社会保険労務士法人アセラ

企業の要は人材です。しかし他の「財務管理」や「商品管理」と違って残念ながら費用対効果が直ちに目に見えてこないという特徴が「労務」の部署です。労務管理の効果は5年10年という長期間にその効果が表れます。企業は継続することで、取引先・従業員・その他の関係先に責任を果たしていくことができます。数十年前から日本的な労務管理である「年功序列」「終身雇用」「年功賃金」等の弊害ばかりが強調され、欧米で主流の「成果型報酬」「能力主義」の導入が盛んに叫ばれ中小企業の経営者の中でも「乗り遅れまい」とする傾向が顕著になっています。しかしその導入で企業の業績が向上するほど、企業経営は安易で、単純なものではありません。企業は人間の集団である限り、どんな形式的な経営理念、制度、政策でもそれを運用、実践していくのはあくまでも人です。したがって当然経営管理の中核には、「人の管理」を考え第一義的に対策を講じるべきではないでしょうか。
経営に限らず、家庭でも、国、学校等すべての組織に共通する、人を動かす(人が動く)には
1.経営者の人柄、経営理念、将来への展望、計画、リーダーシップに周囲が共鳴することで。
2.利を与えることで。(賃金の昇給・昇格等)
3.脅すことで。(解雇・停職・賃金のカット等の懲罰)
行動します。しかし2.の場合は利だけではすべての人が行動するとは限りません。3.も同様に居直りという逆効果の結果を招く場合もあり、経営者の指示行動に踏み切る効果が全くありません。

以上のことから当所では、経営者の人柄を見極めその経営理念・経営計画・展望の中核に「人の募集」「人の採用」「人の教育」「人に関する制度」「退職」「定年」を労務管理の要諦にすることを念願にしています。ゴ—イングコンサ―ンは先ず「人」の採用、活用、教育、育成です。

企業の経営は、数百ペ―ジの「経営改善報告書」や書物等で課題が解決するほど単純なものではありません。