準確定申告|不要な場合・必要な場合・した方がいい場合・確定申告との違い

更新日:2021年12月03日 発注カテゴリ: 確定申告
準確定申告|不要な場合・必要な場合・した方がいい場合・確定申告との違い

企業の被雇用者として定期的な収入がある人が亡くなった場合、基本的に親族が準確定申告を行う必要があります。では、故人が年金生活者であった場合、準確定申告は必要となるのでしょうか。また、未払いの年金がある場合には誰が生活者となるのかといった点についても考察してみましょう。

準確定申告と確定申告の違い

準確定申告は、亡くなった方の相続人が本人に代わって確定申告する手続きであるため、通常の確定申告と手続き自体が大幅に変わるということはありません。

ただし冒頭でも触れたように、準確定申告と確定申告では、申告期限をはじめとしたいくつかの点で異なるところが見られます。両者の違いを簡単にまとめておきましょう。

  準確定申告 確定申告
申告期限 相続開始の翌日から4か月以内 1月1日から12月31日までの所得を翌2月16から3月15日までに申告
申告者 相続人全員 納税者本人
保険・医療費の控除 本人が亡くなった当日までに支払った金額 1年間の通算金額
配偶者控除・扶養控除 亡くなった当日までが対象 12月31日までが対象

参照元:国税庁「No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)」

そもそも確定申告とは

確定申告とは、1月1日から12月31日までに得られた所得を計算し、翌2月16日から3月15日までの間に確定した所得税を申告・納税する手続きのこと。所得のあるすべての方が対象ではありますが、給与所得者の多くは確定申告が不要です。同じように、準確定申告が不要な方も少なくありません。

準確定申告が不要な場合

それでは、準確定申告が不要なのはどのような場合なのか?大きくは下記の3つでしょう。

  • 亡くなった方が年末調整を受ける給与所得者
  • 亡くなった方が確定申告の要件を満たさない年金受給者
  • 自身(相続人)が相続放棄

以下からそれぞれを簡単に解説していきましょう。

亡くなった方が年末調整を受ける給与所得者

亡くなった方が源泉徴収されている会社員・派遣社員・パート・アルバイトなどの給与所得者で、会社が年末調整を行っている場合、準確定申告は不要です。

これは年末調整によって、毎月の給与から源泉徴収として差し引かれる所得税の「過不足が調整」されているから。所得・所得税の確定・納税が済んでいるため、準確定申告が不要だということになります。

また、亡くなった方が給与所得以外の収入を得ていた場合でも、副業所得の合計が20万円以下であれば準確定申告は不要です。これは、給与所得者の副業所得が20万円以下であれば確定申告不要というルールがあるため。所得とは、収入から「収入を得るために使った必要経費」を差し引いて残った利益のことです。

亡くなった方が確定申告不要制度の年金受給者

亡くなった方が、公的年金の年間受給額400万円以下の年金受給者で、年金以外の所得が20万円以下の場合、準確定申告は不要です。

これは、公的年金から所得税があらかじめ源泉徴収されているほかに、上述した要件に当てはまる公的年金受給者を対象にした「確定申告不要制度」が用意されているからです。

参照元:国税庁「No.1600 公的年金等の課税関係」

亡くなった方が公的年金をどのくらい受給していたのか?不明な場合は、「年金振込通知書などを確認する」「年金事務所で年金支払い通知書・源泉徴収票を再交付してもらう」などで確認可能。日本年金機構のホームページから各種通知を確認することも可能です。

参照元:日本年金機構「年金支払いに関する通知書確認方法」

相続人が相続放棄した

亡くなった方の家族・親族が相続放棄した場合、相続人としての権利・義務を放棄した当人は準確定申告が不要です。ただし、準確定申告は相続人全員での手続きが必要になるため、相続放棄した当人以外の相続人が存在する場合は、残った相続人全員で準確定申告しなければなりません。

準確定申告が必要な場合

ここまでで、準確定申告が不要な場合をパターンごとに解説してきましたが、基本的に準確定申告が不要になるのは「確定申告が不要な場合」とイコールであることにお気付きでしょう。逆にいえば、準確定申告が必要になるのは「確定申告が必要な場合」とほぼイコールだと考えておけば間違いありません。

具体的には、亡くなった方が「確定申告が必要な給与所得者」「個人事業主、自営業者」「確定申告不要制度が適用されない年金受給者」の場合、準確定申告が必要です。

亡くなった方が確定申告が必要な給与所得者

亡くなった方が確定申告が必要な給与所得者だった場合、準確定申告の手続きをしなければなりません。たとえば、年末調整を受ける会社員であっても、給与所得が2,000万円を超える方であれば、確定申告する必要があることは広く知られています。

そのほかにも、亡くなった方が2か所以上から給与を受け取っていた(本業で源泉徴収を受け、副業で20万円を超える収入があった)場合、給与所得のほかに20万円を超える所得(雑所得・事業所得・不動産所得などの合計)があった場合、源泉徴収されない退職所得があった場合などは、準確定申告が必要です。

参照元:国税庁「確定申告が必要な方」

亡くなった方が個人事業主・自営業者

亡くなった方が個人事業主、自営業者であった場合はそもそも確定申告が必須であるため、準確定申告する必要があります。もちろん、個人事業主・自営業者以外にも、不動産所得・譲渡所得・山林所得などがあり、各種控除金額を差し引いて「課税所得」が残るようであれば、確定申告して所得税を納付する必要があるため、準確定申告しなければなりません。

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亡くなった方が確定申告不要制度が適用されない年金受給者

亡くなった方が、公的年金の年間受給額400万円を超える年金受給者、あるいは年金以外の所得が20万円を超える場合、準確定申告する必要があります。これは上述した年金受給者に対する確定申告不要制度が適用されないためです。

なお、公的年金とは国民年金・厚生年金、公務員などの共済組合年金などのほか、過去に勤務していた会社から支払われる年金、国民年金・厚生年金に準じた海外からの年金なども含まれます。

前年度の準確定申告も必要になる場合

ここまで、準確定申告が必要な場合をパターンごとに解説してきましたが、必要な要件に当てはまる方は、もうひとつ注意しておきたいポイントがあります。それは、状況によっては前年度分も含め、準確定申告を2回しなければならない場合があることです。

確定申告が1月1日から12月31日までの所得を、翌2月16日から3月15日までに申告して所得税を納付するものであることは紹介しましたが、納税者の方が亡くなった時期によっては確定申告できないことがあります。

一方、準確定申告は相続開始の翌日から4か月以内に手続きしなければなりません。たとえば、納税者の方がかくて申告せずに2月1日に亡くなってしまった場合、前年度の分を合わせ、6月1日までに2回分の準確定申告を済ませる必要があります。また、原則として準確定申告の延期は認められていないことにも注意が必要です。

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準確定申告が不要だがした方がいい場合

慌ただしくさまざまな手続きを進めなければならない時期でもあるため、不要ならば準確定申告はやりたくないと考える方が多いかもしれません。しかし、準確定申告が不要であっても、申告することによって還付金が得られる場合もあります。具体的には、亡くなった方が、

  • 年の途中で退社して年末調整を受けていない
  • 生前に高額な医療費を支払っている
  • 配偶者・扶養控除などの各種控除が受けられる

場合などです。こうしたパターンでは、準確定申告が不要でも手続きを進めた方がいいかもしれません。以下からそれぞれのパターンを簡単に解説していきます。

亡くなった方が年の途中で退社して年末調整を受けていない

亡くなった方が年の途中で会社を退社していた場合、年末調整を受けていないことによって源泉徴収(所得税)を払い過ぎている可能性があります。この場合は、準確定申告することにより、払い過ぎた所得税が還付されることがあります。

これは、源泉徴収で差し引かれる所得税額が、概算で計算されているため。準確定申告で最終的な課税所得と納税額を確定させることで、支払い済み所得税との差額が還付されるのです。

たとえば、毎月の給与から源泉徴収されていても、給与総額が103万円に満たなければ、源泉徴収で支払った所得税は全額還付されます。

亡くなった方の医療費が高額だった

病院で支払った医療費、セルフメディケーション対象の医薬品などを含め、亡くなった方が生前使った医療費が高額(10万円以上)だった場合、準確定申告することによって医療費控除を受けられる場合があります。

ただし、セルフメディケーション対象の医薬品を控除対象として申請するためには、購入したドラッグストアなどのレシート・領収書が必要となります。準確定申告と確定申告の違いでも解説したように、医療費控除・還付の対象となるのは「納税者が亡くなった当日までに支払った分」に限られます。

配偶者控除・扶養控除・雑損控除・特定寄付などの控除を受ける

準確定申告することにより、配偶者控除・扶養控除などの各種控除が得られ所得税が還付される場合があります。ただし、配偶者控除・扶養控除が適用されるのは、納税者である方が亡くなった当日までとなります。

雑損控除とは、自然災害や盗難などで故人の資産に損害があった場合に得られる控除。対象となる団体へ寄付することによって所得税控除が得られるのが「特定寄付」です。これらの各種控除は、準確定申告することによってしか得られませんので注意しましょう。

必要にもかかわらず準確定申告しなかった場合は?

準確定申告が不要な場合・必要な場合・不要だがした方がいい場合、それぞれをパターンごとに解説してきました。それでは、準確定申告が必要であるにもかかわらず手続きを怠った場合はどうなるのでしょうか?

所得税の納税は日本国民の義務であるため、準確定申告を含め、要件に当てはまる方はすべて確定申告しなければなりません。必要であるにもかかわらず準確定申告を怠れば、申告を怠ったことに対する「無申告加算税」、申告期限を過ぎた日数に対する「延滞税」などのペナルティを課される可能性があります。

特に準確定申告は通常の確定申告よりもスケジュールがタイトになってしまう為、不要・必要の判断を含め、早めに行動に移すことが重要となります。

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準確定申告に必要な書類・手続き

それでは、準確定申告はどのような手順で手続きを進めればいいのか?申告に必要な書類はなにか?簡単に解説しておきましょう。

申告期限・申告者が異なるという大きな違いのほかは、準確定申告の手続きが確定申告と大きく変わることはありません。

  • 年金や給与の源泉徴収票
  • 経費のわかる書類
  • 亡くなった方の所得種類に合わせて「確定申告書A」「確定申告書B」を入手・作成

ただし、準確定申告は相続人全員で手続きする必要があるため、相続人が複数存在する場合は「確定申告書付表」の入手・作成が必要になる場合もあります。

準確定申告によくある疑問と回答

手続き自体がそれほど変わらないとはいえ、確定申告に不慣れな方であれば、準確定申告に関連する様々な疑問を感じていることも多いでしょう。そこで以下からは、準確定申告の手続きを進めるにあたってよくある疑問と、その回答を紹介していきましょう。

Q:だれが準確定申告する?確定申告書付表とは?

準確定申告は、亡くなった方の代わりに相続人が確定申告する手続きです。相続人がひとりの場合は当人が、複数の相続人が存在する場合は全員で準確定申告します。

確定申告書付表とは、相続人が複数存在する場合に確定申告書とともに提出する書類のこと。相続人全員が連署する必要があります。

ダウンロード先:国税庁「確定申告付表」

また、準確定申告によって所得税の還付金を、相続人の代表者が一括して受け取りたい場合は、確定申告書付表とともに「委任状」の作成・添付も必要です。

ダウンロード先:国税庁「委任状(準確定申告用)」

Q:納税額を負担するのはだれ?

準確定申告の結果として納税すべき所得税が生じた場合は、法定相続分に応じてそれぞれの相続人が負担して納付します。遺言、または遺産分割協議によって相続分が決定している場合は、それに従った相続分に応じて各相続人が負担して納付します。

Q:準確定申告の還付金は相続税の対象?

準確定申告の結果として所得税の還付が得られた場合は、税金の負担と同様、法定相続分または遺言・遺産分割協議によって定められた相続分に応じ、各相続人に分配されます。ただし、還付された所得税は相続税の対象となるため、改めて相続税の申告が必要です。

Q:亡くなった方の事業を相続人が継承するには?

亡くなった方が青色申告事業者として展開していた事業を相続人が継承し、確定申告を青色申告するには、事業継承した相続人が改めて青色申告承認申請書を税務署に提出する必要があります。

この場合、青色申告承認申請書の提出には期限が設けられているため注意が必要。相続を開始した日(亡くなった日)に応じた提出期限は以下の通りです。

相続を開始した日が1月1日〜8月31日 相続開始の翌日から4か月以内
相続を開始した日が9月1日〜10月31日 その年の12月31日まで
相続を開始した日が11月1日〜12月31日 翌年の2月15日まで

Q:準確定申告を専門家に委任するには?

通常の確定申告よりもスケジュールがタイトなため、準確定申告を自身で手続きすることが難しいと考える方も少なくないかもしれません。もちろん、準確定申告の手続き関連を税理士に依頼することは可能ですが、「税務代理権限証書」が必要であることに注意です。

税理士に依頼すべきかどうか?そもそも準確定申告が不要なのか?必要なのか?判断が遅れてしまう、税務代理権限証書の存在を知らなかったなどの要因によって、申告期限に間に合わなくなってしまうことも考えられます。何度も繰り返すように、準確定申告では早めの判断・行動が重要です。

参照元:国税庁「[手続名]税務代理の権限の明示」

まとめ

準確定申告とはなにか?突然のことで、なにもわからない準確定申告の概要や仕組みが知りたいという方に向け、本記事では、どんな場合に準確定申告が不要なのか?必要なのはどんな場合なのか?不要だが準確定申告した方がいい場合も含めて解説してきました。

仕組みとしては通常の確定申告と変わるところはありませんが、申告者が異なること、なによりも厳密な申告期限が設けられていることが準確定申告最大の特徴。準確定申告が不要なのか?必要なのかの判断も含め、早い段階で税務のスペシャリストである税理士に相談してみるのもひとつの方法です。

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