多い

外部動画制作会社に依頼した場合、高品質なものであれば動画制作費用が100万円を超えることも珍しくありません。しかし、使用期間が1年未満の動画であれば、制作費用の勘定科目を広告宣伝費として損金算入する場合が多いようです。それでは、1年以上に渡ってホームページで公開する動画の場合はどうでしょう?

動画は資産に該当しない

制作した動画はソフトウェアなどの無形固定資産でもなく、ビデオテープやDVDなどのメディアが該当する有形固定資産でもないと考えられます。また、動画は繰延資産の条件にも当てはまらないため、資産として計上・減価償却していくのも適当ではありません。

つまり、使用期間が1年以上であっても、動画の制作費用は「広告宣伝費」として会計処理することが妥当だと考えられます。ただし、あまり独自の見解を押し通さないことも必要。わからないことがあれば、税務のスペシャリストである税理士に相談するのがおすすめです。

まとめ

ホームページ作成費用を費用にすべきか?資産にすべきか?会計処理に頭を悩ます企業・店舗担当者の方に向け、本記事では、維持・更新の費用を含めたホームページ作成費用の勘定科目・会計処理の基本を解説してきました。

おおまかなイメージはつかめたと思いますが、ホームページを取り巻く環境は日々進化しているうえ、税制は複雑かつ頻繁に改正されます。本文内でも触れたように、税務署の見解も時代によって変化しており、自社の見解が必ず認められるということもありません。こうした流れに対応していくためには、最新情報をキャッチアップできる優良な税理士の存在が欠かせないでしょう。

そんなとき「比較ビズ」なら、必要事項を入力する2分程度の手間で、顧問契約でいつでも相談に乗ってくれる優良な税理士をスピーディーに探せます。どの専門家に相談すべきなのか?迷うようなことがあれば、是非利用してみてください。

顧問税理士を一括見積もりで発注先を楽に探す
顧問税理士を一括見積もりで発注先を楽に探す
比較ビズへ掲載しませんか?

一括見積もりで発注先を探す