会社設立時の役員報酬の決め方と注意点

更新日:2018年07月12日 発注カテゴリ: 給与計算代行
会社設立時の役員報酬の決め方と注意点

自分で会社を設立した場合、代表取締役の自分や取締役である家族にどのぐらい役員報酬を支払うかを決めます。ただ、金額が大き過ぎると資金繰りが苦しくなる可能性がありますし、少な過ぎると会社の利益が増えて法人税も増えることになります。税法上の規制もあり、役員報酬を決める時はさまざまなことを考慮して慎重に決めなければなりません。そこで、役員報酬を決める際の注意点を見ていきましょう。

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役員報酬について

役員報酬を設定する際は税法についてもしっかり確認しておく必要があります。というのも、役員報酬は損金(経費)として扱うことができるからです。

法人税法のことを考えずに役員報酬を決めると、損金として認められないものは会社の利益となるため、結果的に納める法人税の金額が増えることになってしまいます。高い役員報酬を支払いながら法人税もたくさん納めるとなっては、資金繰りが悪化することは必至です。

しかも、会社にとって役員報酬は損金にならなくても、経営者自身には報酬が入ってくるわけですから、当然ながら源泉所得税がかかってきます。ゆえに、役員報酬を決める時は税法についてしっかり認識しておかなければならないのです。

役員報酬の決め方

役員報酬の決め方によって、経営者自身が納める所得税や会社が納める法人税が大きく変わります。ただ、それに対する考え方もさまざまで、どちらが良いとは一概に言えません。それぞれの会社の事情に合わせて決定することになります。

たとえば、役員報酬の金額を少なくするほど会社の利益が大きくなるために法人税が増えますが、それが必ずしもデメリットになるとは限りません。

会社の利益が大きいほど、銀行などから融資を受ける際に返済能力があると評価されやすいため、事業を拡大していく時など役員報酬を少なくして会社に資金を残すのは良い方法です。また、経営者個人が家や車などのローンを組む際は、逆に役員報酬を増やすという方法もあります。

役員報酬を決定するまでの流れ

まず前提として、社長の一存で勝手に決められるものでないことを覚えておきましょう。会社法によると役員報酬は、会社設立時に作成する定款に従うか、株主総会の決議で決めると定められています。

実際の流れは、まず株主総会にて役員報酬の総額を決定しますが、役員ごとの金額の内訳については、取締役会か代表取締役が決めるようにすると一任します。それから、代表取締役が株主総会で決定した総額を上限に、それぞれの取締役の役員報酬の具体的な金額を決めるという流れです。

会議で決めたことは必ず議事録を作成しておくことも忘れないでください。税務調査などでも議事録を確認することがあるので重要です。

役員報酬は会社の設立日から3カ月以内に決めなくてはならないということです。たとえば1月1日に会社を設立した場合は、3月31日までに金額を決めなければなりません。ただ、もっと早くに決めて1月から報酬を支払うということは可能です。

計画は正確に

役員報酬はいつでも自由に変更できるものではありません。会社設立時は設立の日から3カ月以内に決めると先に述べましたが、一年ごとにも変更可能な期間は期首から3カ月以内となっています。つまり、期首ごとに会社の損益計画を正確に立てる必要があるというわけです。

損益計画が正確でなく予想以上に売り上げが伸びた場合、利益が増えるので当然ながら納税額も大きくなります。資金繰りを考えると、売り上げが伸びることは純粋に喜ばしいこととは限りません。そもそも売り上げと同時にその分の入金があるとは限らず、手形で回収する場合など売り上げが伸びて納税額が高くなったのに現時点で資金が手元にないなんてこともおこる可能性があります。

会社の場合、一般的に個人事業主より扱うことになる金額も大きいですから、損益計画と資金繰りの計画をしっかり立てることが大切です。正確に計画を立てるには、年間の売り上げ、仕入れ金額と売り上げ金額から仕入れ分を差し引いた利益、従業員の給料や光熱費といった固定費などを毎月確認しましょう。

定期同額給与の変更は後からできない

役員報酬のなかでも最も大切なのは定期同額給与です。定期同額給与とは毎月支払われる給料のことですが、変更可能なのは期首から3カ月以内と決まっています。会社の業績が良い時は役員報酬を増やしたいと思うのは当然です。また、業績が悪ければ役員報酬を減らそうと思うこともあるでしょう。しかし、役員報酬が改定できるのは原則として期首から3カ月以内なのです。

途中で自由に変更できるようでは定期同額給与とは呼べないので当然なのですが、期首の時点で正確にその期の業績を予想することはそう簡単ではありません。また、役員報酬の変更をうっかり忘れてしまうということも中小企業ではよく聞きます。経営者自身は決算が終わってから役員報酬を変更しようと思っていたのに、実際に支給する時に元の金額のまま支払ってしまったというケースです。

中小企業の多くは経営者自身が役員報酬を決め、決めた後の計算や支払い自体はそれぞれ担当の従業員に任せたり、社労士に委託したりしていますが、その際に役員報酬の金額を変更する旨の連絡が遅れてしまったために、元の金額のまま支払ってしまうということはよくあります。

やむを得ない事情でもない限り、事業年度途中で役員報酬は変更できないので注意しましょう。

社会保険料も考慮に入れて決定する

役員報酬は社会保険料とも関係します。役員報酬にも従業員の給料と同じく健康保険や厚生年金の保険料がかかるので、役員報酬の金額が大きくなるほど当然社会保険料の金額も大きくなってしまいます。社会保険料は個人と会社の両者で折半するため、両者に影響が出ます。

社会保険料の金額は各地域によって異なりますが、ここでは東京都在住の40歳以上の人を例に考えてみましょう。社会保険料の金額を平成28年度の料率で見た場合、役員報酬の金額が月に30万円の時、健康保険料に34,620円、そして厚生年金保険料に53,484円の合計で88,104円かかることになります。(個人と会社の合計金額)

これが月に60万円だとすると、健康保険料に68,086円、厚生年金保険料に105,185円の合計173,271円になります。ご覧のように社会保険料の金額はけっこう大きいので、役員報酬を決める時にしっかり計算して決めないと、資金繰りが悪化してしまうなんてことにもなりかねません。

まとめ

以上見てきたように、役員報酬の金額は法人税、個人所得税、社会保険料に大きく影響します。金額の設定が適切ではなかったために資金繰りが苦しくなるなんて事態に陥ることもよくありますから、1年のスタートに正確な損益計画を立てることが大切です。

役員報酬はできるだけ事業の年度途中で額を変えないほうが良いということからも、しっかりとした計画を持って諸々を決める必要があります。

役員報酬の金額をいくらにするかだけでなく、今後の会社の発展にとって非常に大切なことですので、会社の利益を常に把握できるようにしておきましょう。

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