未成年の相続人がいたら?大人たちが注意すべきポイント3選

更新日:2021年12月06日 発注カテゴリ: 相続・事業承継対策
中央みらい会計事務所
監修者
代表税理士 奥村 和仁
未成年の相続人がいたら?大人たちが注意すべきポイント3選

相続人の中に未成年者がいた場合、遺産相続はどのように進めれば良いのでしょうか。子どもが未成年のときに親が亡くなってしまうケースも少なくありません。そこで今回は未成年の相続人がいた場合に必要になる手続きや注意事項をカンタンに解説していきます。相続を円滑に進めたい方や遺族間でトラブルを抱えたくない方は必見です。

相続人の中に未成年者がいたら代理人が必須

遺産相続が発生したときに相続人の中に未成年がいる場合には代理人を立てる必要があります。

未成年はさまざまな形で保護されている一方、権利が制限されている面もあります。これは法律上で十分な判断能力がまだ備わっていないと判断されているからです。

遺産相続の面でもこの点は同じで、遺産分割協議においては法律上の手続きなどを行っていく際には本人単独ではできずに代理人を立てなければならないのです。

遺産分割協議で代理人が必要になる

未成年の遺産相続における最大のポイントとなるのが遺産分割協議でしょう。法律上、未成年の相続人は遺産相続協議に参加ができないからです。そのため、本人の意志が尊重されないまま協議が進んでしまう恐れがあります。

とくに相続人の間で遺産相続のトラブルが起こりやすい状況では、未成年だからと侮られてしまい、不利な形でどんどん協議が進められてしまう恐れが出てきます。

それを防ぎ、相続人のひとりとしてきちんと権利を主張し、受け取るべき遺産を受け取れる環境を作るためにも代理人を立てる必要があるのです。

ただし、この代理人はあくまで利害関係が生じない人物がなることが条件。親が代理人になることもできますが、親子間で相続の利害関係が衝突する場合にはなることができません。

親が代理人になれないケースは「特別代理人」が必要

このような親(親権者)が未成年の相続人の代理人になるのに相応しくない環境の場合には特別代理人を選任することになります。

その名前の通り未成年の相続のために特別に選ばれた代理人のことで、この人物が未成年の相続人の信任を受ける形で本人に代わって遺産分割協議に参加する形になります。

特別代理人になれる人

原則として特別代理人になるのに特別な条件は必要ありません。先ほど挙げた遺産相続において利害関係が生じる親族以外の成人なら誰でもなることができます。

ただだからといって気軽に依頼するわけにはいきません。本人の代理として遺産分割協議に参加するわけですから、代理人は遺産相続の内容を知るだけでなく、親族内の関係や財産の状況などを詳しく知ることになります。

そうした面を知られても問題がなく、なおかつ人間的にも代理人としての能力的にも信頼できる人物であることが求められるわけです。

難しいのは利害関係がない成人を選ぶことでしょう。未成年の大事な役割を託せる成人の知り合いがどれだけいるか?となるとなかなか難しいのが現実です。

かといって親族の友人・知人を選ぶ場合、その親族の意に適うな形で遺産分割協議が勧められてしまう可能性も出てきます。そのため、一般的には利害関係が生じず信頼できる親族に依頼するのがもっとも適しているといわれています。

遺産相続に直接関わらず、親族の間で中立的な立場で未成年の代理人を勤めることができる人を選ぶことになるでしょう。その際には必ずしも血縁関係を重視する必要はなく、姻戚関係のなかから信頼できる人物を選ぶ方法もあります。

注意したいのはあくまで未成年の意志を尊重したうえで代理人を選ぶことでしょう。例えば親が未成年の意志を無視して勝手に代理人を選んで本人が断れないような状況にするといったことは避けなければなりません。

未成年者の特別代理人を選任する際は手続きが必要

相応しい立場で信頼できる人物なら誰でも特別代理人に選ぶことができるわけですが、それだけにきちんとした手続きを踏む必要があります。

その際には本人ではなく未成年の相続人の親権者が家庭裁判所に申立てを行って認めてもらう形をとります。この点からも特別代理人の選任は未成年本人と親権者との話し合いと合意のもとで選んでいくことが重要なことがうかがえます。

そのため親子で相続における利害関係が対立する場合にはそもそも特別代理人の選任の段階でトラブルが起こってしまう問題も秘めているのです。申立ての際には以下の書類を用意します。

  • 特別代理人選任申立書
  • 未成年の相続人の戸籍謄本
  • 親権者の戸籍謄本
  • 特別代理人の候補者の住民票か戸籍附表
  • 遺産分割協議書の案
  • 連絡に使用するための切手

特別代理人選任申立書には800円分の収入印紙を貼り付けたうえで提出する必要があります。かかる費用といえばそれと住民票などの取得に必要な諸費用程度でしょう。

とくに費用に関しては大きな負担は必要ないことになります。また、親権者の戸籍謄本に関しては未成年の相続人と同じ住所の場合には別途に用意しなくても大丈夫です。

そして忘れてはならないのが遺産分割協議書の案です。家庭裁判所ではこの特別代理人の選任の申立てが正当なものかどうか、選任を認めるべきかどうかを主に遺産分割協議書の内容から判断します。

前述の通り、法律上遺産分割協議への参加が認められていない未成年の場合、協議からはじき出される形で不利な状況に追い込まる恐れがあります。

  • 特別代理人を選ぶ前の段階でそうした状況に陥っていないか
  • その代理人の候補が親権者をはじめとした相続人の利益のために選ばれていないか

これらについて遺産分割協議書の内容で判断するわけです。

この点からわかるのは遺産分割協議をはじめる前に特別代理人を選任して協議に参加するのではなく、ある程度遺産分割の内容が話し合いで決められたうえで選び、代理人の参加の元で正式な形で正式な分割協議を行っていく傾向が見られることです。

それだけに事前の分割の話し合いの段階で未成年の相続人に不利な内容になっていないかどうかが細かくチェックされる形になるわけです。

こうして特別代理人が認められると選ばれた人物が正式な遺産分割協議に参加し、最終的に遺産分割協議書に署名・捺印する形になります。

そしてその後の財産の名義変更、相続手続きなども本人に代わって行っていきます。

未成年の相続が利用できる節税対策は「未成年相続者控除」

相続した財産には相続税が発生します。これはもちろん未成年が相続した財産も例外ではなく、未成年が相続税を支払う形となります。しかし未成年には収入がないこともありますし、養育費など今後社会人になるためにお金が必要になる環境です。

そのため、未成年を対象にした一定の額を相続税から控除する未成年控除という制度が設けられています。例えば未成年の相続人が土地を相続した場合、その土地の価値から課税された相続税を納付しなければならなくなります。

とは言え、未成年の場合は納税に充てる資産がなく、土地を手放したうえで相続税を納付しなければならないケースも出てきます。こうした不利な状況を防ぐためにも未成年控除が大きな意味を持っているのです。

未成年者控除の利用条件

この未成年控除は本人が満20歳になるまでの年数に10万円をかけた金額に設定されます。例えば満12歳で相続人になった場合には「10×8=80万円」となるわけです。

なお、この制度が認められるには20歳未満であることはもちろん、日本に住所があること、法定相続人であることが条件となります。

ですから被相続人の遺志と遺言によって法定相続人ではない孫が相続した場合にはこの制度は適用されないので注意が必要です。

まとめ

このように相続人の中に未成年がいる場合には特別代理人を立てたうえで遺産分割協議に参加するのが一般的です。

そのためにも信頼できる代理人を選ぶこと、親権者が家庭裁判所に申立てを認めてもらえるようきちんとした手続きを行うが必須です。

未成年の相続人としての権利が守られるためにも、まわりの大人がしっかりと責任を果たす必要があるともいえるでしょう。

ただしそんな大人たちも遺産相続に関して詳しいワケではありません。そのため、相続問題に詳しい専門家に相談するが無難です。

専門家のアドバイスをもと、特別代理人を立てる手続きを行なったほうがトラブルが少なくなるでしょう。

なお、弊社が運営するマッチングサイト『比較ビズ』では相続問題に詳しい専門家が数多く登録しています。

Web上の入力フォームに相談事項を入れるだけで、無料で複数の専門家に相談することが可能です。自分で探す手間も省けるため、一度ご利用してみてはいかがでしょうか。

監修者の一言

未成年の相続人がいる場合は、家庭裁判所に申し立てを行い、特別代理人の選任を行ってもらう必要が出てきます。しかも、その際、申し立て時に遺産分割協議書の案が求められますので、誰に特別代理人を頼むかの検討と並行して、未成年の相続人のこともしっかり考えた遺産分割案を考えていかなければなりません。

特に、相続税の申告の必要がある場合には、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内が申告期限となりますので、遺産分割の再協議のことも念頭に置いたタイムスケジュールが必要になってきます。放置していると時間はあっという間に過ぎてしまいますので、計画的に相続人間での話し合いの場を持つことや、特別代理人候補者をピックアップすることなどが重要となってきます。

中央みらい会計事務所
代表税理士 奥村 和仁
監修者

昭和50年生まれ 大分県生まれ 埼玉県さいたま市西区在住個人の税理士事務所での勤務5年、税理士法人での勤務7年を経て、平成25年2月に独立。埼玉県さいたま市で中小企業・個人事業主の新規設立から経営コンサルまで、クライアントのニーズに合わせたトータルサポートを実践している。最近では、事務所のIT化にも積極的に取り組み、ZOOMを使ったオンライン顧問サービスを始動し、クライアントは全国に。

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