故人の不動産所得は準確定申告が必要!申告すべきケースとやり方を解説

小西裕也税理士事務所
監修者
小西裕也税理士事務所 税理士 小西裕也
最終更新日:2023年05月19日
故人の不動産所得は準確定申告が必要!申告すべきケースとやり方を解説
この記事で解決できるお悩み
  • 故人の不動産所得は準確定申告が必要なの?
  • 故人の不動産所得について準確定申告するやり方は?
  • 準確定申告の計上期間や経費になる支出とは?

「故人の不動産所得に関する準確定申告について知りたい」個人事業主や中小企業の方は、そのような悩みを抱えていませんか?

準確定申告は聞き慣れない言葉ですが、必要になることがあるためいざというときのために知識を身につけておくことが大切です。

この記事では、故人の不動産所得に関する準確定申告について解説します。この記事を読み終わった頃には、準確定申告の基本的な知識が身につき、正しく手続きできる準備ができているでしょう。

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準確定申告とはいったい何?

準確定申告とは、亡くなった人の生前の収入に対する所得税を申告することです。当然、亡くなった人は自分の所得について申告できないので、相続人が全員で確定申告を行わなければなりません。

  • 準確定申告の申告期限

    相続が発生したことを知った日の翌日から4ヶ月以内に準確定申告を行う必要があります。

  • 準確定申告の注意点

    準確定申告は、通常の確定申告とは異なる点が多くあるので、申告する際には注意すべきです。たとえば、不動産所得などがあった場合の準確定申告では、相続人全員の連署・押印が必要で、保険料や医療費の控除などのルールも異なります。

以下の記事では、準確定申告が必要なケース、不要なケースについて解説しています。準確定申告を基本的なことから知りたい方はぜひ、ご一読ください。

準確定申告が必要なケース

準確定申告が必要になる場合は以下のとおりです。

  • 自営業をしていた場合
  • 2か所以上から給与所得を得ていた場合
  • 48万円以上の不動産所得を得ていた場合
  • 2,000万円以上の給与所得があった場合
  • 400万円以上の年金受給があった場合

とくに48万円を超える不動産所得を得ていて、亡くなる前年に確定申告をしていたケースでは、高い確率で準確定申告が必要となるでしょう。

準確定申告が不要なケース

準確定申告が不要になる場合は以下のとおりです。

  • 1か所のみで給与所得があった場合
  • 不動産所得が48万円以下だった場合

準確定申告の必要かどうかの確認方法

準確定申告が必要かどうかについて、わかりにくいケースも存在します。複雑なケースの場合、法定相続人だけでは準確定申告が必要かどうか判断するのは難しいでしょう。

必要に応じて、国税庁の「確定申告が必要な方」を参照し、準確定申告を行うか検討すべきです。

参照元:国税庁「納税者が死亡したときの確定申告(準確定申)」

準確定申告における不動産所得の考え方

不動産所得がある場合の準確定申告は、1月1日から故人が亡くなった日までの所得について申告するのが前提です。しかし準確定申告は、通常の確定申告の申告期限である3月15日を基準にして、3つのパターンが存在します。

では、準確定申告における不動産所得の考え方の3パターンを見ていきましょう。

  • 3月15日以降に故人が亡くなったパターン
  • 3月15日以前に故人が亡くなり前年の確定申告が完了しているパターン
  • 3月15日以前に故人が亡くなり前年の確定申告が完了していないパターン

3月15日以降に故人が亡くなったパターン

この場合、1月1日から亡くなった日までの不動産所得や他の所得を計算してから、準確定申告を行います。

故人の前年の確定申告は3月15日に完了しているはずなので、故人が亡くなって相続が発生したことを知った日の翌日から4ヶ月以内に準確定申告を行いましょう。

3月15日以前に故人が亡くなり前年の確定申告が完了しているパターン

このケースも、前年の確定申告が終わっているので、1月1日から亡くなった日までの準確定申告を行いましょう。

準確定申告の申告期限は相続が発生したことを知った日の翌日から4ヶ月までなので、翌年の2月16日から3月15日までではないことを覚えておくべきです。

3月15日以前に故人が亡くなり前年の確定申告が完了していないパターン

この場合、相続人は故人の前年の準確定申告と、1月1日から亡くなった日までの準確定申告を別々に行わなければなりません。相続人全員で2つの準確定申告を行わなければならないので、やや負担が重くなります。

ただし準確定申告の申告期限は、前年分のものも相続が発生したことを知った日の翌日から4ヶ月までなので、十分時間があることを覚えておきましょう。

準確定申告における不動産所得の計上期間

不動産所得がある準確定申告の場合、どの期間の所得を計上すべきか知っておかなければなりません。計上する期間によって、故人の所得と相続人の所得が変わり、それぞれの確定申告の内容が変化するからです。

では、準確定申告における不動産所得の計上期間を2つに分けて見ていきましょう。

1. 原則は支払期日到来分

準確定申告の原則として、故人の不動産所得は支払期日到来分を申告すべきです。アパートなどの賃貸契約では、支払期日が契約書によって決められています。支払期日が過ぎているものは故人の不動産所得として計上しなければなりません。

たとえば、契約書に支払期日が月末であると記載されているとします。故人が6月15日に亡くなったとすれば、5月末までに請求した家賃収入が所得です。原則として不動産所得を日割りにして故人と相続人で按分する処理は必要ありません。

家賃が滞納されていたら?

契約書に記載されている支払期日が到来しているかどうかで準確定申告の不動産所得が決まるので、実際に家賃が支払われたかどうかの確認は不要です。万が一家賃が滞納されていても、家賃が支払われたものとして不動産所得を計算します。

2. 不動産所得を日割りで計上できるケース

特殊なケースでは日割りで故人の所得を計上することができます。その例外とは、貸借対照表や損益計算書、帳簿を継続的に作成している場合です。

とくに故人が準確定申告のことも考えて事業を行っていた場合には、継続的な記帳が行われる可能性があります。「1. 原則は支払期日到来分」の例でいえば、帳簿に記載されている6月1日から15日までの不動産所得を準確定申告で計上しなければなりません。

2つのルール比較

不動産所得がある場合の準確定申告では、原則的に支払期日到来分を所得として計上、例外的に日割り計算で計上することになります。では、この2つのルールでどのような違いがあるのでしょうか。

契約書には月末に家賃を支払うと明記されており、家賃を10万円、故人が6月15日に亡くなったとしましょう。

原則的に支払期日到来分を所得として計上する場合

支払期日到来分を所得とすれば、5月31日までに支払われた50万円から経費を引いた金額が不動産所得として計上されます。

例外的に日割り計算で計上する場合

故人が継続的に記帳を行っていた場合には日割り計算が可能なので、5月31日までの50万円に加えて、6月1日から15日までの不動産所得も含まれるでしょう。6月は30日まであるので、15日までの不動産所得は半分、つまり5万円が足され、合計55万円となります。

この5万円が個人の準確定申告に含まれるか、相続人の確定申告に含まれるかによって所得税額が変わってくる可能性がある点に注意しましょう。

準確定申告で不動産所得の経費に計上できる6つの支出

  • 租税公課
  • 損害保険料
  • 修繕費
  • 減価償却費
  • 管理費
  • ローンの利息

不動産所得がある故人の準確定申告を行う場合、納める所得税を少しでも減らすために効果的なのが経費の計上です。経費を多く計上すれば、それだけ利益が圧縮され、所得税額を減らせる可能性があります。

租税公課

準確定申告で不動産の経費にできる代表的な支出は、租税公課でしょう。不動産所得では多くの税金を支払わなければならず、所有している不動産によってはかなりの金額に上ります。故人がすでに支払っており、経費に計上できる可能性がある租税公課には以下のようなものがあります。

  • 固定資産税

    所有している土地や建物にかかる税金です。固定資産税は、1月1日時点で不動産の所有者だった方に課税されます。通常5月頃に固定資産納税通知書が送付され、4回に分けて納付しなければなりません。固定資産納税通知書が相続開始の時点で手元にあるかどうかで、経費の取り扱いが変わる点に注意が必要です。

  • 都市計画税

    故人が所有していた不動産が市街化区域内にあった場合には、都市計画税が課税されます。通常は4月から6月頃に納税通知書が送付され、固定資産税と併せて納付することになるでしょう。

  • 自動車税

    自動車税は所有している車の排気量に応じて課税される税金です。故人が不動産の管理のために自動車を使っていた、新たに購入する不動産を見るために車で移動していたといったケースでは、自動車税も事業に使っていた按分で経費計上できます。

  • 不動産取得税

    不動産取得税は、購入や贈与によって不動産を取得した時に課税される税金です。1月1日から亡くなるまでに新たな不動産を購入していたのであれば、不動産取得税が経費にある可能性があります。

  • 登録免許税・印紙税

    登録免許税は、不動産を購入した場合に必要な税金です。不動産の購入では所有権移転登記が必要になるため、登録免許税が必要になります。さらに、登記や他の申請の際に収入印紙を購入しなければならないので、印紙税もかかるでしょう。こうした支出は準確定申告で経費として計上できます。

  • 個人事業税

    不動産貸付業が事業的規模であると判断された場合には、個人事業税を支払わなければなりません。事業的規模かどうかは自治体によって判断が異なりますが、一戸建ての住宅10棟以上もしくは10室以上のアパートの場合には事業的規模と認定されることが多いです。個人事業税も準確定申告で経費として計上できます。

損害保険料

不動産経営には損害保険への加入が欠かせませんが、支払った保険料は経費として申告できます。たとえば、火災保険料や地震保険料、施設賠償保険料などは経費計上可能です。ただし、故人が数年分の保険料をまとめて支払っていた場合には、故人が亡くなった年の保険料のみが経費となります。

修繕費

故人が亡くなった年に、アパートや賃貸住宅の修繕が行われていた場合、修繕費も経費として計上可能です。たとえば、住人が退去した場合のクリーニング代、共用部分の電球の交換、排水溝の清掃代、外壁の塗装代などが該当します。ただし、新しいエアコンを入れたり耐震工事をしたりした場合には、資本的支出に該当することもあるので注意が必要です。

減価償却費

準確定申告で大きな経費となりえるのが減価償却費です。アパートを購入したり、設備投資をしたりした場合、その支出を一度にすべて経費にはできません。国税庁が定める法定耐用年数で支出を割り、毎年経費として計上します。アパート購入費や設備投資費はかなりの額になるので、必ず経費に計上して賢く節税しましょう。

管理費

故人が不動産の管理を管理会社に委託していたり、自分でアパートを管理する際に支出があったりした場合には管理費を経費として計上できます。共用部分の保守点検、清掃費用、管理会社への管理委託費用などもすべて経費です。

ローンの利息

故人が融資を受けて不動産所得を得ていた場合、返済にかかった利息は経費となります。ただし、返済した元金は経費にならないので注意しましょう。

不動産所得がある場合の準確定申告のやり方

  1. 相続人の代表者を決める
  2. 必要書類を揃える
  3. 書類を作成する
  4. 書類を提出する

故人に不動産所得があった場合、相続人全員で準確定申告を行わなければなりません。相続が発生してから慌てることがないよう、あらかじめ準確定申告の方法について知っておくことは重要です。

1. 相続人の代表者を決める

準確定申告の第一ステップは、相続人の代表者を決めることです。準確定申告を行う際、法定相続人が複数人いる場合、相続人の代表者が書類を作成し、相続人全員の連署によってまとめて申告する方法と相続人一人ひとりが個別に行う2つの方法があります。

相続人一人ひとりが個別に行う場合

相続人一人ひとりが個別に準確定申告の必要書類を作成する場合、申告書の内容に齟齬がないか他の相続人と確認しなければならないため多くの手間がかかります。準確定申告は故人が亡くなって相続が発生したことを知った日の翌日から4ヶ月以内に行わなければならないので、相続人の代表者を選んで必要書類の作成を依頼した方がはるかに効率的です。

2. 必要書類を揃える

相続人の代表者が決まったら、必要に応じて以下の必要書類を揃えましょう。

  • 確定申告書
  • 被相続人の源泉徴収票
  • 被相続人の控除証明書
  • 被相続人の医療費の領収書
  • 相続人全員のマイナンバーや本人確認書類
  • 押印がある委任状
  • 箇条書き

確定申告書

確定申告書にはAとBがありますが、Aは給与所得者向けのものなので、確定申告書Bを用いましょう。さらに青色申告の場合には青色申告決算書、白色申告の場合には収支内訳書が必要です。

その他の書類

確定申告書Bに加えて、もしあれば被相続人の源泉徴収票、被相続人の控除証明書、被相続人の医療費の領収書といった書類も用意しましょう。相続人が複数いる場合、相続人全員のマイナンバーや本人確認書類、押印がある委任状も添付する必要があります。書類に不備があると準確定申告が遅れる恐れがあるので、税務署職員や税理士に聞きながら書類を揃えるとよいでしょう。

3. 書類を作成する

準確定申告を行う場合、通常の確定申告とやや異なる部分があります。

表題には「準」を書き足して、「準確定申告」にしましょう。故人が亡くなった日と相続人名、マイナンバーなどを確定申告書の上部の余白に書かなければなりません。

住所や氏名は、確定申告書の該当する部分に書きますが、上下2段に分け、上段に故人のもの、下段に相続者のものを記載します。準確定申告の書類作成は通常と異なるので、必要であれば税務署職員に尋ねるのがお勧めです。

4. 書類を提出する

必要書類を揃え、書類を作成したら書類を税務署に提出しなければなりません。

通常の確定申告と同様、提出方法には以下の3つがあります。

  • 税務署に書類を持っていく

    準確定申告の書類を税務署に直接持っていけば、職員に書類をチェックしてもらえます。もし不備があれば、その場で指摘してもらえるので修正も簡単です。ただし、代表者となっている相続人以外が書類を持参する場合には、委任状が必要になるので注意しましょう。開庁時間に合わせていかなければならないのもデメリットです。

  • 書類を郵送する

    準確定申告の書類を郵送すれば、いつでも自分の都合の良い時に提出が可能です。ただし、やや費用がかかる点、修正が必要な場合に時間がかかるのがデメリットといえます。

  • e-Taxで提出

    準確定申告であっても、電子申告「e-Tax」が利用できます。e-Taxは、家にいながら簡単に準確定申告が行えるとても便利な方法です。ただし、カードリーダーなどが必要になることを覚えておきましょう。e-Taxを利用する場合には、相続人一人ひとりがバラバラに申告できないので、必ず相続人の代表者を決める必要もあります。

    参照元:国税庁「国税電子申告・納税システム e-Tax」

所得税の還付金がある場合

準確定申告を行った結果、所得税の還付金がある場合には、相続人が故人の遺言や遺産分割協議で決まっている分を相続します。相続分が決まっていなければ法定相続分を考慮して分配されるでしょう。

もし、一度代表者が還付金を受け取ることになっている場合には、相続人全員が同意したことを示す委任状が必要です。

準確定申告を行う際の4つの注意点

  • 固定資産税の取り扱いに注意する
  • 経費にできない支出がある
  • 準確定申告の締切日を相続人全員に理解してもらう
  • 準確定申告の期限を過ぎるとペナルティがある

準確定申告を行う場合には、いくつか注意しておくべき点があります。準確定申告は通常の確定申告と異なる部分があるので、前もって注意点について知っておくとよいでしょう。

1. 固定資産税の取り扱いに注意する

準確定申告を行う際、固定資産税を経費にできないケースがあります。

固定資産税納税通知書がまだ届いていない時

たとえば、固定資産税納税通知書がまだ届いていない時期に相続が始まり、準確定申告を行った場合、固定資産税を経費に計上できません。固定資産税は、全額相続人側の経費として扱われます。

故人が亡くなった時に固定資産税納税通知書が届いており、すでに納付済みの固定資産税があれば準確定申告の経費にできます。

第2期から第4期までが未納の時

第1期の支払いが完了していて、第2期から第4期までが未納のケースでは、全額準確定申告の経費にするか、全額相続人の経費にして翌年の確定申告の際に計上するか選ばなければなりません。

このケースでは、所得税、住民税、相続税のことを考えて、故人の経費にするのか相続人の経費にするのかを決定する必要があります。所得税は累進課税であるため、故人と相続人の税率が高い方の経費にした方が所得税額が低くなるでしょう。

住民税

住民税についていえば、確定申告の内容によって翌年の税額が決定されます。しかし、亡くなった方は翌年の住民税は課税されないので、未払いの固定資産税を相続人の経費にした方が住民税が安くなるのです。

相続税

相続税の観点からいえば、未払いの固定資産税は相続人の経費にした方が節税になります。準確定申告の所得税は、相続税の申告で債務控除の対象になるからです。故人の経費を減らして所得税を増やせば、相続税の債務控除額が増えて相続税が減るため、相続人に有利になります。

2. 経費にできない支出がある

不動産所得をできる限り減らすため、経費を計上するのは効果的ですが、どんな支出でも経費にできるわけではありません。事業に直接関係した支出のみが経費として認められます。

たとえば、土地の取得費用、借入金返済の元金部分、所得税、住民税などです。とくに土地の取得費用は経費になりそうですが、土地は建物と異なり、時間の経過によって資産価値が低下しないので経費計上できないのです。

3. 準確定申告の締切日を相続人全員に理解してもらう

準確定申告は、相続が発生したことを知った日の翌日から4ヶ月以内に行わなければなりません。しかも、相続人全員の協力が必要です。

準確定申告に必要な確定申告付表には相続人全員の連署、確定申告書には各相続人のマイナンバーも記載する必要があります。故人の所得を計算するのに必要な国民年金控除の証明書や領収書を保管している相続人もいるでしょう。

相続人全員に締切日を周知しておくことで、スムーズに準確定申告が行えるのです。

4. 準確定申告の期限を過ぎるとペナルティがある

準確定申告も通常の確定申告と同様、期限を過ぎた場合にペナルティがあります。延滞税や加算税などのペナルティが課せられると、本来支払う必要のなかった税金を支払わなければなりません。

準確定申告の申告期限は4ヶ月間でとても短いので、相続が発生したらすぐに申告の必要性と相続人の確認をし、準備に取り掛かるようにしましょう。

故人に不動産所得があった場合には必ず準確定申告をしよう

故人が亡くなって不動産所得があった場合には、準確定申告を行うのが望ましいです。

期日を過ぎるとペナルティがあるため、スムーズに行うには相続人全員の協力が必要になります。必要に応じて税理士に業務を依頼することも検討できるでしょう。

監修者のコメント
小西裕也税理士事務所
税理士 小西裕也

1990年生 大阪府出身 大阪大学経済学部卒業。個人事務所、200人規模の税理士法人で実務経験を積み、2021年に独立。「お客様との対話を大事にする」をモットーに、クラウド会計を活用し、顧客に合わせた節税策や資金繰り対策を積極的に提案。ZOOMを使ったオンライン顧問サービスを行い、クライアントは全国に。

準確定申告が必要となった場合には、準確定申告の期限と必要書類の準備を急ぎましょう。まず期限についてです。準確定申告の期限は被相続人が亡くなってから4カ月以内と定められています。

この期限内に必ず申告・納税を済ませるよう心がけましょう。なぜなら期限を過ぎた場合には加算税が課されることになり、準確定申告の納付額によっては金銭的な負担が大きくなってしまうからです。

次に必要書類についてです。
【準確定申告で必要な書類】
・前年の確定申告書
・被相続人の源泉徴収票
・被相続人の控除証明書
・所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表
・被相続人の医療費の領収書
・委任状

これらの必要書類を準備し、4カ月以内に準確定申告書を作成して、提出する必要があります。その間に、お葬式などの行事もありますので、いかに早く必要書類を揃えるのかが重要となってきます。

必要書類についてわからないことがあれば、お近くの税務署の窓口に早めに問い合わせてみましょう。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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