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株式売却時の確定申告|譲渡所得の基本・特例を活用した節税方法を解説!

最終更新日:2022年01月11日
株式売却時の確定申告|譲渡所得の基本・特例を活用した節税方法を解説!

「株式売却の利益は確定申告する必要がある?」「利益があっても確定申告が不要な場合があるのは本当?」「株式売却の税金は一般的な所得税と計算方法が違う?」株式投資をはじめたばかりの一般投資家の方、本業とは別に株式投資に取り組む方であれば気になっているのではないでしょうか?それもそのはず。株式売却で得られた利益には、ほかの所得と同様に税金が課されますが、課税の仕組みも税金の計算方法も特殊だから。確定申告したことがない会社員の方であれば、そもそも確定申告すべきなのかすらわからないかも知れません。そこで本記事では、株式売却益が該当する譲渡所得の基本や、税金・確定申告との関係を徹底解説!上場株式等の特例を活用した節税方法も紹介していきます。

株式売却益がある方は原則として確定申告が必要

株式取引の結果として売却益(利益)を得た方は、原則として確定申告が必要です。ここでいう売却益とは、株式売却で得られた収入から、株式を取得するためにかかった費用(取得費)および、株式売買に関する手数料を差し引いて残った「利益」のことです。

それでは確定申告とはなにか?1月1日から12月31日までの1年間に得られた所得と所得税を確定させ、翌2月16日から3月15日までに税務署に申告・納税する手続きのことです。

ここでいう「所得」とは所得税が課税される「課税所得」のことであり、株式の「売却益」と「課税所得」はイコール。つまり、1年間を通じて株式売却益のある方は、翌年2月16日から3月15日までに確定申告し、税金を納税することが原則です。

株式売却益は譲渡所得に区分される

所得と所得税を確定させ、申告・納税するという意味では同じですが、確定申告は所得の区分に応じて課税方法や税金の計算方法が若干異なることが特徴でしょう。

たとえば、一般的な会社員の方が該当する「給与所得」であれば、年末調整という形で所得税の調整を会社が代行してくれるため、納税者本人が確定申告する必要はありません。

一方、株式売却益は、土地・建物などの不動産、美術品・貴金属などの売却から得られた所得とともに「譲渡所得」に区分されます。つまり、株式売却益の確定申告は、譲渡所得のルールにしたがって利益を申告・税金を納税することになります。

申告分離課税とはなにか

ただし、同じ譲渡所得でありながら、株式売却益および不動産の売却益に関しては「申告分離課税」制度が適用されるという特徴があります。

申告分離課税とは、給与所得・事業所得などの他の所得と合算せず、単独の利益に税金が課税される仕組みのこと株式売却益に課税される税金のことを「譲渡所得課税」といいます。

たとえば、年末調整を受けている会社員の方であれば、給与所得以外の所得が20万円以内であれば確定申告する必要はありません。しかし、20万円以内であっても株式売却益がある会社員の方であれば、譲渡所得の確定申告をしなければなりません。

参照元:国税庁「No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)」

株式売却益(譲渡益)は所得控除の対象外

これは所得が株式売却益のみの方であっても同じ。事業所得や雑所得を得ている方であれば、48万円の基礎控除が適用されるため、所得が48万円以内であれば所得税がかからない、イコール確定申告は不要ですが、株式売却益がプラスの方は確定申告が必須です。

なぜなら、株式売却益(譲渡益)は、納税者が活用できる各種所得控除の対象外だからです。所得控除とは、納税者がムリなく税金を納付できるようにするための減税措置ですが、株式売却益には基礎控除はもちろん、配偶者控除・扶養控除、医療費控除も適用できません。

株式売却の確定申告が不要なパターン

株式売却益のある方は原則として確定申告が必須であることが理解できたのではないでしょうか?しかし、なにごとにも例外は存在し、株式を売却しても確定申告が必要ないという場合もあります。主な2つのパターンを以下から簡単に解説していきましょう。

株式売却で損失が生じている

株式売却で確定申告が必要になるのは「売却益(譲渡益)」がある場合。つまり、株式売却で得られた1年間の収入から、取得費および、株式売買に関する手数料を差し引いて利益が残っていなければ税金がかからない、イコール確定申告は不要です。

株式売却益がある:特定口座制度を利用・源泉徴収されている

株式取引をはじめるには、証券会社などの金融商品取引事業者に口座を設ける必要がありますが、大きく「特定口座」「一般口座」の2種類があり、さらに特定口座では「源泉徴収あり」もしくは「源泉徴収なし」を選べます。

このうち、源泉徴収ありの特定口座で株式取引している方は、証券会社で簡易申告するため確定申告は不要です。これは株式取引の特例のひとつであり「特定口座制度」と呼ばれています。

同じ特定口座を利用していても、源泉徴収なしを選んだ方は確定申告が必要となります。ただし、証券会社で用意する特定口座年間取引報告書を利用すれば、比較的簡単に確定申告手続きを完了できます。

参照元:国税庁「No.1476 特定口座制度」

株式売却益の確定申告が必要なパターン

株式売却の結果として譲渡損が生じている、源泉徴収ありの特定口座のみで株式取引している以外の場合は確定申告が必要です。では、具体的に株式売却益の確定申告が必要なのはどのような場合なのか?代表的なパターンをいくつか挙げてみましょう。

株式売却益がある:源泉徴収されない特定口座・一般口座を利用

源泉徴収なしの特定口座で株式売却益のある方は確定申告が必要なのは上述した通りですが、一般口座で株式売却益のある方も確定申告が必須となります。

ただし、特定口座を利用する方なら、特定口座年間取引報告書をもとに確定申告できますが、一般口座ではそうはいきません。一般口座を利用する方は、一つひとつの株式取引を自分自身で管理して売却損益を計算しなければならないのです。

株式売却益がある:複数口座は合算して確定申告

特定口座・一般口座を含め、複数の口座で株式取引している方も確定申告しなければならない場合があります。これは、同じ種類の株式であれば、異なる口座であってもすべての取引を合算して売却損益を計算しなければならないからです。

株式売却の譲渡所得課税の基礎知識

株式の種類に触れたところで、株式売却益が含まれる譲渡所得、譲渡所得課税に関する知っておきたい基礎知識を解説しておきましょう。ここまでの解説では、株式売却益の譲渡所得課税を節税する方法がないのでは?と思いがちですが、条件次第では節税するためのいくつかの方法があります。それを知るためにも、基本を学んでおくことは重要です。

上場株式等と一般株式等

ここまでは「株式」と一括りにして解説してきましたが、税制上の株式等は「上場株式等」および「一般株式等」に明確に区別されています。上場株式等とは、その名の通り証券取引所に上場されている株式・公社債をはじめ、国債・地方債、外国債券、投資信託などが該当します。

一方の一般株式等とは、上場株式等以外の株式等のことで通常、上場していない株式を一般株式等と呼ぶ場合が多いようです。株式売却益の確定申告は、上場株式等で取引しているのか、一般株式等で取引しているのかによって仕組みが若干変わります。

株式譲渡所得課税の税率・計算方法

ただし、上場株式等・一般株式等は明確に区別されているものの、株式譲渡所得課税の税率・計算方法に違いがあるわけではありません。株式の譲渡益を算出する計算式、および株式譲渡所得課税額を算出する計算式は以下の通りです。

株式売却益の計算式 株式売却の価額 - 取得費 - 譲渡価額(取引手数料など)
株式譲渡所得課税の計算式 株式売却益 × 税率

上場株式等、一般株式等の税率は以下の通りです。尚、2037年までは、所得税に2.1%を乗じた復興特別所得税が加算されます。

株式譲渡所得の区分 所得税の税率 住民税の税率
上場株式等の譲渡所得 15% 5%
一般株式等の譲渡所得 15% 5%

参照元:国税庁「No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)」

株式売却で生じた損失は損益通算できる?

損益通算とは、ある所得で生じた損失を、黒字のある他の所得と相殺して「課税所得」を抑える = 所得税額を節税できる措置のことです。

株式売却で生じた損失を給与所得などで損益通算したい、と考える方が多いかもしれませんが、株式等の譲渡所得は申告分離課税が適用されるため、給与所得・事業所得・不動産所得などの他の所得との損益通算はできません。

ただし、上場株式等の譲渡所得内での損益通算、あるいは一般株式等の譲渡所得内での損益通算は可能です。上場株式等の売却益を一般株式等の損失と相殺する、といった制度ではないため、損益通算したい場合は注意が必要です。

上場株式等の譲渡損失には特例がある

損益通算以外にも、上場株式等で生じた譲渡損失については救済措置ともいえる特例が設けられています。それが「上場株式等の譲渡損失を3年間繰り越せる」特例です。

具体的には、上場株式等で生じた譲渡損失を上場株式等の譲渡所得、配当所得の順で控除し、それでも控除しきれない損失がある場合は、3年間に渡って損失を繰り越せるという仕組みです。

出典:国税庁「No.1474 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算および繰越控除」

株式売却の確定申告で節税できるパターン

ここまでで、株式売却益が含まれる譲渡所得、譲渡所得課税の基礎知識を解説してきましたが、譲渡所得課税額を節税するためのポイントは「損益通算」「繰越控除」です。

どちらも確定申告することによって得られる「特例」ですが、実際、どのようなパターンであれば節税が可能なのか?具体例を紹介しておきましょう。

株式等の複数口座を損益通算する

複数の口座で株式取引し、それぞれの口座で売却益・売却損が生じている方であれば、確定申告しての損益通算、イコール譲渡所得課税額の節税が可能です。

ただし、上述したように上場株式等は上場株式等の口座間、一般株式等は一般株式等の口座間での損益通算に限られることに注意が必要です。

上場株式等の損失を繰越控除する

上場株式等で大きな損失が生じてしまった方であれば、繰越控除の特例措置を活用して節税するのが得策です。この特例は源泉徴収ありの特定口座であっても活用可能です。

通常は確定申告不要な源泉徴収あり特定口座ですが、大きな損失を繰り越したい場合は「確定申告するかどうかを選べる」からです。ただし、繰越控除を活用する場合は、控除が完了する年まで、毎年確定申告しなければなりません。

確定申告不要・非課税のNISAとは?

株式売却益とは外れてしまいますが、確定申告不要・非課税の少額投資非課税制度「NISA」にも少し触れておきましょう。

NISAとは、最長5年間、年間120万円の投資枠から得られた上場株式・株式投資信託の譲渡益・配当益が非課税になる制度です。NISAにはいくつかの種類がありますが、税金や確定申告を気にせず少額投資したい方にはおすすめです。

ただし、特定口座・一般口座のように損益通算はできない、繰越控除できない、1人1口座のみなどの制限があります。取引のルールもやや複雑なため、短期で株式売買をしたい方には向いていません。

株式売却益の確定申告で注意するポイント

ここまでの解説で、株式売却益が該当する譲渡所得の基本や、税金・確定申告との関係がおおまかに理解できたのではないでしょうか?株式売却益のある方であれば、節税するためにも確定申告が必要になる場合があります。

流れ・手順自体が大きく変わることはありませんが、確定申告が必要な場合は株式譲渡所得課税ならではの注意ポイントもあります。以下から簡単に解説していきましょう。

株式の取得価額がわからないときは?

株式等の確定申告をする際は、1年間を通した売却益・売却損を明確にしておくことが大前提。そのためには、株式取引ごとの「株式売却の価額 - 取得費 - 譲渡価額(取引手数料など)」を把握しておかなければなりません。

特定口座で株式取引する方であれば、年間取引報告書をもとに確定申告書を作成できますが、一般口座を利用する方は日々に記録が重要です。

それでも、株式が相続したのもの、購入時期が古いなど、場合によっては取得費がわからずに売却益・売却損が算出できない、ということもあるでしょう。どうしても取得価額がわからないときには、売却時の価額の5%を取得費として計算する方法があります。

参照元:国税庁「No.1464 譲渡した株式等の取得費」

確定申告書Bに分離課税用第三表を添付

株式売却益の譲渡所得は申告分離税が適用されるため、確定申告する際は「確定申告書B」に申告分離課税用の第三表を添付する形になります。

年間取引報告書、あるいは自身で管理する帳簿を見ながら「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」を作成し、確定申告書第三表に書き写していく流れです。

出典:国税庁「分離課税用第三表」

出典:国税庁「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」

株式売却損を損益通算・繰越控除するとき

上場株式の売却損を損益通算・繰越控除するためには、確定申告書・株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書に加え「上場株式等に係る譲渡損失の損益通算および繰越控除用」確定申告付表に必要事項を記入したうえで添付する必要があります。

出典:国税庁「上場株式等に係る譲渡損失の損益通算および繰越控除用(確定申告付表)」

譲渡所得の計算明細書をキチンと作成していれば、実際の記入にあたって困ることはありません。

特定口座年間取引報告書の添付・印鑑は必要なし

従来の確定申告では、源泉徴収票や特定口座年間取引報告書・支払い通知書などの法定調書添付、印鑑押印などが必要でしたが、オンライン化・パーパーレス化などの国税手続き簡素化に伴って現在では廃止されています。

国税庁のオンラインサービス「確定申告書等作成コーナー」の対応範囲も拡充される傾向にあるため、株式売却に係る手続きのオンライン化も近いうちに実現するかもしれません。

まとめ

株式売却益があると確定申告しなければならないのか?確信の持てない投資家の方に向け、本記事では株式売却益が該当する譲渡所得の基本や、税金・確定申告との関係を解説するとともに、上場株式等の特例を活用した節税方法も紹介してきました。

特定口座のみを利用する投資家の方であれば、株式売却益があっても確定申告する必要はありませんが、それ以外のほとんどのケースでは確定申告が必要。しかし、税制は複雑かつわかりにくいことに加え、頻繁に改正されます。先送りされたようですが、近年では株式等に関する税制改正の動きが見られることも見逃せません。適切に節税するためにも、最新情報をキャッチアップできる、優秀な税理士とのつながりを持っておくことも必要です。

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