「今後とも変わらぬ」はメールの締めにとても便利な表現！活用法と類義語をチェック

「今後とも」という表現の持つ意味

「今後」という表現には「現時点から先」という意味があります。一方、「とも」という表現は「同様に、一緒に」という意味を含んでいますから、「今後とも」という言葉には「これまでと同様にこれ以降も」という継続的な関係を期待する響きがあるのです。

「今後とも変わらぬ」という表現は、「これまでの関係に満足しており、これを変えることなく将来的にも維持したい」という願いを相手へ伝えることになります。ですから、新しく知り合った人ではなく、すでに信頼関係を築いている人へ向けたメッセージです。

「今後とも」はビジネスメールで非常に有用

「今後とも」という表現は、目上の人に対しても用いることが可能です。そのため、ビジネスシーンでは汎用性が高い表現として重宝されています。特に、取引先などとメールのやりとりをする際にこの表現を使う機会は非常に多いでしょう。

締めの挨拶として

ビジネスメールでは、一般的な締めの挨拶として「今後とも」という表現が用いられます。例えば、「今後ともどうぞよろしくお願いいたします」という文章は、「これでメールが終わります」という響きを伝えてくれるので大変便利です。

メールの中で先方へ何かを依頼しているわけではなくても、「よろしくお願いいたします」という表現を用いることは差し支えありません。

協力を仰ぐための表現として

「今後とも」という表現を通して、取引先やクライアントへ継続的な協力を依頼することもできます。例えば、「今後ともご指導のほどよろしくお願いします」や「今後ともお力添え頂きますようお願いいたします」といった表現はとても便利です。

契約や取引の継続にさり気なく言及したい時にも「今後とも」という表現を活用しましょう。例えば、「今後ともご用命を賜りますようお願い申し上げます」や「今後とも変わらぬご高配のほどお願い申し上げます」といった表現がメールでよく用いられています。

「今後とも」と合わせて使いたい便利な表現

「今後とも」という表現をメールに使用することで、宛先となっている企業やクライアントとの関係を重視しているというメッセージが伝わります。そこで、別の表現を合わせて使うことにより、よりポジティブな印象を与えることができるのです。

強調する表現「なにとぞ」

「なにとぞ」もしくは「何卒」という表現を「今後とも」という言葉と合わせることで、メッセージを強調することが可能となります。特に、「変わらぬご愛顧」や「引き続きのご支援」など、依頼するニュアンスの文章では、「なにとぞ」を使うと良いでしょう。

意欲を伝える表現「切に」

「切に」という短い表現をプラスするだけで、「心からそう願っている」というニュアンスを先方へ伝えることができます。より謙遜で控えめな印象を伝えたいのであれば、「切に」の代わりに「伏して」という表現を使っても構いません。

「末長いお引き立て」や「変わらぬご厚情」など、先方との関係にフォーカスした表現を締めの文章で使う際には、「今後とも」の後にこちらの意欲が強く伝わる「切に」および「伏して」といった表現を活用していきましょう。

「今後とも」以外の便利な締めの表現

ビジネスメールで用いる締めの表現として、「今後とも」以外にも相手にポジティブな印象を与える表現は幾つもあります。例えば、「これからも」「引き続き」といった表現は、関係の維持を希望しているというニュアンスがはっきりと伝わるでしょう。

「以後も」「将来的にも」「末永く」といった表現も用いられることがあります。ただし、ビジネスシーンにおいてはやや砕けた印象を与える可能性がありますから、基本的には「今後とも」を活用していきましょう。

「今後とも」を使うのが適切でない場面

「今後とも」という表現はビジネスシーンにおいて非常に便利であるとはいえ、状況によってはこの表現を用いないほうが良い、あるいは不適切と判断される可能性があります。

取引が継続しない相手への挨拶

これまで取引があったものの、間もなく契約が終了するクライアントや企業へメールを送る際には、「今後とも変わらぬ」という表現を避けるのが賢明でしょう。取引は1回のみと分かっている場合も同様の注意が必要です。

そうしたケースでは、「今後とも」の代わりとして「またご縁がございましたら」「また機会がございましたら」といった表現を用いましょう。「またご用命の際には」という表現でも問題ありません。

迷惑をかけてしまった相手への挨拶

こちらの不手際によって迷惑を被った企業やクライアントへメールを送る際には、「今後とも」という表現の使用は控えましょう。「今後とも変わらぬご愛顧」といった文章は、「トラブルを軽視している」「反省していない」という印象を与えかねません。

クライアントからすれば「こちらは損害を受けて取引を継続するか決めかねているのに、高圧的な表現を含んだメールが届いた」と感じてしまうことでしょう。

ですから、謝罪のメールでは「申し訳ございませんでした」あるいは「お詫び申し上げます」といった文章を通して何よりも反省の気持ちを伝えるのがビジネスマナーです。また、トラブルの原因と再発防止策についても詳しく説明する必要があるでしょう。

営業を行っている企業担当者への挨拶

取引を開始してもらえるよう特定の企業や担当者へ営業のメールを送る際にも、「今後とも」という表現は控えましょう。「今後とも変わらぬご愛顧」と書いてしまうと、先方の担当者は「契約もしていないのに不愉快だ」と感じてしまう可能性があります。ですから、営業のメールにおいては、時候の挨拶など相手を気遣う表現を用いて結びとする方がより効果的でしょう。

まとめ

「今後とも変わらぬ」という表現を活用することで、すでに取引のある企業やクライアントに対してポジティブなメッセージを伝えることが可能となります。ですから、メールを送る際に締めの挨拶などで積極的に活用していきましょう。ただし、先方の企業とまだ取引がなかったり、取引がすでに終わってしまったりといったケースでは、「今後とも」という表現は不適切となるので、異なる挨拶を用いるのが賢明です。

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