確定申告の職業欄はなんて書くべき?複業の場合などを解説

更新日:2021年02月05日 発注カテゴリ: 確定申告
確定申告の職業欄はなんて書くべき?複業の場合などを解説

個人事業主の方が確定申告を行う際には職業欄に自身の職業を記入する必要があります。実はこの職業欄に記入する職業によって個人事業税と呼ばれる税金の額に違いがあることをご存じでしょうか? 本記事では個人事業主の方が確定申告を行う際の職業の書き方をはじめ、それによって違いが生じる個人事業税についても詳しく説明していきます。

職業欄

まずは職業欄についてご説明します。 ここでは確定申告書だけでなく、それと繋がりの深い開業届についても詳しくご紹介します。

確定申告書の職業欄

確定申告書は2種類あります。

1つは主な所得が年金収入、給与収入の人が使用するA様式で、もう一つが誰でも使えるB様式です。 個人事業主の場合はB様式を使用することになりますが、実はこのB様式には職業欄と書かれた職業を記入する箇所が存在します。

詳しくは後述しますが、この職業欄に記載する職業によって個人事業税と呼ばれる税金の税率が変わってくるため、正確に職業を記入する必要があります。 たかが職業欄と考えがちですが、ここが納税額にも大きくかかわってくるため注意が必要です。

フリーランスの場合

フリーランスとして働く場合、その職業をどのように書くか迷ってしまう方もいるかと思います。

まず大前提として職業欄にフリーランスと書くのはやめましょう。あくまでもフリーランスは雇用形態の一つであり、業種や職業名ではないためです。 確定申告書に記入する職業は、実際にフリーランスとして活動する上でどの職業で収入を得ているかを記入する必要があります。

日本標準職業分類を参考にする

職業欄になんと書いたらいいのか迷った場合には日本標準職業分類を調べるとよいでしょう。

日本標準職業分類とは総務省が定める職業の分類のことで、国勢調査などにも用いられる様々な職業を分類したものになります。 ハローワークなどで職業検索をする際にも、日本標準職業分類を目にする機会があるでしょう。

300を超える職種が記載されているため、自身の職業がなんなのか判断に迷った際には是非参考にしてみてください。 これまで自分がそれと思っていた職業であっても、日本標準職業分類を調べることでより適切な職業を知ることもできるかもしれません。

逆にいくつかの職業の候補が見つかった場合にはインターネットなどで職業名を検索し、自身の理解が問題ないかを確認するのもよいでしょう。

複数の仕事を行っている場合

この次に説明する開業届の職業欄は複数の仕事を行っている場合でも基本的には主となる収入となっている職業を記入すればいいですが、確定申告の場合は違います。 確定申告書の職業欄には収入を得ているすべての職業を記入しなければなりません。

例えばWEBライターをしながらECサイトを運営している場合であれば、その両方を記入する必要があります。

もちろんやっている仕事が3つあれば3つすべての職業を記入しなければなりません。 確定申告書の職業欄に全ての職業を記入しなければいけない理由は、はじめに述べた個人事業税が記入した職業に応じて変動するためです。 個人事業税や業種と税率については、後ほど詳しく説明します。

開業届の職業欄

確定申告書の職業欄に職業を書く上で、重要になってくるのが開業届に記載した職業です。

開業届とは、その名の通り開業する際に提出する書類でであり、確定申告と同様に職業を記載する必要があります。

開業届とは

開業届は、正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」といいます。

個人として何らかの事業を始めたり廃業したりする際、その旨を所轄の税務署に届け出る際に提出する書類のことを指します。 開業届を税務署に提出すると、個人事業主として登録され、その後は毎年、確定申告の時期が近づくと、申告書類一式が郵送されます。 開業届は所得税法で、事業開始から1ヵ月以内に提出しなければならないと定められてはいますが、提出しなくても特に罰則はありません。

開業届を提出しなかった場合には、開業した年の事業収支をすべてまとめて税務署に確定申告することで開業届の代わりとなるのです。 そのため開業届を提出しない個人事業主も存在します。

ただし、節税効果の高い青色申告で確定申告ができること、オフィスの賃貸契約や屋号での口座開設の際に開業届の控えの提出が必要な場合があること、クレジットカードの審査が通りやすいことなど、開業届を出すメリットも多くあります。

フリーランスの場合

開業届にも確定申告書のB様式のように職業欄が存在ます。 確定申告と同じようにフリーランスとして働く場合、職種をどの何と記述すれば良いか悩んでしまう方も多いと思います。

フリーランスと言ってもその業務内容は多岐に渡り、様々な仕事を行う可能性もあるためです。 ただし、開業届の場合は確定申告書と違い、代表的な職業を1つ書けばいいことになっているので、まずは自分の想定する仕事を整理した上で記入しましょう。

確定申告書ほど慎重にになる必要はありませんが、この時点でしっかりと職業を選択しておくと確定申告を行う際にも楽になるでしょう。

複数の仕事を行っている場合

農業をしながらWebライターとしても働いているなど、複数の仕事を行っているというケースもあるかと思います。

開業届は確定申告書と異なり、複数の仕事で収入を得ている場合でも、主たる収入となっている職業を1つ職業欄に記入するだけで問題ありません。もしも気になるようであれば、事業の概要に詳しく業務内容を記載するのもいいでしょう。

もしも主たる収入となる事業がなく、いずれの事業も同じくらいの収入を得ている場合は、収入の多い順に複数記入するとよいでしょう。 なお、書いた職業の順序によって税率が変わるなどということはないので、特に心配する必要はありません。

職業で支払う税金に違いがある

確定申告書を作成する際には職業欄にできるだけ正確な職業名を書かなくてはなりません。

これは、最初にも述べたとおり職業によって支払う税金に違いがあるためです。 ここでは職業によって異なる税金である「個人事業税」について詳しく解説します。

個人事業税

個人事業主の場合、所得税以外に個人事業税が課せられる場合があります。

個人事業税とは、地方税の一種で、個人で事業を営んでいる人に対して都道府県が課税する税金です。 所得税は国に納税するのに対して、個人事業税は地方自治体に納税するこになっています。個人事業税の課税対象となるのは法定業種(70種)のみで、それ以外の業種には課税されません。つまり、個人事業主であっても、業種によって課税されるものと、非課税のものが存在するということになります。

個人事業税の対象者

個人事業税の対象となるのは、所得が年間290万円を越えている個人事業主となります。

これは個人事業税には290万円の控除があるため、この額を越えていない事業主は納税の対象外となるからです。 さらに、すべての業種が対象というわけではなく、後述する70種類の法定業種に該当していることが対象要件となります。 つまり以下のすべてに該当する場合が個人事業税の対象者ということです。

  • 個人事業主である
  • 年間所得が290万円以上ある
  • 法定業種(70種類)に該当する

個人事業税の申告方法

個人事業税の課税対象者は、前年の事業所得を翌年の3月15日までに都道府県税事務所に申告する必要があります。

申告書については各事務所のホームページにてダウンロードが可能です。 ただし、所得税の確定申告を行っている個人事業主の場合は特に申請をする必要はなく、確定申告書にある事業税についての記入箇所に該当事項を記入するだけで済みます。

さらに自身で個人事業税の金額を計算する必要もありません。 所得税の確定申告書のデータが都道府県に届くため、個人事業税の課税対象者となっている場合は、都道府県税事務所が計算し納税通知書が送られてきます。

実査には青色申告をする場合がほとんどだと思われるため、個人事業税に関しては特に申請を気にする必要はないと言えます。

個人事業税の納税通知書

個人事業税の納税通知書は、毎年8月に都道府県税事務所から送られてきます。

1期(8月末期限)と2期(11月末期限)の2回に分けて納税するのが一般的ではありますが、地域によっては一括か分割でかの納税を選択できるようです。 ただし、8月に個人事業税の通知書が届かなかったからといって、自分は個人事業税の対象者ではないと判断するのは早いです。

初回納税者は送付が遅れる場合もあり、納税通知書が9月に届くこともあります。 もちろん、納税通知書が届くかどうかだけで、自分が納税対象者であるかどうかを判断するのもいいでしょうが、次に説明する計算式から算出し、ご自身が個人事業税の納税対象者であるかをしっかりと把握しておくことをオススメします。

個人事業税の計算方法

所得は収入から経費を差し引いた金額であり、さらにそこから各種控除額を差し引いた後の金額が課税対象の金額となります。したがって、個人事業税は以下のように算出します。

【青色申告の場合】 (収入 − 必要経費 − 事業専従者給与 – 青色申告特別控除 – 各種控除) × 税率 = 個人事業税

なお、個人事業税の対象者の項目でもご説明したとおり、個人事業税には290万円の控除(事業主控除)が適用されるのため、それも差し引いた上で税額を計算してください。事業期間が1年未満の場合には月割額となります。

個人事業税は経費計上が可能

所得税や住民税、消費税などは経費にはできませんが、個人事業税は経費計上が可能です。

これは個人事業主の税金の中でも特殊なものであり、支払った個人事業主は翌年の経費計上しても問題ないとなっています。 個人事業税を経費計上する場合の勘定科目は租税公課で計上します。

法定業種と税率

東京都の個人事業税の一覧を参考に、70種類の法定業種とその個人事業税の税率についてご紹介します。

第1種事業(37業種):税率5%

物品販売業、運送取扱業、料理店業、遊覧所業、保険業、船舶定係場業、飲食店業、商品取引業、金銭貸付業、倉庫業、周旋業、不動産売買業、物品貸付業、駐車場業、代理業、広告業、不動産貸付業、請負業、仲立業、興信所業、製造業、印刷業、問屋業、案内業、電気供給業、出版業、両替業、冠婚葬祭業、土石採取業、写真業、公衆浴場業(むし風呂等)、電気通信事業、席貸業、演劇興行業、運送業、旅館業、遊技場業

第2種事業(3業種):税率4%

畜産業、水産業、薪炭製造業

第3種事業(30業種):税率5%

医業、公証人業、設計監督者業、公衆浴場業(銭湯)、歯科医業、弁理士業、不動産鑑定業、歯科衛生士業、薬剤師業 税理士業、デザイン業、歯科技工士業、獣医業、公認会計士業、諸芸師匠業、測量士業、弁護士業、計理士業、理容業、土地家屋調査士業、司法書士業、社会保険労務士業、美容業、海事代理士業、行政書士業、コンサルタント業、クリーニング業、印刷製版業

第3種事業(30業種)の中で、あんま・マッサージ又は指圧・はり・きゅう・柔道整復・その他の医業に類する事業、装蹄師業については税率は3%になります。

個人事業税が非課税の職業

個人事業税が適用される法定業種についてご紹介しましたが、これに該当しなければ個人事業税は課せられないということになります。

以下がその一部です。

  • ライター
  • プログラマー
  • 芸術家
  • スポーツ選手
  • 音楽家

ただし、70ある法定業種に該当しないこれらの職業であったとしても、その業務内容によっては請負業やコンサルティング業と判断され課税されることもあります。

芸術家などの場合も、状況によってはデザイン業と判断され個人事業税が課せられる可能性はあります。

個人事業税のお尋ね

上で説明したとおり70業種の法定業種に該当しない場合は非課税となりますが、実際にはその判断は管轄の都道府県税事務所に委ねられます。

そのため中には事業内容を確認し、法定業種か業種外かを判断するために都道府県税事務所から「個人事業税のお尋ね」という書類が送られてくる場合があります。

質問事項については都道府県税事務所によって異なるようですが、基本的にはその事業内容を尋ねられることになります。 正確に実情を記入すれば問題はありませんが、不明な点がある場合には電話での確認もあるようなので、第三者にもわかりやすい記入を心掛けるとよいでしょう。

ここで曖昧な回答をすると非課税であるはずの個人事業税が課税されてしまう可能性もあるため、正しく判断してもらえるようにしっかりと記入することが大切です。

事業内容に変更があった場合

開業届で職業については届出したものの、途中でその事業内容に変更があった場合はどのように対処すればいいのでしょうか?

ここでは事業内容に変更があった場合の手続きの有無や注意点について詳しく説明します。

開業届の再提出は不要

事業内容に変更があった場合でも原則として開業届を再提出する必要はありません。

「個人事業の開業・廃業等届出書」の提出が必要となるのは、新しく事業を始めたときや、事業所などを新設、増設または移転したとき、もしくは事業を廃止したときとなっています。 そのため、開業届に記載した職業とは異なる業種に変更したり、業種を追加したりする場合であったとしても届出は不要です。

また屋号が変わったり、結婚や離婚などにより氏名が変わっても届出は必要ありません。 ただし住所変更に関してだけは、納税地にも変更があるかもしれないため届出が必要となる点には注意しましょう。

確定申告の際には注意が必要

これまで説明してきたように、最終的に個人事業税に関わってくるのは確定申告になります。

そのため、事業内容に変更があった場合、開業届の再提出は不要と述べましたが、確定申告書の記入には注意しましょう。 もしも事業内容に変更がある場合は、確定申告書の職業欄には変更後のものを記入する必要があります。

これは、職業が複数ある場合、開業届では主となる職業を1つだけ書けばいいのに対して、確定申告書では全ての職業を記入しなければならないことと同じ考え方に基づいています。

あくまでも、開業届はその人が課税対象の仕事をしているかどうかを判断するだけですが、確定申告においては、事業税率を計算することを目的としているためです。 また変更によって非課税対象となる事業がある場合には、確定申告書の事業税の欄の記入にも注意が必要です。

まとめ

確定申告書に書く職業については個人事業税の税率に深く関わってくる為、曖昧な表現は避け適切なものを記入するようにしましょう。

実際に行っていない業務内容を職業として記載してしまうと不必要な税金を支払う必要があるため注意が必要です。

開業届の段階から法定業種に目を通しどのような業種が存在するのかを理解した上で、自身の業務内容としっかり照らし合わせ選択することが大切です。

また、税額を総合的に判断しなければならない確定申告においては、複数の仕事を掛け持ちしている場合などはすべて記入することも忘れてはいけません。 ご自身の職業についてきちんと理解し、適切な職業を選択することで正しい納税を行うようにしましょう。

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