一人親方の確定申告方法は?青色申告の手続きや経費処理について解説

最終更新日:2023年04月20日
竹中啓倫税理士事務所
監修者
税理士・米国税理士・認定心理士 竹中啓倫
一人親方の確定申告方法は?青色申告の手続きや経費処理について解説
この記事で解決できるお悩み
  • 一人親方の確定申告方法は?
  • 一人親方が確定申告でできる経費処理とは?
  • 一人親方が確定申告しないとどうなる?

独立して個人事業主になり一人親方として仕事をしている方は、確定申告をしなければなりません。確定申告は法律で義務付けられており、年に1回、収入と経費から計算された税金の申告をする必要があります。

当記事では、一人親方になったばかりの方やこれまで確定申告をしてこなかった方に向けて、確定申告の手続きについて解説します。経費処理や確定申告をしなかったときのデメリットも解説しているため、ぜひ参考にしてください。

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一人親方は確定申告が必要

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1年間で収入があった一人親方は、必ず確定申告をしなければなりません。毎月の所得額を正しく記録して確定申告に備えましょう。

一人親方の所得計算方法は、収入額から経費を差し引いた額になります。たとえば、年間500万円の収入があり、経費として200万円を利用した場合は、所得額が300万円になります。

経費として認められるために、事業で発生した領収証は保管しておき、帳簿に正しく記帳しましょう。

確定申告をする時期は、翌年の2月16日から3月15日の期間です。期間内に確定申告をしないと、追徴課税の対象となってしまいます。

一人親方は青色申告がおすすめ

一人親方の確定申告は、青色申告がおすすめです。青色申告と白色申告の違いや青色申告のメリットを以下のとおり解説します。

  • 青色申告は特別控除が受けられる
  • 青色申告は赤字を3年間繰り越せる

青色申告は特別控除が受けられる

青色申告で確定申告することで、55万円の特別控除を受けられます。インターネットを通して確定申告ができるe-Taxを活用することで65万円の特別控除となるため、より節税になるでしょう。

白色申告は単式簿記でよく、確定申告書類がシンプルで簡単ですが、青色申告は複式簿記で記帳する必要があります。簿記に関する経理の知識が必要な点に注意しましょう。

青色申告は赤字を3年間繰り越せる

一人親方は、収入が不安定になりやすいです。青色申告をすることで、赤字を3年間繰り越すことができるため、節税につながり経営が安定します。白色申告は赤字を繰り越すことができません。

たとえば、去年が30万円の赤字決算となり、今年が50万円の黒字決算になったとしましょう。青色申告の場合、昨年の赤字を繰り越せるため差し引きした20万円が納税対象の所得になります。

白色申告では赤字を繰り越せないため、50万円の所得に対しての納税が必要です。

一人親方の確定申告方法

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一人親方の確定申告方法は、以下のとおりです。

  1. 帳簿への記入
  2. 必要書類の準備
  3. 確定申告書の作成
  4. 確定申告書の提出
  5. 税金の納付

1. 帳簿への記入

日々の収入や経費を帳簿に記入します。確定申告の時期に慌てないよう、定期的に記録を残していきましょう。

確定申告のときに記入漏れがないかを確認し、漏れがあった場合は遡って記入します。

2. 必要書類の準備

確定申告書や控除証明書などの書類を準備しましょう。必要な書類は、以下のとおりです。

  • 確定申告書
  • 青色申告決算書
  • 損益計算書
  • 賃借対照表(65万円以上控除する場合)
  • 控除を証明できる書類(医療費控除、社会保険控除など)

前年も確定申告をしていた場合は、自宅や事務所に確定申告書が送られてきます。税務署の窓口や国税庁のホームページからも取得可能です。各種控除証明書は、保険会社から郵送されてきます。紛失しないよう、大切に保管しておきましょう。

3. 確定申告書の作成

確定申告書は「紙に手書き」「専用ソフトを利用」「国税庁のホームページ」などを活用して確定申告書を作成します。国税庁「確定申告書等作成コーナー」は、パソコンだけではなくスマートフォンでも作成可能です。

4. 確定申告書の提出

作成した確定申告書を必要書類とあわせて税務署に提出します。

税務署の窓口に持参する方法や郵送する方法があります。e-Taxを利用することで、税務署に行く手間を省けます。

5. 税金の納付

確定申告書で計算された税金を納めます。税金を納付する方法は、銀行への振り込みと口座振替・コンビニ納付などです。税金の還付がある場合は、確定申告書に記載した口座に還付されます。

確定申告時に経費処理できるもの

確定申告時に経費処理できるものは、事業活動の中で発生した経費である必要があります。経費処理できることを以下の表にまとめます。

材料費 仕事で利用する材料の購入費
工具器具備品 10万円未満の工具費用
旅費交通費 現場までの交通費(公共交通機関・ガソリン代・高速代など)
損害保険料 工事に係る保険料・自動車保険料など
通信費 インターネット・携帯電話など
接待交際費 業務で必要な接待にかかる費用・取引先との飲食費
修繕費 道具・機器・設備などの修繕費用
消耗品費 材料・工具以外で事業活動に必要な費用
外注工賃 自分以外の職人・業者に工事の一部を外注した場合の費用
地代家賃 オフィス・駐車場などの家賃

自宅をオフィス兼用にしている人は、業務とプライベート両方で利用している通信費や地代家賃などを家事按分する必要があります。

一人親方の保険処理における注意点

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一人親方の保険処理における注意点は、以下の2点です。

  • 生命保険・傷病保険は経費にならないケースがある
  • 労災保険は経費にならない

生命保険・傷病保険は経費にならないケースがある

一人親方の生命保険・傷病保険は、事業ではなく個人にかけられた保険として認識されるため、原則経費処理はできません。ただし、家族経営をしている一人親方が家族全員の従業員に保険をかけた場合は福利厚生費として経費処理が可能です。

労災保険は経費にならない

一人親方の場合、労災保険料は経費の対象になりません。労災保険は、企業で雇用している労働者を対象としているため、労災保険は経費の対象外になる点に注意しましょう。

一人親方が確定申告しないとどうなる?

一人親方が確定申告をしないと、以下のリスクがあります。

  • 加算税・延滞税などのペナルティを受ける
  • 一人親方としての信用度が落ちる

加算税・延滞税などのペナルティを受ける

確定申告を怠ると無申告加算税・延滞税のペナルティを受けます。

無申告加算税とは、本来支払うべき所得税額に加算される税金であり、納税額50万円までに対して15%、50万円を超えた金額に対して20%の税率を乗じた加算税が課されます。

本来、30万円を納税しなければならなかった場合は、4万5千円を加えた34万5千円を納めなければなりません。

期限を過ぎてから確定申告をするときに課税されるのが延滞税です。延滞税は税金の利息になり、法定納期限の翌日から完納する日までの日数に応じて金額が変わります。

納期限の翌日から2月を経過する日までの期間 年「7.3%」と「特例基準割合+1%」のいずれか低い割合
2月を経過する日の翌日以後 年「14.6%」と「特例基準割合+7.3%」のいずれか低い割合

一人親方としての信用度が落ちる

一人親方が仕事を請け負うときには、信用が非常に重要です。

専門工事であれば請負金額500万円、工事一式であれば請負金額1,500万円を超えると「建設業許可」を取得する必要があります。一人親方として5年以上の実績があれば、建設業許可の管理責任者になれますが、それを証明するものが「確定申告書」です。

確定申告を怠ると業界での信用度が落ち、工事のオファーを受けることができなくなってしまいます。

まとめ

一人親方で収入がある方は、確定申告をしなければなりません。一人親方の確定申告は、特別控除が受けられる青色申告がおすすめです。

期間内に確定申告をしなかった場合は、追徴課税の対象となり、業界からの信用度が落ちるデメリットがあるため注意しましょう。

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監修者の一言

大工や左官、とび職のように建設業で働かれてみえる、一人親方は少ないないと思います。人から指図を受けず、個人で業務を請け負ってみえるのは、本当に素敵なことだと思いますし、醍醐味でもあるでしょう。その反面、個人でいろいろな責任を負わなければならないこともあり、大変なことも増えます。

雇われの身であれば、税金計算も雇用主が行ってくれますし、事業で必要なものも用意してくれます。一人親方になれば、事業所得に区分されますので、帳簿は自らつけなければなりませんし、税金の申告も自ら行わなければなりません。

逆に、一人親方であれば、青色申告を選択することもできますし、自らの選択で税金を減らすこともできます。アイデア次第で、素敵によりよい業務推進を目指してください。

竹中啓倫税理士事務所
税理士・米国税理士・認定心理士 竹中啓倫
監修者

岐阜県出身。上場会社の経理に勤務する傍ら、竹中啓倫税理士事務所の代表を務める。M&Aなどの事業再編を得意とし、セミナーや研修会講師にも数多くあたるほか、医療分野にも造詣が深く、自ら心理カウンセラーとして、心の悩みにも答えている。税理士会の会務では、名古屋税理士協同組合理事を務める。

比較ビズ編集部
執筆者
比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。
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