代理店と業務委託の違いはどこにある？

代理店とは？

代理店というビジネススタイルは、かなり広い範囲で用いられています。まずは、基本的な意味とその特徴を確認してみましょう。

代理店の定義

製品やサービスの提供元が、販売などの取引業務を委託して行ってもらう店舗や企業のことを指します。メーカーの代理として、顧客に対応する窓口とも言うことができます。

代理店の具体的な形態

代理店として機能するものとしては、たとえばスマホショップがあります。携帯ショップでは、顧客への販促を行い、店頭もしくはWEBにおいて契約を結びます。

また、スマホ端末本体を販売することもあります。しかし、通信サービスそのものを提供するのはキャリアもしくは格安スマホ会社となりますし、トラブルがあった場合のフォローもスマホ会社が行うことになります。

また、スーパーなどの小売店も広い意味では代理店と言えます。メーカーから商品を仕入れて、顧客へ小売りをするという意味でメーカーの代理をしているからです。

このように、ほとんどの商品やサービスは代理店という仕組みで契約、販売されているのです。代理店にたよらない販売としては、メーカーが直接顧客に営業をして契約、販売、アフターフォローをするもので、そう多くはありません。

営業が代理店の果たす大きな役割

代理店は様々な業務を行いますが、特に営業と販促が大きな部分を占めます。インターネット上の媒体やテレアポ、チラシなど様々な手段を使って見込み客を獲得します。

また、店舗を持つ代理店であれば、来店する顧客に対して販促をして商品購入を呼びかけます。メーカーとしては代理店の営業力に売り上げがかかっているので、販促ツールの提供や売上に応じたボーナス支給などの支援を行うことが多いです。

契約業務

見込み客が商品やサービスを購入するとなったら、契約を結びます。スーパーやドラッグストアなどの小売店であれば、わざわざ契約を結ぶことはありませんが、スマホショップなどでは必ず契約書を交わします。

この契約書や申込書を、サービス提供元の送付することで、顧客に商品が送られることになります。

料金の受領

すべての代理店が行うわけではありませんが、顧客から商品やサービスの対価として代金を受け取ります。小売業の場合は、仕入れ価格と売上代金の差額が利益となります。

一方でフランチャイズなどの場合は、売上金の中から一定の割合もしくは一定額を提供元に支払うというスタイルを採ります。それぞれの契約によって支払い方法は変わってきます。

スマホショップの場合などは、顧客から代金を受け取ることはなく、スマホ会社が代金を徴収します。その後、マージンとして契約ごとにスマホ会社から代理店に支払いがなされます。

顧客へのフォロー

代理店を通して契約をした顧客へのアフターフォローも、代理店の請け負う業務となることがあります。何らからのトラブルが生じた場合、メーカーもしくは代理店に顧客が問い合わせて、対応を求めます。

こうした代理店によるアフターフォローがなく、メーカーがすべてに対応するケースも存在します。それぞれの契約によって違いがありますので、どこまでが業務範囲かを確認しておくことが大事です。

また、代理店側から既存顧客にアプローチして、再購入や知り合いの紹介などを求めることもあります。こうしたフォローによって、さらなる顧客獲得を狙うのです。

業務委託とは？

代理店業務と似ているものに、業務委託というスタイルがあります。同じ意味で用いられることもありますし、違う形で理解されることもあります。基本的な意味を確認してみましょう。

代理店と似た意味で用いられることもある

業務委託は、代理店業務とほぼ同じ意味で用いられることもあります。メーカーやサービス提供元が、代理店に販促や契約、代金回収などの業務を委託するということで契約を結ぶのです。

そのため、ある意味ですべての代理店はメーカーと業務委託についての契約を結んでいるとも言えます。それぞれの契約において、どこまでの業務が委託されるかが変わってきます。

業務委託契約を結ぶ場合

上記の例とは別に、業務委託契約を結ぶと言う場合、主に何らかの制作作業を下請けに出すという考えが含まれていることが多いです。具体的には、企業の業務システムの開発を、開発会社に委託するというものです。

この場合は、開発会社が提示された仕様に従ってシステムを作り、それを納品するまでが契約となります。開発会社は他の顧客にアプローチすることがありませんので、特に営業や契約締結などの業務を行うことはありません。

代理店と業務委託の違い

このように、代理店と業務委託は同じ意味で用いられることもありますし、異なるスタイルとして見られることもあります。両者の違いとしてよく見られるのは、「納品」という考えがあるかどうかという点です。

WEB制作やイラスト、デザインなどの業務委託で特に多く見られるケースで、受託した企業やフリーランスが制作を終え、発注先に納品をします。代理店という場合は、この納品をするという考えはなく、メーカーが作る商品を販売する業務に注力することが多いです。

また、業務委託契約を結ぶ場合は、プロジェクトごとの契約も多く見られ短期間で契約が終了します。一方で、代理店の場合も契約期間が存在するケースも多いですが、業務委託のような短い期間ではなく継続的に業務をすることが多いという違いもあります。

まとめ

多くの業種において代理店というスタイルでビジネスが展開されています。そのため、それぞれの業界や企業によって詳細の異なる代理店契約が結ばれています。

代理店になる場合、業務委託契約を結ぶ場合、その契約内容をしっかりと確認して、条件に不利なところはないかを確認して事業を始めるようにしましょう。

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