労務トラブル事例を相談内容別に紹介!解決方法と対策とは「比較ビズ」

労務トラブル事例を相談内容別に紹介!解決方法と対策とは

更新日:2019年01月31日 発注カテゴリ: ADR(裁判外紛争解決手続)
労務トラブル事例を相談内容別に紹介!解決方法と対策とは

有給取得や残業、問題社員の対応など労務トラブルにはさまざまなものがあります。トラブルに適切な対応ができないと経営に甚大な影響が出る場合もあります。ここではよくある労働者との労務トラブルのうち代表的な事例とその解決方法、労務トラブルを未然に防ぐ対策を見ていきましょう。



労働者と雇用側でのトラブルはもちろん、労務トラブルには社員同士のトラブルなども含まれています。特に多いのが健康に関するトラブルや人間関係、解雇や賃金を含む労働条件などです。

雇用契約書や就業規則への明確な記載がなかったために、言った言わない問題に発展する場合もあり、事例を踏まえた規定の充実化がとても重要になっています。

働く上で必ず関わりのある服務規程、労働時間や残業、年次有給休暇、人間関係やハラスメント、賃金や退職金、休職や健康問題には一体どんなトラブルがあるのでしょうか。早速事例を確認しながら解決方法を見ていきましょう。

労務トラブル事例と解決法

採用・入社

採用内定通知を送った後での内定取り消し

内定者が入社するまでの間に、社内で業績不振や予期せぬトラブルにより内定者を迎え入れることができない状況になったとします。内定者は内定をもらったことで他の企業からの内定を断り、これからの就職活動も厳しい状態。

こういった場合には、企業が内定者に対して和解金を支払うことでの解決が望まれます。具体的な金額としては、入社していれば得られた賃金半年〜1年分と賞与の合計プラス慰謝料で300万円〜400万円程度が相場とのこと。

また、企業は内定取り消しについて所轄のハローワークや内定者の学校へ通知することが義務付けられています。万が一内定が取り消され何の対応もされない場合は、慰謝料等を貰える可能性が高いので、専門家に相談してください。

試用期間中に解雇

相談内容

先々月入社した従業員の勤務態度がとても悪い。同僚とはケンカするし、お客さんとも何度もトラブルを起こしている。 何度も注意したが改善する傾向が見られず、他の従業員から不満も出ているので、試用期間中を理由に解雇することにした。ところが、その従業員からは「試用期間を理由にした解雇は権利の濫用だ。そもそも就業規則にも書いていない」と言われた。試用期間中は会社の判断で自由に解雇できると思っていたのだが…。

試用期間中だからといって、会社が自由にいつでも従業員を辞めさせられるわけではありません。ただし、試用期間を設定すると、入社日から14日は解雇予告の手続きなく解雇が可能です。上記の事例では入社からとっくに14日以上経過していますので、試用期間という理由だけで解雇することはできません。

それでは試用期間とする意味がないと思われるかもしれませんが、そういう意味ではありません。試用期間を設定して、その期間で従業員をチェックし、やはりうちの会社には不適格だと判断した時は、「留保解約権」といって本採用しないことが可能と決められています。

では、どんな時にそれが認められるかですが、裁判所の判例によると、合理的な理由と社会通念上本採用しないことが適切である場合です。ただ、合理的な理由や社会通念という曖昧な言葉では不十分ですから、こういう時に備えて本採用を拒否できる根拠を決めておかなければなりません。そして、それを就業規則に記載します。

就業規則に記載さえすればどんな理由でも本採用を拒否できるわけではありませんが、少なくとも記載していないと不可能です。上記の事例では、就業規則に記載されていないようなので、従業員の言う通り、試用期間を理由として解雇はできないことになります。

新人研修の交通費や残業代

相談内容

入社前の新人研修に参加したのですが、現場に向かうまでの交通費が一切支払われませんでした。入社前で研修と言えども本社とは違う場所だったのでかなり交通費がかかりました。それがすべて自己負担なのは労働基準法に違反するのではないでしょうか。

結論から言うと、交通費に関する規定はないので、交通費が全額支給されなくても法的な問題にはなりません。しかし、研修の時点で交通費が支給されない場合は、入社後の交通費も上限があったり一律の場合があるので、入社前にきちんと確認するようにしましょう。

就業規則・服務規程

「髪の毛を金髪に」「尋常じゃない数のピアス」常識範囲外の身なりの社員は処分可能?

相談内容

金髪にしピアスを4個ずつつけていただけなのに、会社から直さないなら解雇すると言われました。身なりに関しては個人の自由が認められていて処分理由にはならないと思うんですけど・・・

この問題に関して、注意を繰り返しても改善が見られない際には、就業規則に記載があった場合に解雇することが可能です。しかし、解雇した後で訴えられると処分は無効になることがあります。訴えの通り、服装や髪型などは人格や自由に関する事柄で会社による制限は無制限に許されるものではないためです。

そういった問題のある社員は野放しにせず、まずは出来るだけ早い段階で注意をすることが得策でしょう。書面による注意を何度か行った上での処分検討であれば、企業側としてもその個人の自由によって損害を被ったという事実が認められます。

副業についての決まり

相談内容

社員の1人が勤務時間外に別の会社で働いていることが発覚しました。ここ最近勤務中に居眠りをしたりしていたのでおかしいと思ったのですが・・・。社内規定では「会社へ報告なしの副業は禁止」と決まっていて、彼は副業していることを会社へ報告していませんでした。これは十分な解雇理由になりますよね?

ここで争点となるのは「就業規則に記載があったか」「本業に支障をきたしているか」です。就業規則に記載があれば、それに反する行為ということで罰則対象になります。

例えば、会社の許可なしに副業をすることは認めない、副業をする場合は本業に支障が出ない範囲でと明記されていれば、そのとおり規定を守れば副業は許可されるということです。しかしながら、今回の場合は会社への報告もなく本業に支障が出ていたため、会社としても処分出来る十分な理由になるでしょう。

働き方の自由化で副業が許可されている企業は多くありますが、規定がないとトラブルになりやすいので注意してください。

社用備品の使用範囲とプライバシー

相談内容

社用スマホと社用パソコンを個人に支給したところ、私物のような使われ方をしているようなので履歴チェックを行った。実際社員はプライベートでの使用が多く、業務中に社用スマホで動画を見たりもしていた。それを訴えると、逆にプライバシーの侵害だと言われた。

社用の備品を支給する会社も多いですが、それに関してきっちりとしたルールや規定を書面で提示している企業は多いでしょうか。うっかり口頭説明になってしまうことも多いと思います。

この場合は備品を付与した企業側に監視する権利もありますが、使用者にも確かにプライバシーが保護される権利があります。ただ、大切なのはあくまで業務を円滑に行うためのツールということ。使用者は私的な利用をしていても、見られて問題ない使い方をしなければなりません。

こうした問題に発展する前に、使用範囲の規定と注意事項、どういった場合にチェックが許可されるかなどを明記した書面の作成と同意が鉄則でしょう。

労働時間・残業

休日出勤を命じられた

相談内容

上司から今度の日曜日に休日出勤を命じられました。その日は身内の結婚式があり、どうしても出勤することが出来ません。休日出勤を拒否することは出来ますか?

就労していると、度々会社から休日出勤を求められる法律で決められた労働時間と休日は、1週間で40時間(1日8時)休日は週1日以上と定められています。その他、企業は36協定(労働基準法36条)に基づき、残業時間や休日出勤が必要な業務と時間などを決めることが出来るのです。

そのため、業務命令であれば休日出勤を命じることが出来、社員も正当な理由がない限り拒否することは出来ません。ここで論点になるは、社員に拒否する正当な理由があるかどうかです。トラブルになった際、休日出勤を拒否した理由が「出たくなかったから」などである場合は、裁判になったとき不利になります。

今回のように「本人でなければならない」「その日しか都合がつかない」などの理由があれば、休日出勤を命じられたとしても拒否することが可能です。

残業が多すぎて寝不足・病気を発症

36協定によって残業が認められていますが、36協定が締結されている会社でも月45時間を超える残業が続く場合は違法とみなされます。しかし、特別条項付き36協定と呼ばれるものを締結していると、月の残業時間に上限がなくなってしまいます。

相談内容

残業が多すぎてここ最近頭痛や寝不足が慢性的になっています。気分が沈むことも増えてきたので病院に行くと、軽いうつ気味だと言われました。でも、自社は特別条項付き36協定を締結しているので訴えることは出来ませんよね。かなりきついです・・・。

この質問についてですが、特別条項付き36協定であっても残業の上限45時間を超えても良いのは年6回まで、上限はよっぽどのことがない限り変更不可という決まりがあるので、これを超えていれば違法性が認められます。

こういった場合には、労働基準監督署に相談し労働災害認定を受けることが出来る可能性が高いです。最終的には転職することで解決を図るのが手ですが、労災認定を受ければ療養給付や休業補償給付など数々の保証が受けられます。

準備体操・朝礼・移動も労働時間?

相談内容

毎朝始業時間30分前に会社へ行き準備体操と掃除、朝礼を行っています。実際の始業時間は9時なのに、準備体操などに当てられた時間への給料はなく・・・この時間は会社から命じられていて来ているので、給料を請求できるはず。

労働時間とは労働者が雇用側の指揮命令下に置かれている時間のことを指すので、この事例で言えば確かに準備体操や掃除なども支持されてきている以上労働時間に含まれる可能性があります。

そのため、義務付けられているものに関しては賃金請求があった際は応じなければならない可能性があるので、雇用側は注意が必要です。

年次有給休暇

有給休暇取得が認められない・妨害される

相談内容

勤続4年目で有給休暇が溜まっていたので、上長に取得希望を出した。しかし、その時期は忙しいと言われたため、いつ頃なら可能かと聞くと、有給を取っている暇なんてないからそんなに取りたいなら辞めてもいいと言われた。

労働トラブルとして多いのが、年次有給休暇に関する問題。人手不足のため、誰もが簡単に有給休暇を取得することは難しいでしょう。ただし、労働者の年次有給休暇取得の権利は労働基準法39条によって定められているもので、取得できない、または取得を妨害されるという場合には違法になります。

ただし、労働者も有給休暇の取得時期は譲歩する必要があり、繁忙期を避けるなどの配慮は必要です。取得完全拒否、または妨害するための嫌味などを言われた場合は証拠を持って労働局・労働基準監督署に報告するのも一つです。

退職前に有給休暇を一括請求

相談内容

先日退職を申し出た社員から「退職日まで有給休暇を使い切りたい」との申し出がありました。引き継ぎもまったく終わっていないのに、退職日まで一回も出社しない社員に給与を支払わなければならないのでしょうか。

労働基準法39条によって労働者の年次有給休暇は特別な権利という扱いのため、企業が退職時に有給休暇をまとめて取ることを拒否することは不可能です。引き継ぎなどの関係で該当社員に出社してもらいたい場合は、企業側が有給休暇の買い取りを検討するのも手段の一つです。

アルバイト・パートタイムの有給休暇

相談内容

長年パートとして勤務していました。最近、会社側に有給休暇の申請を行ったところ、パートには有給休暇はないと言われてしまいました。長年働いていても、パートやアルバイトには有給休暇を取得する権利はないのでしょうか。

結論から言うと、パートであろうとアルバイトであろうと、一定の基準を満たしていれば有給休暇を取得する権利があります。一定の基準とは、一週間の所定労働時間や一週間の所定労働日数、年間の所定労働日数などで、付与される有給休暇日数が異なります。

この事例でいうと、パートタイムであっても勤続が半年以上であれば、有給休暇を取得できます。

人間関係・ハラスメント

社員間のいじめにより精神疾患・退職に追い込まれた

相談内容

転職先の会社は激務でろくに仕事のレクチャーを受けることが出来なかった私は、入社後半年経過しても要領が悪く足を引っ張っていることが原因でひどいいじめに遭いました。パワハラまがいの暴言や徹底した無視、ミスをすると叩くなどの暴力も受けたので、心身ともに限界を迎え退職を決意したのですが、このままでは負けたようで悔しいです。会社に何かしらの責任をとってもらうことは出来ないのでしょうか。

退職理由で一番多いのが人間関係と言われるほど、社員間でのトラブルはつきもの。最近はセクハラの他にパワハラ、マタハラ、スメハラなどさまざまなハラスメントが問題になっており、大人の社会でのいじめも深刻化しています。この場合、いじめによる退職に追い込まれた社員は何か手を打つことは出来るのでしょうか。

慰謝料の支払いなどを命じる場合は、会社がいじめを把握していた事実といじめの証拠(音声や診断書など)が必要です。心身ともに傷を負った状態で損害賠償請求はかなりの労力がかかりますが、泣き寝入りしないためにも必要です。

セクハラをした社員を解雇

相談内容

一年ほど前から同じ部署の男性社員に毎日のように性的な言葉を投げかけられ、とても苦痛に感じている。その上、就業時間外に電話連絡をしてきたり、自宅近くで待ち伏せしていたりするため恐怖も感じる。犯罪に近い行為として解雇してもらうことは出来るか。

セクハラ問題は年々相談件数が増加しており、その内容も深刻化しています。セクハラは、強制わいせつなど犯罪に値するものから職場で性的な発言をしたり、何度も食事に誘うなどの行為や、冗談のように性差発言をするものまで程度がさまざまです。

強制わいせつなどは、会社規定というより法律上の罰則が存在しているので、然るべき対処を警察などに依頼するのが得策です。ただ、人によっては我慢できるなど際どいラインのセクハラでも、被害者が苦痛を感じているのであれば厳重注意・解雇の理由になります。

法的に訴えて慰謝料等を取る場合は、セクハラの証拠などが必要です。いずれにしても、企業がセクハラの相談をうけた場合には、きちんと本人に注意する、異動による対処を行うなど何かしらの対応をしましょう。

入社してすぐに産休・育休の申し出

相談内容

入社して2ヶ月になる女性社員から妊娠報告があった。おめでたいことだが、育休は勤続一年未満の場合は適用されないと認識していたので退職するように言うと、不当だと言われ退職を受け入れてもらえなかった。人出不足なのでどうにかできないか。

確かに育児休業制度は勤続一年未満の社員には適応されませんが、労使協定の締結がされていない場合は勤続年数にかかわらず国の保証として産休・育休の申し出を受け入れなければなりません。これは国の保証として、当然の権利なのです。

中小企業で人出不足などが深刻な場合は、事業場ごとに労使協定を締結しておくことをおすすめします。

賃金・退職金

年俸に残業代が含まれていた

相談内容

年俸に残業代が含まれており、その時は特に疑問もなかったので書類に捺印をした。しかし、実際に就労してみると残業がとても多く、残業代が含まれている年俸は明らかに少ないと感じるようになった。かなり体が辛いので、時間外労働手当がほしいと申し出たが、納得して捺印しただろうと取り合ってもらえない。

このパターンでは、年俸額の内訳がない場合は契約を交わしたとしても時間外勤務手当の未払い請求されることがあります。大事なポイントは、基本給と時間外勤務手当の内訳を明確にした上で提示すること。

この部分が明確になっていれば、残業代を含む年俸制の導入は可能で、提示した残業代を越えない限りは別途で時間外労働手当を支払う必要はありません。

規定にない退職金の支払いを要求された

相談内容

長年務めていた社員が退職することになったが、退職金を要求された。会社に退職金制度はなく規定にもなかったので、退職金の支払いを拒否したが、不当だということで訴えると言われた。

退職金については、規定がある場合を除いて支払の義務はありません。あくまでも働いていた社員に対しての労いの意味があり、支払わなければ違法ということもないため、訴えるなどと脅されている場合は警察や弁護士に相談しましょう。

賃金カット

相談内容

経営難を理由に、入社時に提示された給与を下回る減給をされた。これは法律違反だと思うが訴えることは可能か

賃金カットについては原則違法ではなく、減給一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一にならなければ問題ありません。また、一方的に言及されたのでなければ、訴えるポイントも無いです。

賃金カットが就業規則に反し懲戒処分になった場合や経営難によるものであれば、仕方がないと受け入れるしかありません。

休職・健康問題

一度休職して復職後にまたすぐ休職

相談内容

軽いうつ病ということで休職していた従業員がいたが、「もう大丈夫」と復職を希望したのですぐに認めた。ところが、数日後にふたたび欠勤し始め、休職の条件となる1カ月が過ぎた段階で「やっぱりまた休職させてください」と言ってきた。前と同じ理由による欠勤だったので、会社からは「前回の休職の続きになるので、その残りが今回の休職の期間です」と伝えると、その従業員は「一度復職したのだから、今回は新しい休職になるはず。前回の続きになるなんてこと就業規則には何も書いていない」と言われてしまった。

この事例でチェックすべきは、休職制度の特徴を理解しているかです。休職制度とは、従業員が事故や病気など私的な理由により職務を遂行できない状態にある場合に、そこですぐに解雇とせず一定期間身分を存続し、また職務が遂行できる状態に回復するまで待ってあげましょうという制度です。

この制度は法律で決められたものではなく、いつどのような場合に休職とできるか、どのぐらいの期間を設けるかなどは会社が任意に決めます。したがって、「うちの会社には休職制度を作らない」ということも可能なのです。

法律による定めがないため、制度の行使の根拠となるのは就業規則しかありません。ですから、上記のようなトラブルを防ぐには、就業規則において休職制度の内容を厳密に定義する必要があります。まず、重要なのがどんな場合に休職できるかという定義です。

これが曖昧では上記の例のようにずるずると長期欠勤に突入してしまいます。最近欠勤が続いているからというだけでいつの間にか休職扱いにならないように、スタートを明確に決めておきましょう。また、上記の例のように断続的な欠勤となることも多いうつ病などの精神疾患にも対応できるようにしておきましょう。

休職期間をどのぐらい認めるかは個々の会社の状況により変わってきます。一般的に勤続期間が長くなるほど休職期間を長く認めてあげようという傾向がありますが、だからといって、何年も休職状態にしておけるのかという現実的な問題があります。

その従業員が復職することが前提なら、その不在を新しく人を雇って埋めるというのも難しいですし、不在のままでは残った従業員がカバーすることになるので、他の従業員にとっても負担が大きいです。

休職期間は会社が自由に就業規則で規定できます。勤続期間に応じてその長さを変えるなど柔軟に対応しておきましょう。ただ、ざっくり「〇年以内」などと期間を定めるのは問題があります。こうすると、休職の申し出があるたびに状況を判断して決めなくてはならなくなってしまいます。

これでは基準がどうしても曖昧になるので、「あの人は〇カ月休職したのに、同じ理由で私がこれだけなんて納得できない」とトラブルになってしまうかもしれません。また、上記の例のように、一度復職してもまた欠勤せざるを得ない精神疾患などのケースにも対応できるように、休職期間は通算でカウントすると就業規則に定めておいた方がよいでしょう。

病気やケガなどが回復して職務を遂行できるとなったら復職となるわけですが、ここで問題になるのが誰が回復したと判断するかです。一般的な考え方なら、その従業員を診察した医師となりますが、法律ではない会社の休職制度の場合はちょっと違います。

休職制度は福利厚生ですが、それとともに業務上の命令でもあります。ですので、「休職しろ」という業務命令の終了も会社が行うのです。ただ、現実的には判断材料として医師の診断書を用いることが多いでしょうから、事前に診断書の費用についても会社負担か従業員負担か決めておくとよいでしょう。

うつ病で休職中の社員への扱い

精神疾患でここ最近増えているのがうつ病。その他にも、躁うつ状態などで休職になる社員もいます。就業規則には、大抵の場合「休職期間と休職が終了した時の扱い」が定められています。

よくある事例として、就業規則に休職期間3ヶ月と定められていて3ヶ月経過後に復職できなかった場合、その後の規定が定められていなかったために不当解雇になってしまい、終身雇用せざるを得なかったというケースもあります。

そのため、就業規則には休職期間と休職期間終了後の扱いについては必ず明記する必要があります。そのことをしっかり明記することで、休職する社員も突然解雇を言い渡されるのではなく先々のことを考えることが出来、お互いにとってメリットがあります。

雇用契約書・就業規則の必要性

あらゆる場面で、雇用契約書や就業規則の有無が争点になるケースがあります。『従業員を採用する時、忙しいこともあって雇用契約書を作らなかった。ただ、口頭で「1カ月○○時間までの残業は固定残業代として基本給に含まれている」と説明し、その従業員からも了解を得ていた。

ところが、それから2年後、その従業員が退職することになったのだが、「この2年分の残業代を支払え」と言われてしまった。「最初に基本給に残業代も含まれるという話で了解しただろう」と説明しても、「覚えていない。残業代を支払うのは当然」と言って納得してくれない。』という事例もあります。

労働条件をどのように示すかについては、労働基準法第15条に「労働条件の明示」と規定されています。この条項には書面か口頭かということは書かれていませんが、賃金や労働時間などの重要事項については「厚生労働省令で定める方法」で明示することが必要とあります。

それによると、従業員の採用に際し、書面を交付して明示しなければならないとのことです。口頭による了解でも契約は成立しますが、雇用契約書として書面で明示しないと労働基準法違反になってしまいます。

したがって、上記の例では従業員の言い分が正しいです。このケースのように絶対明示するように決められている事項以外についても、後から言った言わないの水掛け論になることを避けるためにも、雇用に関することはすべて書面に残すようにしましょう。

まとめ

以上、労務トラブルにまつわる様々なことをまとめてみましたがいかがでしたでしょうか。労務トラブルに関して一貫していえることは、基本的に労務間での約束を口頭ではなく文面で残すことで余計なトラブルを起こしにくくなるということです。

もちろん単に文面にするだけではなく、詳細な労働条件などを記述する必要があります。自分でそういった条件を記述するのが難しいのであれば、社労士などの専門家に依頼するのが良いでしょう。

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