会社員で確定申告が必要なパターンは?確定申告をすると得られるメリットを解説

税理士
監修者
税理士 佐藤 憲亮
最終更新日:2023年10月03日
会社員で確定申告が必要なパターンは?確定申告をすると得られるメリットを解説
この記事で解決できるお悩み
  • 会社員で確定申告が必要な場合とは?
  • 会社員が確定申告をするメリットとは?

「会社員でも確定申告が必要なケースを知りたい」とお悩みの方は必見。

会社員で確定申告が必要な場合は主に8つあり、確定申告をすることでメリットが得られるパターンがあります。

この記事では、会社員で確定申告は必要かわからず困っている方向けに、確定申告が必要なパターンを解説します。記事を読み終わった頃には、会社員で確定申告は必要な場合・確定申告をするメリットがわかるでしょう。

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会社員で確定申告が必要な8つのパターン

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以下のパターンでは、所得や資産の変動に伴って税金が影響を受けるため、確定申告が必要です

  1. 副業の給与所得が20万円を超えている
  2. 2カ所以上からの給与所得が20万円を超える
  3. 不動産を売却して利益が出ている
  4. 110万円を超えた額の贈与を受けている
  5. 相続した家を売却している
  6. 株取引で特定口座以外の口座を指定している
  7. 投資信託を売却した
  8. 保険の満期金を受け取っている

専門家の助言や税務署のガイドラインを参考にして、適切に申告手続きを行いましょう。

1. 副業の給与所得が20万円を超えている

副業で得た給与所得が年間20万円を超える場合、確定申告が必要です。副業の給与所得も含めて全体の所得に対する税金の計算が必要なためです。

2. 2カ所以上からの給与所得が20万円を超える

1つの会社だけではなく、複数の会社から給与所得が年間20万円を超える場合、確定申告が必要です。複数の会社から給与が合算され、税金が正確に計算されているか保証できないためです。

確定申告を通じて全体の所得や控除を考慮し、正しい税金を納付する必要があります。

3. 不動産を売却して利益が出ている

不動産を売却して利益が出た場合、利益に対して譲渡所得税がかかります。譲渡所得税は年末調整では処理されない項目であるため、確定申告が必要です。

不動産を売却しても経費や取得費を差し引くとマイナスになる場合、譲渡所得税は発生しないため確定申告は不要です。

4. 110万円を超えた額の贈与を受けている

他人から年間110万円を超える贈与を受けた場合、贈与税がかかる可能性があります。贈与を受けた金額に応じて税金の申告が必要です。扶養義務者への仕送りに関しては贈与にはあたらないため、仮に110万円を超えていても確定申告をする必要はありません。

贈与にあたらないのはあくまで生活費に使う場合のみで、受け取った側が別のことに使うと贈与にあたります。

5. 相続した家を売却している

相続した不動産を売却した際には、売却によって得た利益に対して所得税がかかります。利益の金額や相続時の評価額に応じて税金の計算が行われます。

6. 株取引で特定口座以外の口座を指定している

株式をはじめとする金融商品の売買を特定口座以外の口座で行っている場合、取引の詳細を報告する必要があります。特定口座以外の一般口座では、源泉徴収が行われないためです。

特定口座では、投資に関する税金の取り扱いが簡素化されます。一般口座では、自己申告に基づく手続きが必要です。

7. 投資信託を売却した

投資信託での売却益も株式投資と同じで、源泉徴収ありの特定口座を利用している場合、確定申告は不要です。一般口座・源泉徴収なしの特定口座を利用している場合は売却益に税金がかかるため、確定申告が必要です。

8. 保険の満期金を受け取っている

保険の契約が満期になり満期金を受け取る場合、受け取りに対して所得税がかかる場合があります。

満期金から今までに支払った保険料の総額と、特別控除である50万円を差し引きます。差し引いたあと、2分の1にした場合に20万円を超えていれば、確定申告が必要です。

保険料の総額と特別控除を差し引いた時点で40万円以下であれば、2分の1にしても20万円を超えないため確定申告は不要です。40万円を超えていれば確定申告が必要でしょう。

年末調整済みの会社員が確定申告をするとメリットがあるケース

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以下のケースでは、確定申告によって控除を受けることで税金の軽減や還付を得ることができます。

  1. 医療費が10万円以上かかった(医療費控除)
  2. 寄付を行った(寄付金控除)
  3. 災害や盗難にあった(雑損控除)
  4. 年末調整で控除の適用もれがあった

ただし、正確な手続きと必要な書類の提出が必要です。税務署のガイドラインや専門家のアドバイスを参考にすることをおすすめします。

1. 医療費が10万円以上かかった(医療費控除)

年末調整では考慮されなかった医療費を確定申告で控除できます。支出が10万円を超える場合、超過分が所得に対する控除です。

医療費控除の対象となる金額は以下のとおりです。

所得の合計額が200万円未満の場合 1年間で実際に払った医療費の合計 - 保険金・給付金 - 総所得金額等の5%の金額
所得の合計額が200万円以上の場合 1年間で実際に払った医療費の合計 - 保険金・給付金 - 10万円

2. 寄付を行った(寄付金控除)

寄付金を確定申告で報告することで、金額に対する税額控除を受けることができます。寄付先の団体によって異なる条件があり、寄付金控除の注意点は、寄付金控除の対象となる寄付とそうでない寄付がある点です。

ふるさと納税は寄付金控除の1つですが、地方自治体への寄付・公益財団法人・公益社団法人など特定の団体への寄付でないといけません。寄付金控除の対象ではない団体に寄付した場合、税金には関係しないため注意が必要です。

3. 災害や盗難にあった(雑損控除)

確定申告では雑損控除と呼ばれる控除があり、災害や盗難などの被害を受けたときに利用できる制度です。

災害や盗難などによる損害があった場合、損害額を確定申告で申告し、所得から差し引くことで税金が軽減される場合があります。詐欺や恐喝の被害を受けた場合は雑損控除の対象外のため注意が必要です。

4. 年末調整で控除の適用もれがあった

年末調整時に控除の適用が漏れた場合、確定申告で適用漏れを修正できます。未申告の控除を適用することで、還付金が増える可能性があります。

会社員で年末調整が行われない3つのパターン

以下のケースでは年末調整が行われないため、所得税や住民税の調整が必要となります。

  1. 年末前に退職した・解雇された
  2. 年間の給与が2,000万円を超えた
  3. 1年以上日本に住んでいない

退職や所得の変動、滞在状況などに応じて、適切な手続きを行いましょう。

1. 年末前に退職した・解雇された

年末調整は、一般的に年末に行われる給与から源泉徴収された税金の調整です。12月31日時点で会社に在籍していない(退職した)場合、もしくは解雇された場合、年末調整が行われない可能性があります。

2. 年間の給与が2,000万円を超えた

年末調整は、給与所得の源泉徴収税を調整しますが、年間の給与が一定の金額を超える場合、調整の必要がないとされるケースがあります。所得税法により、2,000万円を超える給与をもらっている人は自分で確定申告をしなければならず、年末調整の対象ではありません。

3. 1年以上日本に住んでいない

日本に1年以上住んでいない場合、年末調整の対象とならない場合があります。日本国内で一定期間を過ごしていないため、源泉徴収の対象外となります。

まとめ

サラリーマンは基本的に年末調整の対象ですが、実際には確定申告をしなければいけないケース・確定申告をした方がよいケースがあります。会社以外に所得がある場合、年末調整の対象外である各種の控除を利用したい場合などは確定申告が必要です。

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監修者のコメント
税理士
佐藤 憲亮

京都市出身。 医療系特化事務所、税理士法人の社員税理士(役員)を経て、気軽に相談できる専門家として税務顧問業務をメインに活動。実務で得た知識や経験を活かし、税務記事や税務論文の執筆、ブログの運営をしている書くことが好きな税理士。大学卒業後、税理士事務所で14年の実務経験を積みながら、大学院で税法を学ぶ。2020年に税理士登録。2023年6月に京都市中京区にて独立。また、顧客企業の利益最大化を実現するため、バックオフィスの効率化や改善に力を入れており、経理代行及びコンサルの事業会社を設立。経理、財務、税務の支援を得意としている。

1箇所からしか給与支給を受けていない場合は、年末調整で所得が確定されるため確定申告の必要はありませんが、下記パターンに該当する場合は所得税の還付が受けられる、又は損失を翌期以降に繰り越すことができるため、忘れないように確定申告するようにしましょう。

・年間の医療費が10万円を超えたとき。
(所得の総額が200万円未満の場合は、医療費の総額が所得金額の5%を超えていれば医療費控除を適用することが可能です)

・住宅ローン控除を初めて受けるとき。
(2年目以降は年末調整で住宅ローン控除を受けることが可能となります)

・株式譲渡により損失が出てしまったとき。
(その損失は確定申告をすることで3年間繰り越すことが可能です)

・ふるさと納税の寄付先が5自治体を超えるとき。
(5自治体以内であればワンストップ特例を利用できるため、確定申告は不要です)

・給与所得者が、特定支出控除の適用を受けるとき。
(特定支出控除とは、勤務するために必要な費用(特定支出)が、給与所得控除額の2分の1(最高 125 万円)を超える場合、その超える部分について、確定申告を通じて給与所得の金額の計算上控除することができる制度のことを言います)
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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