注意したいポイントは？上司へのお礼メールの書き方

上司へのお礼メールは感謝の気持ちを前面に出す

まず前提として、お礼メールは「何に対するお礼なのか」ということがわかるよう、感謝の気持ちをわかりやすく伝えることを意識しましょう。

メール本文の書き方や具体的なテクニックはいろいろありますが、感謝の気持ちを伝えることが何よりも意識すべきことです。そして、何に対して感謝しているのかもわかりやすくすることが大切です。

たとえば、営業に同行してもらったお礼の場合は、「部長の提案のおかげで先方への説得感が増しました。ありがとうございます」というような感じです。

上司へのお礼マナーメールでのマナー

顧客や取引先など社外の人に対するメールと異なり、上司は目上の人ですが、あくまで身内の人間なので、それほど堅苦しくなる必要はないでしょう。

しかし、たとえ親しい間柄だとしても最低限のマナーはわきまえておかなければなりません。社外の人に対するほど硬い言葉を使う必要はないとしても、馴れ馴れしいこととは違うので、そこは誤解しないように注意してください。では、具体的にどのようなポイントがあるでしょうか。

敬語

身内の人間とはいえ、上司は目上の人ですから、メールの文面に敬語を使うのは当然です。それは誰もが理解していますが、間違った敬語を使っている人がしばしばいます。

たとえば、上司からの依頼メールに対して「了解しました」と返信する人がいますが、マナー的には「承知しました」とするべきです。同じように、「確認しました」としてしまいがちですが、本来なら「拝見しました」と述べるべきでしょう。

また、相手が同僚であれば問題ありませんが、メールの冒頭の挨拶文に「ご苦労様です」と書く人がいます。しかし、「ご苦労様」とは目上の人間が目下の人間に対してかける言葉ですので、上司へのメールにはふさわしくありません。この場合、「お疲れ様です」がよいでしょう。

メールのスピード

上司にお礼を述べるメールは迅速さが肝です。食事に連れてもらったお礼なら、すでにその帰路に送信しておくべきでしょう。遅くとも翌日の午前中までです。何日も経ってから送っても、メールを受け取った上司としては「何を今さら」という感じを受けてしまいます。

また、上司からメールを受け取った場合の返信についても、スピードが大切なのは同様です。返信が必要かどうか迷うような内容の場合もありますが、その場合でも、メールを拝見したということを伝える意味で「承知しました」という程度の返信はやはりすべきでしょう。

確認の意味で返信したメールを不快に取られる心配はないので、迷った時は素早く返信することを心がけてください。

お礼メールはわかりやすい件名に

上司へのお礼メールに限ったことではありませんが、メールの件名はわかりやすくすることが大切です。また、わかりやすいと同時に、簡潔になるようにも心がけましょう。一目で何についてのメールなのかがわかるように、タイトルをつけます。たとえば、お礼メールであれば、「〇〇についてのお礼」などとすればわかりやすいです。

引用文に注意

しばしば相手の送ったメールの内容をそのまま引用文として残して返信する人がいますが、これは読みにくいメールの代表例です。

企業によっては、すべての履歴を残すという意味でルールとして定めている場合もありますが、そうでもない限り、全文を引用して返信するのは、相手の読みやすさを考えていないマナー違反と言えるでしょう。

お礼メールに対する上司からの返信にさらに返信する場合、その上司の返信部分は削除して、自分の言葉だけを送り返すべきです。

ありきたりな文面にならないように注意する

わかりやすさと簡潔さを心がけるといっても、そうするとしばしばテンプレートのような定型的な文面になりがちです。メールの返信が早く、内容も読んでわかりやすいとしても、あまりにありきたりな文章では、メールを受け取った相手に「テンプレートをコピペしているのではないか」と思われてしまう恐れがあります。

そう思われてはお礼の意味がありません。ありきたりの内容では、まるで作業としてお礼メールを送っているように、マイナスイメージを抱かれてしまうかもしれません。内容には必ず具体性を持たせるように意識しましょう。お礼メールであれは、何についてのお礼なのか、どのように感謝しているのかを、自分の言葉で表すことです。

テンプレートを使うよりも時間と手間がかかりますが、お礼メールとは感謝を伝えることが目的ですので、ここに能率を求めるべきではありません。多少時間と手間がかかっても、心のこもった文面になるよう工夫すべきでしょう。

「取り急ぎ」は避ける

これも上司に限ったことではありませんが、お礼メールに「取り急ぎ」という言葉が使われることがしばしばあります。後ほど正式な形で改めてお礼状を送るのならまだしも、メールのみでお礼を完結させるのであれば、「取り急ぎ」という言葉は使うべきではありません。

「取り急ぎ」とは、文字通り「とりあえず」「急ぎで」という意味ですので、「取込中だから時間をかけられないが、とりあえず伝達事項がある」という場合のみに用いられるべきでしょう。

後ほど正式な形でお礼を述べたい場合は、メールでは「略儀ではありますが」などの表現を使うと、丁寧で好ましい印象を与えることができます。

上司へのお礼メールに使える具体的なフレーズ

感謝の言葉というと「ありがとうございます」がありますが、他にどのような表現が使えるでしょうか。ボキャブラリーを増やすためにも覚えておきましょう。

心よりお礼申し上げます

「ありがとうございます」よりフォーマルな形ですが、心から感謝の気持ちを伝えたい場合に使える表現です。ですので、プライベートで食事に連れて行ってもらったお礼というよりも、ビジネス上の重要な事柄で助力してもらった場合などに用いるのが適切でしょう。

重ねてお礼申し上げます

こちらは「重ねて」とあるように、一度お礼を述べた後に、再度お礼を述べる際に用いる表現です。メールでの使い方としては、まず冒頭にお礼を述べ、何についての感謝なのか、具体的な内容を本文に書き、最後に結びの言葉として、もう一度感謝の意を示すという意味で「重ねてお礼申し上げます」と加えるとよいでしょう。

まとめ

上司へのお礼メールというと、身内の関係なのでそれほど堅苦しい言葉を使わないイメージがありますが、たとえ身内でも上司はやはり目上の人です。したがって、適切なマナーをわきまえ、正しい言葉遣いを用いるべきでしょう。上司にお礼メールを送る際は、上記のポイントを押さえ、状況に応じて適切な表現を使えるようになりたいものです。

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