経営者必見!労務トラブルの事例をまとめてみた「比較ビズ」

経営者必見!労務トラブルの事例をまとめてみた

更新日:2018年07月13日 発注カテゴリ: ADR(裁判外紛争解決手続)
経営者必見!労務トラブルの事例をまとめてみた

問題社員の対応など労務トラブルにはさまざまなものがあります。トラブルに適切な対応ができないと経営に甚大な影響が出る場合もあります。ここではそんな労務トラブルのうち代表的な事例と、その対応を見ていきましょう。

一度休職して復職後にまたすぐ休職になった場合

まず、事例を見てみましょう。『軽いうつ病ということで休職していた従業員がいたが、「もう大丈夫」と復職を希望したのですぐに認めた。ところが、数日後にふたたび欠勤し始め、休職の条件となる1カ月が過ぎた段階で「やっぱりまた休職させてください」と言ってきた。

前と同じ理由による欠勤だったので、会社からは「前回の休職の続きになるので、その残りが今回の休職の期間です」と伝えると、その従業員は「一度復職したのだから、今回は新しい休職になるはず。前回の続きになるなんてこと就業規則には何も書いていない」と言われてしまった。』とのことです。

いつからどんな理由で休職になるのか

この事例でチェックすべきは、休職制度の特徴を理解しているかです。休職制度とは、従業員が事故や病気など私的な理由により職務を遂行できない状態にある場合に、そこですぐに解雇とせず一定期間身分を存続し、また職務が遂行できる状態に回復するまで待ってあげましょうという制度です。

この制度は法律で決められたものではなく、いつどのような場合に休職とできるか、どのぐらいの期間を設けるかなどは会社が任意に決めます。したがって、「うちの会社には休職制度を作らない」ということも可能なのです。

法律による定めがないため、制度の行使の根拠となるのは就業規則しかありません。ですから、上記のようなトラブルを防ぐには、就業規則において休職制度の内容を厳密に定義する必要があります。まず、重要なのがどんな場合に休職できるかという定義です。

これが曖昧では上記の例のようにずるずると長期欠勤に突入してしまいます。最近欠勤が続いているからというだけでいつの間にか休職扱いにならないように、スタートを明確に決めておきましょう。また、上記の例のように断続的な欠勤となることも多いうつ病などの精神疾患にも対応できるようにしておきましょう。

休職期間の決定

休職期間をどのぐらい認めるかは個々の会社の状況により変わってきます。一般的に勤続期間が長くなるほど休職期間を長く認めてあげようという傾向がありますが、だからといって、何年も休職状態にしておけるのかという現実的な問題があります。

その従業員が復職することが前提なら、その不在を新しく人を雇って埋めるというのも難しいですし、不在のままでは残った従業員がカバーすることになるので、他の従業員にとっても負担が大きいです。

休職期間は会社が自由に就業規則で規定できます。勤続期間に応じてその長さを変えるなど柔軟に対応しておきましょう。ただ、ざっくり「〇年以内」などと期間を定めるのは問題があります。こうすると、休職の申し出があるたびに状況を判断して決めなくてはならなくなってしまいます。

これでは基準がどうしても曖昧になるので、「あの人は〇カ月休職したのに、同じ理由で私がこれだけなんて納得できない」とトラブルになってしまうかもしれません。また、上記の例のように、一度復職してもまた欠勤せざるを得ない精神疾患などのケースにも対応できるように、休職期間は通算でカウントすると就業規則に定めておいた方がよいでしょう。

復職の判断

病気やケガなどが回復して職務を遂行できるとなったら復職となるわけですが、ここで問題になるのが誰が回復したと判断するかです。一般的な考え方なら、その従業員を診察した医師となりますが、法律ではない会社の休職制度の場合はちょっと違います。

休職制度は福利厚生ですが、それとともに業務上の命令でもあります。ですので、「休職しろ」という業務命令の終了も会社が行うのです。ただ、現実的には判断材料として医師の診断書を用いることが多いでしょうから、事前に診断書の費用についても会社負担か従業員負担か決めておくとよいでしょう。

雇用契約書は必要か

次の事例は雇用契約書の有無が争点になるケースです。『従業員を採用する時、忙しいこともあって雇用契約書を作らなかった。ただ、口頭で「1カ月○○時間までの残業は固定残業代として基本給に含まれている」と説明し、その従業員からも了解を得ていた。

ところが、それから2年後、その従業員が退職することになったのだが、「この2年分の残業代を支払え」と言われてしまった。「最初に基本給に残業代も含まれるという話で了解しただろう」と説明しても、「覚えていない。残業代を支払うのは当然」と言って納得してくれない。』というものです。

労働条件をどのように示すかについては、労働基準法第15条に「労働条件の明示」と規定されています。この条項には書面か口頭かということは書かれていませんが、賃金や労働時間などの重要事項については「厚生労働省令で定める方法」で明示することが必要とあります。

それによると、従業員の採用に際し、書面を交付して明示しなければならないとのことです。口頭による了解でも契約は成立しますが、雇用契約書として書面で明示しないと労働基準法違反になってしまいます。

したがって、上記の例では従業員の言い分が正しいです。このケースのように絶対明示するように決められている事項以外についても、後から言った言わないの水掛け論になることを避けるためにも、雇用に関することはすべて書面に残すようにしましょう。

試用期間を理由に解雇は可能か

最後は試用期間を理由に従業員を辞めさせることができるかという事例です。『先々月入社した従業員の勤務態度がとても悪い。同僚とはケンカするし、お客さんとも何度もトラブルを起こしている。

何度も注意したが改善する傾向が見られず、他の従業員から不満も出ているので、試用期間中を理由に解雇することにした。ところが、その従業員からは「試用期間を理由にした解雇は権利の濫用だ。そもそも就業規則にも書いていない」と言われた。試用期間中は会社の判断で自由に解雇できると思っていたのだが…。』とのことです。

就業規則に記載しているか

試用期間中だからといって、会社が自由にいつでも従業員を辞めさせられるわけではありません。ただし、試用期間を設定すると、入社日から14日は解雇予告の手続きなく解雇が可能です。上記の事例では入社からとっくに14日以上経過していますので、試用期間という理由だけで解雇することはできません。

それでは試用期間とする意味がないと思われるかもしれませんが、そういう意味ではありません。試用期間を設定して、その期間で従業員をチェックし、やはりうちの会社には不適格だと判断した時は、「留保解約権」といって本採用しないことが可能と決められています。

では、どんな時にそれが認められるかですが、裁判所の判例によると、合理的な理由と社会通念上本採用しないことが適切である場合です。ただ、合理的な理由や社会通念という曖昧な言葉では不十分ですから、こういう時に備えて本採用を拒否できる根拠を決めておかなければなりません。そして、それを就業規則に記載します。

就業規則に記載さえすればどんな理由でも本採用を拒否できるわけではありませんが、少なくとも記載していないと不可能です。上記の事例では、就業規則に記載されていないようなので、従業員の言う通り、試用期間を理由として解雇はできないことになります。

まとめ

以上、労務トラブルにまつわる様々なことをまとめてみましたがいかがでしたでしょうか。労務トラブルに関して一貫していえることは、基本的に労務間での約束を口頭ではなく文面で残すことで余計なトラブルを起こしにくくなるということです。

もちろん単に文面にするだけではなく、詳細な労働条件などを記述する必要があります。自分でそういった条件を記述するのが難しいのであれば、社労士などの専門家に依頼するのが良いでしょう。

経営者必見!労務トラブルの事例をまとめてみた

気に入ったら「いいね!」をクリック
比較ビズがビジネスに役立つ情報をあなたにお届けします

比較ビズへ掲載しませんか?

不透明な見積もりを可視化できる「比較ビズ」

比較ビズは「お仕事を依頼したい人と受けたい人を繋ぐ」ビジネスマッチングサービスです。
日本最大級の掲載企業・発注会員数を誇り、今年で運営13年目となります。
比較ビズでは失敗できない発注業務を全力で支援します。

日々の営業活動で
こんなお悩みはありませんか?

営業活動でよくある悩み

そのお悩み比較ビズが解決します!

詳しくはこちら
お電話での見積もりはこちら