滅失登記費用の相場は?自分でもできる?やり方を分かりやすく解説

最終更新日:2024年01月24日
こしだ司法書士事務所
監修者
司法書士 越田一希
滅失登記費用の相場は?自分でもできる?やり方を分かりやすく解説
この記事で解決できるお悩み
  • 建物滅失登記を依頼したときの費用相場は?
  • 建物滅失登記は自分でもできる?
  • 建物滅失登記に必要な書類や手続きの方法は?

「建物滅失登記とは?」「申請費用はいくら?」とお悩みの方、必見です。建物が解体をはじめとする理由でなくなったとき、工事完了から1カ月以内に建物滅失登記を申請しなければなりません。

申請は自分でもできますが、土地家屋調査士や司法書士など専門家への依頼が確実です。この記事では、建物滅失登記に必要な費用や申請方法を解説します。

最後まで読むことで建物滅失登記の概要や申請時の注意点、申請代行の費用を抑える方法がわかります。

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建物滅失登記の費用

家 設計図

建物滅失登記とは、土地・建物などの不動産がどのような状態なのか、不動産を誰が所有しているのかを管轄の法務局に登記(登録)する手続きのことです。士業の専門家に依頼する認識を持つ方が多いですが、建物の所有者が自ら建物滅失登記をすることもできます。

自ら滅失登記しても代行を依頼しても、必要になる書類や手続きの流れはほぼ同じです。かかる費用は異なるため、下記3つの場合の費用をそれぞれ解説していきます。

  • 建物の所有者が滅失登記する場合
  • 土地家屋調査士に依頼する場合
  • 建物・土地の状況によって追加費用が必要な場合

建物の所有者が滅失登記する場合

建物の所有者が自ら建物滅失登記する場合の費用は1,000円〜3,000円です。具体的には、登記事項証明書および図面が約1,000円程度で法務局にて取得ができ、ほかは交通費やコピー代などの実費です。

法務局での登記記録調査も含め、必要な書類収集や作成に時間も手間もかかります。役所でしか手続きを進められないため、仕事をしている方はかなりの時間と手間がかかってしまうでしょう。

土地家屋調査士に依頼する場合

建物滅失登記を土地家屋調査士に依頼する場合、必要書類の取得や報酬も含めた費用が約5万円前後です。地域によって差異はありますが、一般的な2階建て木造住宅および物置を滅失登記した場合の全国平均は47,022円です。

土地家屋調査士への報酬には、登記記録の調査、必要書類の収集・作成、申請手数料を含む一連の手続きが含まれています。依頼する側の建物所有者は、委任状や手元にある書類を渡すだけのため簡単です。

エリア別の相場については下記の図をご覧ください。

地域・エリア 建物滅失登記報酬の
最低値
建物滅失登記報酬の
平均値
建物滅失登記報酬の
最高値
東京 26,700円 48,267円 86,780円
神奈川 30,000円 45,036円 67,790円
愛知 30,000円 48,631円 80,000円
大阪 21,000円 50,436円 90,000円
福岡 27,430円 48,788円 67,520円

参照元:日本土地家屋調査士連合会「令和元年度 土地家屋調査士業務報酬に関する調査」

建物・土地の状況によって追加費用が必要な場合

登記上の土地・建物と実際の土地・建物で状況が異なる場合、通常の滅失登記報酬とは別に、追加費用がかかることがあります。具体的には以下のようなケースが考えられます。

  • 相続した建物の滅失登記が必要になった
  • 借地に建てた建物の滅失登記が必要になった
  • 合筆・分筆などによって住所が変更されている建物を滅失登記する

相続人が建物滅失登記する場合は、亡くなった方の戸籍謄本や除籍謄本などの調査・書類取得が必要です。合筆・分筆や借地上の建物の場合は、滅失登記に必要な調査の幅が広がるためおおむね1〜2万円程度、相続の場合は3〜4万円程度の追加費用がかかります。

建物滅失登記は自分でもできる?誰に依頼する?

建物滅失登記の代行を依頼する場合は土地家屋調査士への依頼が必要です。不動産登記に関連する業務を誰に依頼できるのかを理解しておくためにも、簡単に不動産登記の基本を解説します。

自分で行うのは難しい

建物滅失登記を自分で行うのは難しいです。家の解体後1ヶ月以内に法務局を訪れる必要があり、記簿謄本・公図・地積測量図・建物図面といった複数の必要書類をすべて自分で集める必要があるからです。

やり方も1から調べる必要があるため、日中に仕事をしている会社員の方にとってはかなりの労力になります。管轄の法務局までの交通費や印刷手数料といった細々とした費用もかかります。

不動産登記の表題部・権利部とは

登記された不動産情報は「不動産登記簿(登記記録)」として記録・保管されます。不動産登記簿に記録された土地・建物の情報のうち、不動産の状態を登記する区分を「表題部」不動産の所有者を登記する区分を「権利部」といいます。

不動産登記簿の区分 登記される内容
表題部(土地) 土地の目的(地目)、所在、地番、面積(地積)、登記日など
表題部(建物) 建物の目的(種類)、所在、家屋番号、構造、床面積、登記日など
権利部(甲区) 所有者の氏名・住所、権利者が複数の場合の持分など
権利部(乙区) 住宅ローンなどの抵当権を登記する区分

表題部は土地家屋調査士に依頼できる

不動産登記簿に登記される表題部・権利部のうち、土地を含めた表題部の登記(表題登記)の代行や、表題部(建物)に属する建物滅失登記を代行できるのは土地家屋調査士のみです。

表題部について

土地・建物に関する物質的な状況を示した表示登記が記載されている部分のことをいいます。表題部には「所在」「地番」「地目」「地積」「原因」「所有者」が記載されており、付属の建物についても同じ情報が記載されています。

権利部は司法書士に依頼できる

表題部(表題登記)を代行できるのは土地家屋調査士ですが、権利部の登記を代行するのは司法書士です。司法書士が代行できる権利部の登記には、以下のようなものがあります。

司法書士に依頼できる権利部の登記 概要
所有権保存登記 建物を新築した場合に登記
所有権移転登記 土地・建物を購入した場合に登記
抵当権設定登記 住宅ローンなど融資をうけたときに登記
登記名義人住所変更登記 所有権移転(保存)登記の時に登記簿に記載されている住所地から変更があった場合に登記
抵当権抹消登記 住宅ローンなどを完済したときに登記

権利部について

一個の建物の登記情報に記載される、所有権・地上権・貸借権・抵当権など、権利部分に関する状況を示した部分のことです。2004年の不動産登記法の全面改正によって新しく設けられました。

所有者が建物滅失登記する際の必要書類

会議する ビジネスマン

登記費用を少しでも抑えたい方は、自分自身で滅失登記へチャレンジすることを検討しているのではないでしょうか。

建物滅失登記に必要な書類を紹介していきます。

  • 不動産登記事項証明書・建物設計図
  • 建物滅失登記申請書・地図
  • 建物取毀(とりこわし)証明書・解体業者証明書・印鑑証明書
  • 建物滅失証明書
  • 所有者の戸籍謄本など(相続の場合)

不動産登記事項証明書・建物設計図

入手しておくべき必要書類は、不動産登記事項証明書および建物設計図です。必要になる登記簿は「全部事項証明書」、図面は「建物図面」「各階平面図」となり、どちらも建物を管轄する法務局から入手可能です。

不動産登記事項証明書・建物設計図を入手した時点で、所有者の氏名・住所、抵当権の有無、建物の位置関係や各階の形状が現状と異なっていないか、確認しておきましょう。

建物滅失登記申請書・地図

法務局に建物滅失登記を届け出るための申請書となるのが「建物滅失登記申請書」です。記載する内容は、滅失の理由のほか、構造・床面積を含む対象建物の情報となるため、あらかじめ不動産登記事項証明書を入手しておくことがおすすめです。

建物滅失登記申請書は、法務局のホームページからダウンロード可能です。
(法務局 不動産登記の申請書様式について)

建物滅失登記申請書には、登記官が現地確認するための地図も添付する必要があります。Googleマップを活用し、プリントアウトした用紙にマーキングしておけば問題ありません。縮尺を住宅地図に合わせるため、1,500分の1もしくは3,000分の1に設定しておきましょう。

建物取毀(とりこわし)証明書・解体業者証明書・印鑑証明書

建物が滅失したことを証明するために必要なのが「建物取毀証明書」「解体業者証明書」「印鑑証明書」です。どの書類も建物解体を依頼する施工業者から解体後に受け取るものです。記載内容を確認して保管し、法務局へ提出するためにコピーを用意しておきます。

所有者の戸籍謄本など(相続の場合)

相続した建物を滅失登記する場合は、所有者・申請者の戸籍謄本などを申請書に添付する必要があります。具体的には、所有者の戸籍が残っていれば所有者の戸籍謄本、戸籍にだれもいない場合は除籍謄本を用意します。

申請者の戸籍が所有者と異なる場合は、相続人であることを証明するために申請者の戸籍謄本も必要です。所有者の住民票除票、または戸籍の附票が必要になる場合もあります。

建物滅失登記の手続きのやり方

対象となる建物の登記情報調査、必要書類の収集・作成が完了したら、建物滅失登記手続きを進めていきます。必要書類が揃っていれば手続き自体は難しいことではありません。以下から簡単に解説します。

管轄の法務局に書類を提出・郵送

建物滅失登記に必要な書類をまとめ、対象建物を管轄する法務局に提出、あるいは郵送します。郵送は時間に縛られないため非常に便利ですが、訂正箇所がある場合は法務局に出向かなければなりません。

法務局に訪れて書類を提出する際は、原則として提出のみで終わることがありません。事前予約制にはなりますが、あらかじめ法務局の登記官に書類に関して相談しましょう。不備がないように準備することができるため、利用するのもひとつの手です。

法務局で登記完了証を受け取る

必要書類を法務局の窓口に提出した場合は、窓口に「不動産登記が完了される予定日」が表示されています。予定日以降に窓口まで出向き、登記完了証を受け取って完了です。

完了予定日以降から3か月以内に登記完了証を受け取る必要があること、窓口で登記完了証を受け取る際に、建物滅失登記申請時に使用した印鑑が必要であることは覚えておきましょう。

建物滅失登記で注意しておきたいポイント

指差しで注意イメージ 確認ヨシ!

建物滅失登記は「不動産登記法」で定められた義務であり、建物の所有者の責任において手続きしなければなりません。建物滅失登記は1か月以内と定められているため、建物を解体したにもかかわらず申請を怠っていると、10万円以下の過料が科せられる場合もあります。

建物滅失登記で注意しておきたいポイントは主に3つです。

  • 滅失登記を怠ると建築許可が取れない
  • 滅失登記を怠ると土地を売却できない
  • 滅失登記を怠ると税金がかかり続ける

滅失登記を怠ると建築許可が取れない

登記上の建物が残っている状態になるため、新たに建物を建てようとしても建築許可が取れません。住宅をはじめとした建物の建築には、自治体への建築確認申請が必要ですが、滅失登記されていないと建築に不適格だと審査されてしまうためです。

滅失登記を怠ると土地を売却できない

建築許可が取れないのと同じ理由で土地の売却もできません。建物を取り壊して更地にするからには、新たな住宅・建物を新築する、あるいは土地を売却するなどの目的があります。滅失登記を怠ることでどちらの目的も達成できなくなります。

滅失登記を怠ると税金がかかり続ける

本来ないはずの建物に対する税金がかかり続けます。具体的には、固定資産税および、地域・エリアによっては都市計画税が毎年課税されてしまうため注意が必要です。固定資産税・都市計画税は、1月1日の登記を根拠としているため、滅失登記しない限り継続して課税されてしまうのです。

建物滅失登記の依頼を安く済ませる方法

難解な用語の必要書類が並んでいるだけあって、滅失登記は難しいというイメージを持っている方も多いでしょう。「できれば安く専門家に依頼したい」と考えている方向けに、なるべく安く依頼を済ませる方法を2つ紹介します。

  • 法務局の事前調査は自分で行う
  • 複数の土地家屋調査士や司法書士に見積もりをもらう

法務局の事前調査は自分で行う

安く済ませるために最初に行うべきなのは「事前調査を自分でやること」です。具体的には登記情報の取得や、公図の取得、申請書類の提出と受領が挙げられます。

土地家屋調査士に依頼する場合、依頼内容の内訳は一般的には事前調査費・現地調査費・申請書類作成費、書類の提出と受領の4つに分けられます。自分で最初の段階を済ませることによって、通常は数万円かかるところを格安にできます。

複数の土地家屋調査士や司法書士に見積もりをもらう

複数人の土地家屋調査士・司法書士に見積もりをもらいましょう。特に滅失登記の費用について、何も知識がない状態からいきなり専門家に依頼をする場合、平均相場よりもかけ離れた額を請求されてしまうリスクがあります。

自分の手が届く範囲で、複数の専門家に見積もりの相談を行い、信頼できる相手を探すことが必要です。

まとめ

建物滅失登記にかかる費用を紹介するとともに、依頼できる専門家や、自分自身で手続きする際の流れ・必要書類・注意点などを解説してきました。

シンプルな建物滅失登記であれば、所有者自らが手続きすることも可能です。専門家に任せるのであれば、複数の専門家に相談し「見積もりが明確か?」「説明がわかりやすいか?」をポイントに絞り込んでいくといいでしょう。

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監修者の一言

建物滅失登記そのものは、お時間のある方であれば法務局での予約制度などを活用してご自身で完了させることが十分可能です。ただそれは、「イレギュラーな問題が発生していないこと」という条件が大前提になってきます。

登記簿上の所有者が亡くなられているのであれば相続関係を確定させるために「被相続人」「相続人」の戸籍謄本・除籍謄本のうち必要なものすべてを収集する必要があります。

また、抵当権設定登記のように所有権以外の登記が残っているのであれば、金融機関等に事前にお伺いをしておかなければ後々問題が発覚し違約金が発生するといった事態に発展する恐れもあります。

そういった「イレギュラーを見つけトラブルが発生することを未然に防ぐ」という事が土地家屋調査士等の専門家に依頼する大きなメリットだと考えたうえで、ご自身で登記を行うかどうかをご判断ください。

そして登記そのものを依頼するかどうかは別として、少なくとも一度はそういった専門家に相談されることは強くお勧めいたします。

こしだ司法書士事務所
司法書士 越田一希
監修者

1984年京都市生まれ。不動産・相続・会社の「登記」に必要な手続きを代理する専門家であり、若手ならではのフットワークの軽さと様々な職業経験で培った対応力を持つ法務大臣認定司法書士。自身が法律知識ゼロで資格学習を開始した経験から法律の適用や用語の難しさを理解しており、平易でわかりやすい説明を心がけており評価を得ている。

比較ビズ編集部
執筆者
比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。
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