駐車場経営の確定申告ガイド【基本ルールを解説】

更新日:2020年02月10日 発注カテゴリ: 確定申告
駐車場経営の確定申告ガイド【基本ルールを解説】

利益が出れば確定申告の必要性が出てきます。駐車場経営でも同様です。とはいえ確定申告の手続きはフクザツでわかりにくいですよね?今回は「はじめて確定申告を行う」という駐車場経営者に向けて、確定申告の基本的なルールから解説!この記事を読めば確定申告の流れを把握することができ、スムーズに手続きが進むはず。

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※「駐車場経営の経費で認められるものって何?」といった駐車場経営の経費に関する疑問は以下の記事で解説中!

駐車場経営の経費とは?【計上OKとNGをカンタン解説】

駐車場経営の確定申告はどうしたらいい?

まず駐車場経営において、確定申告が必要かどうかを考えます。

給与収入(パートやバイト収入含む)と副業収入がある人は、副業の所得が20万円を超える場合について、確定申告を行う必要があります。

この場合、駐車場経営が副業の場合です。反対に駐車場経営が専業という場合は、収入に関係なく確定申告を行います(収入が少なくても確定申告をしたほうがよいという意味です)

メインの所得であれば38万円を超えなければ確定申告をしなくてもよいのですが、確定申告をしないと所得が確定しません。社会生活を送るうえで不便が生じるのでいずれにしても確定申告はしたほうがよいでしょう。※専業主婦でしたらこの限りではないかもしれません。

厳密には、所得が大切になります。所得というのは、収入から必要経費を引いたものです。そのため、個人事業主にとっては、売上げから必要経費を引いたもの、いわば「もうけ」と考えていいでしょう。

副業で事業を営んでいる方も同様で、事業の売上から必要経費を引いた金額が所得となります。所得は以下の計算式で求めることができます。

所得 = 売上 − 経費

給与所得者で、副業として年間60万円の売上があったとしても、必要経費が40万円以上の支出があった場合、所得は20万円以下となるので、確定申告を行う必要はありません。

ただし、確定申告をする必要はなくても売上げがあれば、記帳義務はあります。そのため、領収書などは保管しておかなければいけません。

また、事業の収入と支出の金額はわかるように記帳しておきましょう。

駐車場経営による税制メリットとは?

土地を所有していると何もしなくても固定資産税がかかります。更地のままでは、固定資産税がもっとも高い状態になっていまいます。

そうなると、何もしていなく土地を持っているというだけで、毎年高い固定資産税を支払わなくてはならないのです。そのため、売りに出すといった目的がないまま更地にしておいても、何も良いことはありません。

基本的には事業目的で更地にすることが多く、副業や事業目的であれば駐車場経営がもっとも効率的と言っていいでしょう。目的があるので固定資産税は安くなります。

駐車場にするための初期投資が必要になりますが、利用客が見込めるような立地であれば、数年で初期投資もペイすることができるでしょう。もっとも、事前の事業計画などは念入りに検討したほうがいいのは言うまでもありません。

集客が見込めるようであれば、更地の場合の固定資産税よりも終車場にしたほうが明らかに固定資産税は安くなるので、これが一番の税制上のメリットとなります。

更地の固定資産税が高いのは、住宅用地ではなく「非住宅用地」に分類されるからです。非住宅用地はオフィスビルや店舗などが含まれ、一般的に収益性の高い土地とされているため、固定資産税が高くなってもそれほど問題にならないのです。

所得税の軽減が可能

駐車場経営を行うと、さまざまなものが経費として計上できます。たとえば、固定資産税や駐車場の管理にかかった費用などです。

駐車場を経営して得られる収入(売上げ)は、確定申告を行わなければいけません。所得税は、他の事業で得た収入や給与所得で得た収入と合算で計算します。

仮に、駐車場経営における収入が必要経費よりも少なければ、その分所得税を軽減することができます。つまり節税になるということです。

駐車場経営は、一般的には他の土地活用方法(アパート経営等)と違って、税制面でのメリットは少ないとされています。一方で、初期投資も少ないので、経営が失敗したときのリスクも少ないといえるでしょう。

駐車場経営で得た収入の所得区分は?

メインの所得は給与所得。そうなると副業の所得は「雑所得」と考える人が少なくないようです。確かに「メインの収入ではないので副業は雑所得でいいのでは」と思いがちです。

しかし、副業であっても事業所得にしてもかまわないのです。国税庁のサイトが参考になるのですが、そこでは事業所得、雑所得について下記のように定義づけています。

事業所得とは

農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業から生ずる所得のこと。

雑所得

他の9種類の所得のいずれにも当たらない所得。公的年金等、非営業用貸金の利子、著述家や作家以外の人が受ける原稿料や印税、講演料や放送謝金などが該当。

※9種類の所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得のことです。

「事業所得」と「雑所得」のボーダーライン

「事業」の要件を満たしていれば「事業所得」、満たしていなければ「雑所得」と判断することができます。開業届を出していれば「事業所得」と考える人もいますが、開業届の「有無」と事業所得の関連性はありません。

あくまでも事業の要件を満たしているかが重要になります。事業の要件について定めた規定がありません。

そのため、過去の判例を参考に以下のように「事業性」を判断することになります。

  • 営利性・有償性の有無
  • 継続性・反復性の有無
  • 自己の危険と計算における事業遂行性の有無
  • その取引に費やした精神的・肉体的労力の程度
  • 人的・物的設備の有無
  • その取引の目的

その人の職歴・社会的地位・生活状況といったものを総合して、社会通念上事業と言える否かによって判断します。片手間に行う程度の業務であれば事業にあたらず、生業として取り組んでいれば事業と認める、といった判断でもよいようです。

特に営利性と継続性が認められれば事業所得と考えていいでしょう。

雑所得と事業所得の違い

雑所得と事業所得、所得の計算方法も必要経費の考え方も違いはありません。しかし、事業所得にできて雑所得にはできない事がいくつかあります。

損益通算

副業が赤字、つまり収入より経費の方が多かったケースを考えます。このとき、副業を雑所得にするか事業所得にするかで、税金の金額が異なるのです。

雑所得として赤字になった場合は、副業の所得は0となり、給与所得など他の所得に影響はありません。

一方、事業所得で赤字が出た場合は、給与所得と通算することができるのです。通算することで給与所得が減ります。

そうなると、所得税も安くなりますから結果的に節税できたことになるのです。

駐車場経営では不動産所得としても申告可能

駐車場経営には、事業所得と雑所得の他に不動産所得として確定申告をすることができます。一般的に、駐車場経営をしていて、駐車場経営者が停めている車を管理し、責任を持つ場合は事業所得(あるいは雑所得)となります。

いっぽうで、利用者に車を停めるスペースを提供しているだけで責任がない場合は不動産所得となるのです。駐車場には大きく月極駐車場とコインパーキングがあります。

コインパーキングの場合、駐車場内でのトラブルは個人の責任という立て看板を見ることがあると思います。また、コインパーキングの多く(ほとんど)は、管理者が常駐していません。

このことから、コインパーキングの経営をする人の多くは不動産所得といっていいでしょう。事業所得の場合は、駐車場の入り口を規制し、管理者を置く場合、50台以上を運営している事業規模が一般的です。

不動産所得も事業所得と同様に給与所得と損益通算で確定申告(青色申告)をすることができます。

不動産所得の人が青色申告をする場合

駐車場経営を不動産所得として確定申告する場合、管理者がいないことが大前提となります。その上で、駐車場内に50台以上の車が停められること、あるいは駐車場が立体駐車場のような建物であることです。

不動産所得で申告する場合は、どちらかを満たさなければいけません。そして、不動産所得での確定申告は、控除額の多い青色申告がおすすめです。

ただし、駐車場の規模が小さく、平面に10〜20台ほどのスペースを確保しての駐車場経営の場合は、簡易的な確定申告で済む、10万円控除の青色申告でも大丈夫です。

駐車場経営の形態は月極駐車場?それともコインパーキング?

駐車場経営の形態についてご説明します。駐車場経営には、大きく次の形態があります。

  • 月極駐車場
  • コインパーキング

コインパーキングは時間貸しとなりますが、コインパーキングを月極として利用している人も少なくないようです。さらに、平面駐車場か立体駐車場かでは、初期投資に大きな違いがあります。

一般的にどちらも売上げ(収入)の上限というのが決まってくる経営形態になります。それでも、コインパーキングのほうが売上げの上限が高い、すなわち稼ぐことができると考えていいでしょう。

もっとも、コインパーキングの場合は設備面、とくに初期投資が大きくなりますし月々の管理費など経費がかさみます。さらに、コインパーキングの場合、賃料の未払いは起きにくいといったメリットがあります。

反対に月極駐車場の場合、料金の未払いが生じた場合のリスクが大きいことも考えたほうがいいでしょう。料金の未払いが生じても税務上は利益計上しなくてはいけません。

つまり、未払いでも支払ってくれたものとして売上げとしてあげなくてはいけないということです。あってはならないことですが、そういったリスクにも月極駐車場経営の場合は注意が必要となります。

駐車場の形態と所得区分

月極駐車場とコインパーキングでは所得区分が異なります。所得区分はそれぞれ以下のようになります。

  • 月極駐車場 : 不動産所得
  • コインパーキング : 事業所得または雑所得

この違いによって、所得金額の計算に影響を及ぼすのです。

※所得金額 = 賃貸収入 − 必要経費 − 青色申告特別控除(10万円または65万円)

月極駐車場の場合

月極駐車場経営は不動産所得になるため、青色申告を申請すれば青色申告特別控除の適用が受けられます。事業的規模かどうかに応じて実際に所得金額から控除できる金額が変わってきます。

  • 事業的規模の場合 : 65万円
  • 事業的規模でない場合 : 10万円

一般的に青色申告での確定申告では、単式簿記か複式簿記かの記帳と損益計算書等の書類提出で、10万円控除か65万円控除かが分かれます。不動産所得の場合、これに事業的規模が加味されるのです。

月極駐車場の事業的規模がどれくらいかを判断する場合、「自動車5台=アパート等1室」でカウントすることが一般的です。

つまり、事業的規模の条件を満たす駐車場でしたら、50台の駐車が必要になると考えていいでしょう。

コインパーキングの場合

コインパーキングの事業的規模かどうかで所得の種類が異なります。月極駐車場の場合は、不動産所得一択だったのですが、コインパーキングの場合は、事業所得か雑所得かに分けられるのです。

  • 事業的規模 : 事業所得
  • 事業的規模でない : 雑所得

青色申告特別控除の金額は次の通りです。

  • 事業的規模の場合 : 65万円
  • 事業的規模でない場合 : 適用できない(※雑所得は青色申告が認められないため)

駐車場経営の確定申告には経費の計上も必要

確定申告は一年分の収入(売上)だけでなく、経費も計上しなくてはいけません。経費は駐車場経営にあたって発生する支出のことです。

自分で駐車場経営を行う場合、駐車場経営に関するもののみが経費として計上できます。そのため、以下のものは経費として計上できます。

  • コンクリートに舗装した舗装台
  • 精算機の電気代
  • 監視カメラや街灯の電気代

以上の経費は明らかに駐車場経営に関するものです。特に、駐車場経営の初期投資に関するものはすべて経費計上できると考えていいでしょう。

他には以下のものも経費計上してもいいでしょう。

  • 広告宣伝費
  • 修繕費
  • 減価償却費
  • 損害保険料
  • 通信費
  • 消耗品費
  • 事務用品費
  • 水道光熱費

これらも、駐車場経営の経費として計上できます。

少し考えなくてはいけないのが以下の経費です。

  • 給与手当
  • 旅費交通費
  • 地代家賃
  • 賃借料
  • 荷造運賃
  • 新聞図書費
  • 接待交際費
  • 車両費

これらも経費計上できそうですが、不動産所得として確定申告をする場合は、経費として計上できません。一般的に駐車場経営においての不動産所得の経費は、ほぼ固定されていて毎年変わることはほぼありません。

経費は売上から引かれます。

先述していますが、所得 = 売上 ― 経費 となります。この所得額に応じて納税する税金額が決まってきます。

このことから、経費が多ければ多いほど所得が少なくなります。結果として節税することができるのです。

そのため、経費として計上できるものはすべて計上しておかないと、税金を安くすることができません。その点には注意が必要です。

経費に上限はないのでできるだけ経費計上したいのですが、経費として認められないものもあるので、その点には十分注意しましょう。

わからないところは税理士に問い合わせるようにします。

駐車場経営をしているサラリーマンの確定申告について

駐車場経営を副業とする会社員の確定申告について。

余っている土地があれば手軽に有効活用できるので、会社員の副業として駐車場経営が人気です。会社員が副業として駐車場経営を行う場合、給与以外の所得が年間20万円を超えれば確定申告の対象となります。

これを逆に考えれば、年間20万円以下であれば確定申告をする必要がないということになります。

先述したことをまとめてみます。

  • |鷦崗豬弍弔侶疎
  • 駐車場の規模
  • 所得の種類
  • そ蠧世亮鑪
  • ネ汁杤蠧

以上の5つです。

駐車場が月極駐車場なのかコインパーキングなのか。それによって、不動産所得かあるいは事業所得・雑所得に分けられます。

さらに駐車台数が重要になってきます。ボーダーラインは50台と考えるといいでしょう。

そして予想所得です。月極駐車場でしたら年間の売上額の予想は簡単にわかるでしょう。

コインパーキングについても、月々の売り上げから年間の予想所得額を計算することができます。会社員の場合は、駐車場経営の所得(給与以外の所得の合計)が20万円以下なら確定申告をする必要がありません。

認められる経費を上積みすることで、確定申告をしなくてもよい場合もあります。そのため、経費の考え方も重要になってくるのでしっかりとした知識を持つようにしましょう。

駐車場の車に対して責任を持つ場合について

責任を持つ場合は事業所得にすることができます。傷や盗難などに対して、保証をしたり予防をしたりする場合についても事業所得とすることができるのです。

そのため、フェンスや監視カメラといった防犯設備を施す場合は、これらは当然経費となります。責任を持たず、駐車場の土地を貸しているだけの場合は、不動産所得となります。

責任の所在によっても所得が分かれる場合もあります。判断が分かれる部分もあるので、これについても税理士に問い合わせてみるのもよいでしょう。

基本的には、自分でしっかりと説明できることが大切です。

※税務調査の場合でも、説明が妥当な場合は経費計上が認められるケースもあります。

まとめ

駐車場経営については、駐車場の形態がとても大切になります。それによって大まかに所得が分かれます。

場合によっては、駐車場の形態よりも不動産所得かそれ以外といったことにもなるでしょう。それによって、経費計上できる範囲も変わってきます。

駐車場経営となると、確定申告が大変と思いがちですが、基本を押さえておくととてもシンプルであることが分かります。とはいっても、初めての確定申告となると何をどうしていいのかわからなくなるものです。

特に、初年度は初期投資が大きくなり、駐車場経営としての所得がマイナスになるケースが少なくありません。雑所得の場合はマイナスはゼロと考えなくてはいけないのですが、不動産所得や雑所得の場合は損益通算ができます。

ただし、不動産所得でも娯楽目的の場合は損益通算できないことになっています。駐車場経営で娯楽目的ということはないかもしれませんが、不動産所得の場合は、ある程度条件が厳しくなっているので、その点に注意が必要です。

駐車場形態や所得区分、駐車場の規模によって確定申告の内容が変わってきます。一方でそれらが分かれば、確定申告自体はそれほど難しいものではありません。

そのため、自分自身で確定申告ができます。わからないところは、税理士事務所の無料相談などを利用するレベルでも問題ないでしょう。

反対に、事業規模が大きい場合でしたら、税理士に確定申告を一任するのも一つの方法です。

税理士に相談する場合は「比較」が大切

なお、税理士に依頼する際は複数の事務所と比較するようにしましょう。理由は2つあります。

  • 事務所によって費用が異なるため
  • 税理士によって得意・不得意があるため

税理士事務所によって費用が異なります。1つの事務所だけに相談すると相場より高い料金を支払うリスクがあります。

また税理士によって「確定申告より税務調査対応が得意」という場合もあります。複数の事務所に相談して準確定申告が得意な税理士を探したほうが後のトラブルも少ないはず。

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以下の記事は駐車場経営における経費のOK・NG事例を解説しているので、申告作業でミスしたくない人はぜひ確認してみてください。

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