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一人親方の確定申告|税金の基本・種類・経費・注意点をわかりやすく解説!

公開日:2020年01月20日 最終更新日:2022年03月24日
一人親方の確定申告|税金の基本・種類・経費・注意点をわかりやすく解説!
この記事で解決できるお悩み
  • 一人親方は確定申告する必要がある?
  • でも確定申告や税金のことはよくわからない
  • 確定申告しなかったらどうなる?仕事に影響がある?

一人親方として独立を検討している方、独立して間もない方、あるいは確定申告していない一人親方の方であれば不安を感じているはず。これまで給与を受け取って働いてきた方なら、会社が年末調整をしてくれていたため、税金のことを考える必要がなかったからです。

いきなり税金や確定申告といわれても、どうしたらいいかわからないのではないでしょうか?そこで本記事では、一人親方にかかる税金の種類や基本、経費の考え方や注意点など、一人親方なら知っておきたい確定申告の基礎知識を徹底解説!確定申告しないことによる悪影響も紹介していきます。

一人親方の定義

一人親方とは、労働者・従業員を雇用せず、自分自身あるいは自分と家族のみで事業を展開する方のこと。一人親方と事業をともにする家族は一人親方等と呼びます。

一般的には、大工・左官・とび職などの建設業に携わる個人事業主を「一人親方」と呼ぶ場合が多いようですが、労災保険の一人親方特別加入制度では、林業・漁業・廃棄物処理業に従事する方、職業ドライバー、船員の方なども一人親方だとされています。共通している点は、

  • 一人親方が業務・仕事を個人で請け負う働き方
  • 業務の性質上当然存在すると考えられるもの以外、発注者から時間の拘束や指揮命令を受けない

ということです。発注者と雇用関係がない一人親方は、労働基準法の適用外であるのも特徴だといえるでしょう。

参照元:国土交通省「みんなで進める「一人親方」の社会保険加入」

労働者の使用が年間100日に満たなければ一人親方

ただし、自分と家族以外の労働者を使用しても、一人親方に該当する場合があります。これは、上述した労災保険の一人親方特別加入制度で「労働者の使用が年間100日満たない」ことが、加入条件として定められているためです。

一人親方は原則として確定申告が必要

「請負契約」「準委任契約」など、いわゆる業務委託の形で働く一人親方の方は、原則として確定申告が必要です。日本では所得のあるすべての方に所得税の申告・納税を義務付けており、源泉徴収を受ける会社員を除き、所得のある方は確定申告しなければならないからです。

これは一人親方の方であっても例外ではありません。特に報酬から源泉徴収されない一人親方は、1年間の総収入から所得を算出し、所得税をキチンと申告・納税する手続きである確定申告が必須なのです。

一人親方の税金・確定申告の基本

そういわれても、税金や確定申告のことはなにもわからない。そう感じる一人親方の方は多いはず。そんな方に向け、以下から、一人親方が申告・納税すべき税金の基本、申告・納税の手続きである確定申告の基本について簡単に解説していきましょう。

一人親方の主な税金は所得税・住民税・事業税

一人親方が業務を通じて得た収入・所得にかかる主な税金は、

  • 国税である「所得税」

    所得税とは事業主である一人親方の所得に対して課税される税金であり、所得税の申告・納税の手続きが「確定申告」となる

  • 地方税である「住民税」「事業税」

    住民税は前年の所得額に応じて一律の税率で課される地方税であり、事業税は一定以上の所得のある事業者に課される地方税

税務署と地方自治体は納税者の所得を共有しているため、確定申告をしていれば改めて住民税・事業税を申告する必要はありません。

一人親方の収入は事業所得に区分

日本では、所得の性格(収入を得るための手段・手法)に応じて所得の種類を10種類に区分しており、それぞれの所得区分に応じて課税方式・税率などが若干異なることが特徴でしょう。

事業を展開することによって収入を得ている一人親方の場合、所得の区分は「事業所得」となり、事業所得のルールに従って所得税が課されます。事業所得の特徴は「総合課税」「累進課税」が適用されることでしょう。

  • 累進課税

    「所得額が増えるにつれて税率が高くなっていく仕組み」のこと

  • 総合課税
  • 他の所得(給与所得)と合計した総所得額に税率を乗じる課税方式のこと

参照元:国税庁「No.1300 所得の区分のあらまし」

所得税の課税対象となる課税所得とは

ただし、所得税の対象は収入ではなく「課税所得」です。具体的には、総収入から「必要経費(収入を得るために使った費用)」を差し引いた利益が「所得」、所得から各種所得控除を差し引いたものが「課税所得」です。

所得の計算式 総収入 - 必要経費
課税所得の計算式 所得 - 各種所得控除(基礎控除、医療費控除、社会保険控除など)

所得税額を算出する方法

所得税額を算出するためには、課税所得に応じた所得税額を乗じます。

課税所得 税率 控除額
1,000円〜1,949,000円 5% 0円
1,950,000円〜3,299,000円 10% 97,500円
3,300,000円〜6,949,000円 20% 427,500円
6,950,000円〜8,999,000円 23% 636,000円
9,000,000円〜17,999,000円 33% 1,536,000円

たとえば、年間の収入が1,000万円の一人親方の必要経費が500万円、基礎控除48万円だった場合、以下の計算式が成り立ちます。

課税所得 1,000万円(収入)- 500万円(必要経費)- 48万円(基礎控除)= 452万円
所得税額 452万円 × 20% - 427,500円 = 476,500円

参照元:国税庁「No.2260 所得税の税率」

確定申告の概要・申告時期

ここまで、一人親方に課される主な税金を、所得税中心に解説してきましたが、1年間に得られた収入から必要経費、各種所得控除を差し引き、課税所得と所得税額を算出して申告・納税するための手続きが確定申告です。

確定申告の対象となるのは、1月1日から12月31日にまでに得られた収入となり、翌年、2月15日から3月16日までの間に所得税を申告・納税する必要があります。たとえば、2021年1月1日〜12月31日までの収入は、2022年2月15〜3月16日までに確定申告しなければなりません。

一人親方が確定申告するには

税金や確定申告がなにかはわかった。しかし、所得税を申告・納税するための確定申告を具体的にどう進めればいいのか?わからないという一人親方の方も多いでしょう。そんな方に向け、以下からは確定申告の手順を簡単に解説していきます。

帳簿の備え付け・記帳が大前提

確定申告するための大前提として、収支が明確にわかるように帳簿を備え付け、日々記帳していく必要があります。

帳簿・記帳というと苦手意識を感じてしまう一人親方の方が多いかもしれませんが、請負でいくらの収入があったのかはもちろん、経費でいくら使ったのかがわからなければ、正確な所得額、所得税額を計算できません。

申告の方法に応じて、どのような帳簿をどのように記帳すべきかは異なりますが、近年では低価格かつ優秀な会計ソフトが利用可能なため、経理の知識に疎い方でもそれほど難しいことはありません。

確定申告の方法を決める(白色申告・青色申告)

一人親方が確定申告する場合、一般的な白色申告、もしくは白色申告よりも税制面での優遇措置の得られる青色申告を選べます。

白色申告では総収入から差し引けるのは必要経費、各種所得控除に限られますが、簡易的な帳簿付けで確定申告できるというメリットがあるため、経理面に苦手意識を持つ方は白色申告を選ぶ場合もあります。

特別控除を得るには複式簿記での記帳が必要

一方、青色申告には最大65万円の特別控除を得られるメリットがありますが、特別控除を得るには複式簿記での記帳が必要です。また、青色申告で確定申告するには、開業してから2か月以内に「開業届」「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。

確定申告に必要な書類を作成

日々記帳した帳簿・領収書などとともに、確定申告に必要な書類を入手・作成します。必要な書類は白色申告の場合、青色申告の場合で異なりますが、事業所得となる一人親方の場合は「確定申告書B」を利用することが共通点でしょう。

総収入額・必要経費・所得額を明確に記載する点ではどちらも変わりありません。それぞれで必要な書類は以下の通りです。

白色申告の必要書類 確定申告書B、収支内訳書、控除を証明できる書類(医療費控除、社会保険控除など)
青色申告の必要書類(10万円控除) 確定申告書B、青色申告決算書、損益計算書、控除を証明できる書類(医療費控除、社会保険控除など)
青色申告の必要書類(65万円控除) 確定申告書B、青色申告決算書、損益計算書、賃借対照表、控除を証明できる書類(医療費控除、社会保険控除など)

出典:国税庁「所得税及び復興特別所得税の確定申告書B」

出典:国税庁「収支内訳書(一般用)」

出典:国税庁「所得税青色申告決算書(一般用)」

確定申告に必要な書類を提出・納税

確定申告に必要な書類を作成したら、税務署に提出もしくは郵送し、所得税を納税します。所得税の納付期限も、確定申告と同様、2月16日から3月15日まで。インターネット納税・クレジットカード納税・コンビニ納税など、現在では納税者の都合にあわせて選べる、さまざまな納税方法が用意されいます。

オンライン・e-Taxでの確定申告がおすすめ

国税電子申告・納税システム「e-Tax」を活用した確定申告も、より簡単に利用できるよう簡素化が図られています。

これまで、PCでe-Taxを利用する際にはICカードリーダーが必要でしたが、2022年1月以降の確定申告では「QRコードをスマートフォンアプリで読み取る」だけでe-Tax送信が可能になりました。

参照元:国税庁「国税庁からのお知らせ<パソコンとスマホでe-Tax!マイナンバーカードをスマホで読み取り>」

オンラインの「確定申告書等作成コーナー」で確定申告書を作成し、そのままe-Taxで納税までを済ませることができるようになり、書類の入手や提出・郵送することなく、自宅に居ながらにして確定申告を完了できます。

参考:国税庁「確定申告書等作成コーナー」

一人親方で認められる必要経費

ここまでの解説でおわかりのように、納付すべき所得税額を抑えるためには、総収入から差し引ける「必要経費」がポイントです。

ただし、必要経費は「収入を得るために使った費用」であることが大前提。どのような費用でも経費として認められるわけではありません。では、どのような費用が一人親方の必要経費として認められるのか?主なものを紹介しておきましょう。

経費項目 概要
材料費 仕事の遂行に必要な材料の購入費
工具器具備品 建設業の一人親方などが仕事の遂行に使う道具の費用(10万円以上は減価償却が必要)
旅費交通費 現場までの交通費(公共交通機関、ガソリン代、高速代など)
損害保険料 工事に係る保険料、自動車保険料など
通信費 インターネット、携帯電話など
接待交際費 業務で必要な接待にかかる費用
修繕費 道具・機器・設備などの修繕費用
消耗品費
文具・家具など材料・工具以外で10万円以内のもの
外注工賃
自分以外の職人・業者に工事の一部を外注した場合の費用
地代家賃
オフィス・駐車場などの家賃
専業者給与
一人親方等に支払う給与

一人親方の方であれば、現場までの移動に自動車を利用することも多く、工具器具備品も高額なものになる場合があるでしょう。こうした10万円を超える車両・備品などの場合、耐用年数に応じて購入費用を償却していく「減価償却」が必要です。

家事按分とは

また、自宅をオフィス代わりにしている、プライベートでも自動車やインターネット、電話などを利用するという一人親方であれば、仕事で利用している割合のみを経費として計上可能。これを「家事按分」といいます。

たとえば、平日は仕事のみ、土日はプライベートのみで自動車を使用するなら、自動車購入費用の5/7を経費として計上可能(減価償却が必要)です。

ただし、合理的かつ論理的に「家事利用と業務利用」を説明できなければ家事按分は認められません。白色申告では業務割合が低いと家事按分が認められない場合もあります。

一人親方の確定申告は青色申告がおすすめ

課税所得を抑えるためにも必要経費はなるべく多く計上したいところではありますが、収入を得るために必要な費用である経費の算入にはおのずと限界があります。必要経費以外にも節税できる方法はないものか?そんな一人親方におすすめしたいのが「青色申告」です。

青色申告であれば、キチンと確定申告するだけで、最大65万円の特別控除が得られるため、合法的に所得税を節税したい一人親方に最適。税務署に「開業届」「青色申告承認申請書」を提出する必要はあるものの、手数料・登録費用などは一切かかりません。

青色申告で得られるメリット

青色申告には、特別控除以外のメリットがあることもポイントでしょう。たとえば、白色申告では一人親方等に支払える専従者給与の上限は86万円ですが、青色申告は専従者給与に上限が設けられていません。

「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出する必要はありますが、家族への給与を多めに設定することで所得額を抑えることが可能です。

参照元:国税庁「No.2075 青色事業専従者給与と事業専従者控除」

また、赤字を3年間繰り越せることも青色申告のメリット。たとえば、2021年度の収支が赤字だった場合、2022年度以降の3年間で生じた黒字と「相殺」できるため、黒字年度の所得税額を抑える効果が得られます。

一人親方の確定申告の注意ポイント

確定申告が「1年間の収入から必要経費、各種所得控除を差し引いて課税所得を算出し、所得税額を計算・申告・納付するもの」だということが理解できたのではないでしょうか?こうした確定申告の基本は、一人親方であっても同様です。

ただし、確定申告の際に、一人親方ならではの注意しておきたいポイントがあることも事実。以下から簡単に紹介していきます。

労働者を使用した場合の「給与」「外注費」

一人親方であっても、仕事を遂行するために労働者を使用する場合があることはすでに解説しました。気を付けなければならないのは、そのときに支払う報酬が「給与」なのか「外注費」なのかということです。

基本的には、労働者と雇用関係にあれば「給与」となり、社会保険も適用する必要がありますが、請負・準委任の形であれば支払う報酬は「外注費」です。外注費であれば全額経費に計上できるのはもちろん、事業主が社会保険を負担する必要もありません。

ただし、雇用か請負かは契約内容ではなく「実態としての働き方」で判断されます。それこそ一人親方の働き方のように、

  • 時間の拘束があるか?
  • 指揮命令があるか?
  • 道具などを支給されているか?

などで判断されるため、外注費として処理していたものが給与だと判断され、追徴課税を課される場合もあります。

棚卸が必要な場合も

一人親方が仕事を遂行するにあたって、自身で仕入れた材料を使う場合、確定申告前に棚卸しなければなりません。これは、売上純利益を算出する計算式が「売上総額 -(総仕入額 - 棚卸資産)」となるからです。

たとえば、材料を100万円で仕入れ、前年の棚卸資産とあわせて在庫が120万円、当年の棚卸で在庫が50万円だった場合、「120万円 - 50万円 = 70万円」が経費となります。仕入額100万円がそのまま経費になるわけではありません。

一人親方が確定申告を怠ると?

自らが現場で働く一人親方の場合、報酬や経費を日々記帳していく必要のある確定申告に対し、ハードルの高さを感じている方も少なくないでしょう。

なかには、やらなければならないことはわかっていても、確定申告を怠っている、そんな一人親方もいるかもしれません。しかし、確定申告を怠ることで不利益を被ることはあっても、利益を得ることはありません。

加算税・延滞税などのペナルティ

確定申告を怠ることによってかされるペナルティが、無申告加算税および延滞税です。無申告加算税とは、本来支払うべき所得税額に加算される税金であり、納税額50万円までに対して15%、50万円を超えた金額に対して20%の税率を乗じた加算税が課されます。

また、期限を過ぎてから所得税を納付するまでの期間に応じて課される「利息」ともいえるのが延滞税です。

延滞税の税率は、期限を過ぎてから2か月までは「本来の納税額に年7.3%」、2か月を過ぎた分に「年14.6%」。所得隠しなどの悪質なパターンであると税務署に判断されると、重加算税を課される場合もあります。

業務・仕事の幅が狭まる

確定申告を怠ることによって被る不利益は、加算税・延滞税などのペナルティだけではありません。一人親方としての業務・仕事の幅が狭まってしまうことにもつながります。

たとえば、専門工事であれば請負金額500万円、工事一式であれば請負金額1,500万円を超えると「建設業許可」を取得する必要があります。一人親方として5年以上の実績があれば、建設業許可の管理責任者になれますが、それを証明するものこそが「確定申告書」なのです。

つまり、確定申告を怠ることにより、魅力的なオファーがあっても請け負えないケースが多くなると考えればいいでしょう。もちろん、キチンと確定申告していない一人親方には、金融機関も融資してくれません。

まとめ:不明点は税理士へ相談

確定申告や税金に詳しくない一人親方の方に向け、本記事では、一人親方にかかる税金の種類や基本、経費の考え方や注意点など、知っておきたい確定申告の基礎知識を解説するとともに、確定申告しないことによる悪影響も紹介してきました。ペナルティや仕事に与える影響を考えれば、一人親方の確定申告が必須であることが理解できたのではないでしょうか?

しかし、現場で仕事をこなしながら経理面を管理していくのは、一人親方でなくても簡単なことではありません。慣れない記帳・手続きを進めるなかで不明点も出てくるでしょう。そんなときは税制のスペシャリストである税理士に相談することがおすすめ。報酬を心配する方が多いかもしれませんが、税理士報酬は翌年の確定申告時に経費として算入することも可能です。

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