兼業農家の確定申告ガイド/やり方をカンタン解説

更新日:2020年01月09日 発注カテゴリ: 確定申告
兼業農家の確定申告ガイド/やり方をカンタン解説

会社員で家業である農業も継がなくてはいけなくなった…。これまでは、年末調整だけでよかったのが、農業の場合は確定申告が必要になります。兼業農家となると会社に勤めながら農業に勤しみ確定申告までしなくてはいけないのです。その苦労は大変なものになるでしょう。しかし、少なくなったとはいえ、農業など第一次産業に従事している人はたくさんいます。その多くがしっかりと確定申告をしているのです。ここでは、兼業農家の確定申告のやり方をできるだけわかりやすくご紹介します。

関連する記事

兼業農家は確定申告の前に収入のチェックを

農業所得を申告しなければいけないので、どのような収入があるのか、その収入を得るための販売方法はどのようなものかを把握しておく必要があります。

農作物の販売方法には以下のものがあります。

  • 農協へ出荷
  • スーパーへ直接卸し
  • 軒先販売
  • 直売所

販売方法が複数あるようでしたら、販売方法ごとに売上金額がわかるようにします。売上伝票を分けておくだけでも大丈夫です。

※会計ソフトの場合は「売上」の勘定科目の下に「農協」「スーパー」「軒先」「直売」などの補助科目をつけて記帳すると分かりやすくなります。

一つ注意したい点は補助金収や奨励金などの収入です。これらも忘れずに収入として計上しなくてはいけません。

補助金や奨励支援事業には以下のものがあります。

  • 農業次世代人材投資資金…最大5年間に年150万円の給付
  • 担い手確保・経営強化支援事業
  • スーパーL資金…無利子での借り入れが可能
  • 収入減少影響緩和交付金…農家平均収入の9割を保証

いずれも申請しなければ受けることができないので、詳しくは農協などに問い合わせてみましょう。

農機具などを売却して得た収入も計上します。農作物の販売収入とは分けて「雑収入」として計上するとよいでしょう。また、農地を貸している場合の賃借料も雑収入となります。

兼業農家にも種類がある

兼業農家には2種類あり、農業の収入が多ければ第1種兼業農家、農業以外の収入のほうが多ければ第2種兼業農家と呼んでいます。

兼業農家の確定申告における経費の考え方

販売や農作物を育てるための費用は全て経費計上できます。農機具などは減価償却資産となるので、10万円以上の場合は、減伽償却費として経費計上します。

農業所得は以下の計算式で求めることが可能です。計算式でも分かるように経費計上が多くなるとその分納税額が少なくなります。

農業所得 = 農作物の収入 − 経費 (− 控除 + 補助金等)

経費に上限はないのでできるだけ多く経費計上したいところ。しかし、適正な経費でなければ、税務署から問い合わせ、更には修正申告になることもあるので注意が必要です。

そのため、経費についても知識を深めましょう。具体的には兼業農家の主な経費には以下のものがあります。

  • 種苗費…種や苗などの購入費
  • 元畜費…子豚子牛の購入費・引き取り運賃等
  • 肥料費
  • 餌料費
  • 農具費
  • 農薬衛生費
  • 諸材料費…ビニールや土等
  • 燃料費
  • 修繕費…倉庫などの修理

以上のいずれも経費計上できます。どれも必要経費ですから、どれだけ経費として計上しても大丈夫です。

経費に上限はありませんが、所得はマイナス(赤字)になってしまうので、経費のかけかたにも細心の注意が必要です。

兼業農家で確定申告が必要なケース

基本的に給与所得は会社の年末調整によって決まるので考えないでいいでしょう。どちらがメインかということになるのですが、ここでは給与所得をメインとして農業所得がどれくらいあるのかを考えます。

先述の計算式で農業所得が20万円を超えると確定申告が必要です。逆に考えると経費を多くすることで確定申告をしなくても良いということになります。

これは「給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人」によるものです。そのため、給与所得以外に農業だけを行っていた場合「農業所得」が20万円以下の場合は基本的に申告は不要です。

ただし、詳しく説明はしませんが、農業所得が少しでもあれば「住民税」の計算が変わります。所得税としての確定申告の必要はありませんが、農業所得を市区町村の住民課に申告しなくてはいけません。

また、赤字の場合では損益通算が出来るので確定申告をしたほうが「税金をより安く」することができます。

「白色」と「青色」2種類ある確定申告の方法

農家の場合自分が経営者ですから、兼業農家であっても自分で確定申告をしなくてはいけません。確定申告には白色申告と青色申告の2つの申告方法があります。

メリットが大きいのは青色申告

課税所得から一定の金額を差し引くことができる特別控除が受けられるのが最大のメリット。具体的には10万円の控除または65万円の控除が受けられます。

また、補助金なども青色申告事業者でないと受けられないものもあります。兼業農家の方は青色申告で申告したほうが何かとメリットは大きいです。

ただし、65万円の控除が受けられる申告は複式簿記となり記帳のルールが複雑です。会計ソフトで手軽にできるようになっているものの、それでも難易度は高いでしょう。

「農業所得が少ない」「時間がない」という方は白色申告で十分

必ず青色申告をしなくてはいけないというわけではありません。会社勤めをしながらの確定申告は大変です。

白色申告は記帳についてかなりの部分が簡潔で良いことになっています。収入と経費について簡易的なお金の出し入れさえわかればよく、確定申告の決算書についても合計値を記入するだけで問題ありません。

記帳などは5年程度の保管が義務づけられているので、何かあれば(税務調査など)税務署に提出しなくてはいけません。

難しい売り掛けについても、納品書の控えがあるなら、未入金の間の取引についての記載を省略してもいいことになっています。

良い意味でどんぶり勘定でもよいのが白色申告のメリットです。農業所得がそれほど高額でない場合は、青色申告のメリットも大きくはないので、白色申告でも十分でしょう。

節税効果を狙うなら開業届は必要

農家で開業届というのに違和感があると思いますが、青色申告をすることで可能になることがたくさんあるのです。

先述している損益通算がその一つであり、白色申告にない特別控除を受けることができる点も見逃せません。

損益通算と特別控除…この2点が青色申告のメリットです。そのためにも開業届けが必要なのです。 ※税務署に所得税の青色申告承認申請書の届け出をしなくてはいけません。

兼業農家の確定申告のやり方

確定申告期間に申告するのは農業所得の確定申告も同様です。その年の確定申告は翌年の3月16日から2月15日となります。

当日が土日の場合は翌月曜日です。令和2年の確定申告期間は2月17日から3月16日までとなります。

事前の確認として

確定申告前に以下の書類の届け出を確認しておきます。

  • (1)個人事業の開廃業等届出書
  • (2)給与支払事務所等の開設届出書
  • (3)青色事業専従者給与に関する届出書
  • (4)所得税の青色申告承認申請書

家族に給与を支払う場合、(2)(3)の届け出も必要です。(4)の所得税の青色申告承認申請書を提出すると、申告時に損益計算書や貸借対照表などの決算書の作成が義務づけられます。

特別控除を受けるには必須の申請ですが、提出前によく検討する必要があります。

青色申告決算書をダウンロード

決算書は税務署や確定申告会場に置いてありますが、国税局のサイトからダウンロードできます。印刷できる環境でしたら、自宅で印刷すれば申告書をそのまま使って確定申告ができます。

確定申告が初めてであれば、事前に申告書の内容を確認しておくことは大切です。基本的には収入の部分と経費の部分を埋めて差引金額を求めます。

※各項目の1年間の合計値を記入します。そのため、各項目についてあらかじめ計算ができている必要があります。「所得税の青色申告承認申請書」の届け出を出しておくようにしましょう。

そのために、会計ソフトなどで収入や経費が発生したらその都度入力し、一年間の合計値が出せるようにしておきましょう。また、会計ソフトの場合は「借方貸方」の入力に対応しています。

これが結果的に複式簿記になるのでしっかりと日付ごとに入力することで、65万円の特別控除を受けることができます。入力が大変なので、いきなりできるものではありません。

そういった場合は、家計簿のような単式簿記であっても、10万円の特別控除を受けることができます。

人件費の扱いについて

家族のみで行っている場合、「青色事業専従者(家族)」でいいのですが、それ以外の人に手伝いを頼んだ場合です。その際、手伝いであっても常用雇用なのか単発のアルバイトなのかが大切になります。

給与として計上する場合、兼業農家であっても「労働基準法」が適用されます。そうなると最低賃金なども遵守しなくてはいけません。

当然、源泉徴収もかかわってきます。確定申告の際には「給与支払報告書」なども添付しなくてはいけません。 ※雇用契約書も取り交わさなくてはいけません。

短期・単発のバイトの場合は、単純に「雑給」として処理可能です。ただし、こちらにも最低賃金が適用されるので、「10時間を5千円で…」はアウトです。

わからなければ税理士に相談も

兼業農家ではじめて確定申告を行う際は何かと疑問点が出てくるでしょう。その場合は税理士に相談するのも一つの手です。

経費計上一つとってもやり方次第で節税効果が変わります。誤った計上で納税額が上がることは避けたいもの。税理士に相談すれば的確なアドバイスを得られ作業もはかどります。

弊社が運営するWebサービス『比較ビズ』では、農業所得の申告に詳しい税理士事務所が多数登録しています。

登録している税理士事務所から絞り込み検索がかけられるため、自分に合った税理士に相談が可能。また、一度に複数の事務所に相談できるため、様々なアドバイスも得られます。

兼業農家は本業の仕事もあるため、何かと時間がありません。『比較ビズ』はいつでも無料で利用できるため、時間の有効活用の一つとして利用してみてはいかがでしょうか。

比較ビズへ掲載しませんか?

確定申告の費用・相場に関連する記事

確定申告に関連する記事

税理士・公認会計士に関連する記事

カテゴリ一覧

人気記事

確定申告の最新記事

確定申告の相談はこちら

一括見積もりで発注業務がラクラク!

  • 無料一括見積もりで募集開始
  • 複数の業者・専門家から提案が入る
  • ピッタリの一社を見つけよう

不透明な見積もりを可視化できる「比較ビズ」

比較ビズは「お仕事を依頼したい人と受けたい人を繋ぐ」ビジネスマッチングサービスです。
日本最大級の掲載企業・発注会員数を誇り、今年で運営15年目となります。
比較ビズでは失敗できない発注業務を全力で支援します。

日々の営業活動で
こんなお悩みはありませんか?

営業活動でよくある悩み

そのお悩み比較ビズが解決します!

詳しくはこちら
お電話での見積もりはこちら