青色申告の個人事業主は扶養控除を受けられる?5つの要件や所得金額を解説

最終更新日:2023年09月28日
竹中啓倫税理士事務所
監修者
税理士・米国税理士・認定心理士 竹中啓倫
青色申告の個人事業主は扶養控除を受けられる?5つの要件や所得金額を解説
この記事で解決できるお悩み
  • 青色申告の個人事業主でも扶養控除を受けられる?
  • 配偶者特別控除の対象となる所得上限はいくら?
  • 青色申告で扶養控除が受けられないケースとは?

青色申告をしている個人事業主で扶養控除について知りたい方は必見。この記事では扶養控除の要件や所得別の具体例を解説します。最後まで読めば、青色申告で扶養控除を受けるために必要な知識が身につくでしょう。

青色申告をしている個人事業主の場合、年間所得150万円までであれば扶養控除を受けられます。 控除を受ける際の注意点もまとめているため、ぜひ参考にしてください。

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青色申告の個人事業主でも扶養控除を受けられる

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青色申告の個人事業主でも、条件を満たせば扶養控除を受けられます。扶養控除とは、所得税法上の「控除対象扶養親族」がいる納税者が受けられる所得控除です。定められた所得を超えた場合は、扶養控除を受けられません。

青色申告の個人事業主が扶養控除を受けられる要件

青色申告している個人事業主が扶養控除を受けるためには、次の条件があります。

  1. 納税者の扶養家族であると民法上で認められている
  2. 12月31日時点に納税者と生計をともにしている
  3. 該当年の合計所得金額が48万円以下である
  4. 給与所得のみの場合は給与収入が103万円以下である
  5. 青色/白色申告者の事業専従者ではない

要件1. 納税者の扶養家族であると民法上で認められている

青色申告の個人事業主が扶養控除を受けるためには、民法上で納税者の扶養家族である必要があります。扶養家族とは、同一の所得から生活をしている人を指します。

税法では「配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)または都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や、市町村長から養護を委託された老人であること。」と定められています。

参照:扶養控除|所得税|国税庁

税法上、配偶者は扶養控除と異なる控除である「配偶者控除」が適用可能です。控除適用条件は「民法の規定による配偶者であること」以外は扶養控除のケースと同じです。

要件2. 12月31日時点に納税者と生計をともにしている

12月31日時点で生計をともにしている人は、扶養家族とみなされます。適用されるためには同じ家に住んでいる必要はありません。子どもが通学のために一人暮らしをしているケースでも、納税者からの仕送りで生計を立てていれば条件を満たしています。

要件3. 該当年の合計所得金額が48万円以下である

年間の合計所得が48万円以下である場合に、扶養家族と認められます。不動産や株などによる年収が48万円以上ある場合には、扶養家族には該当しません。

要件4. 給与所得のみの場合は給与収入が103万円以下である

給与所得が103万円以下であれば、扶養家族に該当します。たとえば納税者と生計をともにしている子どもが年間100万円の給与所得を受けた場合、扶養控除の対象です。配偶者においても同様の計算ができます。

しかし、103万円を超えてしまうと控除の対象から外れてしまうため、学生アルバイトや主婦パートタイマーなどで給与収入がある場合は注意が必要です。

要件5. 青色申告者の事業専従者ではない

青色事業専従者は扶養控除を受けられません。青色事業専従者とは、次の条件に該当する労働者です。

  • 納税者(青色申告者)と生計が同一であること
  • 年末時点で年齢が15歳以上であること
  • 年間6カ月以上(一定の場合には、事業に従事することができる期間の2分の1以上)、納税者(青色申告者)の営む事業に従事していること

参照:専従者給与と専従者控除|所得税|国税庁

【所得別】青色申告者の扶養控除の例

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青色申告者が受けられる扶養控除の例を2つ紹介します。

  • 130万円まで:扶養控除の差はあまりない
  • 150万円まで:配偶者特別控除が受けられる

ケース1. 130万円まで:配偶者は控除の差があまりない

配偶者のケースでは、103万円以上稼いだ場合でも130万円以下であれば納税額が大きく変わりません。配偶者控除から「配偶者特別控除」に変わるだけで控除される金額は同じです。 130万円までは社会保険の扶養から外れることもないため、103万円を超えてしまっても大きな問題はありません。

配偶者以外の親族は103万円を超えると所得税が発生します。控除を受けるはずだった納税者が負担する所得税や住民税も高くなるため、注意が必要です。

ケース2. 150万円まで:配偶者特別控除が受けられる

配偶者特別控除は最大150万円まで適用されます。150万円を超えると控除対象の金額が段階的に減ります。 201.6万円まではまったく控除が0になるわけではありません。 

青色申告の個人事業主が扶養控除を受けるときの注意点

青色申告の個人事業主が扶養控除を受ける際は、次の6つのポイントに注意しましょう。

  1. 社会保険は130万円以上で抜ける必要がある
  2. 直近3カ月の平均月収が12万円以上は対象にならない
  3. 健康保険組合の定める限度額を確認する
  4. 経費は差し引いた額で計算する
  5. 企業の扶養手当の基準を理解する
  6. 青色事業専従者は対象にならない

1. 社会保険は130万円以上で抜ける必要がある

社会保険の「扶養」は、所得が130万円を超えたら抜けなければなりません。130万円を超えて社会保険から抜けた場合、国民保険料と国民年金保険料を自ら支払う必要があります。社会保険の控除がなくなると毎月約2〜3万円の支払いが生まれ、大きい出費に感じるでしょう。

配偶者は130万円以上所得があっても配偶者控除を受けられますが、社会保険のマイナスを想定して所得を計算することが大切です。

2. 直近3カ月の平均月収が12万円以上は対象にならない

直近3カ月の平均月収が12万円を超えていると、扶養控除の対象になりません。所得の計算は、直近3カ月間の平均月収により決まるためです。

給与明細は直近3カ月のものを税務署に提出し「総支給額」の合計×4が該当年の所得とみなされます。直近3カ月の合計所得が36万円を超える場合36万円×4=144万円となり、130万円を超過します。

3. 健康保険組合の定める限度額を確認する

健康保険組合が定める限度額を把握しておく必要があります。扶養家族の所得上限は、健康保険組合ごとに異なる認識があるため一概に判断ができません。加入している健康保険組合のルールを理解し、健康保険の扶養から意図せず抜けないように注意しましょう。

4. 経費は差し引いた額で計算する

青色申告の際は、経費を差し引いた金額で所得を計算することを念頭におきましょう。所得が130万円を超過するケースでも、経費を考慮すると扶養内で申告できる可能性があります。

5. 企業の扶養手当の基準を理解する

企業から扶養手当が発生している場合、手当の基準を把握することが大切です。企業が独自に決めている手当の基準は、扶養家族(配偶者)の所得が103万円、130万円、150万円以下など異なります。

手当を受けている場合は、税法上の扶養控除の基準だけではなく企業における扶養のルールを理解しましょう。

6. 青色事業専従者は対象にならない

青色事業専従者は、扶養控除の対象にはなりません。一方、青色事業専従者として扶養家族や配偶者を雇用すると、給与を経費として計上できるメリットがあります。

青色事業専従者で申告するか、扶養家族(配偶者)として申告するか、状況に応じて最適な選択肢を見つけましょう。

扶養控除より青色事業専従者の方が節税効果があるケース

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扶養控除より青色事業専従者の方が節税できるケースは、青色事業専従者の給与が38万円より少ない場合です。青色事業専従者も納税義務が発生するため、1つの家計として合計した場合の所得税を考慮しましょう。

所得税額の計算方法はそれぞれ次のとおりです。

38万円の扶養控除がある場合

(所得−扶養控除38万円−基礎控除38万円)×税率−税額控除=所得税額

青色専従者給与を支払っている場合

(所得−専従者給与−基礎控除38万円)×税率−税額控除=所得税額

計算の結果、所得税額が少ない方を選択しましょう。

まとめ

配偶者が控除を受ける場合は、所得が103万円を超えても130万円までは大きな差はありません。130万円を超過すると社会保険の扶養を外れることになりますが、150万円までは税法上「配偶者特別控除」を受けられます。

青色申告をする際の配偶者・扶養控除を維持するためには、同一生計の家族の所得や申告方法などを熟知することが大切です。税金に関して不明点がある場合は、税理士に相談すると不安を解消できます。

最適な税理士を選ぶためには、複数の見積もりを比較することで費用を抑えて税務処理をおこなえます。税理士への見積もりを検討する際は、ぜひ比較ビズの無料一括見積もりサービスをご利用ください。

よくある質問とその回答

  • 個人事業主が扶養から外れる年収は?タイミングはいつ?

    個人事業主が扶養から外れる年収は、年収が103万円を超えたときです。配偶者の場合は130万円まで「配偶者特別控除」を受けられます。

  • 個人事業主の夫の扶養に入るには?

    夫の扶養に入るためには、夫の雇用形態による制限はありません。そのため、個人事業主であっても扶養に入れます。扶養に入る配偶者の所得制限があるため、税法、社会保険の定める範囲内で所得を得ることが大切です。

  • 青色申告の個人事業主の扶養に妻や子どもを入れられる?

    青色申告の個人事業主の扶養に妻や子どもを入れられます。妻や子どもに所得がある場合は103万円(配偶者の場合は130万円)を超過すると扶養から抜けることになるため注意しましょう。

監修者の一言

ご夫婦で働かれている場合、奥様はパート等で勤務時間を減らし、ご主人の扶養に入られている方は決して少なくありません。

ご質問で、これ以上は働いたら税務上不利になる金額を教えて下さい、とよく質問頂きます。基本的には稼いだら稼いだだけ可処分所得は増えますので、働きすぎたら不利ということはありません。

配偶者の場合、配偶者控除と配偶者特別控除があり、逆転現象が起こらないような形にはなっています。税法の問題ではありませんが、不利にになるケースがあります。それはご主人がサラリーマンの場合、扶養家族がいる場合、扶養手当が支給される場合がよくあります。

ただ、奥様の所得がいくらまでなら支給されるのか?会社ごとに異なっており、一概に言えません。ご主人の会社の制度を確認頂いた上で、税理士等にご相談されることをお勧めいたします。

竹中啓倫税理士事務所
税理士・米国税理士・認定心理士 竹中啓倫
監修者

岐阜県出身。上場会社の経理に勤務する傍ら、竹中啓倫税理士事務所の代表を務める。M&Aなどの事業再編を得意とし、セミナーや研修会講師にも数多くあたるほか、医療分野にも造詣が深く、自ら心理カウンセラーとして、心の悩みにも答えている。税理士会の会務では、名古屋税理士協同組合理事を務める。

比較ビズ編集部
執筆者
比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。
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